新星は地に落ちたか?


結論から言えば、私は落ちたと思ってます。厳密に言うならば、サイバーパンクと言うジャンルそのものが、くすんできているように思えます。と言うのも、サイバーパンクの魅力の一つに、現代から数歩先の未来科学と言うモノがあります。2004年段階で、ギブスンが未来のガジェットとして出したモノが、どんどん開発され、実用化されています。

空想に現実が追いついてしまった。それが、N◎VAの輝きをくすませている要因の一つだと思います。

が、それは要因の一つであって、決定打ではないと思います。

決定打は、ルールブック出しすぎ。まぁ、ルールブック出さないと儲けにならないと言うのも分かりますけれど・・・レボリューション以降の刊行ペースはどうなんかなぁと。

また、ワールド設定が大きく変わったのも難点かなぁ。レボリューションで日本軍が統治に当たるようになって、魅力激減したと感じている一人です、私は。日本軍という圧倒的な国家権力の流入は、自由都市という無限に近い広がりのあったプレイグラウンドを、刑務所の中庭にされた気がしてねぇ。

公式のシナリオ集、ブラックボックスを反映させて、ワールド設定を変えたというのは新しい試みではあると思うのですけど・・・公式といえども、シナリオなんてねのは、パラレルの世界ですから、それを反映してしまうと・・・シナリオの結末も各テーブルで微妙に異なったハズですし・・・

それとも、ワールド設定の変更ありきで、それをつなぐシナリオとして、ブラックボックスが作成されたのでしょうかねぇ?

ルール的にもセカンドエディションが一番好きですね。一番、まとまりがあって、クルードとテクニカルをプレイヤーレベルによって、配合を変更できるというのも良かった。バサラやマヤカシの能力説明も読み物としても面白かったし…私のような濃い人間が面白いと思うことは、一般の人には理解の対象外だったのかも知れませんが・・・特にマヤカシの能力は簡便化されていきますし。

映画『JM』の頃には、一般には全く理解されなかったサイバースペースの概念も、映画マトリックスのおかげで認識できる人も増えたので、サイバーパンクには追い風なんですけど・・・やはり、現実の科学も、社会情勢もサイバーパンクの世界に追いついてしまった感があるので、現実感を持つと、魅力は失せてしまう。

レボリューションの改訂版から、N◎VAも第四版になって、愛想が尽きたというか、魅力を感じなくなったと言うか。

未だに、映画を見ながら、この主人公のスタイルはなんだろうとか考えたりするのですけどね。



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