【あ】
圧力中心 CP: Center of Pressure
モデルロケット本体(胴体)やフィンによって作用する全ての空気圧力による中心点.物体の全ての質量は重心にに集中すると仮定できるように,空気圧力が集中すると仮定して扱う.簡易的にはロケットの側面面積の中心を圧力中心として算出できる.「カードボード・メソッド」参照.
イグナイター Igniter
モデルロケットエンジンを電気的に点火するための部品.ニクロム線の先端に少量の火薬がつけられている.
糸川英夫(いとかわ ひでお)
(1913〜1999) 日本のロケット研究の草分け.第二次世界大戦中は戦闘機「隼」を設計し,戦後,日本初のペンシルロケット打ち上げに成功させ,日本のロケット研究・開発を推進した.
ウエザーコック(風見効果) Weather Cock
モデルロケットが横風の影響を受け,風上方向に向かって飛行すること.
延時薬 Delay Element
延時薬はモデルロケットエンジンの推進薬の燃焼が終了した後,放出薬に点火されるまでの時間を制御しする.この時ロケットは最高点へ達するまで慣性で更に上昇し,航跡煙を出す.
エンジンコード Engine Classification
モデルロケットエンジンに印刷されている「A8−3」等のエンジンの能力を示すコード.最初のアルファベットは最大のトータルインパルス(ニュートン・秒)を表わし,Aは1.26〜2.50Ns,Bは2.51〜5.00Ns,Cは5.01〜10.00Ns...となる.次の数字は平均推力(ニュートン)を表わし,最後の数字は延時時間(秒)を表わす.
例えば「A8−3」の場合,最大トータルインパルス2.5Ns,平均推力8N,延時時間3秒となる.
エンジンフック Engine Hook
モデルロケットエンジンがエンジンホルダーから脱落しないよう固定するフック.モデルロケットの部品の中で数少ない金属製の部品.
エンジンホルダー Engine Holder
モデルロケットエンジンをロケット本体に固定するための紙製の筒.エンジンホルダーの内径はエンジンがぴったり入る大きさでなければいけない.
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オッドロック Odd roc おもしろロケット.意表をつく仕掛けなどを搭載して打上げ,観客をびっくりさせる.千夜一夜物語の大怪鳥rocにひっかけてある.「おどろく」ではない. |
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これもOdd Roc? R2−D2タイプのモデルロケットとその飛翔(ちゃんと飛んでいます) |
【か】
カードボード・メソッド
回収装置 Recovery System
慣性飛行 Coasting Flight
モデルロケットの側面面積の中心を圧力中心とする簡易的方法.ロケットの外形を厚紙で切り抜き,その重心を圧力中心とみなす.「圧力中心」参照.
打ち上げたロケットを安全に地上に回収するための装置.パラシュート,ストリーマー,グライダー,フェザーウェイト,タンブル,ヘリコプターなどの種類がある.
到達速度の慣性で飛行している状態.モデルロケットエンジンは推力は発生していないが,ロケットは慣性により飛行する.
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クラスター Cluster 束ね式あるいは並列式のこと.複数のエンジンを束ねて同時に点火して使用するもので,推力を増してより重いロケットを打上げたい場合に使用する. |
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クラスターロケットといえばボストーク |
高度競技 Altitude Competition
同じトータルインパルスのモデルロケットエンジンでより高い到達高度を競う競技.
抗力 Drag
ロケットが飛ぶときの空気の流れによって生じる力のうち,ロケットの進行方向に対し逆方向に働く力.ロケットの速度を低下させる.
黒色火薬 Black Powder
炭素,硫黄,硝酸の混合物で,モデルロケットエンジンの主材料.
コンポジット推薬 Composite Propellant
固体酸化剤の粉末,アルミニュームなどの助燃剤と燃料になる樹脂を混合して固めたロケット推進剤.ハイパワーロケットなどに使われる.
硬着陸
減速回収装置が作動しない状態での着地.たいていの場合ロケットが破損する.「墜落」参照.
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スケールモデル Scale Model 実物ロケットを緻密に模したモデルロケット.緻密な調査と作業によるマーキングやカラーリング等の細部の仕上げも必要であり,更に安全な飛行と回収が必要なので,上級者向けと言える. |
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スタートレック エンタープライズ号とクリンゴン戦艦のスケールモデル |
ストリーマー Streamer
回収装置の一種.リボン状の薄い膜を放出して,モデルロケットをゆっくり安全に降下させる.軽量なロケットにのみ使用する.
スペーサー Spacer
フレームディフレクターとエンジンノズルとの間の間隔を取るための部品.洗濯バサミで代用することが多い.
セーフティーキャップ Safety Cap
目や顔を怪我から防ぐためランチロッド先端にかぶせるキャップ.モデルロケットを打上げる時以外は必ずランチロッド先端にかぶせること.セーフティーキーにつないで使用する.
セーフティーキー Safety Key
誤って点火装置回路に電流が流れないようにするための安全キー.発射コントローラーはセーフティーキーを差し込まないと点火回路に電流が流れない様になっている.セーフティーキャップにつないで使用する.
誠文堂新光社
雑誌「天文ガイド」や「子供の科学」等,天文・科学関係の書籍を数多く発行している出版社.
何故か「飛ばせ!手作りロケット」「手作りロケット完全マニュアル」等のモデルロケットに関する書籍を発行してくれている奇特な出版社でもある.昔,タイガーロケッティの本を出版したこともあるらしい.
→http://www.seibundo-net.co.jp/
【た】
滞空時間競技 Duration Competition
タイムディレイ(延時時間) Time Delay
墜落
定点着地競技 Spot Landing Competition
同じトータルインパルスのモデルロケットエンジンで打上げから着陸までの時間の長さを競う競技.
推進薬の燃焼が終了したあと放出薬に点火し,回収装置が作動されるまでの時間.延時薬の燃焼時間になる.
観衆,製作者,打ち上げ関係者の血圧と脈拍を著しく上げて寿命を縮める現象.震え,発汗,「アー,ギャー,うそー」などの絶叫,クッスン涙を誘発する事もある.「硬着陸」参照.
同じ発射点から打ち上げ,定められた地点にどれだけ近く着陸させるかを競う競技.
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手作りロケット完全マニュアル モデルロケットを極めるための理論や計算方法,中・上級者向けの製作,打上げテクニック,ノウハウ等がぎっしり詰まっている書籍.値段の割に重い. 久下洋一著 誠文堂新光社発行 B5版276頁 ISBN 4-416-30000-X 3,000円+税 |
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手作りロケット完全マニュアル |
導通ランプ
セーフティーキーを発射コントローラーに差し込むとランプが点灯し,点火回路が正常であることを表示する.点灯していればいつでもモデルロケットの打上げができる.
到達速度 Burnout Velocity
全ての推進薬を使いきったときロケットが得た速度で,到達速度はロケットの最高速度.
トータルインパルス(全力積) Total Impulse
モデルロケットエンジンの総出力.推進力を時間で積分したもので,単位はニュートン秒(Ns)で表わされる.
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飛ばせ!手作りロケット 日本モデルロケット協会編集のモデルロケット入門書.モデルロケットの基本,作り方,飛ばし方,ライセンスの取得方法等,モデルロケットの魅力が豊富なカラー写真と分かりやすい文章でたっぷり詰まっている.誠文堂新光社発行 B5版96頁 ISBN 4-416-39905-7 1,800円+税 |
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飛ばせ!手作りロケット |
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夏のロケット 川端裕人作,第15回サントリーミステリー大賞 優秀作品賞受賞作.5人のロケッティア達が高校時代の夢を捨て切れずに,火星を目指すために自分達でロケットを打上げようとする物語.「本物のロケットとは人間が乗るものである.たとえそれが人工衛星や惑星探査機を打ち上げるものであったとしても,人間が乗っていないのならば,それはやっぱりモデルロケットである.」という台詞が私は好きだ. この物語の登場人物は日本モデルロケット協会に出入りしている人々をモデルにしていると信じきっている人々が世の中にいる. 文藝春秋社より出版.ISBN 4-16-318020-6 |
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夏のロケット |
ニュートン Newton
推力を表わす国際単位.1ニュートンは,質量1Kgの物体に1m/秒/秒の加速度を生じさせる力になる.
二点方位角高度角測定法 Two Station Tracking
2人の測定者が同時にロケットを追跡する方法で,方位角と仰角から到達高度を測定する.1ヶ所の測定よりも正確な高度測定が可能である.
ノーズコーン Nose Cone
モデルロケットの先端の円錐状の部品.プラスチック,紙,バルサなどから作られ,飛行中の空気抗力を低減する形をしている.
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パラシュート Parachute 回収装置の一種.パラシュートの傘の部分は主に六角形の多角形の薄いビニールやポリエステル製.上空よりモデルロケットをゆっくり安全に降下させる. |
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上空よりパラシュートを開いて回収されるロケット |
発射コントローラー Launch Controller
モデルロケットを発射させる装置.導通ランプ,セーフティーキー差し込みポート,発射スイッチなどより構成されており,セーフティーキーを差し込まないと発射スイッチを押しても点火回路に電流が流れないようになっている.
発射スイッチ Launch Button
このスイッチを押すと点火回路に電流が流れ,イグナイターが発火してモデルロケットエンジンを点火させ,モデルロケットが打上げられる.
ピストンキックスターター
発射時に噴射ガスの圧力を利用した発射台.
ピッチ Pich
機体の進行方向横軸回りの回転運動.上下首振り運動.
フィン Fin
安定翼とも言う.モデルロケットが発射台を離れた後,真直ぐ飛行させるための紙,バルサ,プラスチック等で作られた安定板のこと.
フラストリング
モデルロケットエンジンがロケットから飛び出してしまわないよう,ストッパーとしてエンジンマウントの上部に取付ける部品.
フレームディフレクター Frame Deflector
火煙偏向板とも言う.発射台の部品でモデルロケットエンジンからの燃焼ガスを受け止め,地面や発射台を保護するための金属製の板.
フローティング
モデルロケットエンジンの中心孔奥にイグナイター発火部が接触せず,推進薬に着火できないこと.
ブースター Booster
ロケット発射の初期の段階で,加速専用に使われるロケット(一段目あるいは本体ロケットの周囲に取り付けられたクラスターロケット等)で推力増強用ロケットをブースターと呼ぶ.
ブーストグライダー Boost Glider
平均推力 Average Thrust
ペイロード Payload
滑空体をロケットで打上げる方式.ロケットに滑空機を積んで上空で切り離したり、上空で格納した主翼を展開して滑空したりする.ロケットに関する知識に加え,航空力学等の知識も必要になるため,難易度が高いと言える.「ロケットグライダー」参照.
トータルインパルスを燃焼持続時間で割ったもので,モデルロケットエンジンの平均的な推力.
ロケットによって上空へ運ばれる搭載物.
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ペットボトルロケット Water Rocket 水ロケット.圧縮空気と水を使って飛ぶロケット.炭酸用ペットボトルから作成する. |
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典型的なペットボトルロケット |
ペーネミュンデ Pernemunde(uはuウムラウト)
旧東ドイツのPeene川河口付近にある小さな町.かつて,第二次世界大戦中に「ペーネミュンデ研究所」があり,西側で空軍が新型航空機開発,東側で陸軍がロケットの研究を行っていた.フォン・ブラウンがここでロケットの研究を行いV1,V2を開発した.
ペーネミュンデ時間 Pernemunde zeit
かつて,フォン・ブラウンのロケット研究チームが,打上げを待つじりじりと緊張した時間のことを「ペーネミュンデ時間」と呼んだそうな.日本語に訳せば「道川時間」.
ベースライン Base Line
モデルロケットの到達高度を測定する際,1ヶ所もしくは2ヶ所に追跡ステーションを設ける.この追跡ステーションと打上げ地点を結んだ直線のこと.
放出薬 Ejection Charge
モデルロケットエンジンの延時薬の燃焼が終了した後,放出薬が燃焼するとエンジンはイジェクションを行なう.このガスによりロケットのノーズコーンが外れ,パラシュートなどの回収装置がロケット本体より放出される.
ボートテイル Boat Tail
空気抵抗を小さくするためにボディの末端を滑らかな角度で絞ること.
ボディーチューブ Body Tube
モデルロケット本体の紙製の筒.NASAの技術が応用されているという噂があるが,定かではない.モデルロケットエンジン,回収装置など主要な装置を収めるロケットの主構造体部分.
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道川海岸 1955年ペンシルロケットを東京大学生産技術研究所の糸川教授らによって初めて上空に向けて打上げられた場所.1955年から1962年まで道川海岸は日本のロケット技術を育てる温床であった.現在では毎年夏に秋田県岩城町主催で地元小学生のモデルロケット教室とハイパワーロケットのフライトデモンストレーションが行なわれる. |
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「日本ロケット発祥の地」記念碑 |
モデルロケットリー Model rocketry
モデルロケット工学
モデルロケッティア Model Rocketeer
モデルロケット家,モデルロケットを楽しむ人
モデルロケットエンジンまたはモーター
Model Rocket Engine or Motor
モデルロケットまたはハイパワーロケット用の燃料.実機では固体燃料をモーター,液体燃料をエンジンと呼ぶことが多い.
【や】
ヨー Yaw
機体の進行方向垂直軸回りの回転運動.左右首振り運動.
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龍勢 龍勢または流星.わが国には,昔から「龍勢」または「流星」と呼ばれる竹,木製の筒に黒色火薬を詰め,方向安定の為に長い竹棒を縛りつけた手作りロケットを打上げる行事が祭事の一つとして行われている.白煙を残して飛翔する姿が天に昇る龍や夜空の流れ星にたとえられ,この呼び名がついたと言われる. 埼玉県吉田町,静岡県草薙,朝比奈,滋賀県米原町が有名. |
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吉田町龍勢の打上げ |
ロール Roll
機体の進行方向縦軸回りの回転運動.
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ロケットグライダー Rocket Glider スペースシャトルのようにロケット動力で垂直に上昇し,打上げられた状態から一部を分離させたり,機体の形状を変化させることなく,滑空して水平に回収されるロケット.ロケットに関する知識に加え,航空力学等の知識も必要になるため,難易度が高いと言える.「ブーストグライダー」参照. |
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ロケットグライダー |
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CATO: CAtastrophic Take Off モデルロケットエンジンの異常燃焼現象.エンジンの保管状態が悪かったりすると発生する可能性が高くなる. |
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エンジンがCATOを起し、ロケットを突き抜けた |
ESTES
モデルロケット総合メーカー.モデルロケットキット,エンジン,部品,アクセサリー類を製造,販売している.本社はアメリカコロラド州.
→http://www.estesrockets.com/
FAI: Federation Aeronautique Internationle
日本語訳は国際航空連盟.空のスポーツの統括する国際機関で,模型航空から宇宙飛行までの幅広い範囲での世界記録,世界選手権の公認を行っている.スペースモデリング世界選手権大会を公認している.
→http://www.fai.org/
LDRS: Let's Do Rocket Safety
「安全にロケットを打ち上げよう」という意味であると世間では言われているが,Large Dangerous Rocket Shipsの略語であるという説もある.アメリカではこの名前のハイパワーロケットの打上げ会が毎年夏に行われ,全米各地からロケッティアが集まる.
NAR: National Association of Rocketry
アメリカにおけるモデルロケット統括機関.
→http://www.nar.org/
JAR: Japan Association of Rocketry
日本モデルロケット協会.日本におけるモデルロケットの統括機関.
→http://www.ja-r.net/
TRA: Tripoli Rocketry Association
トリポリロケット協会.ハイパワーロケットの統括機関.
→http://www.tripoli.org/
S1〜S10(競技用語)
国際航空連盟(FAI)が主催する世界選手権(WSMC)では競技種目を下記のように分類する.
S1:高度競技
S2:搭載物競技
S3:パラシュート滞空時間競技
S4:ブーストグライダー滞空時間競技
S5:スケール高度競技
S6:ストリーマー滞空時間競技
S7:スケール競技
S8:ロケットグライダー滞空時間競技
S9:ジャイロコプター滞空時間競技
S10:フレックスウイング滞空時間競技
TL: Track Lost(競技用語)
高度競技時に測定者が機体を見失い,高度を計測できなかった場合(トラックロスト)は,基本的には競技者の機体が視認しにくいものであったと解釈され,計測員には過失はないものとする.つまり,機体には測定者に対して視認しやすいように工夫しなくてはならない.
DQ: Disqualification(競技用語)
平たく言えば失格.