陽だまりのひととき(2)

レスター候:皆様にはご機嫌麗しく存じます。今回はステファン・ウォレスと私テオドール・レスターがお話をさせていただきます。

ウォレス伯:陛下より今後もよろしくご厚情を賜りたいとのご伝言を承っております。

ヘンリー卿:本当は姫が嫁がれて、傷心で落ち込まれてるだけではないか?

レスター候:無礼な!どうしてヘンリーがいるんだ!?

ヘンリー卿:二人だけだと和やかにならないと困るので、助っ人に来ましたヘンリー・ポウストです。

ウォレス伯:助っ人なら、本編でやってくれ。

ヘンリー卿:その本編ですが、第二十一話から舞台がドルフィシェへ移ります。

レスター候:ダンラークから話が離れてしまうので、豆知識程度に思ってください。

ヘンリー卿:テオドールやステファンのように貴族で領地を持つ人間、所謂諸侯はもちろん領地へ帰れば領主です。官職についていると、都にいる方が多いようです。ちなみに二人は執務官、又は政務官という立場にあります。

レスター候:貴族と一口に言っても、格差があります。例えば我家。現在は侯爵家なので、ステファンのウォレス家より序列が上になりますが、格式が違います。彼の家は伯爵家ですが、大臣と将軍を何人も輩出している指折りの名門です。五摂家か源平藤橘かというくらいだと思ってください。

ヘンリー卿:逆にレスター家は文官が多い家柄。テオドールのように武芸に秀でた者は珍しい。

ウォレス伯:ダンラークでは官職にあるからといって、貴族とは限りません。ヴィッシュ大臣は敏腕財務大臣ですが身分は平民のままです。

ヘンリー卿:出自を問わない陛下の方針のため、家柄や財力で官職につくことは、今のダンラークでは困難です。

ウォレス伯:登用には推薦もあるが、ヘンリーどうだ?

ヘンリー卿:遠慮する。大体、テオドールとステファンがいない間、フォスター卿とストレイン伯がサミュエル様のお相手と二人の代理、両方やってたぞ。そんな忙しいのはごめんだ。

レスター候:少しは手伝おうという気になってくれ。

ヘンリー卿:かわりに領地の見回りしてやってるじゃないか。

ウォレス伯:三人が集まる場面、領地の産物で酒盛りではないかと。テオドールとヘンリーの領地はワインの産地なので。私は各種チーズを提供します。もちろん領地の産物ですが。

ヘンリー卿:実は王家への献上品にもなる逸品。これだけは自慢。

レスター候:ドルフィシェのクラウド殿下が大変お気に召していただいて、お土産にされたとか。光栄なことです。

ウォレス伯:この先は隣国ドルフィシェに話の流れが変わります。

三人:引き続き「陽だまりの庭」をよろしくお願い申し上げます。
 

   戻る  TOP