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おしゃれなマドラー

                         

 ガラス管に塩化コバルト溶液を封入すると、温度によって色が変わるマドラーができます。化学平衡の実験や、ガラス細工の授業で使えます。

【準備】
『器具』 ガラス管(4×6)、ヤスリ、バーナー、注射器
『試薬』 塩化コバルト溶液:塩化コバルト(CoCl・6HO)4gを、エタノール50mlに溶かし、水5.8mlを加えた溶液。

【実験方法】
(1) ガラス管を20〜30cmの適当な長さに切り、一端をバーナーで強熱して閉じる。

(2) ガラス管が冷えたら、注射器で塩化コバルト溶液を管に入れる。あまりたくさん入れすぎると、封入できなくなるので7,8分目までにすること。

(3) ガラス管のもう一端を、バーナーで強熱して封じる。管が完全に閉じると、プッとふくれる。あまり大きくふくらませると、ガラスが薄くなって壊れやすくなるので、ふくれ始めた時点で、加熱をやめ、放冷する。

(4) このガラス管を氷水に入れると、冷えた部分だけ青色がピンクに変わる。(写真)

【注意】
(1) 【実験方法】(1)、(3)でガラス管を封じるときは、バーナーに十分な空気を入れて強い炎にすること。そして、その炎の内炎の先端付近にガラス管を入れ、常に回しながら加熱する。ガラス管を回していないと、管が曲がってしまう。

(2) 管を封じるときは、完全にふさがるまで炎から出さないようにすること。炎から出すと、すぐに冷えてなかなかふさがらない。

(3) ガラス管を封じたら、5分以上は放冷すること。ガラスは冷えたように見えても、温度が高く、やけどをすることがある。

(4) このマドラーはこわさなければ繰り返し何度でも使えるが、もしこわれたら、飲み物に塩化コバルト溶液が混ざるので、それを口にしてはいけない。また、塩化コバルト溶液が手についたときは、水洗いすること。

【参考】
 これは、次の化学平衡を使っています。
  [CoCl]2− + 6HO = [Co()]2+ + 4Cl + 熱
   (青)                 (ピンク)
 塩化コバルト溶液は、冷却されるとピンクのイオンが増え、加熱されると青いイオンが増えるわけです。

* なおこの実験は、藤田勲先生(埼玉・飯能南高校)の実験を参考にしました。