瓦の上にのせたコマセを撒きこぼしながらタナに送る伝統釣法

ここでは、伝統釣法「まきこぼし釣り」を紹介したいと思います。

管理人が大好きなこの伝統釣法を、多くの人に知ってもらうため、このページを作りました。
1999年6月、管理人の記録更新となる83cm 7.5kgの大鯛など毎年大鯛を上げている、
沼津多比港を一度訪ねてみてはいかがでしょうか。


1.はじめに

静岡県沼津の江浦湾、内浦湾一帯には「まきこぼし」と呼ばれる伝統釣法があります。

簡単に言えば、イワシミンチのコマセを使った手釣りです。
仕掛けは、ナイロンミチ糸の先に中オモリを介しハリスとハリを結んだ単純な物ですが、
独特なのは仕掛けとコマセの沈め方です。

ビシ等の代りとなる瓦の真中にエサを付けたハリを置き、その上を覆うようにイワシミンチのコマセをのせ、
こぼれ落ちないようにハリスで均等に巻きつけ海底に沈める。
元々マダイ釣りの為に考え出された釣法ですが、釣り場がイケス周りということもあり、
居着いたイナダやワラサもメインのターゲットです。

2.仕掛け

仕掛けは下の図を見ていただきたい。



ミチ糸はナイロン14〜20号前後、その先に中オモリ3〜8号を介し、ハリス、ハリを結んだ簡単なもので、
潮流や狙う魚種により中オモリの号数ハリスの長さを変え、ハリはカイズバリを使用する。
なお、仕掛けは船宿で用意されているのでそれを使用することをお勧めする。
(写真は、真鯛専用仕掛けです)


3.エサ付け

付けエサはマグロの切り身、大きさは1cm×1cm×3cmの長方形で付け方は下図のとおり


エサはマグロの切り身。 ハリを刺し抜く。  ハリをまわす。  ハリ先を完全にうめる。

この時重要なのは、ハリ先を出さないこと。
とにかくハリ先だけはエサの切り身の中に埋めるようにした方がGood、ハリの軸はいくら出ていても影響ないらしい。

4.付けえさとコマセの瓦への置き方

あらかじめ水に浸けておいた瓦の中央に付けエサをのせる。


付けエサにかぶせるようにコマセをのせる。


コマセがこぼれないように均等にハリスを巻く。



5.仕掛け投入


上の図にもあるように、エサを付けたハリを瓦の上に置き、コマセとなるイワシミンチをのせ、
ミンチを抑えるよう均等にハリスを巻き、静かにコマセを上にしたまま海中に沈める。
この時重要なことは、イワシミンチは溶けている所を使用すること、そしてハリスは瓦に均等に巻くこと、
そうでないとタナに到達する前にコマセがこぼれてしまったり、瓦が落ちなかったりする原因となる。


6.釣り方




釣りの構えはこんな感じです。















@
釣り場に着くと船長から「4つの2ヒロ」というような指示がでる。
仕掛けには道糸に目印が付いているので「4つの2ヒロ」の場合は、
瓦を海に入れたらすぐに4つ目の印と2ヒロ分のミチ糸を海に投げ入れる。
(この時2ヒロ目は海面の位置にくるようにする)
A
しばらくすると指先に瓦の重さが伝わり、次にコツン、コツンと魚の当たりにも似た手応えが伝わってくる。
これは瓦に巻いたハリスがほどけているところなので、決して合わせを入れないこと、気の早い人は特にご注意を!
B
瓦に巻いたハリスがほどけると、
瓦の重みがなくなり指先が軽くなる。※1
そうしたら、コマセの沈むのと同じくらいのスピードで糸を送り込み、付けエサとコマセを同調させる。
どれだけ糸を送り込むかは船長が指示してくれるが、難しいのは
送り込むスピードである。※2
そして重要なのは送り込む際、糸を手の上で滑らせるのではなく軽くつまんで送ることです、
そうしないと送り込む途中の当たりが取れません。
指示されたところまで糸を送り込んだら1分間ほど待ち、当たりがなければ仕掛けを上げとにかく手返しよく打ちこむことです。
C
当たりはとても小さいので常に集中し、合わせは即合わせ、糸を握っている手をおもいっきり上にあげ力強く合わせる。
先に述べたが当たりは、微妙なのでおかしいと思ったらとにかく合わせを入れること。

※1 コツン、コツンが終わってもズッシリと瓦の重さが伝わる時は、瓦が絡んでいるのですぐに上げてやり直す
※2 あらかじめコマセだけを海に投げ入れて、コマセの沈むスピードを把握しておいた方がよい



以上を把握し、
諦めず打ちこみ続ければ真鯛は釣れます。












以上仕掛けから、釣り方までを解説しましたが理解していただけたでしょうか?