「僕のためにこのような」

「僕のために、このような特設ページを……」
「感激してるところ悪いが古泉、これは感謝するような類のものじゃないぞ」
「えっ、なぜです?」
「だってなあ、お前が、その…まあ俺も同類なわけだが、そういう経験のないことを、大っぴら、かつ熱心に唱えられてるんだぞ?」
「それは、まあ、そうなりますが……そう、ですね……」
「あ、いや、いいんだ。お前が構わない…どころか嬉しいんなら、別に俺がとやかく言うことじゃなかったな」
「このようには考えられませんか」
「何だよ」
「このDOK団なる有志の方々は、僕に性交経験のないことを是とし、その上で、その、」
「あー、分かった、みなまで言うな、お前の言いたい――」
「あなたと結ばれるまでの童貞…すみません、道程や、またその後の、」
「あー! あー! 分かったって! お前だけの問題じゃないって言うんだろ? だから……」
「はい」
「まあ、何だ」
「ええ」
「何と言うか……」
「はい」
「……まあ、したいようにするさ。帰るぞ。ちゃんと電源落とせよ」
「了解しました」
「おっと、その前に履歴も消しとけ」
「承知しています。あの、」
「何だ」
「いえ、その時はよろしくお願いいたします」
「……言っておくが、物事には順序ってものがある」
「はい。僕も、急ぎたいとは思っていません。なぜなら……」
「もうこの話は終わりだ。先に出てるからな」
「あっ、待ってください」

(2007/11/05)
「童貞を大いに盛り上げるための古泉一樹の応援団(DOK団)」発足に際して。