2016/6/21-25〜今回のテーマは『敢えてやってみる』〜


21日(火曜)。出発。


数えること15度目のロンドン。今回もレコードを買いに行くだけの話なのだが、それだからこそこの回数になったのだと思う。新譜も含め欲しいレコードは沢山ある。2016年の旅行は準備がかなりタイトなスケジュールになった。まずパスポートの更新が必要だったために2度京都駅の旅券センターへ。会社に休み希望を出す。パスポートを受け取った足で HIS へ申し込み(飛行機とホテルのパック旅行)+入金(6/7)。6/14 四条の京信 World Link へポンドの両替(1£=150円 昨年はほぼ200円。EU 離脱を問う国民投票に伴う不透明感。そして残留派の女性議員が射殺された。結果、円高が進む。)HIS からチケットを受け取ったのが17日。AU ショップへ寄って海外で使用できる携帯のレンタルサービスについて訊ねるものの、ギリギリ間に合わず、関空で直接相談してみることになる(昨年は国際電話をかけようとして小銭をどぶに捨てる結果になったから)。そして昨年ロンドンへ時期を少しずらして旅行していた M 氏に Oyster Card のことを教えてもらう。(自分でもネットで調べたり)。日本ではチャージというのだが、ロンドンでは Top Up Pay as You Go というらしい。これがあればとても便利だと M 氏がお薦めしてくれていた。しかし今回の旅行の一番大きな理由は。6/13 から風呂場と洗面所を全面改修することになり、銭湯通いが始まったことによる。父の「ロンドンにでも行ってこい」という言葉が背中を押してくれた。前日の20日に旅行の準備をメモを見ながらさくっと片付ける。今回増えた項目はお湯で溶かして飲むポタージュスープの粉だ。もの凄い雨で、翌朝4時起床。ご飯を食べ、ヤサカタクシーが6時15分にやってくる。さぁ出発だ。関空へ向かう途中で既に雨は完全にやんでいた。
KDDI カウンターで無事携帯をレンタルし、タバコを吸い溜める。長い時間を過ごすため、今回持参した文庫は L.ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』(中平浩司訳 ちくま学芸文庫)。あかん、難し過ぎる。何度目かの読みなわけだが、全く頭に入らない。『図像』と『写像』ってどこが違うんだ?頭をひねって読書している間に時間は過ぎ、飛行機に乗り込む。Finnair はヘルシンキまで9時間50分。そこでロンドン行きに乗り換え。 飛行機でお尻が痛くならずに眠る方法を編み出した。まず、ブランケットを首の所で結ぶ。そして体育座りをする。これはなかなかのアイデアだと思う。ヘルシンキで再びタバコを吸い(ちゃんとした喫煙所がある)ロンドンヒースローまでたしか2時間半。現地時間18時過ぎ。わけ分からんけど21日午前中出発で21日夕方着なのだ。父に無事ヒースローに着いたとメール。
表でタバコを吸い(免税店では2600円。1600円が税金ってわけ)、彷徨っていると偶々 Oyster Card 販売所を発見。憂慮していた程待つことなくチャージ20£済ませピカデリーラインでアールズコードへ向かう。それほど迷うことなく1 レクサム ガーデンズにたどり着きチェックイン。サマータイムなのだろうか、日本時間+4の逆が英国時間。まだ昼間のような明るさだ。部屋に入る。「うわ、狭い!」その日の夕食はケンタ。チキン3ピースとポテトとコーラのセットで5£強。世界共通の味だから安心だ。
最近身につける習慣になった万歩計は13000歩を超えていた。TV ではウエンブリーアリーナで開催された残留派と離脱派とのディベード合戦の模様や北朝鮮のミサイル実験を報道していた。ところで離脱派のリーダー? B.ジョンソンはあのトランプに加えて Happy Mondaysの S.ライダーにも似てる気がした。明日の天気をチェックして就寝。晴れのようだ。明日はブライトンへ行こう。

22日(水曜)。ブライトンへ。



脚の痙攣で目覚める。のたうちまわる。TV をつける。深夜3時過ぎの話だ。お湯を沸かし部屋のインスタントコーヒーを持ってホテルの外へ。タバコだ。当然少し寒い。小銭を紙幣にしてもらいにカウンターへ赴くが、未だ早いとのこと。そりゃそうだ。部屋に戻り再び TV 。ウィトゲンシュタインを読む気力はない。今日は好天ということでブライトン行き決定。父にメールをしたりシャワーを浴びたり(温度調整が微妙過ぎてとても難しい)しながら、朝食が始まる7時までグダグダしていた。幾度タバコを外に吸いに行ったんだろう。小銭を紙幣に可能な限り両替してもらい、朝食のバウチャーを5£で発行してもらう。朝食はありふれたコンチネンタルだったが、マッシュルームのバーター炒め?が美味しくてそればかり食べる。黒いトーストも6枚平らげた。大好物。
Off Peak が始まる9時半までのんびり時間を過ごし、アールズコートへ。この駅はとても便利で主要路線が繋がっている。ディストリクトラインでビクトリアへ向かい、そこでブライトン行きの国鉄を利用。過去2度は長蛇の列に並びチケットを買ったのだが自販機でブライトンまでの往復の切符を買うことに挑戦してみる。挑戦という言葉は大袈裟すぎるかな。それほどパニクらずに27.10で切符を手に入れ、電車に飛び乗った。10時20分発。順調に進む。が、またしてもブライトン直前で電車が止まる。ありふれた出来事はもはや出来事とは呼ばないものな。「村上春樹、ノーベル文学賞落選」「夏休みはおばぁちゃんの所に行った。楽しかったぁ」こんなニュースはまぁ風物詩なわけで。英国の鉄道の遅れも報道する程の価値もないってことなんだろう。大好きな映画『ダイハード2』でも CA がおばぁちゃんに「イギリスと同じで着かない飛行機はありません」って云っていたな。ブライトンに到着したのは11時半頃。
直行したのは沢山の美味しいレコードを過去2度手に入れた Across The Tracks 。店の外にあった1£レコード箱をチェック。あるねぇ、やはり。そして店に入り、5£コーナー箱。前回はかなり良いのがあったけれど、今回は当りなし。続いてプロパーの値段のコーナーを端から見て行く。ほんとに楽しい。この瞬間が至福なんだよ。Patti Smith の2nd(彼女のレコードの中で一番好きだったのだけど、纏めて処分) + Smiths の1st(今部屋にあるのは近年買い戻したものなのだけど、針針音が酷くてね) そして表の1£レコード箱から5枚。合計45£。スコットランドのギターポップバンドTeenage Fanclub 『A Catholic Education』ABBA 『The Album』(Thank You For The Music 収録) 以前父が所有していたものの、 Work Shop に全て処分したトラッド系のレコードの中に入っていた A. Hutchings R. Thompson 等の『Morris On』。この3枚が初買い。Fairground Attraction 『The first Of a million kisses 』は去年もロンドンで買った安レコード。めっちゃ売れたから溢れて居るんだろうな。内容は文句無しの素晴らしさ。E. リーダーもスコットランド出身。ドリカム初期のアルバムに似たタイトルあったな。Cilla Black は ポールが書き下ろしたStep Inside Love 収録。プロデュースは G. マーティン。
昨年彷徨っていた時に偶然発見したSnoopers Paradise というアンティーク/中古品ばかり?を扱った複合店舗内のレコ屋で4枚。父の土産に Van Cliburn ピアノ演奏によるベートーベンとモーツァルトのソナタ集。そしてこれまた父が所有していたフェアグラ『Ay Fond Kiss』-これはシングルのカップリング曲等を集めたコンピ。Primitives (マイブラも一瞬だけ同じレーベルlazy からリリースしたことあり。昨年のロンドンでは 1st を買い直し。個人的には今回の2nd が好き)も Ian O'Braian(デトロイトテクノ英国支部。) も生活苦から処分したレコード。合計13£。この建物の向かいにある Resident という主に新譜?を取り扱う店で、以前程の期待や熱意はないのだけど、プライマルの新譜を17.99£で購入。念のためプライマルも元々はスコットランド。『Diva』(映画は観てませんが監督はJJベネックス。『Promenade Sentimentale』って曲が良かった記憶がある)のサントラをWax Factor にて2.95 で買い戻し。ここまでタバコしか吸ってないから、ブライトン駅前の屋台?でハーフサイズのマルゲリータを購入。味は聞かないで下さい。余りの暑さに耐えられなくなり M&S で水とチョコバーを買って電車に乗り込む。
部屋に戻りレコードを置いて、再び外出。まだ明るいし。地下鉄でノッティングヒルの Music & Video Exchage の地下のバーゲンフロアーへ。丹念にチェックしたが、手にしたのは結局 Aztec Camera の1st だけ。これまた買い戻し 。R. フレイムもスコットランドじゃなかったっけ? Smiths と同様 Rough Trade からのリリースだったことを完全に忘れていた。3£。アジア系の老夫婦が大量のクラッシックのレコードを掘ってはりました。英語で会話されていた様な記憶があります。でも奥様が「そんなに買って大丈夫?」ともおっしゃっていたような気もします。とにかく凄い枚数(100枚は超えていた)を購入し3枚のショップ袋に詰め込んでおられた。聴くのか?売るのか?あの買いっぷりは買い付けっぽいな。
夕飯を軽くマクドで済ませスーパー Coop で水等を購入。その日の歩数。8813歩。

23日(木曜)。街中。



目覚める。天気予報通りの大雨と雷の音が聴こえる。流石の晴れ男である僕でもこれじゃぁ、諦めもつく。街中のレコ屋巡りに決定。晴れていたら、カムデンに出かける積もりだったのだ。Work Shop の Nさんや『ほんレコ』で知り合った G 君やそして大学時代の連れ I からも「なんで行かへんねん」と云われ続けていたのだ。フロントで地下鉄路線図にマーキングしてもらい、行き方を教えてもらっていたのだ。しかしこの雨じゃね。昨日見つけた秘密の通路を通り雨宿りしながらコーヒーとタバコ。この通路だと、部屋から10秒足らずで外なのだ(笑い)。「やまないなぁ」と諦め顔で外を眺めていた。昨晩から話すようになったフロントのインド系男性と話す。彼は日本好きなのだ。彼の口から最初に出たのは『ナデシコジャパン』。沢穂希はレジェンドだと。見た目でしか判断できない僕は川澄だ、と低レベルの話。今日は彼の専門である化学の話。全くついて行けない。文系だもんな。大学院?で勉強しつつ夏休みだからここでバイトをしているのだと。インド系の人は数学が得意だ。「何を勉強してた?」と訊かれて「哲学」。ただでさえややこしい哲学、それを英語で伝えるのはとても困難だ。ここ数年間「ハイゼンベルグ」読んだよ、と伝えると食いついてきた。最も尊敬する科学者だそうだ。「トーマス・クーン」も知ってたな。彼の登場を用意したのが、ウィトゲンシュタインだよ、って話したのだけど、本当か?自信なくなってきた。
まだ早い時間なので、TV をつける。ちょうどフランスでユーロ(サッカー)をやっているのだ。それにあわせてサッカーの過去の名場面的なプログラムが放送されていた。『独対英』のPK の末にイングランドが負けたのを観た。流れたのがL.Reed / Pefect Day 。良い曲だし、悲劇的な場面にぴったりの選曲だ。しかし何年の名場面だったんだろう。アイルランドが勝ったって?それもイタリアに?この金曜から『グラストンベーリー』が始まる、そうしたニュースを眺めてた。
やまない雨を眺めながらの朝食後やはり部屋で時間を過ごし、出発の9時半。するとどうだ、雨が上がってる。流石晴れ男?でも天気予報では急変するとも云っているので今日は街中レコ屋巡りだ。地下鉄でピカデリーサーカスまで移動し、Reckless ~ Sister Ray をはしご。やはり高いな。昨年 Kinks 『Village Green』のオリジナルモノ盤が10000£で売られてた、と様々な人に喋ったり、ここにも書き記したけどどうも間違いだったようだ。確かに0が四っつ並んではいるが、点が打ってってあったんじゃないか。つまり100.00£。Beatles 『Let It Be』の初回箱入りが120.00£だったのだ。Sister Ray の地下のバーゲンコーナーをチェックするが、収穫無し。仕方なく、ノッティングヒルまでバスで移動してみる。失敗した。全く知らない所でバスが止まってしまったのだ。たしかバス停はヒルトンホテル前。まったく方向も現在地すらわからない。女性に訊いてみたけどその人ですら説明が出来ない場所だったようだ。ノッティングヒルからソーホーまではバス移動できるのに逆は真じゃなかったのだ。結局地下鉄移動になってしまった。最初からそうしておけば良かったと後悔する。
昨日は閉店時間間際の入店だったので地下しかチェックできなかった Music & Video Exchage へ。昨日の今日じゃあまり変化なかったのだけど、女性スタッフがかけていた曲(少しアブストラクトでなおかつ NeoSoul 的。Portishead を思い出した)がすごく僕好みだったので「これは誰?」と訊いてみた。知らないアーティストだったのでメモしてもらう。小さな字でこう記してあった。 『Lianne La Havas Album Blood 』ブライトンへ行くのが後だったら間違いなくResitent にあったはずで買えたのに。そして2階のクラブ系音楽フロアーをチェック。欲しいレコードあったけど、高くて買えなかった。それはビースティーズの元ネタ J.スミスのRoot Down が収録されたアルバム。オルガン弾きながら片手を高く挙げているジャケット。40£以上してたかな。一階には例えばビートルズのホワイトアルバムのモノ盤。やはり40£。あるいはここ数年リバイバルしているシューゲイザーと呼ばれる音で当時好きだった Curve の 1st 。安かったのだけどコンディションが問題あり。結局この店で収穫したのはLianne La Havas というアーティストの情報。でもこういうのも非常に大切だ。マクドの Iced Mocha Frappe を飲む。美味しいんだ。喉も乾いているし。スタバ的だけど安い。日本では飲めず、ロンドンメニューなのかも。そしてポートベローマーケットを突抜(寸でのところで、道を間違わずに済んだ。どうしていつも左側に入ってしまうんだろう)目指すは Honest Jons Records 。ここ数年若い世代に再発見された浅川マキの CD がこの店から昨年リリースされたのだ。おそらくレコードもあるだろうと思いこの店に駆け込んだ。京都で云えば Jet Set みたいなセレクト系の店なんだが、かなり狭い所を掘り起こしている。日本の『ジャックス』が並んでいたりするのだ。ね、辺境的でしょ?Maki Asakawa のベスト盤を購入。レシートがないのでうる覚えなのだが15£くらいだったはず。素晴らしいジャケットだわ。やはりレコードだな。ってことで天気が怪しくなりかけているので急いでノッティングヒルまで戻る。無難に地下鉄に乗れば良かったのだけど負けっぱなしはいやなので果敢にそして無謀にアールズコート行きのバスに乗る。再び失敗。あかんな。道に迷いながら、勢い良く降り出した雨。バックから折りたたみ傘を取り出し、幾度も人に方向を訊き、そして確かめながら歩く。出て来た道がホテル前のクロムウエルストリートだったのが幸運だった。ほうほうのていで部屋に入る。
「買い出しにいかんとな」。この雨の中、短パンの方が濡れなくて済むと、着替えて駅前へ。スーパーCoop でハムとマスタードのサンドイッチ、コーヒー飲料、そしてサラダ+蒸し鶏+シーザーサラダドレッシング(これにはバンドルがかかっている。現在の職業で習得したタームで安くなるんだ。よりどり3っでいくらってこと。てっとり早くいうとセットメニュー)。あと水とカシューナッツを購入。人の立つレジに並んで買うと後ろの人に迷惑かけては駄目だとどうしても気が焦り紙幣を出しがちだ。その結果小銭が増える。母国の小銭なら数えることは容易い。しかし異国の地のコインは駄目だ。数字が読みにくいのは目が悪いからなのかまるっきり駄目だ。しかし流石に慣れて来ていて、大きさとひかり具合から判断するのだ。今回のロンドンのテーマがいつの間にか『敢えてやってみる』になっているから、セルフレジへ。持参した袋にバーコードを読み込ませた商品を入れて行くのはどこも同じだ。最終画面の袋無しを選択し、合計金額をチェック。後は小銭と紙幣を組合わせて支払う。これからはセルフレジだ。気づいたのはここのスーパーには平台(業界用語でエンド)がない。日本みたいにチラシないのかも。TVを観ながらの夕飯。サンドイッチはとうの昔に飽きているのだがサラダが当たり。日本から持って来ていたのを思い出したスープをお湯で溶かし飲みながらがつがつ食べる。明日はもう一つドレッシングを追加しよう。秘密の通路を抜けてタバコを吸っているとホテルの人に見つかってしまった。当然注意された。だってそこは非常口。不審者と思われても仕方ない。これからは正直にフロントを通って表に出よう。今日は7444歩。

24日(金曜)。カムデンへ。


「え?まじで?」TV の文字を観て驚いた。Leave 52% Remain 48% Turnout 72% 雨雷が酷い昨日が投票日だったの?田原総一朗的ポジションの司会者が人の話を遮りながら番組を進行させていた。どこの国にもいるんだね。ところでTurnout ってどういう意味だ?開票率か?よう分からん。各都市の票数を紹介しながら番組は進む。スコットランドと北アイルランドは残留。イングランドとウェールズは離脱。地域別でこんなに別れるのにも驚いた。真っ先に頭を過ったのはスコットランド独立の機運が再燃し英国からの離脱しEU に加盟するかもしれないというのが最早絵空事じゃないって話。英国解体の危機。TV のテロップには政治家のコメントが流れる。悲観的なものから「Independence Day」という楽観的な勝利宣言まで。これからどうなるんだろね。詳しいことは日本に帰国してから新聞や TV に当たろう。フロントでこの事態をどう考えるか訊いてみた。苦々しい顔を見て察しがついた。ロンドンで生まれ育った28歳の彼は当然残留支持だった。「Nobutaka はどう思う?」と訊かれた。「英国民は関係性よりも経済を選んだんだよ」と答えるのが精一杯だった。タバコを吸いに表に出てみる。快晴だ。部屋に戻り朝食まで再び TV 。当然話題は離脱ばかりだ。しかしこんなニュースも流れていた。野外の音楽フェス『グラストンベリー』は前日の雨で地面のぬかるみが想像以上に酷い。油断して普通の靴でやって来た人に、長靴を売りさばいている人にインタビューしていた。笑た。流石商売の国。沢山の長靴を仕入れて来たそうだ。映像が切り替わり、上空からカメラは車の大渋滞を捉えていた。ひょっとすると前日の投票を終えてから雨の中車でそこへ向かう車なのかもしれない
前日よりメニューが増えていた朝食を食べる。何故?僕が来るのが早過ぎていたのか?ウィンナーとポテトサラダに見えたスクランブルエッグ。急にフロントの彼が入って来た。「朝食代込みのプランだったよ。僕のミス』そう云って三日分の15£を手渡した。ラッキーじゃないか。いや別に収支的には無関係だけど、気持ち的にね。
9時半ホテルを出発し前々日教えてもらったように地下鉄に乗ってエンバンクメントでノーザンラインに乗り換えカムデンタウンで下車。ここに来るのは以前両親と旅行した時以来の2度目だ。若い人はスマホでレコ屋を検索しそこへ向かうらしいのだが、今なおガラ携の僕は人に尋ねるしか出来ない。割とすんなり一件目のレコ屋を発見したのだが未だ空いてない。横の店の人に何時頃開くの?12時位。うわ、二時間もある。仕方なくメイン通りを端から端まで歩く。いい天気で良かった。一軒の書店があって流れていたのが Smiths / Bigmouth Strikes Again 加えてレジ前の平台に積んであったのがレコードジャケットを集めた写真だったので女性スタッフに訊いた。「ごめんなさい。わからないわ。でもマーケットの中にあるかも」。礼を言って来た道を戻る。驚いたのは店が既に開店していていたこと。ラッキー!店名 Out On The Floor Records。90年代の再発レコードが多かった気がする。90年代音楽が高値で売買されている理由は当時わざわざレコードを買う人が少なく、大抵の人が手っ取り早く CD を聴いていたからだ。何でも高いよ。僕は意固地に当時からレコード派だったからある程度は持っているけれど、Oasisと Moodymann を処分したのは痛恨の極みだ。地下に降りる階段が見えたので降りてみた。さらに狭い店内。安レコードと高レコが混在しているのは見にくいけれど探していた Damned の 1st を発見。持ってるけれど再発なんだよ。赤色のキャプションには UK 1st Pressinng A-1/ B-1 Matrix Laminated Sleeve Play Great !! 20£。 京都の Art Rock には6000円台で壁に飾ってあった。買いだ。 レコ屋のことはレコ屋に訊けということで他のレコ屋さんの名前と場所を書いてもらい行き方を教えてもらう。Sound that Swings 88 parkway 丸文字だった(笑)。そのレコ屋にたどり着く前にリサイクルショップ的雰囲気が濃厚な音楽に特化した店を覗く。安いんだけど、これってもんがないなぁ。しかしこの店は奥行きが凄くあってそこには楽器やレコード等が雑然と並ぶ。諦めて全てチェックしてみたが結局収穫無し。そこから目と鼻の先に、そのレコ屋があった。その時不思議な文字が記されている看板を偶然見つけた。
『下鴨』!一乗寺でもなく修学院でもなく『下鴨』なのだ。ご飯屋さんであることは表の看板で分かった。久しぶりにしっかりランチを食べようと意を決して店内へ。『鳥の唐揚げ定食』を日本語で頼む。スタッフの女性が日本人だったのだ。そして店内にかすかに流れているのは『くるり』。ここで一句「下鴨でくるり聴きつつ唐揚げを食す私は京都人」。お粗末様で。シェフが日本人だけあってちゃんとした唐揚げでとても美味しかった。それ以上に嬉しかったのはひじきと赤だしだ。横では昼間からビールを飲んでいる人がいたのだけど、しっかり冷えていたような気がする。英国は常温やん?隣の席の女性二人組は日本語で話していた。会話から察するところ病院勤務らしい。いい店だ。夜は居酒屋になるそうです。お薦めします。
Sound that swing に入る。全く知らないレコードが並んでいた。しかし5£箱にスコットランドのネオアコ/ギターポップのTrash Can Sinatras の EP を発見。日本じゃまだまだ人気がある。名作 Cake からのシングル。US プロモ。ウォーターダメージがかなり酷いのでこの価格なんだろう。別棟にもレコードがあると教えてもらい、5£箱からチェックしていく。素晴らしい!J. Mitchell 『Miles Of Aisles』そして S. Winwood のベスト(以前Hot Line で見かけたが、買いそびれたもの)そして普通棚から Beatles 『ホワイトアルバム』(ドイツプレス)。ドイツプレスは人気なんだよ。部屋にもあるのだけど、聴きすぎて針音が酷いのだ。しかしこの店のは仕様が少し違ってて上からレコードを出すタイプのものだった。店主に「何年の再発?」と訊ねるとネット(多分レコ屋も素人も皆が使っているあのサイト)で調べてくれたのだが、該当するものが出てこなかったようだ。22£。4枚で37£。店主に「素晴らしいレコ屋です」と云って店を後にする。
駅に戻る道中の角で新聞が配られていた。London Evening Standard 。今朝TV で観たばかりのキャメロンが「そんなはずじゃなかった」って顔で奥様と手を繋がれている。そして大きな文字で WE'RE OUT 。右上には小さなB.ジョンソンの写真とBrexit turmoil(騒動) の文字。父と自分のために2部をレコードを入れたトートバックにしのばせる。部屋に戻ったらじっくり読もう。地下鉄に間違いなく乗ったはずなのに路線を間違えた模様。なんで?キングスクロスで間違いに気づき慌ててヴィクトリア線に乗り替え、オックスフォードストリートで下車。なにやってんだか、情けない。てくてく歩いてソーホーのレコ屋へ行くことにする。Reckless Records に昨日見かけたあのレコードが未だ残っていたら買ってしまおうと決めた。 Kinks 『Face To Face』20£。残ってた。新譜レコードとバーゲンもの以外、英国のレコ屋さんはジャケットだけが並んでいる。それをレジに持って行くと棚に収納されたレコードを手渡されチェックするように云われる。その時初めてこのレコードがモノラルと気づいた。盤質も問題ないようだったので購入。気分がとても良い。さてとどうしようか。土産買わんとやっぱり駄目やなと思い、好天の中コベントガーデンまでひたすら歩く。「そや、M & S でいつものアールグレイを買おう」昨年はクロネコで日本に送った関係で単価が上がりすぎたことを考慮し、トランクに入れられそうな5箱を購入。郵送代が1万円くらいしたんだよ、昨年は。1箱300円もしないのに。そしてマーケットを彷徨うものの収穫なく母には土産ないなと、諦めた。混み合った駅の改札を抜けようとOyster Card をかざすと警報音とともに閉まってしまう。あれ?故障?別のでも結果は同じ。うわ、チャージが底をついたようだ。駅員さんに教えてもらおうと列に並んでいると新しい自販機があるから、そっちへ廻れと云われてしまう。仕方なく、でも今回の旅行のテーマが「敢えてやってみる」ということを思い出す。途中までは問題ないのに上手くいかない。一度などお札が飛び出して来た。すると後で待っていた女性が業を煮やしたのだろう、教えてくれた。僕が失敗したのは20£をTop Up するのに10£札二枚を重ねて自販機に突っ込んでしまったためだと理解できた。無事改札を通り抜け、アールズコートへ戻る。マクドでいつものIced Mochaで喉の乾きを潤し、部屋に戻る。
さて今日は沢山歩いたから結構な数字をたたき出しているだろうな、とポケットに手を突っ込むものの万歩計がない。え?こんな日に限って?いつもの場所にしっかりと置いてあったのを愕然と見つめる。部屋で休憩した後、スーパーCoop へ買い出し。昨日サラダを美味しく食べたのだが途中でドレッシングが途中でなくなってしまったのが残念だったので今日は二つかごに入れ、後は水とスニッカーズ。夕飯はそれとコンポタージュスープ。ランチが充分だったからそれだけの量でちょうど良い。TV を観ながらの夕飯だ。そしてタバコを吸いに表に出てから、荷造り開始。朝一でここを出発なのだ。紅茶もしっかりと入った。レコードも大きめトートに収まった。10時20分発。二時間前に着いてなければならない。一時間くらい見とけばいいかな。明日もしっかり早起きするために早めの就寝。

25日(土曜)。京都へ。



起床と同時に TV のリモコンを掴み時刻を確かめる。3時過ぎだ。昨日買ったスニッカーズを食べ、炒れたてのコーヒーを片手にタバコを吸いに表へ出る。気持ちの良い朝だ。2010年にダブルブッキングされていたのは悠長に朝食をとってヒースローへ向かったからだと後から気づいた。部屋を奇麗に片付け、忘れ物がないか点検し、日課のチップ1£をテーブルに置き部屋を出る。フロントの彼に挨拶をしカードキーを返しチェックチェックアウト。5時。アールズコート駅へごろごろと向かう。流石に時間が時間だろうか、とても静かだ。シャツポケットに入れてあるOysyter Cardを取り出す。色んな失敗もあったけれど実り多き楽しいロンドン旅行だった。地下鉄に乗ってヒースローへ行くだけだから間違いない、そう誰もが思うだろう。再びしくじった。 気をきかしてくれた駅スタッフの忠告に従ったのが間違いだった。ピカデリーラインを待っていたらそれだけで済んだ話なのに違う電車に慌てて乗ってしまった。どうもピカデリーラインの始発まで時間があっただけなのだ。ハマースミスで降りた。余裕を持ってヒースローのターミナル3へ。開いているのかどうか怪しい Finnair のカウンターでトランクを預ける。表でタバコを吸い溜めし、父にメールを打つ。それにしても早過ぎた。アールズコート駅前にバーガーキングがあり、朝5時半から営業って書いてあった。そこで朝食を食べても余裕だったな。さて出国だ。
無事出国手続きを終え、何か食べようとうろうろしていると『東京へようこそ」って店があった。スタッフ全員が日本語で「いらっしゃいませ」と。なんか凄い違和感。それは全員現地の人だからだ。メニューを見てみる。本当の店名は『Yo sushi』って書いてある。うそ、お好み焼きがある。迷わず注文。待っている間、壁にはめ込まれた音声無しのモニターを観ていると先ずキャリパミュ。続いてBaby Metal 。旗を持ってるからひょっとして名曲『Road Of Resistance』か?出来上がって驚く。酷い。え〜とね、敢えて云うならサイズは立ち食いの天ぷらうどん/そばに乗っている天ぷらサイズ。小さく、薄い。マヨネーズとしょうがくらいかな、お好みっぽいのは。2、3分で食してしまう。京都に戻ったらちゃんとしたお好み焼きを食べよう。出発ゲートが決まるまでまだまだ時間がある。先ず探したのは喫煙所。全くないんだよ。これには参った。とりあえず免税店巡り。Fortnum & Mason の紅茶が陳列されている店を発見したので、家と弟(昨年韓国でビートルズのレコードを高値で買って来てくれた)に土産に。M&S より少しだけ高い。それでも未だ7時台なのだ。椅子に深々と体を埋めてた。置き引きが怖いから寝れないけれど。漸くゲートも決まり、そこへ向かう。ヘルシンキに着けばタバコが吸える。後暫くの辛抱だ。
ヘルシンキで僅かな待ち時間。タバコを吸い。バーガーキングでチーズバーガーとチョトレイトシェイク。ユーロ表示だけど£でちゃんと釣りが来たのに驚いた。これから£はどうなるんだろう。幾度もタバコを吸いに戻り、関空行きに乗り込む。時間の感覚が既にめちゃくちゃで、日本時間の時刻なのか英国時間なのか、可能性は低いけどヘルシンキなのか、最早分からない。寝ている時間?起きてる時間?働いている時間?レコード聴いてる時間?TV 観てる時間?混乱するよ。旅行の話をすると、ロンドンまで何時間かかるんですか?と訊かれる。座席に座っている時間+乗り継ぎ待ち時間をトータルとするならなんとかなる。でも日付変更線を超えるとお手上げだ。とにかく黙って座り、寝るしかない。
関空9時前到着。急いでトランクを受け取り、ヤサカさんが待つ所へ急ぐ。「携帯を返却して来ます」と云い、急いでカウンターへ。「タバコを一本だけ吸わせて下さい」僕を待っていた人達から冷たい視線。数分やん。もし次回行くことが可能なら、帰りははるかで京都駅まで戻ろうと決めた。




5年ぶりのロンドンはしっちゃかめっちゃか 2015/5/19-23


5月19日。いきなり混乱開始。

長時間と長距離を経てロンドン・ラッセルスクエアーの常宿プレジデントにチェックインしたのは昼過ぎ。もうくたくたなのだが、やらねばならない課題がある。そう、土産購入と宅配。紙チケットのワンデイを買って(これが後々助けてくれた)、コベントガーデンの Marks & Spencer へ向かう。土産はいつものアール・グレイの紅茶箱(50入り)に決めている。香りの良さがかなり好評なんだよ、安価だけど。 棚にあった全て12箱を大人買いしていざピカデリーサーカスの三越内にあるクロネコヤマトへ向かう。たしかこの道だったよなと下るものの三越自体が見つからない。え?道間違ったか?やはりない。嘘だろ?早くも途方にくれてしまう。時差ぼけの頭をひねる。持って帰る?まさかこの荷物を?そや、日本人街の店に入ればなんらかの情報を得られるかもしれぬと、足早に向かう。良く通った Ten Ten Tei は間休みだったので日本人名の名前がついた中華屋さんへ入る。醤油ラーメンを頼む。やはり『天一』『ますたに』のラーメンは最強だなぁととりあえず食べる。店員に日本語で話しかけると日本人はおじさん一人だけだった。「三越のクロネコどこへ行ったか知りませんか?」するとご主人?が「たしかこれに広告出てたはず」と云って『週刊ジャーニー』というフリーペーパーを持って来てくれた。あった!電話の掛け方を教えてもらって(京都に電話しようと何枚の硬貨を無駄にしたことか。悲しくなるよ)、場所を訊ねる。日本人スタッフでほんと助かった。 ラッセルスクエアーからそれほど離れていないユーストンだと教えてもらい、地下鉄で向かう。シスルというホテルの近所ってことだったのでなんとかたどり着くもののクロネコが見当たらない。仕方ないのでホテルに入ってアドレスからググってもらい1枚ものの地図に印をつけてもらう。あった!こりゃわからんよ。日本人スタッフなのでほんと楽だった。
紅茶一箱ほぼ1£(200円)だけど輸送代が50 £(一万円)!!!高いなぁ。でも持って帰るであろうレコードの重さを考えるとしょうがない。ふらふらと道を歩いていると向こうから猫が近づいて来た。日本のは一目散に逃げて行くのにね。岩合さん気取りで猫と戯れる。この日始めて、心の平安を感じる。癒してくれました。ありがとう。


5月20日。ブライトンへ出張。

ヴィクトリア駅から往復のチケット代凡そ30£を払ってブライトンへ向かう。今日からが本来の姿だ。もう少しでブライトンに到着ってところで完全に電車が止まる。全く動く気配がないので、車窓からの写真を撮った。ね?完全に静止画でしょ?早口の英語で理由をアナウンスしているようなのだが、全く理解不能。事故?ストライキ?補修?まぁどうだっていいな。結局到着したのは一時間遅れ。料金返すなり、バスをチャーターするなりしてくれたら良いのにね。いきなり再び出ばなをくじかれる。
トラファルガー・ストリートを下って5年前に美味しい買い物をしたレコ屋へ。一軒目の『Wax Factor』はかなりレコードが買い漁られたようで、少なくなってたような気がした。かなりの量のCD が並んでた。前はレコードが凌駕してた記憶があるのだが。今回のターゲット、キンクスの『ヴィレッジ・グリーン』は見つからず。

二軒目の『Across The Tracks』。5年前ビートルズのオリジナル3枚を買った店だ。やはりキンクスは無い。さくさく端から端までチェックして行く。思い出レコード(つまり以前持ってたけれど、生活苦から処分したレコード)や聴いた事の無いレコードを6枚購入。ほぼ全て地べた置きの安レコード。拾いモノはビートルズの2nd と3rd のモノラルオリジナル盤をそれぞれ5£。2nd はリンゴの顔が破られていた。マトリックスは1/1 だけど盤質はかなり悪い。でもな、見た目悪くても音に出ないのもあるし。初買いはニーナ・シモン。『The Look of Love』 が収録されてた。思い出の詰まったフェアグラの『Perfect』のシングルは1£。ピンク・フロイドの『Relics』も5£そして唯一Young Disciples だけが8£。(talkin loud からリリースのアシッドジャズです)。
まだレコ屋があるんじゃないかとふらふら散策していると色んな店が合同で入ってる建物を発見。ふら〜あと入ってみるとあった、あったレコ屋。初買いは Mary Coughlan / Under The Influence (彼女のレコードは1枚だけ持ってる)とクリエイションレコードのコンピ『Doing It For The Kids』(プライマルやらマイブラやら、ハウス・オブ・ラブを収録。)残り3枚はシングル。XTC と Velvet Crush そして RB のSWV 。MJ / Human Nature 使いのあの曲。建物の名前はSnooper Paradice 。レコ屋名は多分23JM 。欲しくなった高値のレコードもあったけれど、買ったのは全て3£。 てことで気分良くレコード漁りが出来たので帰路へ。
午前中のダイヤの乱れは未だ続いててクロイドンで乗り換えってことだった。(元ダムドのCaptain Sensibleの悪意ある巫山戯た名曲に『クロイドン』てのがあります)。途中ガドウィックという駅があって、そこには飛行場があってホームはだだ込みの模様。
写真はピンク・フロイドの駄作『アニマルズ』のジャケットでお馴染みの元発電所。90年代アンビエントハウスで有名なOrb がそのジャケットを引用したことでも有名。今度英国へ行くときは物価がめちゃくちゃ高いロンドンではなくて、ブライトンにするのも良いかも。
前日と同じ夕飯はもういい加減飽きたのでテスコのサンドイッチと隣の店でスープを買ってみた。とても美味しい。良いアイデアを思いついたものよ。


5月21日。街中散策。

朝早くに起床してインスタントコーヒーを前日飲んだスタバのカフェラテの器に移し外へ出る。タバコだ。喫煙可能の部屋をリクエストしておいたのだが、全室禁煙だった。写真の角度に目線を向け、地面にしゃがみながらなんて、かつてのコンビニ前のヤンキーかって!気持ち良い朝がずっと続いてた。目と鼻の先にある公園ラッセルスクエアーでのんびり時間を過ごす。リスも活発だし、犬も元気だ。ぼ~っと何も考えず、心の平安を感じてた。ホテルに戻りもういい加減飽きた朝食を胃に詰め込む。コーヒーを再び器に入れてもらって再びタバコ。同じ角度同じ位置。(しかし翌日から実は灰皿がある場所を発見し、そこではタバコがあかんかったかもしれないことに気づかされる)。
頃合いを見てノッティング・ヒルへ向かう。意固地というか、しっかり分かってないからいけないのだけど、紙チケットは割高なんだよ。一日乗車券が12£。電子系のやつだと(チャージ式?)、7£らしい。(僕がロンドンへ行った少し前に英国へ行った友人M 君から聞いた。)どうもそちら系が苦手でね。開店前に行きつけのレコ屋Music And Video Exchange についてしまう。店が一つになってたのに愕然とした。以前はクラッシック映画音楽館とSoul & Dance Exchage 館とロック館があったのに、たった一店舗。まず1階のロックフロアーを。Captain SenSibleのシングル『Wot!』と買いそびれていたというか、当時けったいな箱ものリリースでもの凄い値段だったプライマルのBeautiful Future を購入。しかしコクトーズがシューゲイザー扱いなのは解せぬな。シューゲイザーってジャンルが聞かれだしだのはライド等がデビューしだした90年代初頭だと記憶しているのだが。コクトーズは80年代バンドだよ。2階では安レコード2枚と高レコード2枚。前者は前日買ったYoung Disciplesのシングル『Apparently Nothing』とサントラ『Strictry Business』(CD は持ってます。MJ Blige / You Remind Me は確かこれが初出)。後者はDonald Byrd のベストと2014リリースのPlaid の新作。店員さんがこのレコードは素晴らしいと云ったのが D・バードで「ドミノは本当に好き!」と伝えたら嬉しそうだった。こういう会話は音楽ならではと思う。地下へ降りて、音楽とオーディオに対する情熱を取り戻した父の土産にGreat Recordings Of The Century のオリジナル英国盤のランドフスカ演奏のスカルラッティー・ソナタ集と僕の青春レコード、アイリッシュトラッドパンクバンドPoguesのアルバムやらBell StarsやCaptain Sensibleのシングル。初買いはSandie Shaw のベスト盤。バカラック作の(Ther's)Always Something There To Remind Me 収録。女性店員に「どんどん小さくなってるね」と伝えた。ソホーには未だ店あるの?と訊ねると悲しそうな表情で No だった。ケンタでフライドチキンを食べて胃を満たす。グローバルな味で安心だ。バスに揺られてのんびりとソーホーへ向かう。オックスフォードで降りりゃあ良いものを、いつも最終ターミナルのピカデリーサーカスまで来ちまう。お記念にエロスの像を。因にエルレーベルのコンピのジャケットで有名です。
以前宿泊していたホテルは建物だけ残して違う店に変わってた。安くて街中ど真ん中で便利だったのにねぇ。レコ屋通りを上がる。Music Video Exchange は閉店!この辺りのレコ屋は全滅。レックレスは残ってたので入ってみる。うわキンクスの『ヴィレッジ・グリーン』のモノラルオリジナル盤が壁に。値段を見て我が目を疑った。一、十、百、千、万!1万£!高っ!その時無意識に20十万円って思ったのだけど、京都に戻り電卓叩くと一桁違ってた。200万!近所のリサイクルショップだと2万枚。寺町の100000t なら1万枚買える金額。Work Shop の N さんが知り合いの英国人から「ロンドンはクレイジーだと云われたと」教えてもらった意味がよ〜く分かった。狂ってる。 Sister ray も以前の広め店舗をたたみ狭めの大昔あった場所でこじんまりと営業してた。地下に降りて安レコードコーナを漁る。3枚5£コーナー。京都ならポコアポコ的だな。青春思い出レコード3枚。All About Eve は中島らもの『月光通信』で聞いて当時買ったもの。フェアグラは日本じゃ未だ未だ高値だから買った。(素晴らしいレコードで部屋にもある)。Brand New Heavies / You Are The Universe はプロモ盤。以前持ってたのと同じなのか覚えてない。初買いはJet Set を作った内門君とピチカートの小西さんの対談で話題になってたK-Tel のコンピ盤(Soul/Funk の名曲が24曲も収録されている74年リリースのもの。SlyからC.Mayfield そしてCymandeまで!)音圧低いんだろな。Bananarama/ Na Na Hey Hey Kiss Him Goodbye には D.Bovell によるダブリミックス収録。S.Shaw のシングルには Smiths / Hand In Glove のカバー収録。 それにしても暑い!。HMV はあるのかなと店を探すもののやはりない!一体どうなってんだ?アナログレコード盛り返してんのじゃないの?よう分からんなぁ。 ホテルに戻る前にテスコで飲み物を買い喉の乾きを潤し、そのままバタン休。

目覚めたら外が明るい!朝?嘘だろ?半日無駄にした?時計代わりにTV を見ると夜の9時!紛らわしいねん。この写真から夜を認識できますか?テスコに買い出しにでかけスープを美味しく飲みながらサンドイッチなどを詰め込む。前日から引き続きのこの行動が思わぬ惨事を引き起こしていた!香辛料がきつ過ぎたそのスープは腸を直撃!謎の下痢に悩まされるはめに。翌日を迎えてたのだ。理由を知るのが遅すぎるわな。いや、原因はひょっとして違うかも知れんと今は思い当たる節がある。それは初日に買った水を常温で置きっぱで飲み続けたというもの。原因不明の下痢は続く。次ロンドンへ行く際にはクノールとかのコンポタージュスープの粉を持って行こう。

写真左からYakumi.Japan さんから頂いた携帯用灰皿、Jet Set のシールが張ってあるD2で購入した缶の中にハイライト(1カートンが免税店で2600円。国内なら4200円だから税金は1600円ってこと?)そして今回の旅行に持って来た『渋松対談Z』。頭に全く残らない内容だから何度でも読める。この旅行中も3度読んだ。
そしてもう1枚の写真は街中にやたらとあった灰皿。以前からあったっけ?ロンドンオリンピックにあわせて設置したのかな。


5月22日。今日からバンクホリデイ。再び街中をさまよう。

朝6時過ぎ起床。タバコを吸うために軽装で表に出ると、うっすら寒いが、気持ち良い。連日こんな朝である。胃の調子は相変わらず。この日始めてその理由が香辛料きつめのスープかもと思い当たる。だって肛門がヒリヒリするのだ。TV でユーロビジョンコンテストが今年で60周年だと知る。ABBAが Waterloo で優勝しスウェーデンのバンドからヨーロッパで認知されるようになったのは周知の事実だが、単なる偶然だけど昨日買った Sandie Shaw もそうだったり、名前しか知らないけどルルもそだったんだって。
今日はポートベローまで足を伸ばしてみようと決意。まずノッティングヒルへ地下鉄移動。そこからふらふらとポートベローへ。いっつも道に迷うんだよな。いい加減覚えんとな。露天でレコードを売ってる店があったけれど、みんな吹っかけてる。高い。プライスのついてないレコ屋があって言い値!その段階でアウトでしょ。もう一軒は人の良さそうなおじさんの店だったけれど、「何探してる?」としつこく聞いてくるから、スタジオワンのジャパニーズソング『リンゴ』(美空さんのあの曲をカバーしてるのがあるのだ)。一生懸命探してくれてる間に他をチェック。買うべきものなし。ラフトレも高いし、高架そばの有名なオネスト・ジョンズでは日本のジャックスのLP の怪しげな再発盤を見たのだけど、やはり高くて手が出せず。結局買ったのは母への土産、大きめトート。ポートベロー公認のもので、子供が描いた絵がプリントされてます。
ノッティングヒルへ戻り、Music Exchange へ。まず、地下フロアー。カザルスコーナーがあるのに気付き、そこで父のためにGROC 盤のコルトー+ティボー+カザルス演奏によるシューベルトとハイドンの三重奏曲。そしてシングルしか持ってないPrimitives の1st と日本のバンドSandi & The Sansetz のアルバム(プロモ盤。多分一度だけ聴いた事のあるopen sesami収録。Yenレーベルだから教授のサンストで聴いたのかな?)そしてもう1枚は見た事も聴いた事もないレコードを選んだ。アーティスト名はPanda Bear 。内容全く分かりませんが、インナーのThank You が常規を逸したくらい巫山戯てた。Basic Channel から Moodymann はたまた K.ミノーグから P.コリンズまで。全くわからん。店の人に訊ねても説明に困って唯一分かったのはアニマルコレクティブって名前だけ(それすら聴いた事は無い。)安かったので買ってみた。こういうのが楽しみだわな。
1階のビートルズコーナーで凄いものを発見してしまう。Magical Mystery Tour のUS Mono 盤!!!!湯浅さんの本で知ったのだが素晴らしいらしい。経緯がややこしくてこのレコードは英国本国ではシングル2枚組のリリース。しかしアメリカでは同時期のシングルを B 面に収録する形でリリースされた。そして僅かながらMono 盤が存在すると。このレコードはアメリカから逆輸入で英国で発売されたようです。値段40£!(8000円)さてどうする。
一旦頭を冷ますためにケンタで昼食。チキン3ピース+ポテト+ペプシのセットが凡そ5£。上の空で食べてた。そして決意。やはり買おう。今の職場で2年強じっと我慢しながら働いてきた自分への土産だ。日本ではおそらくお目にかかる可能性は少ないだろう。確かにMono再発盤は今年?リリースされたがそれですら4000円位した。キンクスに比べたら安いもんじゃないかなどと言い聞かせながらレジへ。清水の舞台並の決意だ。
コベント・ガーデンまで移動してホテルまで歩きで戻ってみる。路が本当に分かりにくい。地図を見ててもどれが本道なのか分からん。オリンピックで路に迷う人続出を避けるため?やたらと分かりやすい地図が増えてた。これなら迷わない?いや若干迷ったな。チャリングクロスの裏道にはやたらと楽器屋さんが並んでた。高いオールドのギターなどが陳列されてた。そして少し気になった店に入る。楽譜屋さん。スミスの楽譜があったのだけど、大好きな Headmasuter Ritual が掲載されてなかったので買うのをやめた。ホテル近くのスタバでキャラメルマキアートのアイスを飲みながらタバコを吸い、ホテルへ戻る。再びホテル周辺を彷徨ってみる。位置関係がはっきりしてないのには唖然とする。また迷子になるのは嫌なのでホテルへ。暫く休憩していた。さて夕飯どうしようかと思案。
せっかく一日乗車券もあるから、ピカデリーサーカスの Ten Ten Tei へ向かう。かなり遅めの決意。トンカツ定食(美味しい刺身つき)と食後にカルピスを頼む。店主といろんな話を日本語でしながら食べるのは楽しい。ロンドンの物価高の原因などを教えてもらう。いやぁ美味しかったな。ここのお店は間違いない。表はほんの少し暗くなりだしていた。ホテルで『渋松対談』をパラパラ読んで就寝。明日は日本へ帰る日。


5月23日。帰国の日。やはりバタバタ。

4時過ぎに起床。早過ぎだな。部屋のインスタントコーヒーを飲もうとしてポットの電源を入れてみるが全く沸騰する気配なし。え?昨日までちゃんと湧いてたのに。困ったのでフロントへ持参。事情を説明。修理の人が出勤するのはもっと後だそうで、他の部屋のと交換という強引なしかし機転の利いた方法をとってくれた。ありがたい。コーヒーをスタバの容器に入れて外でタバコ。コーヒー+ハイライト+カードキー。朝の儀式。
部屋でTV を見たり、『渋松対談』を読んだりしながら、朝食時間が来るのを待つ。いつものようにトーストと酸っぱいグレープフルーツとコーヒーでお腹を満たす。コンチネンタルという安い朝食。イングリッシュブレックファストはいくらするのだろ。そこにはちゃんと温かい食べ物が並んでいる。いつか食べてみたいな。飛行機は3時過ぎのカタールなのでのんびりしていられる。
チェックアウトをしたのが10時くらい。京都に部屋から国際電話をかけたのでそれを若干払ったくらいで他の出費はなし。でもレコード30枚強入ったトートとゴロゴロを預けるのにお金が必要だった。ひんやりとしたラッセルスクエアーへ出かけてタバコを吸いながらぼんやりしてた。犬が沢山いて皆飼い主に従順だった。印象深いのは棒切れが大好きな犬。ご主人が投げる振りをすると一目散に飛んで行く。実際投げても飛んで行く。犬が棒切れをくわえたままご主人がぐるぐるまわす。顎の力が強力な犬は負けてない。犬も一緒にぐるぐるまわる。目は回らないのかねぇ。一時間ほど公園で暇をつぶしす。さすがに寒くなった。出発の時刻。
荷物を受け取り、駅へ。長いホームは大勢の人。電車が到着した瞬間電車内が人で埋め尽くされているのが分かったので、急いで少し空いてる扉へトートとゴロゴロを持って猛ダッシュ。ギリギリ、セーフだと思った瞬間扉に完全に体が挟まった!親切な方が扉を力づくで開けて下さった。なんとか車内へ。子供に笑われた!恥ずかしかったし、痛かった。何事もなかったように平静を装い、ヒースローへ。カウンターで通路側をリクエスト。すると満席だと云われた。良い席確保したからと云われてターミナル内をブラブラ。タバコ吸ったり、飲み物飲んだり、本読んだり。
機内は予想以上に混雑していた。村の長者様みたいな人や、白い服を来た人達。こりゃえらい飛行機だな。離陸すると子供が泣き叫ぶ。そしてCA がきゃんきゃん喧しい。イライラはピークに達していた。体調のせいだけではないと思う。ドーハまでこの状態が続くんかぁと思うとげんなりした。機内食が美味しいのがほんと救いだった。どれほど飛んでいたのか分からんけれど、やっとドーハ。まだまだ試練は続く。大阪行きは何処から乗るんかなとボードを見るも無い!既に搭乗時間を過ぎてたのだ。やばい!空港職員に訊ねる。到着ゲートは A で D からだと。端から端までめっちゃ遠い。重たいレコ入れトートを肩に下げ ゴロゴロを引っ張りながら息も絶え絶え走りに走った。右足の靴紐が解けた。完全にぶち切れた。何か叫んでたかもしれない。漸くD の文字が見えた!
出発が遅れていたようだ。っていうか待っててくれたんだな。喫煙所を探して一服。クールダウンできた。漸く搭乗手続きが始まって、バスに乗って移動。灼熱の暑さだ。昔のように地上から機内へ。さてこれで間違いないはず。日本行きの便には静かに業務を遂行するCA がいた。今さっきの CA は何処の国だったんだろう。酷過ぎだ。良い席と云われてたのは肘掛けを全部上げて横になって寝れる席だった。助かった。多少無理な姿勢だから、体の節々が痛くなるのは仕方ない。関空に5時過ぎ着。急いで家に電話する。「え?今日やったん?」電話に出た母は驚きながらそう云った。




11月11日(木)混乱に満ちあふれた一日

 深夜2時頃目が覚めた。父に電話をかける。「 Bloomsbury Square の近くにある London Review Book Shop を探して写真を撮って来い」とのムチャ振り。どうしてあらかじめ地図を書いてくれない?土地カンがないのに。昨夜ロンドンに着きスーパーテスコで買って飲み干したペットボトルに紅茶を入れ表に煙草を吸いにおりる。晴れているけれどとても寒い。部屋に戻って再び眠りに落ちた。6時起床。BBC Breakfast ニュースを観る。日本製アンドロイド(元モー娘の矢口似)が紹介されていた。他には学生のデモ隊と警官の衝突映像が流れていた。7時前再び紅茶を持って煙草。関空でハイライトワンカートンを2500円で購入。やはり増税していたんだね。7時からの朝食には未だ多少時間があったのでフロントでCYTY A.M. という新聞を読む。とはいえ殆どわからないので Head Line を眺めているだけ。気になったのは HMV lifted by Russian buyer という見出し。名古屋の友達が勤めているから。とはいえ日本は日本で別会社だったかな。たしかTSUTAYA 傘下だったはず。7時と同時に「コンチネンタル」と伝えて食堂奥へ直行しトースト4枚+フルーツ(オレンジとグレープフルーツをセレクト)+コーヒーを黙々と食べる。昨年と同じメニューで当然飽きているけれど満腹になればそれで充分だ。フルーツとコーヒーをおかわりし窓の外を眺めながらゆっくり寛いだ。「なんとかもってるな」。ペットボトルにコーヒーをいれミルクを足してそのまま表へ。煙草だよ。ちゃんと落としたコーヒーは部屋のインスタントの粉コーヒーとは違うなぁ。


President Hotel
 部屋に戻り準備して9時前出発。まずは父のムチャ振りに応えなくてはならぬ。なんとか迷いながらも Bloomsbury Sq. までたどり着くがそこからどちらへ向かえば良いのかわからない。行ったり来たりしながら結局発見できず。諦めてOxford St. へ向かう。Marks & Spencer に入っていつもの土産アールグレイを探すもない。HMV へ入りアナログコーナーでレコードを軽くチェックし収穫ないまま Berwick St. へ。一軒目 Sister Ray からReckless そしてMusic & Video Exchange へ入る。以前程思い入れがない Massive Attack - Heligo Land (10)とシングルを聴いて良かったので探していたKlaxons - Myths Of The Near Future ( 07) + Surfing The Void (10) を49£ で購入。レコードを選んでいる最中に父から電話。「見つかったか?」「急に言われても判らへんで」「今なにしてるんや」「SOHOのレコ屋、また後で探すから」「どうしても店の写真がいるから頼む」「判った」£49もの出費だったので一旦部屋に戻ることにしていた。
 Leicester Sq 辺りがもの凄い人混みで通り抜けできない。何があるんだ? Covent Garden にまで足をのばしM & S で紅茶を探すものの数が足りない。Bloomsbury Sq. まで戻り父に電話。「今公園の前にいるんやけどどこにある?」父の頭の中には地図があるのだろうけど共有されているわけじゃない。父の細々した説明にかえって混乱。そして最悪にも雨が降り出した。地図を出す。「どっちから来た?」「Covent Garden の方から。地図今手許にある?」「ない」「せこを入った所や」「どのせこ?せこだらけでわからん」「人に訊け」「何人もの人に訊いたけど分からんていわれた」「このまま電話つなぎぱなしで探すから切らんといて」東や西って言われても最早東西南北が分からん位歩き回っているのだよ。

London Review Bookshop
 適当なせこに入るとあった! London Review Bookshop の看板。何故そこまで父がこの本屋にこだわっているのか。父の英語の師匠で作家の Francis King 先生がそこでサイン会をやられたそうで学会誌に軽いレポートを書いてそこに写真を挿入したいのだという。父から「ようやった!good job 」と褒められた。「店に入って父の知り合いの F. King がここでサイン会をやった」って言ってこいと再びのムチャ振り。店に一人しかいないスタッフは携帯でおしゃべりに夢中。暫く待ったけれど終わりそうにもなかったのでホテルへ戻る。お金を財布に足す。仕切り直しだ!
 01 day Travelcard を買い Russel Square から Holborn までPiccadilly Line を使いHolborn でCentral Line に乗り換え Notting Hill Gate で下車。まずは腹ごしらえ。ケンタに入ってチキン3ピースとコークだけを頼んだはずがポテトも付いてた。お特セット?あるいは向こうの聞き間違い?テーブルに座り表を見ると土砂降りの雨。間一髪だった。隣に座っていた4人組の一人と目が合い「so hard 」って天気の話。 Music & Video Exchange で Kasabian - Club Foot(05) のシングル5£で購入。隣のクラブミュージック全般を取り揃える店でかなりの時間(なんせ広いしバーゲンコーナーも充実してる)を費やしたものの結局 Zero 7 - the garden (06)とテクノのコンピ The Electronic Institute (05) を25£で購入。隣の店に戻り地下のバーゲンコーナーで Monty Python sings (89) を£4で購入。

 時刻は既に4時前だ。今日はやらねばならぬことが未だ全然終わっていないので急いでバスに飛び乗った。たしか Marble Arch にも M&S があると Covent Garden の店員が教えてくれた。外を注意深く眺めながら Selfridge で下車。M&S を通り抜けた。地下の食品売り場で紅茶を探す。あることにはあったが数が微妙なので店員さんを呼ぶ。アールグレイをケース買いしたい。わざわざストックを持って来てくれたのだが「幾つは入ってる?」と尋ねると24個。「多過ぎ。じゃぁ半分買う。ケースを後で小さくするのを手伝ってくれます?」了解とのこと。レジの向こうで待っていてくれた。名前はステファノさん。「去年はさぁ10個を手荷物で持って帰って大変だったから今年は宅配業者に頼むんだ」箱をカッターを使って小さくしテープで頑丈にとめた。Thank you very much indeed .

Piccadilly Circus
 再びバスで Piccadilly Circus へ向かう。三越にクロネコヤマトの宅配所がある。三越の店内は日本の修学旅行の子供たちで溢れている。中学生?高校生?ヤマトのカウンターで日本人スタッフの女の子と手続きにとりかかる。そこでもばたついた。まず滞在ホテルの住所と電話番号(知らないよ)「携帯の番号でも良い」という。母の携帯なのだがドコモでどうすればこの番号が表示されるのかわからない。困っていると「ドコモですか?隣にドコモショップがあるので聞いてきます」「ありがとうございます」ということですったもんだの末書類を書き終わった。着払いで頼んだ荷物は一週間程で届くとのこと。あつくお礼を言って三越をでる。夕飯にマックでビッグマックとコークを詰め込む。それで充分なのだ。Piccadilly Circus は相変わらずもの凄い混雑振り。空を見上げると月が出ていた。晴れてるやん。
 地下鉄で Russel Sq へ戻る。駅前のテスコでハムとマスタードのサンドウィッチ+水+ジュース+キットカットを買って部屋へ戻る。水以外は2£で済むお特セット。らくちんだ。サクッとキットカット以外を食べ財布を調べる。コインが多過ぎて重い。困ったなとフロントへおりて駄目もとで頼んでみた。Would you change small coins to bill ? 大丈夫だった。チャージも不要だと。今まで駄目だと思い込んでいた自分がばからしい。余りにも草臥れていたのでバスタブに湯を入れ浸かった。気持ち良い。ただ髭そりを持ってくるのを忘れたことに気付く。参ったな。昨日買ったTime Out をパラパラめくり保坂和志の『カンバセイション・ピース』の続きを読み(再読)眠りに落ちた。

Massive Attack - Heligoland _3LP_10_ Breakbeat
Klaxons- Myths Of The Near Future _ 2LP_ 07_ Indie LPs
Klaxons -Surfing The Void _2LP_10_Indie LPs
Kasabian - Club Foot _10_05_Indie
Monty Python -Sings_ LP_89_OST
Zero 7- The Garden _2LP_06_Chill
V.A. -The Electric Institute_2LP_05_ Tek

思い出したこと

ピカデリーサーカスで「ロンドンオリンピックが2012年に開催されますがどこかお薦めのポイントありますか?」と取材を受けた。手には小さいカメラ。腕章もしていたので怪しい人じゃないようなのだが断った。I can't speak English . 「申し訳ない」と済まなさそうでした。僕の身なりを見て観光客じゃないと判断したんだろうな。

紅茶を詰めた箱を持ちレコードを持ってバスに乗っていた。ピカデリーサーカスで降りようとしたところよろめいて黒人女性に寄りかかってしまう。それも二度。謝った。女性は明るく笑ってくれた。

オックスフォードストリートやコベントガーデンそしてマーブルアーチの M&S の店員さんたち。ノッティングヒルのレコ屋の店員さん。みんな親切で親身になって僕の要求に応えてくれようと努力してくれたのにたいして一軒目に入ったレコ屋 SR は最悪。愛想の悪いことこの上なし。日本人が嫌いか?

ラッセルスクエァのリフトは一機故障(修理?)中でだだこみ。なおかつ人がマニュアル運転していた。無謀にも階段で上がっていく人もいたけれど。地獄が待っていることを知らぬのか?
11月12日 ブライトンへ The Beatles を探しに

 ノートに昨日のことで思い出したことを書き付け表で C&C 。大量の落ち葉が道を覆っている。ホテルのおっちゃんがそれを帚でかき集めている。- Every season ? Only in autumn ? -Only in autumn . - Every day ? - Morning and evening . - Japan ? - Yes , because I can't speak English . - Enough . なんて少し喋って再び部屋へ。さて今からどうする。もう一眠り?時刻は4時25分。  BBC のニュースは G20 Summit やX mas 商戦が始まったこと等を報道していた。そして昨日レスター・スクエァーがあんなに人で溢れていた理由が判明。ハリポタのワールドプレミアがあったのだ。どうりでメディアも大集合なわけだ。天気予報では Wind slowly easy だと。要するに過ごしやすいということでしょ?

London Victoria
where?
 地下鉄でラッセル・スクエァからグリーン・パークで乗り換えヴィクトリアへ。駅で切符を買う。Brighton , one day return ! 21£60 。さてどのプラットホームなんだ?あまりにも掲示板が大きすぎて見るのが邪魔くさくなり適当に入ってしまった改札は違ってた。駅員さんに二度三度ときく。漸く正しいホームにたどり着くと既に電車は到着していて慌てて乗り込む。例えば阪急梅田は改札抜けたところでホームを探す。ヴィクトリアは違う。だから間違った時が面倒だ。さて長い列車の何処に座ればいいんだ?指定席もあるはずだし。乗っている人たちで判断するしかない。身なりや着ている服。この人は金ないでしょうと。失礼な話だけど仕方ない。読書をしたり外を眺めたりしながらこの感じどこかに似ているなぁと思った。近鉄特急で四日市から戻る途中の青山辺り。トンネルの多さやひたすら広がる単調な田園風景。気分はそんな感じでした。London Victoria 9時40分発でBrighton 到着10時35分。巨大な屋根の駅から出るとパラパラ雨が降り出していた。

 さてどこへ向かえばいい?思っていたよりもはるかに街が大きい。下り坂を足早におりていくと楽器屋さんがあった。そこに入ってレコ屋の場所を訊ねてみる。親切な店員さんがグーグルマップで調べてくれる。ノートに地図を書いてもらう。お礼を言って元来た道を戻る。あった!小さいお店。店内に入ると年配の背広とチョッキを身に付けネクタイをしめた紳士が店奥から登場。何を探しているの?from 60's after millennium と答える。まずは Beatles をさくさく。続いて下の棚に縦向けに刺さっている80年代以降のレコードをチェック。親切な紳士といろいろ話す。日本人の常連さんがいること。娘(孫?)はバレーダンサーとモデルを生業にしていて東京在住とのこと。日本語の練習をしているとのこと。他にレコ屋がないか地図に書き足してもらう。クラッシックは好きですか?と聞かれたので思わず口からでたのは何故かラフマニノフ。彼みずからが演奏しているピアノ曲を収録したレコードを奥から持って来てもらったが実家にありそうなので断った。結局買ったのは Let It Be の 1st press 25 £という価格が高いのか安いのか分からないけれど折角親切にして下さったのだから。ビートルズの思い出話を一方的にして表へ。わざわざ外まで見送ってもらいあの高架下を抜けていくんです、と道を教えてもらった。
 向かうのは Trafalgar St. の Wax Factor と Across The Tracks 。かなり本格的に雨が降っている。隣合わせのお店でまず入ったのはシングルのみを扱う店。名前はどっちかわからない。バーゲンコーナーから Jhelisa - language electric (97)。聴いたこと無いけれどジャケ写に見覚えあったし Dorado というレーベルからAcid Jazz か UK -soul だと判断。£1. 95 安いので購入。12" も何枚か棚さしラックから選んでいたのだけど値段が付いてないからみんな安いのだと思って持ってくと未だ値段を付けてないだけでしっかりとした値段がついていたたんだよな。結構な時間をさいて見ていただけに少しがっかりした。そして隣のレコ屋(というか同じ店舗のセクション違いってかんじ)に入る。明らかに高そうだ。まずは Soul のコーナーから The Chi -Lites のベストを発見。 Are You My Woman が Beyonce - Crazy In Love のサンプルネタじゃなかったっけ、とうっすら思い出したのだ。そこで試聴させてもらうとドンピシャ当たり。ストーンズのレコードは直ぐに見つかったのだけど Beatles が見つからん。恥ずかしいけれど訊いた。すると脚立で登らないと届かない所にどっさり。圧巻だった。 アルバムごとに十数枚。そしてまたもや値段なし。こわい。店長さんらしき人に値段はどうなっているのか訊いた。すると内線で誰かを呼んだ模様。年配の方が来られた。「何が欲しい?」と訊かれ「Abbey Road , most cheapest 」と今考えるとむちゃくちゃな英語で答えていた。舞い上がっていたんだよ。数枚の中から選ばれたレコードを10£と云われ手渡された。オリジナルかどうかなんて既に研究対象になってるくらいだから頭から外している。部屋には当然あるのだけど米盤なのがなんだか嫌で購入する。2枚で£14.99 。

   まだどこかにレコ屋があるんじゃないかと半ば閃きでうろうろしているとやっぱりあった。あるはあるはレコード。Beatles のコーナーもしっかりあり値段もちゃんと付いている。選んだのは Rubber Soul , Revolver , Sgt. Peppers の3枚。Rubber Soul は部屋にあるのだけどやはり米盤だし Revolver とSgt. Peppers は英盤なのだがステレオでオリジナルじゃない。ということで財布と相談し Rubber Soul はStereo Original を Revolver は Mono を Sgt. Peppers は Mono Original を買うことに悩んだ末決定。値段がそれぞれ £19.99 、£39.99 、£29.99 。ここまで来ると骨董品扱いだな。全部でいくら?とおそるそる訊く。紙に20+40+ 30 =£90 と書いたのを見せて(厳密に云えば£89.97)キャッシュかカードか訊かれキャッシュと答えると£10値引きしてくれることになった。ありがたい。そういえばリボルバーのインナーが奇妙で Pink Floyd の1st やSgt Peppers が紹介されていた。両方とも67年リリース。つまりこれはオリジナルじゃないということ。そして何故か日本武道館でのコンサートの写真が糊付されている。誰の仕業だ?店長さんが「そういえば今朝東京のDisk Union のバイヤーが来ていたよ。知ってるか?」「知ってるよ」思わず口から出た言葉にスタッフ3人は驚き大笑いした。- Fuck off , Buyer ! I hate buyer ! まさかこんな弱っちいやつからそんな言葉が出てくるなんて思わなかったんだろうな。そうやって仕入れたレコードを5桁で売るんだもんな。「自分で聴くためのレコードだろ?」と訊かれたので当然と答えた。「また来てよ」ーはたして来年はあるんだろうか。
fish & chips Battersea Power Station get back to where you once belong  時刻は既に2時半。昼食はしっかりと食べたいとお洒落なカフェっぽい Nia を選んだ。Fish & Chips を食べ食後にコーヒーを頼む。Fish & Chips はなんか魚が違うような気がしたのだけどどうだろう。コーヒーを外で飲んでもいいかと訊ね持ち出す。外の雨は依然やまず。屋根のあるところで雨に濡れないように小さく座りながら煙草とともに。やっと落ち着きを戻す。お会計を済ませ駅へ向かう。タイミング良く電車がやってくる。3時20分ブライトン発。帰りの車中でも外を眺めたり本を読んだりしていた。雨は読みそうにない。行きの車中で見逃したBattersea Power Station (現在はその役目を終え再開発中)を発見カメラにおさめる。Pink Floyd - Animals のジャケ写でお馴染みの元発電所。でかい。そして London Victoria に一時間で降り立つ。今日はまだやることがあるのだ。

 地下鉄でGreen Park で下車し外へ出る。今からBeatles が最後に無許可ライブを敢行した場所を探す。手許には昨年偶然古本屋で発見した The Beatles London - The Ultimate Guide To Over 400 Beatles Sites In And Around London がある。ビートルズ縁の場所を地図付きで案内した本。これなら迷いようがないはずだろうとたかをくくっていたのが間違いの元だった。雨の中地図でピカデリー・サーカスの方へ向かう。通りは Saville Row 背広の語源だという。幾人かにききやっと通りに出る。通り過ぎていた。駄目だな地図が苦手だ。ただどれがその建物の跡地なのかわからない。1969年1月30日木曜の昼時4人は屋上でゲリラライブをやる。あの時の演奏はとても上手かった。すごく上手くなっていた。なんの曲を演奏したかあまり覚えてないけれどGet Back やDon't Let Me Down が印象深い。ビリー・プレストンのエレピもかっこ良かった。映画ではその音に気付いた会社員がぞろぞろ何が何処で始まったんだと上を見上げていた。当時はこんな感じだったのではないかと言い聞かせ写真をとる。ところで斉藤和義「ずっと好きだった」の PV はこの当時の演奏シーンにオマージュを捧げています。ジョン役はリリー・フランキー!閑話休題。トイレが行きたくなったので三越のトイレに直行。Berwick St. の Reckless Records へ入る。店名がRevival Records から戻ったようだ。まぁ何も無いよなというか無かってくれと念じながらやはり見つけてしまう。As One - Reflections (94) と 4 hero -Creative Patterns (01)。 ずっと探していた。2枚で£19。財布のお札を数える。夜飯は£2あればいい。ぎりぎり足りる。購入。
Tottenham Court Road St, から地下鉄に乗り込み Holborn で乗り換える。ラッシュアワーと重なり駅は大変混雑していた。Russell Sq. で下車し Tesco で昨日と同じマスタードのハムサンドィッチと飲み物とおやつを買う。いつのまにか晴れていた。部屋に戻ったのが6時半過ぎでTV を付けるとThe X Factor を流れていてカイリー・ミノーグが出ていた。昨日と同じものを食べTime Out で見る番組はないかとチェックする。11時から良さげな番組があるのだが起きていられるか自信がない。風呂にゆっくりと浸かり保坂を少し読んだが限界。寝てしまう。とにかく夜が起きていられない。そして深夜というか早朝といえばいいのかに目が覚める。悪循環に陥っている。


The Beatles - Let It Be _LP_70_Rock
Jhelisa- Language Electric _ LP_97_Soul
The Chi-lites - Greatest Hits _LP_?_Soul
The Beatles - Abbey Road _LP_69_Rock
The Beatles - Rubber Soul _LP_65_Rock
The Beatles - Revolver _ LP_66_Rock
The Beatles - Sgt. Peppers Lonely Hearts Club Band _LP_67_Rock
As One - Reflctions _2LP_94_Electronics
4 hero - Creating Patterns _3LP_ 01_Nu Jazz/Dub
昨日の記憶と考えたこと

雨があれほど降っているのに傘をささない人がかなりいるのは天気が変わりやすいというのもあるのだろうけれど道が狭くさすと人に当たってしまうからじゃないかと思った。旅行者はさしているけれど。京都みたいに傘をさしてちゃりんこなんて人は皆無。

一体どれほどのレコードがブライトンに集まっているのだ?19世紀の優雅さを残す海辺のリゾート地。そしてモッズの生き様を描いた映画『さらば青春の光』でロッカーズとモッズが大乱闘を起こした街。なんでもブライトンは隠居したお金持ちの老人達が静かに老後を過ごす街だそうだ。老人達が次々と死んでいくのは紛れも無い事実で行き場をなくした身の回り品は(親戚縁者達はその価値も知らぬまま)業者にただ同然で回収されるのだろう。だからあんなにもレコードが残る。ブライトンはアンティーク・ショップが沢山あることでも有名なことでそれは裏付けされる。
11月13日(土) 悪夢の一日

 4時起床。外でC&C 。一時間読書をし再び C&C 。昨日の記憶を書き付ける。BBC の天気予報でどうやら一日じゅう天気が持つと。Sunny Spells . ヘッドラインでは連日のアウン・サウン・スーチーさんの報道。9時ホテルを出発。ポートベローへわくわくしながら向かう。なにか掘り出し物が見つかるか?電車のなかで日本人夫婦とふとしたきっかけで話し始める。「ずっとこちらにお住まいですか?」と訊かれる。身なりにかまってないから現地の人に思われるのかも。「日本食が恋しくなったらピカデリー・サーカス近くの『てんてんてい』が良いですよ。お茶もちゃんと出るし。去年食べた揚げ出し豆腐が美味しくて」「調べて見ます」なんでも今日着いたところだと。Holborn で乗り換える。Notting Hill Gate で下車する。
Portbellow Road
found my way upstairslunch at Ten Ten Tei
 既にこの人混みだ。昨年ホワイトアルバムのオリジナルを発見した店へ急ぐ。「僕のこと覚えてる?昨年ここでホワイトアルバムのオリジナル買ったんだけど」と店主に訊くも軽くあしらわれたのでひたすらエサ箱を漁る。何も無い。今回ははずれ。他にレコード置いている店ないかなとうろつくもあることはあったが買いたいものなし。ガード下の露店を後にする。既にこちらへ向かう人たちで道は混み出していた。途中今まで入ったことのないしっかりとした建物があったので入っていくとレコ屋が。ものすごい品揃えなのだが高すぎて手が出ない。結局 Notting Hill のいつもの店に入っていた。Primal Scream - Ivy Ivy Ivy (89)と(7"は持っているのだけど)と最近 CM で使われていた Franz Ferdinand - Do You Want To(05) をそれぞれ £2で購入。これがその曲かどうか怪しかったのでカウンターで歌う。恥ずかし。アルバムもあったけれど少し高い気がしたのでやむなく暴挙に出たわけ。時刻は12時過ぎ。ピカデリー・サーカスへ向かう 94番のバスに乗る。道が大渋滞で全く進まない。こんなことでオリンピック大丈夫なんだろうか。途中でしびれを切らせて下車していく人たちが多数。特に酷かったのが Hyde Park St. 辺り。遅々として進まない。Hyde Park は色づいた木々で鮮やかだ。なんとかピカデリー・サーカスに着いたのが一時過ぎ。40分もかかってる。Ten Ten Tei に入ってトンカツ定食を頼む。あったあった揚げ出し豆腐!昨年食べた時これが美味しかったんだよ。ほうれんそうのおひたしも良い。胃が小さくなっているせいかご飯のおかわりができない(おかわり自由!)。20分で食べきる。£11。普段の食費に比べたら決して安くはないけれどたまにはこれくらいの贅沢は赦して欲しい。レコ屋街の Berwick St. の Music & Video Exchange に入る。mid price コーナーを漁っていると日本では未だ高値が付いている場合が多い Bristol が生んだ幻の Pop Group の残党が結成した Rip Rig + Panic - I am Cold (82)を£6で発見。何故かその店で鼻水が止まらなくなっていた。多分お茶。最近お茶を飲むとそういう症状になる。ハンカチを持っていて良かった。続いてReckless で Laurent Garnier の Unreasonable Behaviour (00) とThe Cloud Making Machine (05)を購入。というのも職場で彼の自伝を読んでいたから。最高なのはやはり1st だけど(とは云いつつも1st の良さが本当に分かり出したのは最近のこと) ひょっとしたら良いかもしれないでしょ?
 他にも気になったレコードがあったのだけど迷った挙げ句パス。「ジャミロクワイの新譜が出たはずだよな」と思い出したのだ。あれハンカチがない。何処で落とした?下を注意しながら戻り結局見つかったのはさっきの店。だれにも拾われず床に落ちていた。HMV でJamiroqai - Rock Dust Light Star (10) を£19.99 で購入。いいんかねぇ。少し高いけれど日本で買うとなるともっとするだろうから。


a crowd of people
 両親に何か土産を買わんとなぁとまず Charing Cross の古本屋街を彷徨う。父が最近アマゾンで村上春樹の「ノルウエイ」「ねじまき鳥」の洋書を手に入れたので「カフカ」を探す。Fiction 棚は A-Z で並んでいるのだが H なのか M なのか頭が混乱。あった。M だ。£4.50 。表紙が少し汚れていて高いけれど買った。さっきのレコ屋で買うのを見送ったレコードが気になり出していた。やはり買おう。ということで再び戻るのだが近道をしようとしたのがあざとなりかなり遠回りしてしまった。どうにかこうにか先ほどの店にたどり着き Playgroup - Number One (00) を£5で。さてこれで全て済んだ。後は帰るだけだ。ピカデリー・サーカスへ出る途中日本の書籍を扱う古本屋を覗き日本のコンビニみたいなお店で缶コーヒーを買いエロスの像の下で煙草を吸いながら飲み干す。土曜の夕方ということもありいろんな国からやって来た観光客で大混雑だ。

 地下鉄で部屋に戻るとするかと駅に下りるとこれまた大混雑。ラッシュアワー?と思って改札を抜けるとPiccadilly Line no service と掲示板に書いてあった。駅員が大声で云っていたのだがうるさくて聞き取れなかった。それにしてもこの人出の多い土曜日にわざわざ運休にするか?まぁしょうがないなと歩いて帰ることにする。この判断が悪夢を呼び寄せた。そやまだ母に土産買ってないからコベント・ガーデンのマーケットで何か買おうと歩く。途中花火の音が聴こえ見えた。何故だ?何を買えばいいのか全く浮かばない。あれこれ見て廻るも買うところまでいかない。仕方ないな今回は無しの方向でと決断し目印の Centrepoint を探すものの高い建物が多く方向が分からない。疑心暗鬼にはまり出す。あったCentrepoint だ。ところが Tottenham Court Road 辺りが大混雑している。ただでさえ狭い道を工事しているのだ。人で大渋滞が起きていて前へ進めない。イライラがつのる。向こうから沢山の人がこちらへやってくる。一方通行を逆走している感じ。悪戦苦闘の末 CP の下にたどり着く。困った。いつもと違う方向からやって来たのでどちらへ進めばいいのか全く分からない。空は明るすぎて星も見えない。見えたら北極星を探すだろう。月を探すかもしれない。

 勘を頼りにするのも危険だから警官も含めていろんな人に訊いた。Russell Sq. とLeicester Sq. を聞き間違いする警官(まぁ単純に僕の発音が悪いだけなんだけど) 頭の中はもう収拾不可能なほど冷静さを失っていた。適当に歩くと全く違う方向なのに気付く。向こうに高い塔が見えるのだ。あれはレコ屋街からも同じ方向に見える。再びCP の方向へ戻ろうとするももはや完全に迷子。たとえ地図を持っていても既に東西南北が分からないから役に立たない。Holborn はこちらという看板が見えたのでそちらへ。一駅の近さだったから。その行為がますます悪い方向へ誘い込む。もはや心は完全に折れていた。人に訊く勇気もないし聞き取れる自信も無い。もうこれ以上動けない歩けない。煙草も吸いたくない。しかし動かないわけにいかない。バス停の表示を見てもどこにいるのかわからない。親切そうなおばあさん二人組に出会ったので訊ねる。彼女たちも地下鉄が使えないから歩いて帰るのよという旅行者だった。一体どこを彷徨っていたのか分からないが暗い道で帰路を急ぐ女性に訊き方を変えてみた。Russell Sq. が駄目ならBritish Museum があるじゃないかと思ったのだ。通じたようなのだが説明が困る程違う場所にいるようだった。方向だけ確認。それだけでもありがたい。すると見覚えのある高級日本食レストランを(無縁だから事実は知らない)偶然発見。冷静にどちらの方向にホテルはあったのか思い出してみる。一瞬違う方向へ進んでしまったのだが直ぐ間違いに気付いた。漸く知っている街角に出て来ていた。これで大丈夫だ。ホテル6時過ぎ戻る。一体何時間彷徨っていたのか考えたくもない。

 余りの疲労のため部屋でベッドでだらけていた。一時間が過ぎなにか胃に入れないとまずいかなとテスコへ買い出し。フルーツの盛り合わせみたいなのとジュースを買って部屋で TV を見ながら何も考えず口に掘込んだ。Time Out を広げ七時半からの Harry Hill's TV Burp を見る。昨年見ておもろかったのだ。自局(ITV1)だけじゃなく他局(BBC等)の映像までも使ってちゃかす番組。今回はBBC のドラマ East Enders から料理番組までもが餌食になっていた。これでちゃんと英語が聞き取れるならもっとバカ笑いできるのにな。ちなみに料理番組は下ネタ攻撃でした。そしてその後のX-Factor (素人のオーデション番組)はElton John Night でした。何でいまさら?と思うものの教科書的でいいのかもしれないなと見続けた。K・ウィッスル(イケイケノ姉ちゃん風)は Saturday Night's Alright For Fighting 。M・カードル(優しそうな兄さん)はGoodbye Yellow Brick Road そして R・ファーガソンはCandle in The Wind 。カードル兄さんの『グッドバイ~』はでたらめに合わせて歌いながら泣いてしまいました。素晴らしい曲だよ。ファーガソンさんの『キャンドル~』って曲ってどうなのよってはじめは思った。ダイアナ妃絡みの曲でしょ?でも彼女が歌い出すともうそんな雑念は吹っ飛んだ。とにかく有無をいわさぬ圧倒的な歌唱力だった。途中風呂にゆっくり浸かり(この人たちは見なくて良いだろうって判断した人たちもいたからね)続きを見ていたのでひょっとしたらすごい人を見逃しているかもしれないけれど。エルトンジョンナイトは思わぬプレゼントだった。頭の中では『グッドバイ』がこだましていた。それにしても誰がどの曲を歌うのかってどうやって決めているんだろうか。曲によってかなり審査が左右されるのは必至でしょ?番組が終わるやいなや爆睡。

Primal Scream - Ivy Ivy Ivy _12"_89_Rock
Franz Ferdinand - Do You Want To _12"_?_Indie
Rip Rig + Panic - I Am Cold _2x12"_Rock
Laurent Garnier - Unreasonable Behaviour _ 2LP_00_Techno
Laurent Garnier - The Cloud Making Machine _2LP_05_Techno
Jamiroquai - Rock Dust Light Star_ 2LP_10_Soul
Playgroup - Number One _ 2x12"_00_UK Garage/Nu Disco
11月14日(日)帰国の日 やはりばたつく

 3時起床。疲れがとれていない。本も読みたくない。表で C&C 。いつものおっちゃんと昨日は最悪の日だったと話す。歩いて迷って歩いて2時間くらい歩き続けたよと。「今日日本に帰る」「何時の飛行機?」って訊かれたので「11時20分」と答える。2時間前に着かないとだめだから急いだ方が良いよと。日曜日の朝食は7時半からなのだ。計算してみる。サクッと十分くらいで食べて表で煙草を吸って部屋に戻って直ぐにチェックアウトすれば8時には地下鉄。1時間でヒースロー着。間に合う。ただ昨日の様に運休していたらアウト。おっちゃんはタクシーを使えば?と。そんなお金ないよ。ホテルから無料送迎のバスも出てないと。

 部屋に戻り London Street Atlas でどのあたりを彷徨っていたのか確認しようと試みるも無駄だった。そして昨日の記憶をノートに書いておこうとするものの何も思い出せない。6時からBBC を見ていると今年のワールドカップサッカーで一躍有名になったブブゼラ。あのブーブーうるさい楽器。(今年の話だったんだよな。すごく遠い過去の話に思える)のこぎりで切断しリユ―スしてイヤリングにしたりする人がいると報じていた。本当か?ゆっくりと荷造りを始める。ほんとわずかなものしか持って来てないから楽なんだよ。服はずっと同じだし。そして去年手荷物で持ち帰ったので大変だった紅茶は宅配で済ませた。レコードは重いしかさばるけれどこれを求めてわざわざロンドンまで来てるから苦にならない。

 計画通りことは進みチェックアウトを済ませ8時には既に地下鉄に乗り込んでいた。向かうはヒースローターミナル3。フィンランド航空のカウンターの列に並ぶ。順番が来たので行くとカウンターの年配の女性がなにやら怪訝な表情になっている。「大丈夫か?」心配になってくる。早口の英語が聞き取れない。どうもダブルブッキングされているようだ。ちょっとオフィスに来てくれというかんじになって(直そこだった)なにやら上司に報告している。聞き取れたのは mistake という単語。当然切符を再発行してもらい(same flight ? って訊いたよ)。先ほどの上司の女性にThank you very much indeed とお礼を言っておく。キレルのは容易いことだからね。どうして最後までこうなんだろ。Where 's smoking aria and restroom ? と訊く。 レストルームが通じなくトイレ?と訊かれなおした。表で煙草を吸いトイレに入り諸手続きを済ませ何番搭乗口なのか見るとやはり waiting だ。いつもこうだから朝そんなに慌てなくてもいいんだけどな。時間がありそうなので二度目の朝食を軽く済ませ(どうしてマクドとかないんだ?)再び掲示板を見るが変化無し。搭乗時間を既に過ぎているのにまだ決まってない。何番搭乗口までは何分かかると書いてあるのだけど遠い所だったりしたらどうすんねんと心配になってきた。やっと決まった搭乗口はそれほど遠くなかったで急がずに済んだ。昔の映像でしか見たことがない地上からタラップで飛行機に乗り込み(そこまではバス移動!)。これからヘルシンキを経由して関空だ。ヘルシンキにはしっかりと広い喫煙室が設けられているから好きになった。KLM は狭かったもの。そしてヘルシンキのキヨスクで飲み物を買いすすりながら待つ。日本語のアナウンスはこう告げていた。「英国からヘルシンキを経由して日本に向かうお客さま以外は手荷物などの検査が必要です。ただ今非常に混雑しておりますのでお早いめに○○搭乗口前にお越し下さい」よかったぁ。そして保坂を読み飛行機に乗り込み横の席が空席だったから肘掛けを上げ横向けに眠り(ただかなり狭い)目覚めると中国の上だった。そして関空に10時到着。