コロナ禍の中名古屋へ出かけ四日市へ。2021年6月15日から16日。

前日体調は絶不調。しかしどうしても名古屋へ行きたかった。というのも5月末に大須のグレヒからセールの DM が届いていたのだ。20%off は大きい。最終日が15日だった。行かねば。朝体調を慎重に確かめる。大丈夫そうだ。なんとかなりそうだ。五時に起床後、朝のルーティーン(掃除と朝食準備と読書)を済ませ家族でお茶粥を食べBS で『あぐり』〜『モネ』を観、部屋に戻り名古屋行きの準備をする。九時過ぎのバスにお腹の調子を気にしながら七条で下車。五条通り経由の5系統なので凡そ40分。四条通り経由は時間が読めないので使わない。金券ショップで新幹線の名古屋までの片道を購入。¥4750。果たしていか程安くなっているのかいつも疑問に思う。調べてくれば良かったなと毎度考える。新幹線ホーム後ろで待つと直に、タイミング良くひかりが到着。喫煙スペースを確認し(二号車と三号車の間)鞄等を席に置いて煙草。いつもは伊吹山が左手に出現し関ヶ原を過ぎた辺りで一服することにしている。凡そ40分で名古屋に到着。このホームを移動するたびごとに通路が狭く感じられる。京都駅が例外的に広いのか?名古屋が極端に狭いのか?PC で困った時に連絡する友人は鉄道にも造詣が深いのだけれど、彼に尋ねたことがある。「陛下が伊勢神宮に参拝される時は、名古屋から近鉄に乗り換えるの?JR から近鉄までかなりの距離あるけれど、一般の人と同じ通路を使うの?、秘密の通路があったりするの?」。駅の西から東まで突き抜けて地下鉄東山線ホーム。伏見で乗り換え大須観音で下車。息切れしながら階段を上り、グレヒ前に到着したのは開店時間を少し過ぎたところ。缶コーヒー+煙草。「そや、いつものホテルに電話しとかんと」。体調に左右される日々を過ごし続けているので、『あらかじめ』という言葉が使えなくなって久しい。四日市のビジネスホテルに電話すると、休業中と衝撃の事実を知らされる。名古屋で泊まることも頭に過ったけれど、四日市でどうにかなるだろうと、楽観的に考えることにした。かつてロンドン・ヒースロー空港のホテル予約サービースカウンターで拙い英語でホテルを確保したことがあるんだ。その無謀さに比べたら大したことない。さていざ入店だ。トートバックをお店の方に許可を取って置かしてもらう。

通り窓側の1000円以下コーナーから黙々とレコードをチェックしだす。「さすがに最終日、殆ど掘り尽くされているだろう」という懸念は瞬く間に消える。出てくるねぇ。Kimiko Kasai"Tokyo Special"(山達作曲の『バイブレイション』収録)Norman Cornors "Dark Of Light" Gil Scott-Heron "Pieces Of A Man" 。そしてプロパーの値段がついているコーナーを端から端までひたすら掘り続ける。Hip-Hop からTechno そして Beatles 特別コーナーと突き進む。Beatles は殆どが 2EMI UK 盤だったためスルー。ソウルコーナーではBobby Womack "Greatest Hits"。奥のロックが固まっているブロックはプログレ・コーナーから Soft Machine "Triple Echo" 3枚組を悩みながら取り出す。以前¥100 Vinyls で買ったのだが、残念ながら1枚欠品していたのだ。リベンジ。一旦会計を済ます。二階のバーゲンコーナーフロアーでまず、クラッシックをチェックし、その後時間が許す限りチェック。時間がどれほどあっても足りない気がするくらいのもの凄い物量なのだ。 結局 Bob Dylan "Eleven Years In The Life Of" という日本独自編集?の3枚組ベストを ¥550で発見。すべてその値段から20% Off なので。階段を下りながらジャズを見ていないことを思い出し、Miles Davis "Milestones" (SX 68MARK II シリーズで音が抜けが良い)と Herbie Mann "Push Push" ( Duane Allman 全面参加)の Promo を購入。さて四日市へ急ごう。

名駅の地下は入組んでいて分かりにくい。なんとか近鉄という表示を見つけそちらへ向かう。半年に一度送られる株主優待の切符で四日市まで急行に乗る。お腹の調子は大丈夫だ。のんびりと窓の外を眺めていた。一級河川を三本過ぎると三重県だ。遠くにはうっすらと鈴鹿山脈が見える。桑名の次は富田で僕の出生地であり、父の教員生活の大きな一歩となった町だ。幼少期の僕は病弱でぼんやりとしていたらしい。父が68年から69年に英国へキャリアアップの手段として選んだ留学のために羽田へ向かう当日にも熱を出し、母方の家に預けられる始末だったそうだ。全く記憶にない。そして父が帰国の際にも同じことが繰り返される。そして三時前に四日市に到着。先ず宿を確保することを優先した。駅の真下にそんな観光案内所があったと思い出した。近畿日本ツーリストは運悪く定休日だった。そこでスタッフの方に事情を話すとここではホテルの斡旋はしてないけれど、地図に安いホテルをマーキングしてくれた。直ぐ近くのスーパーホテルへ駆け込む。「残念ながら喫煙可能のお部屋しか用意できません」「かえってありがたいです」チェックインを済ませ、部屋で持って出かけるものとそうでないものを別け、外出する。まずはいつ行ってもタイミング悪く休んでいることが多い、ルークレコーズへ駄目もとで行ってみると営業していた!ジャズは高値なのでスルーして、ロックやソウルをチェックする。「なにもないかぁ」と諦めずに見て行くとジミヘンの『想い出』を安値で発見できた。そしてその足で近鉄百貨店へ向かう。毎朝食べているお茶粥との相性がとても素晴らしいしぐれを量り売りしてもらうのだ。真っすぐ歩いていると僕が四日市に再び暮らすことになった90年代後半(本屋勤務の傍らクラブでレコードをスピンしたり、その流れで FM 局で番組を制作していたりしていた、とても充実していた時期)近鉄百貨店の正面にあったスターアイランドというファッションビルは取り壊されて更地になっていた。四日市は大丈夫なのだろうか。シャッターが下りている店も数多く見受けられた。近鉄百貨店の貝新でしぐれを200gx5を頼む。毎度そんな注文をするものだから、店員さんも覚えていてくれて、挨拶してくれた。丁寧なご挨拶でした。ホテルへ戻る前に特急の一番早朝の時刻を聞きに切符売り場へ。6時59分とのこと。八木で一回乗り換えるだけで済むようだ。ホテルで再び片付けをし、ちょっとばかし早いかなと思いながらも朝7時に朝食をとって以来何も食べていない。流石に空腹だったので王将へ。「えっ四日市に来てまで」と声が聞こえてくる。ホテルから近いし、慣れた味だからだ。ホイコーロと餃子とノンアルビールを注文。美味しいな。京都市民のソウルフードンだ。ただ時間が未だ夕方で絶対にお腹が減るのは間違いないので、スーパーサンシへ向かう。両親が云うには三重県四日市だからサンシなのだそうだ。後年中尾ミエに三重県の CM をやらせたのと同じセンスというわけか。「午後の紅茶」「綾鷹」「ブルガリアヨーグルト」そして20%引の「豚バラお好み焼き」を家から持参したマイバッグに入れてホテルへ帰る。雲行きがなんだか怪しくなって来た。天気予報では下り坂だった。ホテルへ戻り着替えたり煙草を吸ったりTVを眺めながらぼんやりしていると雷がなり始め雨が酷く降り始めた。早めの行動が災難から守ってくれた。

その日はドラマ『大豆田』の最終回。このクールでハマったドラマはこれと『光源氏くん』だけだ。ここ数年のドラマはずっと職業シリーズか恋愛ものばかりなのだ。そして共通なのが伏線回収の手法が採用されている点だ。職業と日常生活のバランスでは殆どが職業寄りなのだ。医療や法廷や探偵等々。その素材を使っていても新鮮なドラマはあるのだけど、既視感は否めない。残るのはキャストの組み合わせの化学変化くらいか。しかし『大豆田』は違った。殆どが会話。事件もあったりするが、淡々と描かれている。例えば幼なじみかごめのあっけない死。三人の元夫達のくせのある邪魔くささ。そして斎藤工やオダジョウをあんなに惜しげもなく雑に使うなんてと、思う。そして最後のエンディング曲が本当に良かった。音楽的にはオシャレ系Hip-Hop なんだけど、週代わりでラッパーが交代。当初は万が一薬物関係で逮捕された時の保険かなと、思っていたのだけど、違っていたようだ。松たか子の声もニュートラルであっていた。

2000年台の日本の音楽シーンって90年代的だなと思う。iri や Nakamura Emi 等の Acid Jazz / RB 系。BiSH やでんぱ組等のオルタナ系。Bluevalley や YeYe のネオアコ/ギターポップ系。Perfume やエビ中/春の嵐等の打ち込み系。音楽番組が激減したために、テレビで新しいアーティストと出会う機会が失われたけれど、しっかりとアーティストは育っている。ネットの動画はあくまでも一本釣りだから新たな才能に出会えない。音楽業界にも音楽好きにも不幸な時代だ。

閑話休題。明日は早めに四日市を出発する。疲れもあり、NEWS23が始まる前に。エアコンをきり、灯りをけし就寝。

いつもの習慣で5時前に目が覚める。天気を確認するためにカーテン越しに外を眺める。昨日とはうってかわりしっかりと雨が降っていた。外気は少し肌寒い。一階へコーヒーを取りに降りる。NHKを観ながら部屋で一服し今日の予定を立てる。6時半からバイキング朝食がとれるのだが、お腹のことを考えてスルーすることにきめてもう一度ホットコーヒーを取りに行く。忘れ物がないか確認し部屋を6時に出発する。さらに雨はきつくなっている。ファミマのコーヒーを持ってタクシー乗り場にある、喫煙所へ。のんびりしゃがみやまない雨を眺めタバコを吸い続ける。京都丹波橋までの特急券を買い、6時59分発の大阪難波ゆき特急がくるまで、待ち合い室で待つ。父に丹波橋の到着時刻とそこから一時間くらいで一乗寺とメールを打つ。やはり少し寒い。喫煙スペース近くの6号車に座る。降り続く雨の中を電車は進む。昨日買ったペットボトルのお茶と紅茶は未だ残っている。以前より停車駅が増えたような気がする。伊賀神戸で停まっていた記憶がない。退屈だった緑の景色が今では目に優しく楽しい。街中のごちゃごちゃした高い建物にうんざりしているのは、歳をとったせいなのか。8時24分大和八木に到着し前の階段を降りて京都ゆきに乗り換える。29分発。いきなり街の様子がごちゃつき始める。大和郡山では左手にお城が見える。県下の進学校として有名な郡山高校はたしかこのお城の敷地内にあるのではなかったっけ?そして再び寂れつつある新田辺等を通過し、もうすぐ近鉄丹波橋だ。遠くに伏見城の復興天守が見える。京都に帰って来たと実感する。9時12分に到着しレコードの重さのためにずっしりと重くなったトートを肩から下げて、階段を上がり、京阪の連絡口へと急ぐ。前までは叡山電車の運賃込みで切符が買えたのだけど、数年前(2018年?)の台風により叡電が不通になったままの路線があるため購入できなくなった。復旧させる覚悟はないのだろうか?仕方なく京阪だけの切符を買い特急に乗る。通勤通学の時間帯ということもあり、かなりの混雑ぶりだ。祇園四条(前は単なる四条だったはず)と三条で殆どの乗客は降りて電車内は静かになった。出町柳終点で再び重いトートを担ぎ、叡電まで急ぐ。そして一乗寺まで移動する。雨はやはりやんでいなかった。東にとぼとぼ向かい白川通りの交差点にあるファミマで再びコーヒーを飲みながら煙草を吸って一休み。急な勾配を上りながら10時過ぎに帰宅した。次回は何月にグレヒセールがあるのだろう。


2013 

名古屋に来るのは実に11ヶ月ぶり。7月6日・7日 

 いつものメンバーで一生懸命に記憶をたどり、そういやロンドン五輪での閉会式の TV 中継の酷さを喋ったよね、ということから、えらい月日が流れたなと、愕然とした。
 朝八時に部屋を出発、バスで京都駅に。今回も在来線利用だ。車中のお供は『渋松対談Z』である。内容の手軽さ/お気楽さで選んだ。笑えるマンネリズム。最高にバカバカしくて素晴らしい。米原で猛ダッシュ、大垣でさらに猛ダッシュ。京都駅で五分遅れだったのだ。車中は名古屋が近いというだけあって、満員だ。目の前の数人の日焼けした若人の鞄には京大サッカー部のロゴ。昼飯の相談をしていたが、京大生なら黙って王将だろ!彼らの鞄が車内を余計に狭くしていたが、『渋松』を読み進める。名駅到着は十一時過ぎ。バナナ全店2000円以上で20%オフという恐い事前情報から、まず帰りのバス予約。代金を支払う。そしてすぐさまホテルでも支払いを済ませておく。大きなトートに入れた荷物を預け、ドニチエコ切符も買う。フロントの椅子に座り、O 氏、M 氏にメールを打ちながら、タバコ/コーヒー。いざ出陣だ!京都もたいがいだが、名古屋もほんま暑いわ、たまらん。熱中症にならないように気をつけねば。
 名古屋の人って歩くの遅くないか?あるいは僕が早いだけなのか。人混みをかきわけ、なんとか駅裏から、名駅店へ急ぐ。セール二日目なので、かなり漁られた後だけど、3枚を選ぶ。Stasis , Psyche , DJ Shadow . DJ Shadow は最初期?93年、Mowax からリリースされたシングル。予定時間をオーバー気味だ。名駅から、東山線〜鶴前線と乗り継ぎ大須へ。途中通り雨に降られ傘をさしたが、そんな必要は全くなかった程の雨だった。既に店内では O 氏が棚を漁っていた。挨拶を軽くすませ、表で一服していると、O 氏も外でタバコ。再び吸い始めたらしい。開口一番『あまちゃん』の話をした気がする。怒濤の棚漁りが始まった。すごいレコ屋なんだよな。出るわ出るわ、気になるレコード。そして決して高くない。名古屋のカルト本屋でバイトを始めた D ちゃん。完全夏模様の服を身にまとい、カンカン帽を被った M 氏が店内に現れる。一階で購入したのは次の七枚。 Global Communication , Apahex Twin , Norma Jean Bell , Marvin Gaye & Tammi Terrell , Jackson Sisters , XTC 二枚、二階のバーゲンコーナーでは、Francoise Hardy . 買い戻し及び買い足しが、五枚だ。泣く泣くスルーしたのはマイルスの Get Up With It. 二千円台後半で、ほんの少しだけ高く感じた。
 既にレコード鞄はずっしりと重く、紐が肩に食い込む。朝七時台から何も食べてないと訴えて、入った安めのお好み焼きさんで焼きそばを一瞬で平らげる。バナナ大須店はレコード漁りの人たちで大盛況だ。ストーンズが響き渡っていた一階から二階のクラブ音楽フロアーに逃げ込む。壁に飾ってあったレコードにテンションが上がる。カール・クレイグの初期の音源をコンパイルした、Psyche / BFC - Elements 1989-1990 の再発だ。 3000円ちょっとする。残念なのは、新品は対象外ってこと。かなり迷ったが、京都に戻っても、Jet Set ならありそうだし、。冷静にスルー。これから先に何が待っているか分からんし。大須店では結局収穫なし。
 あまりの暑さに外を歩くのはやめ、地下街を通り抜け、Music First へ向かう途中、NHK で『あまちゃん』パンフを二部手に取る。父と僕用だ。小さな建物の二階にそのお店はある。狭い店内だけど、内容充実のレコ屋だ。(CD もある)。バーゲンコーナーから攻め、店内でまず、テクノのコンピと10CC を発見。M 氏も観て感動した Song To Soul で取り上げられた I'm Not In Love 収録のアルバム500円!僕は Newsweb で観たのだが、宇宙ステーションからの動画を送った宇宙飛行士が流した D. ボウイのスペイス・オディティもあったけれど、スルー。そして他に買ったのは、Francoise Hardy のドーナツ盤と Fat Jon The Ample Soul Physician のシングル。迷ったけれどスルーしたのはジョージの All Thing Must Pass (900円だけど、3枚組は重い!)そして試聴までしたけれど、返却したのはStax の隠れ名盤?大名盤?The Soul Children / Genesis のカット盤。2000円。毎度我ら四人はどっとやってきて、どっとっと帰って行くのだが、店番の女の子はいつも変わってない気がするのだけど、もし覚えているとするなら、僕らの関係性を訝しく思ってるんだろうな。話もそこそこにレコードを集団で漁っているだけなのだ。2人組ならあり得るが、4人となると、特殊でしょ?
 時刻は五時半で、先を急がねばならない。まだ行くべき場所が残ってる。地下鉄で本山下車。一週間後に迫る出店のための背取りも兼ねて、シマウマ書房表の均一棚を覗くが、なんだか嫌な気分に襲われ手にした本を戻す。店主に探している本を尋ねたのだが、出版社も、著者も、タイトルも全て違っていたらしい。それでも店主は根気づよく調べてくれて、「店にはないけれど、Amazonでは840円から出品されてますよ」と丁寧に教えてくれた。「ありがとうございました」とお礼を言って、最後のレコ屋バナナ四ツ谷店。隅々までチェックして選んだのはデトロイトテクノ系のコンピ。気になってチェックさせてもらったのはピンク・フロイドの『ウマグマ』(日本盤の見本盤。ライナーを見ると、何故か、『狂気』以降に発売されたものらしかった)。このレコードは高校時代にハマった。特にライブを収めた1枚目。ほんレコ H 君も好きだったらしい。よう似た音楽体験してきたんだなぁと話したことがあった。みんなで合わせてトータル2000円以上にして、20%オフ。
 栄に戻る。表を歩く。えっ?酔っ払いのおっさんがマイクパフォーマンス?減税日本の河村さんの応援演説でした(笑)。空腹はピークを迎えていて、安い居酒屋へ入り、席が空くのを少しだけ待ち、ガンガン注文し、がつがつ食べ、うだうだ話し、(ほとんど覚えてない。多分その時に冒頭のやり取りがあったんじゃないだろうか)、Out へ行く前に以前から話題に上がっていた不思議な店に入り、深く沈むソファーでまったり時間を過ごし、Out へ入る。O 氏が店主 S 氏に桝井さん連れて行くからと、云っておいてくれたみたいなので行かんと。気持ちの良い音楽をスピンする DJ 、いろんな人達とのお喋り。気持ちいい空間だよ。京都の『ほんレコ』みたいな感じです。お喋りした中に今日荒らしに入った Music First のスタッフ?店主?も居て、「試聴する時に、『ゆっくりどうぞ』なんていうレコ屋ないし、毎回云われている気もするから、ちょっとした気配りと教育がしっかりしてますね」と指摘すると、凄く感動してくれたみたいで、「そこまで気づいてくれて本当にありがとうございます」と。D ちゃんは探していたレコードを発見し、O 氏は四ツ谷店で見つけたスミスのブートを店の試聴機で聴き、Ask のデモテイクに感動し、(僕もノリノリで体を動かしながら聴いた!)、M 氏は僕がずっと昼から大絶賛していた、野田努の本を店の棚から発見し、S 氏に借りても良いか、尋ね、帰宅の途につく。電車だもの。今年中の再会を誓う。ちゃんりこで来ていた O 氏が帰り、 D ちゃんも帰って行く。S 氏とそれほど喋れてなかった僕は一人店に残り、話をする。前回彼の口から出たブラジルのミュージシャン4部作の肝心のアーティスト名を聞き出し、(イヴァン・リンス!)来週の土曜に彼が一人で十二時間 DJ をするんだと、聞き、残念ながら、その日は京都で出店があるから来れないと謝る。聴いてみたいな、本当。そろそろ時間も良い頃合いで名駅のホテルまで歩く。深夜にも関わらず、異常な暑さで体は汗ばんでいた。
 クーラーをかけたままで寝たにもかかわらず、暑さで目覚めた。シャワーを浴びて気持ち爽快になり、一階へ降りて朝食を軽く済ませる。バスの時間が迫るまで部屋でぐだぐだしていた。(つまり今回は一度もカフェドクリエに入ってない)。十時にホテルを出てすぐそこのバスターミナルへ移動。キヨスクで飲み物とキャラメルを買って、十時半に三宮行きの超特急バスに乗り込む。京都行きじゃないから、込んでないのか?『渋松』を読み、深草で下車。京阪藤森から一乗寺に着いたのは一時過ぎだったろうか。名古屋に劣らず、京都も蒸し風呂だ。

ほんレコ H 君と神戸へレコードを買いに出かけた5月6日

一人で神戸に来るのはルーティン化していて、2ヶ月に一度、今年に入って3月、1月。昨年からそのペースは変わってない。 京都駅、ホームの先頭が待ち合わせ場所。時間は10時。それほど混雑してない新快速に乗り、うだうだ喋りながら(何が話題だったか、覚えてない)元町におよそ50分で到着。駅前の喫煙所でタバコを吸って、いざ出陣。いい天気だ。まず、りずむぼっくすでさくさくウォーミングアップ。気になるレコードを数枚発見したが、「帰りしなに、もう一度寄ってあれば買うよ」と保留。続いて本命ハックルベリーで2枚購入。気にはなっていたのだが、今まで見たのは高値のものが多かったのでスルーしていた南部女性ソウルの Candi Staton の再発とLennon & McCartney の曲をカバーしたオムニバス。本当に目当ての曲は違っていてポールが書き下ろした Cilla Black / Step Inside love なのだ。以前違うオムニバスを持ってたけど処分。ボサノバ調の素晴らしい曲。一方 H 君は知り合いに頼まれていたキース・ジャレットの『ケルン・コンサート』を安く発見し購入。空腹を覚え、急ぎ足でガード下を進み、いつものラーメン屋へ向かう。古本屋さんを通過し、後で覗くことにする。
二人が選んだのはラーメンセット。二十代の H 君がラーメン大を選んだのは流石です。おっちゃんのいつもの駄洒落『壊れてないけど、はいこしょう』等に反応するのも億劫だけど、H 君はちゃんとつき合ってました。おいしくラーメンをすすり、チャーハンを食し、満腹で店を後にする。まず小さな古本屋。何かあるかなぁとお互い無口になって棚を眺める。彼はたしか、ヴォネガットを手に取っていたような気がする。僕はなんだったろう。覚えてないな。続いてダイナマイトへ。手にしたのは何種類あるのかよく知らない、 Sueno Latino と安くビートルズはないかなと漁ったが、全て高い。彼は自分の店で処分してし後悔していたと、云っていたハービー・マンを購入。ビートルズの Come Together のカバーがかっこいいとのこと。するとまず二階の倉庫っぽうところからガラガラガチャンと凄まじい爆音。幸いCD だけが落ちたようで人に怪我はなかったようだ。そういえばハックルベリーに一人で来ていてストーンズを攻めてた女の子がこの店にも来てた。若い女子一人がやってくるくらい、神戸という街は音楽(洋楽ね)と人の垣根が低いのかもなぁ、と H 君と帰りの電車内で喋ってた。彼は浅川マキが好きなんだけど、今まで全く見たことのないレコードがかなりの値段で売られていて、果敢にも値切ってた。(だめだったけれど。でも初めてだったよ。考えたこともなかった。いやそんなこともないか、ブライトンで値切ったような)。ほぼとなりのワイルド・ハニーパイで Moby - Go Remixes を安く見つけ一方かれはハービー・マンを試聴してた。その間ビートルズをチェックしてたけれど、やはりそれなりの値がついているのにがっかり。カオス状態のレコ屋を覗くものの崩れてくるのが恐くて
結局すごすごと退散。結局りずむぼっくすへ戻る。午前中に目星を付けておいたビートルズ2枚を手に取り鍵盤させてもらう。『ラバーソウル』(赤盤)と『ホワイトアルバム』(東芝音楽工業盤)。前者のコンディションはそれほど良くないと、記してあったもののそれほど酷い感じがしなかったので購入を決め、後者は安かったので(1000円しなかった!)購入することに決める。そして未だ気になっていたレコード二枚を追加。モルテツさんからもらったNBN のシングルでフューチャリングされていた女性3人組RB 3LW のアルバムと Zero 7 のシングルで素晴らしいリミックスを手がけていたDJ Spinna のアルバム。4枚合計で4460円也。H 君は Common / Resurrection のピアノのサンプルで有名なジャズピアニスト Ahmad Jamal をかけてもらってたが、購入には至らず。そろそろ3時前なので駅に向かい京都へ。途中疲れ果てた二人は軽くうたた寝。「この後、どうします?」と尋ねられて「何も考えてないよ」と。店で今日のレコード品評会をする運びになる。
地下鉄で丸太町へのぼり、てくてく東へ歩く。出してもらったコーヒーを飲みながらタバコを吸い、レコードをひっぱりだして気になる曲を選んでかけたり。あっと云う間に時間は過ぎたので帰ろうとすると、3回のレコ屋DD に彼の友達を発見し、H 君に伝えると彼も降りてきて、おっちゃんとうだうだ話しながらまたレコードを漁る。ビートルズの B のところを探しているとケイト・ブッシュのライブEP を発見。実は探してた。500円!H 君が気を利かせてくれて「ビートルズはないのですか?」と聞いてくれるとなんと別箱に入れて隠してあった!それほど印象のないアルバムであまり思入れもなく処分した『フォー・セール』の日本盤モノラルを発見。30周年記念盤だから92年リリースか。値段を聞くと1200円だというからえいやぁと購入。再びほんレコに戻ると、お友達が大勢来店。なんでもロマン商店でバーゲンだったらしい。明日も休みだ、行ってしまうんだろうなと、バスに乗って帰宅。あかん。レコ買い、歯止めがきかんようになってる。ストレスか?


2012

10月21日は神戸へレコードを買いに行ったのだけど。

二ヶ月に一度の割合で来るようになってるなぁ。既にルートも固定されていてハックルベリーでキンクスのお粗末なジャケットのベスト盤1000円と壁に飾ってあったPIL の『メタル・ボックス セカンドエディション』(帯付き1900円)を購入。高架下へ場所を移動してダイナマイトでファーサイドのシングルを1480円で(高いけれどカップリング曲の Soul Flower Remix 好きだからねぇ)を購入する。レシートの時刻を信じるなら2時過ぎ。実家に戻って一年以上が過ぎている。両親との朝食が7時台で NHK の朝ドラをBS で観ながらなので空腹感はピークに達していた。通常ルートなら駅へ戻るのだが今日はその先まで少し歩くと、古本屋があり少しそこで棚を眺め、すぐ近くに狭いカウンター席のラーメン屋を発見。最近のラーメン屋さんはブームなのか高くて500円以上するのにそこのお店は安かった。たしか450円。あっさりとした味で美味しかったのだ。まれに食べるラーメンと言えば天一かスガキヤなのだが新鮮でした。次回からルートに付け加えよう。店主とその奥さん?らしき二人で切り盛りしているそのお店はとても繁盛していました。店主は今でもそんなベタなやりとりをしている人がいたなんて驚きの1000円お預かりを100万円といいお釣りも万円をつけていた。僕はちょっきり出したらどういう言葉が返って来るのか聴きたくなって450円ちょうどを払った。すると「お兄さん、また来週ね」と。京都の住人だって、早くても12月だよぉ、と心の中で呟いた。元町駅前で煙草を喫って、りずむぼっくす三宮店へ移動。バーゲンコーナをチェックするが収穫なし。普通のコーナーで一枚気になったレコードがあった。 Curtis Mayfield 『Live !』。しかし怪しげな再発盤で結局スルー。それにライブ盤って好きじゃないんだな。
三宮駅から JR に乗って京都へ向かう。 車内の中吊広告が神戸で開かれる『マウリッツハイス美術館展』の告知をしていてフェルメールの『真珠の耳飾りの少女』のポスターが幾枚も。へぇとぼんやり眺めていたのだけど徐々に目が慣れてきてなんか違う、と気付く。武井咲が同じ扮装をしているのだ。究極のコスプレ。僕自身は彼女に対して何の興味もないけれど、父が好きらしい。読み方を「たけいさき」と間違ってたのは仕方ない。
今日は本を持参してないので収穫した三枚のレコードを子供のようにトートから引っ張り出して読んでいると、前に座った初老の紳士が声をかけてきた。「今でもレコードなのですか?」。そこから音楽の話になる。バロック時代のテレマンが好きな作曲家。モーツァルトは軽薄で駄目。ベートーベン以降は重くてうるさい。僕にも好きなクラッシクの作曲家はいろいろいるのだけど、とっさに出てくるのはいつもラフマニノフなのはどうしてなんだろう。「家に沢山のレコードがあるのですが、どうしたら良いと思いますか?」と訊かれたので「クラッシックのレコードは大量に出回り過ぎていてどこの中古屋さんも困っているようです。独グラモフォン盤や現代音楽はそれなりに値段のつくものもあるそうですが。」と答える。運良く持参していた『レコードマップ』を手渡し、「これでクラッシックのレコードを取り扱っているお店に処分なされるとか。でも手許に置いておいたほうが良いと思います」。
今でもちゃんとプレイヤーは製造されているという事実を伝えると「どんなので聴いているのですか」と尋ねられる。「ターンテーブルはテクニクスの MK シリーズでこれは壊れにくく、ダイレクトドライブでお勧めです。なんでも BBC に売り込んで成功したらしいです。アンプは父からの譲りものでアキュフェーズ。スピーカーも父からのJBL です。みんな高級機器らしいです。低音がよく響きます。父はタンスのようなタンノイのスピーカーを使っていたのですが、耳が悪くなって殆ど音楽が聴こえないそうです」。こちらが一方的にべらべら話している間じゅう、その紳士はメモをとっていた。正確なメーカーや機種が思い出せないのも出てきたけれど、「いや、大丈夫ですよ。ネットで調べてみますから」と。ひょっとすると大学教授だったのかも。いやたんなる憶測ですが。滋賀の田舎に広い家があるから大音量でレコードをかけても大丈夫と、おっしゃっていた。そんな話しに興じているうちに電車は京都駅に到着。紳士に挨拶をして電車を下りて、久しぶりにイノダへ入ってカフェオレを頼み煙草を喫い、バスで大変な人混みで遅々として進まないメインストリートを通り一時間ほどかかって部屋に戻る。

8月25日から名古屋へ行く。

 在来線を乗り継ぎ名古屋へ着いたのは11時過ぎ。部屋を出たのは7時半なのだが、米原30分の待ち時間が余分だ。縦割りの弊害はこんなところにもある。名駅近くのカフェドクリエで軽くランチをとり OM 両氏にメールし一時頃に大須のグレヒで待ち合わせすることに。バナナ名駅店を覗き、ドニチエコきっぷを買って大須で下車。今日はレコードマップを持たずコピーで軽量化。今日もいい天気でものすごく暑い。迷うことなくグレヒに到着。表で煙草と飲み物タイム。店内でザクザク漁っているとまず D ちゃん到着。久しぶりの再会だ。といっても去年か?続いて O 氏到着。そして最後に今夜泊めてもらう M 氏。再会とはいってもみんな話はそこそこにレコードを漁っているだけなのだが。Flying Lotus と Blue Note Remix Project の2枚を試聴して4305円で購入。二階バーゲンコーナーの「その他」という一番ざっくりとわけてある処を漁ってみたがあまりに知らないレコードばかりなので途中で断念。カテゴリーすらわからないもの。じっくり時間をかければお宝発見の可能性も産まれるはずなのだが。
 皆が揃ったところでてくてくバナナ大須店へ。一階は収穫なくクラブ系を集めた二階を入念にチェックし、Nathan Fake と Paperclip People のシングルを発見する。Border Community のイメージが強い NF が違うレーベルからリリースしたもの。PP は長い間探していた Remake 。この曲は Manuel Gottscing / E2-E4 をサンプリングしている。再発にもかかわらず、1470円もしたが、京都ではいくら探してもなかったので仕方ない。二枚で2080円。M 氏の姿はあったのだけど O 氏と D ちゃんの姿がない。まんだらけに移動したと M 氏にメール。表の日陰を探し自販機で飲み物を買い煙草を喫ってると二人が現れる。
  何処かでゆっくりしようと決め、新しくできたらしいパブに入りOM 両氏はビールを頼み D ちゃんと僕はアイスティーを頼む。煙草を吸いオリンピックやその他もろもろのうだうだ話をし、近況を報告しあう。無職が長かった D ちゃんは来週から本屋でバイトらしい。僕も9月から労働者に戻る。O氏にはCDR をM 氏にはCDR に加えてお土産を渡す。cafe mor で買った雑貨とカタログから消えた=絶版のN . ホーンビィ二冊だ。 そして今日のこれからの予定を詰めて凡そ一時間近く店に居座った。
 道はお祭りのようでハッピ姿の若者でごった返している。なんの祭りなんだ?よく知らないけれどヨサコイソーラン的だった。矢場町駅まで歩きそこから地下鉄で栄まで一駅の移動。D ちゃんと歩いていたのだが前から団体で横に広がって進んできたハッピ姿に邪魔されてOM 氏は先に電車に乗り込んだ。間に合わず。「次どこで降りるっていってたっけ?」。栄で二人はベンチに座っていた。「ごめん、ハッピが邪魔で」。
 Music First にていろいろ漁る。買ったのはやはりPaperclip People の再発シングルー300円。Throw / The Climax のカップリング。買うのを躊躇ったのは Phacyde の1st 。1300円の値段はお得だし、カラー盤なのだが、ブートかもしれんし再発かもしれん。そこまで値崩れしている気がしないのだ。あるいは中のレコードだけ入れ替えているのかもしれない。よくわからん。そして音楽関連本の棚にオレンジ色で目立つ、鈴木あかね『現代ロックの基礎知識』(ロッキング・オン 98年)があり M 氏に「めっちゃためになる」と薦めた。社会学的に優れた内容だと思うのだ。「400円だし買っておきます」。
 そして再び地下鉄を使って本山へ移動。最後はバナナ四ツ谷店。さて一服しようとすると煙草がきれていた。「部屋に忘れてきたなぁ」。コンビニで買って戻ると「蚊がいますよ」と。さくっと切り上げ店内に。壁に飾ってあったマイブラの Isn't Anything に件の7インチはついているか尋ねたが入ってないということ。店長らしき人は「今まで見たことも扱ったこともない」と。トラドラ店主はよく見かけた、といっているのだが、地域性があるのだろうか。初回5000枚といのは多い少ない、どちらなんだろう。テクノのコーナーから英国産デトロイト系インテリジェンス系 Stasis を見つけて購入。1260円。通りを横断しシマウマ書房へ入る。Y が探していたメルロ・ポンティーはなかったものの、保坂の「世界を肯定する哲学」(ちくま新書)を発見。これまたカタログおちで品切れ?絶版?なのだそうだ。自分用にも何かないかなと棚を眺めていると柴田元幸高橋源一郎の共著『小説の読み方、書き方、訳し方』という本を発見。夢のようなカップリングなので購入。店を出ると足下がかゆい。「蚊にくわれたみたいだ」というと、「僕もです」と多分 O 氏。
 そして地下鉄に乗ってM 氏夫妻の新居がある藤が丘へ向かう。時刻は七時頃だったろうか。駅を出ると既に暗くなりだしており、何故かロンドンの例えばベイズウォーター駅周辺を思い出した。たんに光の加減なのかもしれない。途中酒屋へ寄って各自飲み物を購入しそのままぷらぷら十分程歩いて新居へお邪魔する。R さんとの再会。これから食事会が始まるのだ。
 テーブルに並ぶ数々のお料理。M 氏はホットプレートを用意している。餃子パーティーが始まる。R さんお手製。豚の角煮、ホタテのマリネ、サラダが彩りを添える。本当においしい。特に角煮は絶品でした。餃子の焼き方などを試行錯誤しながら食事会は進む。話題はあっちへ飛びこちらへ戻りと、いつもの感じ。新婚旅行で英国へ行って来たばかりの二人の話や写真を見せてもらったりする。飛行機がガドウィック離発着だったのでホテルはビクトリアだったとか。カンタベリーへ行った時に電車からあのバタシー元発電所が見えてM 氏は興奮したとか、レコ屋はノッティングヒル(というかポートベロー)のラフトレとイントキシカに行ったとか。間違って僕はブラーのデーモンが共同経営している店だよ、って断言したんだけど、その店はオネスト・ジョンズでした。ごめん、嘘を教えて。写真にはピカデリーサーカスのエロスの像やテートギャラリー(?)や世界で一番有名な横断歩道アビーロードで二人並んで歩いている写真(観光客同士お互いに撮りあったそうだ)、カンタベリーの大聖堂が写っていた。8月に NHK の BS でロンドンの街角を特集している番組があって、たまたま R さんだけ観てて、ベリックストリートのビースポークスーツの仕立て屋さんとレコ屋(シスターレイ)の店長がクローズアップされていたのだけれど、シスターレイの店長はブライトンから通っていたよね、オアシスの「ワンダーウォール」やローゼスの「ウォーターフォール」かかってたね(しかし誰も曲名が思い出せず皆で合唱したに留まる)いい番組だったよねとか、そんな英国の話に終始してた。二人がライブで観たバンドの CD を買おうとしたけれど、カセットしかないので、それを買っきたので聴いた。サラレーベルっぽい(?)ギターポップでした。続いて D ちゃんが作ったデモカセットテープを聴かせてもらったのだが、アンビエントというかチルアウト系で非常によかった。ギターとサンプラーとマルチトラックレコーダー(PC?)だけで作られたとは思えなかった。「小山田君にでもリミックス頼めばさらに凄いものになるんじゃないの?」と。その曲の最後には映画blue から市川実日子か小西真奈美かどちらかのモノローグがサンプリングされてた。恐ろしい完成度だったよ。それからM 氏がイントキシカで買購入したモッズ系のレコード、ラックから取り出したペイルファウンテンズのシングル、Smiths の1st 、ビートルズのホワイトアルバム、ラバーソウル、を続けざまに聴いた。D ちゃんはどのあたりからか何故かバランスボールに夢中になってた。ドメスティックな話題ではオリンピックや女子アナはしゃぎ過ぎ事件などがまとまりもなく続く。ポールは○でストーンズはアウト、アークティックは○でカサビアンはアウト、オアシスは○でブラーはアウト。どういう基準で選ばれたんだろうね、とか。そのような話題もでた。京都にはインディーな店がかなりできていて、最近良く行く「ほんとレコード」というお店でそのうち、久々にレコードをまわさせてもらうんだよ、って近況報告したり。
 そんなこんなで時間は流れてゆき10時過ぎに O 氏と D ちゃんを見送るために5人ぶらぶら駅へ。昼間の暑さはいつしか消えて心地よさに包まれていた。部屋へ戻りテレビで『主に泣てます』『洋楽倶楽部80‘s』(たまたま昼間っからその話はしてたんだけど、今日あるなんて知らなかった)を観る。O 氏と D ちゃんが未だ居た時なのか、帰った後なのかはっきりしないのだけど、BS のSong To Soul はいい番組だとか、あまり興味がないアーティストの時は裏のベストヒットUSA だとかそんな話のついでにこないだの USA のラストのリクエストではオエイシスのスーパーソ二ックが流れてていやぁよかったよぉとか。初来日直後に首になったドラマーが一生懸命ドラム叩いてたよとか。同世代だから話はスムーズだよな。それからいろんな本の話題になり、角田光代が名古屋についての取材を R さんが昔受けた(?)とか。角田の講演会に綿矢りさがスペシャルゲストで来て「『アメリカ』の会員」って発言し笑いを誘ってたというと、どうも、中部圏のチェーン店らしく、おそろしい品揃えなんだとか。そこからゴダールへ飛び、60年代のゴダールは面白く、わけがわからないわけでもないと、教えてもらう。流石に眠くなりお風呂をかりてそのまま蒲団でばたんきゅう。

 窓から入る柔らかい日差しとともに目覚める。時間は六時を過ぎていた。ひょっとすると七時だったか?昨日買ってきた1リットルのお茶を勝手に冷蔵庫から取り出しコップ入れて煙草を喫う。音を立てずにやっていたはずなのだが、M 氏が起きてきた。「ごめん、勝手に冷蔵庫開けて」。「いやいやいや全然構いませんよ」。二人でとりとめもなく話ながら、「今日はどうされますか?」「九時には出ます」「じゃぁ、朝ご飯食べて行って下さい」「ありがとうございます」しばらくすると R さんも起きて来る。ブリティッシュ・ブレックファスト仕様のトーストとウィンナーとサラダのプレートとオレンジジュースとコーヒーを頂きながらそれでもなおうだうだ喋る。少し寛いで九時前には帰り支度が済むと、R さんが「もう?さすが旅慣れていますね」「いやいや、ロンドンでも京都でもどこでも簡単なもんです。別にドライヤーをかけるとかそんな習慣ありませんし」。二人して車で駅まで送って下さる。「本当にありがとうございました。京都に来る際は絶対連絡下さい、それほど詳しいわけじゃないけど知ってる範囲で案内させてもらいますから」と挨拶をし手を降りながら駅へ向かう。
 東山線は藤が丘から暫くは地上を走る。この感じもロンドンっぽい。まぁ逆であってヒースローから数駅なんだけれど。窓の外をぼんやり眺めながら「お金を貯めて、またロンドンへ行きたいなぁ」と思ってた。三十分程で名駅に到着。まず高速バスを押さえておかねば、とチケット売り場で一時間先の三宮行きのバスを取ろうとすると既に満席。いろんな事故があったせいか東名阪を利用するバスの本数が減っているような気がする。チケット売り場の方が「あそこに停まっているバスが京都行きですから、乗務員に尋ねて下さい」と云われ慌ててバスへ向かいなんとかぎりぎり飛び乗った。9時40分発。しまったな、Y 以外の土産が買えていない。まぁしょうがないか。行きのバスでは角田光代『あしたはうんと遠くへいこう』を読んでいたのだが帰りは疲れのせいもあって昨日シマウマで買った本をぺらぺらしてた。柴田元幸と高橋源一郎がそれぞれ海外に紹介したい「ニッポンの小説」30を選んだリストが載っていてそれをただ漫然と眺めてた。
 四日市ジャンクション付近で若干渋滞に巻込まれたけれど大したこともなく、甲南パーキングエリアで10分の休憩があったのでトイレ~飲み物+煙草と済ませる。「そや、ここで土産を!」と時間がないので捜しもせず、スタッフに「名古屋の味噌煮込みきしめん、ありますか?」と尋ね三つ購入。家と前々本屋の S さんと A 君用。名古屋風であって実は滋賀県産であることに気付いたのはバスに乗車してからのこと。しくじった。昨日、D ちゃんが本屋のバイトを始めるってところから、捜しもせんと聞いて来る客おるよ、で分かりませんとかいうと、逆切れするからたち悪いよ、と僕。するとO 氏も店入ったところにAKB のコーナーがデーンとあるのに訊いて来る客とか、メモを渡されてこれある?って尋ねて来た客がいて「えぇとミックスベジタブルのファンって曲だって娘がいうのよ」と。O 氏はそんなグループ聞いたことないなとメモをよくみるとそれは別個のもので食べ物とCD が一枚のメモに書かれていただけだと判明。Fun は最近流行っているアメリカのバンドで We Are Young はアメリカ本国に加えて英国でもヒット。Best Hit USA でも幾度も流れていて知っていたけれど、未だそれなりに何かを感じられる曲でした。買いませんがね。
 バスは順調に進み京都へ入る。深草で下りて、京阪~叡電で一乗寺。なか卯の牛丼を食べ、部屋に戻ったのは一時前。京都はやはりまだまだ暑かった。

神戸へふらっと出かけた8月1日

階段を登り、りずむぼっくすへ入る。ウォーミングアップのつもりが、やはりいつしか熱がはいっている。けれどアンテナにひかかるレコードはなく店を出る。目指すはハックルベリー。一瞬迷子になりかけた。「持ってきて良かった、レコードマップ」。かなりの重さなのだ。店内をじっくり時間をかけて掘って行くのだが6月9日が驚きの連続だったからか、不発の予感。ロックのコーナーでローゼスの 1st (200円)とビョークの 2nd (700円)を発見するが、今でも部屋にあったり処分してたりするタイトルだが散々聴き倒したものだから買うというところまでテンションが上がらず、「後で戻ってきて、あれば買おう」と先送り。 それにしても暑い。駅前まで戻り凍らした水と手ぬぐいで冷をとり煙草を喫う。ガード下を移動してダイナマイトヘ入る。くまなくレコードをチェックして数枚候補を選ぶ。買ったのはビースティーズのインスト集(カラー盤で裏にはシールで Limited Edition 003135/ 5000 とある)とハニー・コーンのレコード。惜しくももれたのはKate Bush の2nd と NO のシングルとラフトレのコンピ。2枚で3260円。店番のおばちゃんに「あの、昼飯を未だ食べてないのですが、どこかお薦めのお店ありませんか?」と尋ねるものの「中華街まで行けば沢山あるじゃないですか」と軽くあしらわれる。ー沢山あり過ぎて困ってんだけどな。「ありがとうございました」と店を後にしてとなりのワイルドハニーパイへ。ざくざくと漁ったものの買ったのは『ユーミンブランド2』(580円)。やっとこれで3枚揃った。めでたしめでたし。中華街へ行く気力も元気もなく入ったのはあまりはやっていそうにない(時間が既に4時過ぎだったせいかもしれません)うどん屋。きざみうどんをとにかく急いで詰め込む。普段お店の水は飲まないのだけれど、この暑さじゃ耐えきれない。うどんよりも冷たい水がおいしくおかわりをした。ハックルベリーへ戻って先送りのレコード2枚を検盤する。以前持っていたビョークはピンク色のカラー盤だったがこれは普通の黒色。そしてローゼスはアメ盤の再発で裏ジャケットも違った。そして何より問題だったのは B 面に見事にスーッと傷がついてたこと。店の人に「これ、針通りますかねぇ」「大丈夫じゃないですか?」「ちょっとかけてもらっていいですか?」200円なんだからそんなに気にするか?って感じの応対でした。そりゃそうだわな。しっかり針も通り、音にも出てないような気がしたので購入する。時刻は4時半。今日は妙にみんなが不機嫌みたいに感じたのは僕の気分もそういう感じだったからなのだろう。それは暑さからくる疲弊なのかそれ以外からの理由からなのかよくわからない。そもそもふらっと思いつきで行動するのは慎めというお達しか?(誰からの?)神戸へ行くのは半年に一度でいいのかもしれない。でなけりゃ毎月。(これからは無理だろうな)。

ふと思い立ち神戸へ行く 6月9日

トラドラ店主が神戸の『ハックルベリー』ってレコ屋に通い詰めていたことがあると聞いたのはどれほど前のことだろう。おいしい思いを何度もそこで味わったと。そしてさらに昔名古屋の O 氏が神戸の高架下のレコ屋が凄いと聞いたかなり色褪せた記憶もあった。神戸に行くのは一体いつ以来なのか。神戸の震災後まだ震災の生々しい傷跡が残っていた時期に女の子と来た。95年だということか?話しながら歩いていてめくり上がったブロックに蹴つまずいた記憶だけが残る。そしてさらに昔大学生の頃にデートでやってきた。数えてみると二度だけ?そして思い立った。データ的にはかなり問題ありそうな05年の『レコードマップ』(学陽書房)と遅々として進まない『フォークナー短編集』を鞄に掘込み神戸元町に降り立ったのは11時過ぎだった。京都の様に禁煙ファシズムが猛威を振るっていない駅前にはちゃんと喫煙スペースが設けられていた。喫煙者にも優しい街だ。『レコードマップ』を広げて方向を確かめいざ行こうとすると知らないおっちゃんから場外馬券売り場の場所を尋ねられる。「ごめん競馬やらないから」というより地元の人間じゃないよ。坂道を下りて行くと『りずむぼっくす』というレコ屋を発見する。『ハックルベリー』の開店時間には多少時間があったので階段を上がってみる。ウォーミングアップも必要でしょ?買っても良いかなというレコードが何枚も出て来る。くるりも二枚あったしネオアコ定番のヤング・マーブル・ジャイアンツもあった。その一軒だけで判断したのはどうも神戸はジャズが主流だという感じ。まぁ後でまた覗けばいいな、と店を出る。お目当ての『ハックルベリー』の階段を上がる。上がりきった所には日本のレコードがバーゲン価格で並んでいた。いきなり発見。YMO / Technodelic (81) 500円。持っていたのだが盤質が良くなくて処分したレコード。先ほどの『りずむぼっくす』は1200円だった。狭い店内だけれど素晴らしいレコードが待ってるんじゃないか。12インチのコーナーはたしかに安いが掘り出し物は見つからない。ソウルのコーナーからじっくり攻める。出てくる出てくるいろんな名盤。嬉しいのはその価格だ。Windy City / Let Me Ride(77) , Donny Hathaway / Everything Is Everything (70) , Funkadelic / Let's Take It To The Stage (75) , Young Holt Unlimited / Wack Wack (86) 当然全て再発です。Donny Hathaway は四日市に居た頃聴いていたが泣く泣く処分したニューソウルの名盤。一旦レコードを預ける。そして今度はロックのコーナーを掘る。品揃え的にはパンク以前のものが多いのだけどこういう場所で個人的にはっとするものが安値で見つかったりするものだ。辛抱強く見て行くと出てきた。Trashmonk / Mona Lisa Overdrive (99) CRE LP212 。このタイトルに記憶があったのだ。(家に戻り調べてみると「アラン・マッギーによるトップ12」に入ってた)。そして O 氏も良いって云っていたような。ということで預けていたレコードと YMO とTrashmonk の合わせて6枚4800円!店のお二人に「京都から来たかいがありました。知人が教えてくれたのです」するとお二人はそれだけではもったいないから「高架下にも二、三軒あるから行ってみたらどうですか?」持参した古いレコードマップを見せると「新しいのがあるから見て行って下さい」と親切に言って下さった。「後、数号で無くなるみたいですよ、この本」と。しっかりとチェックをして店を出る。レシートの時刻を信じるなら一時過ぎだ。
「何か食べないとだめだな」。考えたものの何を食べたいのかはっきりせず駅前の煙草スポットに戻り一服して高架下を進む。Freak Out Records 。狭い店内は溢れんばかりのレコード。レコードの上にレコード。鞄が当たるとレコードが崩れ落ちそうなレコ屋だった。絶望的な量で掘るのを断念せざるをえなかった。そういえば先ほどの『ヘックルベリー』もそうだったけれどレコードの上にレコードを置くのはなんとも思わないのかもしれない。京都は奇麗に並んでいる。県民性の違いか?こういう場所こそ丹念にチェックすると思わぬものと出会うのかもしれない。続いて店名がハッキリしない(レシートには店名なし)レコ屋。ここも枚数が多く全てをチェックするのは諦めクラブミュージックを重点的に。UNKLE / Psyence Fiction (98) とV.A. / Chillout - The Album を。前者は当時ロンドンで買ったけれど処分。後者は良く知らないレーベルからリリースされたレコードだけど Sueno Latino / Sueno Latino と D Note / D'Votion が収録されていたので購入。2枚で1560円。時刻は2時過ぎ。そして楽器が入り口近くに並ぶレコ屋へ。家族でやっているのかな?そんなお店でした。可愛い女の子(本田翼似?)が懸命にギターの修理をやっていた。掘った結果 Carl Craig / more songs about food and revolutionary art (97) を1980円で購入。以前持っていたのだけどやはり生活苦から処分。これはちゃんとした planet e 盤。京都だともっとするだろう。壁には Oasis 1st や Pulp / Common People が高値で飾られていた。ということで店の会計を済ませたのは3時過ぎ。レシートの店名は『ダイナマイト』だ。混乱しているのは地図なのか?店が移転したの?とにかく急がねば。
レコードマップで調べたのは『りずむぼっくす』残り三店舗。まずセンタープラザ西館3Fの三宮ウエスト店。朝から何も食べてないのでよくわからない場所(少し迷子になっていた)にあった喫煙所で飲み物とともに煙草。たぶん東館との連絡通路の部分にあったスペースだと思う。続いて三宮イースト店。二つの店は僕が求めている雰囲気となにかが違った。奇麗に整然と並べられていて、これが普通なんだけど神戸流にその日は頭がシフトチェンジされていたのかもしれない。収穫なしで店を出る。そして最後に三宮店。奥にバーゲンコーナーがあってそこへまっしぐら。1枚315円2枚で525円3枚で○○円と。折角ここまで来たのだから無理矢理なんとか2枚の12インチを救出。Dan Curtin / Whisper To An Echo (97) と Roni Size Reprazent / Share The Fall ( 05) 。 前者は確かデトロイト系?後者はドラムンベースのクラッシックでこのシングルは talkin' Loud Classics 仕様の再発。元は96年。レジへ向かうと鳥の鳴き声。そのようなBGM をかけているのかと思いきや本当の手乗りインコがレジにいて店番の手伝いをしながらさえずっているのでした。癒されたな。
そそくさと三宮駅へ向かう。やはり駅前(とはいえかなり離れていましたが)に喫煙スポットがあって煙草を一服。駅へ向かうとタイミング良く新快速が到着する。疲れた頭でフォークナーを読むものの全く頭に入らず読書を断念し外の景色を眺めている間に京都駅へ着いた。時刻は5時。長い一日だった。
帰りのバスを待っているとあきらかにおかしい二十代男性が向こうからやってきた。そしてこちら向きにしゃがみこみ煙草を喫いだした。(駅周辺は禁煙です)。みんな北向きにバスを待っているのに彼だけ南向き(笑)。ホームレスだと思った。色褪せた T シャツ。ぼろぼろのトート。ゴミ箱から拾ってきたゲーム機。バスには乗れんやろ、と思っているとバスが着くとたんに飛び乗った。あれまぁ、無賃乗車?彼は一番前の席に座り靴を脱ぎ足を手すりに置いて携帯を取り出しくしゃくしゃの一万円札のしわを丁寧にのばし、煙草をくわえて運転手に「このバスは何処行きですか」と尋ねていた。完全に狂っているわけじゃないみたいだ。「じゃぁ修学院にはとまるんですね」と云っていたから僕より数駅先だ。最近物騒な事件が多いから注意するのはやめておいたのは正解だった。ただただにたにた笑いながら彼を見つめていた。時々視線があっても相変わらず。彼は足を運賃箱のところにだらりと伸ばす時があったので降りる時のタイミングが良ければ踏んづけてやろうと考えていた。そして僕がバスを降りる時急に怖くなって踏んづけるのはやめてしまった。はたして彼はあちら側の住人かそれともたんなるならずものだったのか?

Y と名古屋へ 2月25日ー26日

母が僕を起こしに部屋へ来て僕が隣で爆睡する Y を起こす。前日は当初の予定だったいんきょカフェを急遽変更しブータン人のお店にはいる。変更のわけは Y の職場の数人がそこで『よつばと』(?)を語る会を開くためだ。部屋に戻る前になか卯で軽く食べ部屋でいろんな話しをし僕の使っているパソコンのだめさ加減を確認し(だってYouTubeが観れないくらい前のOS だったのだ)眠る。

朝両親とお茶粥を食べコーヒーを飲み上終町からバスに揺られ烏丸七条で下車。ucc Cafe Plaza で煙草を吸い京都駅へ。九時発のバスで名古屋へ。途中話していたのはずっと川上弘美やカフカや保坂和志などの文学。湿気を含んだ窓ガラスにイラストを書きながらライプニッツやハイデガーやヴィトゲンシュタインを引き合いに出しながら(誤読の可能性大)世界の在り方を語っていたため、名古屋に到着時には既に頭はパンクし疲労困ぱいしていた。

珍しく時間通り名古屋に到着したのは11時半。ホテルに荷物を預ける。いつも泊まるホテルが取れず今回はビジネスホテル新名。前払いで料金を払いO 氏M 氏に電話をかけ栄本店で一時頃待ち合わせ。京都ではありえない高層ビルを見上げ或る意味その上へ上へとのびていくしかない狭い土地故の都会の在り方を実感する。お洒落高級服屋さんが沢山はいったビルに明らかに不釣合いの姿をした二人がまぎれ混む。トイレを借りるだけだ。バナナ名駅店を覗き(一枚気になったのがあったのだけど盤が若干剃っていたので諦めた。中島美嘉の『Nana』の曲。以前 JS で見た時はもの凄い値段だった。)バスで移動し栄の王将で昼食を食べ(Y の口には合わなかったようだ。すまん)本店で漁るがこれといったものもなく O 氏 M 氏と合流。D ちゃんは金欠のため欠席とのこと。オアシス21のカフェドクリエでお茶をし(NHK 朝ドラのカーネイションやテレ朝深夜の11人もいる!など。)今回のCDR 二枚を手渡す。Beatles 66-69 と8.2011-1.2012 の纏めた物。うだうだ喋りながらミュージックファーストへ。試聴後シングル三枚購入。デトロイト二枚とアンビエント一枚。合わせて1100円。Y を観ると頭を抱えていた。本店で買ったCD が安値だったのだ。そしてY はかなりレアなものを見つけたらしい。僕にはピンと来ない『空気公団』の一枚目。二千円を超えていたようだ。再発もしてないらしい。それを彼は購入。あとはキース・ジャレットだっけ?

時刻は既に四時前だった。まだ先は長い!急がねば。Y は素晴らしいレコ屋だと絶賛していた。僕はY が散財するのが楽しいなどと云っていた。地下鉄で本山へ移動。近くには元職場の同僚 Nさんの母校名古屋大学(国立!)がある。 Y が帰りに本を読みたいからとシマウマ書房へ。僕はロラン・バルト『物語の構造分析』(みすず書房)を発見。既にその本をもっている Y に見せ値段1700円が破格の安さだと教えてもらう。Y は新品で倍程の値段で購入したそうだ。スリップが入っているのに気付く。みすずは買い切りだからどこかの書店が倒産したさいに処分にこまりここに持ち込んだのか?それも初版だった。当時の売価で売っているのは良心的なのかどうか分からないけれど奇麗だったので購入した。ちなみにここに有名な『作者の死』が記述されている。Y は棚の前で固まっている。たった三本の棚しか見てないにもかかわらずまさにY のための棚だったらしい。手には既に保坂特集号の『文藝』そして迷いに迷った挙げ句小島信夫を購入。もっとすっとはじからはじまで見たかったと大絶賛。なにもないようにと念じたにもかかわらず Y の願いは届かなかったようで楽しい。バナナ四谷店でAutechre のシングル二枚とGotan Project を2910円で購入。オウテカ初体験はこのシングルであまりのぶっ壊れ加減についていけず処分したのだが今は慣れて聴ける体になったのが不思議だ。そしてゴタンプロジェクトはロンドンで見た時高値過ぎて(たしか50£!)買えなかったのだがここでは1260円だったし購入した。

時刻は五時過ぎ。後は大須へ向かうのみ。大須観音の横を過ぎ去年えらいことになったコンビニをY に教え(詳細は下に)まずグレヒへ入る。前はかなり掘り出し物があったのだけど今回はなくO 氏のお薦めフランス産レアグルーヴのコンピを試聴後840円で購入。6時半過ぎ。Y は既に戦意喪失。M 氏はここで一旦中抜け。ライブに嫁さんと行くそうだ。後で合流する。残された三人はバナナ大須店に到着。たな卸しに伴いバーゲン中で3000円以上で20%引き。僕は漸くFunkadelic / Standing On The Verge Of Getting It On を発見。自分の中で何故かリリース順に聴くと決めてしまっているのだ。再発でも2500円してたから 2nd プレスでも同じくらいの値段ならこっちを買うでしょ。(20 %引きで2000 くらい!)Y も二枚のCD を手に取り合わせて20%値引きしてもらう。七時前。おかしいレシートの時間ずれてないか?どちらにしても流石にお腹が減っていたので以前一度入ったことのある鳥屋さんで揚げ物地獄を食い付くしうだうだ話しているとM 氏からライブが終わったと電話が入りでは十時くらいにOut Records で合流しようとのこと。

ぶらぶら歩き栄のOut へ入る。店主のS氏といろんな話しをする。「締めはここでS 氏の話しを聞くのが愉しみなんです」。「そういってもらえてやっていてよかった」。S 氏は元ゆらゆら帝国の坂本慎太郎のソロがアシッドな山下達郎であること。へたっぴなイラストのPV が自記筆であること。クラブユースでアナログがリリースされるらしく店で珍しく仕入れしたこと。 そして何よりも全曲素晴らしいこと。後は Y が感動したJames Blake の良さがピンと来なかったこと。S 氏が多用していたBreak Through というターム。S 氏にとってそれはStone Roses だったらしい。そこから世代や当事者であることの話し。僕が尋ねたのは果たしてMassive Attack の1stは出た当時から大騒ぎだったのか?じわじわ来たらしい。でもその当時バナナのスタッフだったS 氏はリリースされるレコードは殆どチェックしてたからリアルタイムだったようだ。今の人たちは情報が多過ぎて可愛そうだとも。「でもなぁ、」と「ヒップホップのDJ なのにトライブもデラソウルもしらないなんていうのはなんか違和感を感じる」と。そんな話しをうだうだしていた。どの時点でM 氏夫妻が来ていたのか不明だけどたしか坂本のレコードを予約すると言ってたからかなり前だろう。今日はブラック系のイベントでしかし躍る所まではテンションあがらずなんとなく店に紛れ込んでいた外国人(一人はオーストラリア人でもう一人は英国人)とお喋りしたりしているうちに途中で明日の仕事のために終電に乗らねばならないO 氏とM 氏夫妻は12時ぐらいに店を出ていった。Y と暫く喋っていると前回少し参加したA 氏が来店ほんの少し喋って僕らも店を出る。タクシーを拾うつもりだったけど Y の忠告にしたがって歩いて帰ることにする。うだうだ道すがら喋り(何を話してたんだろう多分S 氏の話しや友人の友人の友人とか。皆何をしている人かO 氏以外知らないというのは凄いことだとか。桝井さんがどうしてあの最後の店が好きなのか分かります。ゆるくて喋れて自由な雰囲気でそれでなおかつざわざわしてる雰囲気。)

気が付くと既に名駅だったのだ。一旦ホテルに入り再び荷物を預け近くのデニーズ (初体験。関西にあるんだろうか)で軽く僕は食べY は飲み物を頼む。隣のスーツ姿の二人の中国人が店員と何事かを言い争っている。Y に向かって小声で Are You a Chinese Jato ? と呟きY のひやひやする姿を楽しむ。そしてホテルの部屋に入りY がシャワーを浴びている間に僕は爆睡していたのだった。

目が覚めると8時くらいで外は明るかった。昨日も晴れ今日も晴れ。ジンクスは続く。Y を起こしシャワーを浴びて着替える。Y が大変だったこと知ってますか?と訊く。部屋のトイレの鍵が壊れ開かなくなったこと。幸運にも外にいたからよかったものの中で閉じ込められたら爆睡中の桝井さんは起きないだろし。で内線でフロントを呼ぼうにも番号が分からない。仕方なく下まで降りて呼んできてくれたらしい。桝井さんが夜中に目を覚ましてトイレに行こうとして鍵が開かなかったらパニクるだろうし。ありがとうね。よく僕のこと分かっていてくれて。

チェックアウトをしまず帰りのバスの予約。京都深草まで。12時10分の超特急。新名阪を使うので若干時間短縮。「昨日の中国人じっと桝井さんのこと睨んでましたよ」ライフルで狙われているかもという妄想を楽しむ。いいタイミングが来るまでじっと銃口が朝からあるいは昨夜から僕達を狙っているのだと。新聞に大きく名古屋で旅行者二人銃殺という見出しが躍る。そういえば関東(千葉?)でも同じデニーズで発砲事件あったよね。カフェドクリエでモーニングセットを食べ近鉄百貨店のタワレコでbounce をもらう。Y が土産物を買いましょうというので場所を移動しつつ結局買ったのはキヨスク。ホテルの人に書いてもらったきしめんの有名ブランド『山本屋』『みやきしめん』をにらみながらA 氏とMちゃんに味噌煮込みの4人前セット。Y が A 氏に「今度桝井さんと名古屋に行きます」「きしめん買ってきて」というやりとりがあったそうだ。M ちゃんはいつも会ってるしお世話になってるから。そしてこのあとY は大阪に写真展に行くからその土産(たしかういろう)も購入。

バス停近所のマクドで暫しバスを待つ。再びキヨスクで飲み物とお菓子を買い十分程遅れたバスに乗り込む。心地よい疲労感とともに語るべきトピックもなく眠りに落ちたのだった。途中滋賀県の土山付近では雪や雨が降り外は寒くトイレ休憩と煙草をすばやく済まし京都深草で下車。京阪で Y は淀屋橋まで。僕は出町まで。一乗寺から歩きなか卯で軽くはいからうどんをすすり部屋に戻る。三時半過ぎだったろうか。