(1) 建売住宅にするか注文住宅にするか迷った話

  知人の購入した建売住宅を見て、「今時の家ってこんな快適なのか」と感動したことが契機でマイホーム願望が芽生えたわけですから、購入対象として建売住宅も大いに検討しました。おやじが適当に間取を決めた築35年の店舗兼住宅に住んでいる自分にとっては、採光や動線が考慮された使い勝手のよい間取やしゃれた外観を持つ今時の建売住宅は本当に魅力的でした。自分が思っていた「家は高い」という先入観に比べると価格がリーズナブルであったことも「買っちゃおうかな・・」と思った理由。建売の場合、同じ業者ならば物件の価格差はほぼ土地価格差であるといえるため、もともと環境のいい田舎(つまり土地が安い)に住むことを希望していた自分の場合、低予算で希望どおりの家が買えるのではないかと思ったわけです。
 注文住宅を作るとなると、基礎をどうするだの間取をどうするだの細かいところまで自分で考えなければならないけれど、自分としてはそれをきちんとできる自信がないというのも家づくりに消極的だった理由でした。しかし、建売住宅ならば「信頼できる業者が見つかれば問題の半分はもう解決したようなものじゃないか」と思ってしまったのです。
 この後、知人が建売を購入した業者の分譲住宅を片っ端から見て周り、もうほとんどロケーションの選択だけの問題だというような気持ちになっていた私でしたが、住宅雑誌やインターネットで次第に家のことについて知恵がつき、目が肥えてくるに従って、建売住宅への不安と不満を感じるようになって来ました。本当のところは知る術がありませんし、すべての例に当てはまるわけではないでしょうが、実際に建売住宅の建築に携わっている下請けの工事業者自身が「建売は安く請け負っちゃってるからね。10年もすればガタが来ても仕方がないかな。」等といっているという話を聞いたり、複数の知人から「建売を1棟売れば業者は3割近くもうかるらしい」などという内幕を聞かされるにつれて、「こりゃ建売ってのは安易に手を出せる買い物じゃないな。それなりに勉強してかからなきゃ大変な事になるぞ。」と考えるようになりました。
 最終的には、「建売住宅の場合、基礎工事を含め、家を建てる過程を見ることができない」という点と、「間取や装備などの点で自分の希望通りの物件を探すことは困難」という点が問題となって建売住宅という選択は消えることになりました。