(13)電磁波について悩んだ話
私達の家づくりは、まず土地探しから始まりました。基本コンセプトは「田舎暮らしが憧れだけど、学校が遠くちゃ子供がかわいそう」。
ということで、山際の新興住宅地で、小学校まで400メートルという物件を見つけて、造成前ということでわずか20万円の手付金で押さえたのです。開発許可すらも降りる前で、もちろん造成など気配すらもありません。見たところはただの雑木林なのによく決めたものだと今思えば怖いほどです。
それでも土地を決めたことで家づくりが大いに進展したという実感が湧き、しかも造成完了までに時間的な余裕があったため、じっくりと家づくりを研究することができました。家づくりは、ひたすら奥が深くて、新たな知識を身につければ身に付けるほど迷いを感じてくるというのが本当のところです。そのために、いくつものどんでん返しを経て、最終決定までこぎつけたのですが、そのどんでん返しの中には、土地の選択も含まれていたのです。
実は、この土地は、割と近い位置に送電線の鉄塔があったのです(鉄塔までの距離約15メートル。送電線直下からの距離が約18メートル。造成前の段階ではもっと離れているという感じがしていたのですが実際に造成が進んで、その場所に立って見ると・・・・やはり気になるものですね。というよりも私の母親が、どこから聞いてきたものか、鉄塔が近いということを随分気にし始めたのです。
そして、調べました電磁波のこと。しかも電磁波センサー(セル・センサー)までインターネットで購入し、実際に現場で朝・夕等時間帯を変えて電磁波を測定しても見ました。そして得られた自分としての結論は、
@電磁波問題は今ブームのようにあちこちで取り上げられているが、因果関係を科学的に証明できている研究報告はない。
A健康に直接害をなすものは身の周りに幾らでもある(着色料・紫外線・排気ガスetc
etc)。電磁波だけに過剰反応するのは合理的とはいえない。
B実際にその土地で測定した結果でも、最高で2ミリガウス以内であり、最も厳しい安全基準に照らしても危険域に達していない。
B市街地では送電線直下の家や鉄塔に近い家は珍しくない。
というものです。試しに自分の部屋の電磁波を測定したところ、5ミリガウス以上という「速やかに転居することが望ましい」レベルの電磁波の影響を受けていることが判明しました。我が家の近辺には鉄塔とか送電線はないのですが、何と、この電磁波を発生していたのは家の前の道路の向こう側にある電柱のコンデンサーだったのです。このコンデンサーはどこにでもあるタイプのもので、設置されたのも昨日や今日ではないはずなので、私の家族は、長年、高レベルの電磁波を浴びてきたことになります。電磁波の影響自体はまだまだ完全には解明されていませんが、何年か後に電磁波の影響が認められるようになった時に、こういった現状は果たして解決することが可能なのでしょうか?
話を元に戻しまして・・・・。結果的に、自分では「この物件に関しては電磁波の害を気にする必要はない」と考えましたが、周囲に意見を聞いてみると・・・・。自分に近い友人・知人であればあるほど「止めたほうがいい」の大合唱。議論を交わすのにもいいかげん疲れてしまいました。また「これだけ電磁波のことを気にする人がいるということは、将来、万一家を手放さなければならない事態になったときに買い手が現れない物件、つまり財産として瑕のある物件なのではないか」とも考え始めましたのです。3年先、5年先に何があるかわからない今の世の中、本来は「借金をして家を買う」ということだけでも相当な冒険といえるのですから、万一の時のことを考えておくべきだと気が付いて、この物件を流すことにしました。
実損は手付金の20万円だけでしたが、ここからまた新たな土地探しがスタートすることになりました。実際、私が家を探していたエリアは、建売は結構あるのですが更地で売りに出ている物件が少なくて、ちょっと「参った」という感じでした。ハウスメーカーもやっと2社に絞られて、あとは両社の条件を固めてもらうだけという段階でしたから・・・・。
結局、土地探しを再開してわずか1週間後、値段はともかく、周辺環境等、物件の条件に関しては前の土地よりも数段よいものが見つかりひと安心となった次第です。