お子様を希望される方へ
「あせらず、気楽に、粘り強く」を目標に頑張りましょう。
1)はじめに
- 精子と卵子が結合することが妊娠ですが、卵子は1日しか生きることが出来ません。また精子は3〜4日しか生きることが出来ません。そのため、妊娠できる期間は4〜5日しかありませんので、タイミングを合わせる(排卵の時期に性交渉をする)ことが大事です。
2)妊娠するためには
次のような条件が整ったときに妊娠します。
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①排卵していること
- 排卵しているかどうかは、基礎体温をつけて2相性になっているかどうか確認したり、超音波で卵胞(卵子が入っている袋)が排卵前に20mmくらいまでに大きくなっているかを見ます。また、排卵直前に上昇するホルモンを測定する方法もあります。
②高温期(排卵してから約2週間)が12日以上あること
- 授精(卵子と精子が結合すること)は赤ちゃんが育つ子宮ではなく、卵管で起こります。その後、卵管を移動し、約1週間後に子宮に戻り着床します。
着床を行う際に、すでに子宮内膜が剥がれそうになったり、着床してもすぐ生理がはじまると、妊娠の継続がうまくいきません。そのため、高温期は12日以上必要となります。 ③卵管が詰まってないこと。
④精子が正常であること。
- 精子が正常というためには数が1ccあたり2000万以上、運動率(元気に動いている精子の割合)が50%以上、奇形率が50%未満であることが必要です。
3)検査・治療
①タイミングを見ます。
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a)排卵していて、高温期の正常な方
基礎体温や超音波で卵胞の大きさを測定しながら、排卵の時期を推定して、性交渉のタイミングを決めます。 - b)排卵はしているが、高温期が短い方
高温期を12日以上にするために、排卵直後より、黄体ホルモンを増加させる働きのある人胎盤絨毛性ホルモン(妊婦の尿から作られたホルモン)を注射したり、直接合成された黄体ホルモンの薬を飲んでもらったりしてタイミングを見ます。 - c)排卵してない方
排卵誘発剤を使用します。排卵誘発剤はまず飲み薬を5日間飲みますが、飲み薬が効かない場合は、排卵させる力が強いホルモン剤を使用します。これは、注射薬で5〜12日間連続して注射します。 ②タイミングがよいのに妊娠しない場合
- 条件が5〜6回よかったのに妊娠しなかった場合次の段階に入ります。 a)精子の数や運動率を確認します。不妊の原因の30%は男性が原因とされているからです。 b)卵管が詰まっていないかの検査をします。当院では炭酸ガスを使用した通気検査をします。
③人工授精
- 特別問題のない場合で妊娠できない場合は、人工授精をお勧めします。人工授精は体外受精(試験管ベビー)とは違います。かなり古くから行われていた方法で、精子を子宮の中に入れてあげるだけで1〜2分で終わります。
- *約6回くらいの人工授精を行っても妊娠しない場合は、体外受精を行うほうがよいでしょう。