賢島大橋からの風景 英虞湾の環境修復・自然浄化復元プログラム                         
           ―しゅんせつ処理土を利用した人工干潟復元実験


 英虞湾は 永年の真珠養殖漁場としての利用と周辺環境の変化から、赤潮や貧酸素現象が起きるなど 水質悪化が年々進んでいる。
これに対して 集落排水処理施設の整備とともに、 今年度から英虞湾での
浚渫(しゅんせつ)工事が開始されました。
 県が 行う事業で、英虞湾の海底に積もった汚泥を取り除く作業。
 しゅんせつは 15〜25センチほどの深さで行い、3年間で約2万5千立方メートルをし、汚泥は作業船上で脱水処理したうえ、ベルトコンベヤーで陸上に運び、大王町の田畑に埋め立てる計画。
                    
 

《場所》 
 湾奥部にある大王町波切と阿児町立神地域の漁場計約10ヘクタール。
(この海域は湾口部が狭くて浅いため 海水の流れが少なく、 貧酸素減少が起き、毎年のように 赤潮も発生、アコヤガイなどに被害が出ている。)

陸上からの汚濁負荷を削減するとともに、英虞湾が本来持っていたはずの自己浄化の回復を図ることが必要だと 真珠研究会の人たちは考えています。 
干潟は微生物、小動物の種類や量が豊かで 海の浄化作用に優れている。

英虞湾は
外洋の潮流や河川の流入がなく、閉塞(へいそく)性の高い堤防の設置で 干潟がほとんどなくなったので
 立神真珠研究会が しゅんせつ土を利用し、県環境保険研究所と 大手の建設会社の協力で  人工干潟を造成、水質浄化ににも役立てようと 人工的に干潟を造成することを試みた。

プロジェクトの目的

    (1) 漁場の改善
    (2) 廃棄物の再利用
    (3) 新しい漁場としての利用法の研究
    (4) 学校教育の教材としての利用
    (5) 各研究機関のけんきゅうの場としての利用
    (6) 地域の活性化
    (7) 新しい民間主導型の公去事業の提案

実験の場所→立神浦の立石海域の海岸沿いに5メートル四方の五区間。                                  

 実験区   @天然干潟
 A浚渫泥20%
 B浚渫泥50%
 C養殖排出物50%
 D浚渫泥50%透水杭

2000年
  9月24日
 干潟造成作業に 立神真珠研究会の会員15人のほか、県内外のボランティア約30人が参加。
 (干潟表土から石やカキの貝がらを取り除いたり、貝掃除の排せつ物を表土と 混ぜたりする作業をした。)
  9月29日  立神小5年生が最終作業に参加。
 10月12日  立神小学校全児童89人が参加して150キロ約4万個のあさりの稚貝放流。


 今後、水温や塩分などを調査し、底生生物やアサリの成育状況など観察しながら、水質浄化の様子を見る。

2001年 2月23日 

 立神真珠研究会主催の「英虞湾の再生を考えるシンポジウム」が開かれた。 
                   (共催:三重県科学技術振興センター,大成建設株式会社技術センター)   
      〈講演内容

 第1部 「干潟・浚渫による英虞湾の再生」
 1. 調査報告 「浚渫土を利用した人工干潟造成実験―プロジェクト説明」
 2.   〃     「       〃  ―英虞湾における干潟造成の意義と調査結果速報」 
 3.事業報告  「立神・波切地区の浚渫事業の進行状況について」
 第2部 「生態系全体から考えた英虞湾の再生」 
 4. 研究報告 「英虞湾の底質汚染の現状と近年の汚染進行について」 
 5.   〃    「英虞湾の環境シュミレーション―適正養殖容量の試算」
 6.  特別講演 [諏訪湖の環境再生の試み」


〈調査結果速報) 造成直後から、小魚が泳ぐ姿がみられ、造成4ヶ後には 干潟の1面に生物の巣穴が見られ
カニ、ヤドカリ、 ゴカイ、2枚貝が主役となった多様な生態系がよみがえってきている。


      

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