真珠の養殖は その母体となる貝に 核(真珠の元となる白い珠)を挿入しても耐えることができ、
きれいな真珠ができるように 貝を育てることから始まります。

 その家によって 仕事の仕方等いろいろですが、ここでは私の家での仕事を紹介します。
 
私たちは 1月の真珠の採集が終わり、 珠よりをして真珠を売ってしまうと 水温が低い間、貝をさわれないので時間に少し余裕ができます。
その冬の間に汚れている網をきれいにしたり、なおしたり、貝をつっているいかだをなおしたり、いろいろなことをしておきます。 

 1月
  ↓
 2月

  ↓
 3月
  ↓

網をふくクリーナーを使い、網をきれいにする。

網修繕
あみしゅうぜん、網たたき

   貝を並べてつっておく網を たたいて汚れをとり、網を修繕する。

 あたたかくなってきて風のない日には

かごをふく
(クリーナーを使って)
 4月からの核入れ作業のための貝を 海水の流通のよくない、黒いかごにいれてあるが そのかごがあかでつまってしまうと 貝が弱ってしまうので かごを クリーナーできれいにする。

アコヤガイは 水の流れに比例する。遅い流れの中にいると 体内のすべての臓器の活動レベルを下げ、
神経活動も鈍化してすぐに反応しなくなり、
眠りが深いほど めざめるまで時間かかるので その間に核入れ手術をする。

貝まわし⇒
水温の高い所につってある貝を英虞湾に持ってくる。
  
 4月
  ↓
核入れ(珠入れ、、挿核手術)作業⇒5月20日くらいまで
 
水温が15℃くらいになると 核入れ作業を始めます。アコヤガイの最適水温は18〜23度。 
 5月
  ↓
    核入れする人によって 順番は 違いますが、私はこうします。
              
 @アコヤガイの口を開け せんどうという道具で貝の生殖層のうす皮にそって切る。

A切った道にそって挿入器
そうにゅうという道具で核を入れる。

Bピース(細胞)という別の貝の外套膜だけを 切り取って 細かく切ったものを核の上に貼り付ける。

            (クリックすると画像が大きくなります→)


 
養生ようじょう   手術の終わった貝を 水の流通の良くない養生かごに入れて 1〜2週間くらい養生する。
手術の傷が治って貝の体力を回復させることは 挿入した真珠核がぬけ出たり、傷のある真珠ができないようにし、
貝の死亡を少なくするうえで大切。
  
                  貝そうじ、かごづめ水処理、採苗貝(貝の赤ちゃん)をいくつかに分ける、
       ↓
母貝(今度核入れる貝)を 並べてある網から出して そうじをしてから、かごにつめる。
5月は1ヶ月くらいかごにつめておいて 核入れ作業をするが、水温が高くなってくるとなってくると 早い期間で 
貝に核入れできるようになるので かごにつめて、おいておく期間をだんだん短くする。
アコヤガイは 付着生物の防御(ぼうぎょ)機構がないので 浅い水深では、付着生物が付くがままとなる。
5月〜11月の間、始めのうちは20日に1回、夏になると1週間〜10日に1回の割合で貝を掃除する。
その付着物、付き具合によって、方法は違うが 貝がらをきれいにし、貝の生活環境を良くし、健全な状態を保たせることによって 刺激にもなり、貝の活動を促し、真珠の巻きをよくする。
ハンドクリーナーを
使って手でそうじする
カキ、ふじつぼなどかたい汚れが汚れがついている場合、網から出して1つずつそうじする。
養殖してある貝は ネットに並べる前に掃除する。
水処理 水につけて ほや、虫、かさねなど やわらかい汚れを落とす。
塩水 飽和塩水につけて 虫、まだ小さいうちのほや、かさねなどのやわらかい汚れを落とす。
クリーナーを使って。 海水の圧で汚れをとばす。
 6月
 
レントゲン (核入れ作業してから20日くらいたった貝を 貝専用のレントゲンで見て 核の入ってない貝(脱核だっかくをはねのける。)
   核入れ作業の失敗(切り方、核の挿入の仕方、場所など)、海の状態(水温など)、貝の状態(弱っていると皮がうすくて やぶれやすいし、強いと核を吐き出す力がある)など 様々な理由で貝が核を出してしまう。
          作業貝そうじ、貝並べ、 (死亡、脱核をのけた残りの貝だけ 掃除してネットに並べる
沖だし


 7月
水処理、塩水、クリーナーを繰り返す
核入れ、 卵抜き作業(核を入れる生殖層が卵を持ってくるが、その卵があると 卵を巻き込んだりして,
   ↓            きれいな真珠が出来ないので 天日に干したりして生殖層をからにするようにする。)

 養生
  
レントゲン,掃除、貝並べ
  
  ↓
 8月
沖だし⇒核の入っている回復した元気な貝をえさの多い、潮の流れの速い所へ持って行き、珠に真珠層をよく巻かす。
  
    
漁場に注意をして、以下のような場合には 貝を違う漁場へ移動する。
  ↓        アコヤガイが悪影響をうける海の状況⇒ 夏30℃を越す高温
   冬10℃以下の低温
   えさ不足
   「赤潮」とよばれる特定種のプランクトン大量発生
   「澄み潮」透明度の高い潮
    にごり 
 9月
  ↓
母貝、稚貝の貝そうじ分けてネットに並べる

越し物こしもの用の貝そうじ、かごづめ
  (来年、再来年の冬までおいておく貝を 越し物と呼び、秋〜冬にかけて核入れをする。
     4月〜8月入れて、来年の冬にむく貝は年物と呼ぶ) 
 10月
  

 11月
   ↓
越し物用真珠の核入れ
 
養生
 
貝そうじ、作業貝並べ、来年春の核入れ用貝のかごづめ
 ↓   
 12月
   ↓
 避寒ひかん作業アコヤガイの最適水温は18〜23℃程度で 限界水温は 高温30℃、低温10℃前後。
                 英虞湾は水温が低くなるので 冬12月頃になると 13度前後の漁場へ貝を移動する。 
  1月
   ↓

貝の生活環境や生理状態がよければ、水温が徐々に低下していくと 
ゆっくりと真珠の表層の炭酸カルシウムの大きな結晶が作られ、真珠の光沢がでる。
 


浜揚げ(採集)
貝を割って 真珠を取り出し、貝がらから身を取り出し、貝柱を取る。 
             貝柱は 食用に。→

             
 色々な真珠ができる。 
                                                                               
 
珠より⇒ 珠を磨いてから、サイズによって分けて光沢、色、巻き、形、質等をみて 選別する。
光沢(てり)⇒ 表面の輝きのことで 透き通るように輝いている。   
⇒ 真円がよい。いがんでいる真珠はバロック真珠と呼ばれている.
@ピンク系Aホワイト系Bイエロー系Cゴールド系Dグリーン系 Eブルー系 
    Fブラック系
  ない方がよい。
                                                                                                   
真円で光沢があり、傷のない、ピンク系の真珠(花球真珠)が できるとうれしい。

     入札会を経て市場に出る。

   
珠貝の生残率、生産される真珠の巻き、色、光沢などの品質は 母貝の体力、漁場の環境,養成中の養殖管理、細胞貝の性質などによって左右される。
そのことを 充分に把握して 私たちは アコヤガイの健康状態、海の状況(赤潮、比重低下、高水温、低水温など) に対処して適切な管理をし、すてきな真珠をつくっていきたいです。
       
 

       

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