VOL.1

信州に移住してからの数年間、タクシー運ちゃんで生計を立てながら人間ウォッチング。
カルチャーショックにおびえながらも 絵を描き始めるきっかけになった時代です。



【水戸黄門】

 小諸の常連客はタクシーに乗り込むなり「”俺ん家(おれんち)”にやってくれ!」という。
「俺ん家と言われても、私、こちらに引っ越してきたばかりの人間なんでわかりませんヨ・・・」
と言ったところで通用しない。
「何言うダ!この車はいつものタクシーだ。だから俺のコトは誰でも知ってるダ!」
「じゃ、お聞きしますけどお客さんは私の顔知ってますか?」
「・・・知らねェだ」
「知らない人間がお客さんのコトわかるわけないでしょに」
「でも、このタクシーなら俺のコト知ってるダ」
「・・・ですからどちらへ行けばいんですか?」
「俺ん家だ!」
 車は一向に動かない・・・。




バックナンバー閲覧

01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50

Return to the Top Page
All Right Reserved,copyright(C)Shigeto Miyasaka/2021