VOL.10

信州に移住してからの数年間、タクシー運ちゃんで生計を立てながら人間ウォッチング。
カルチャーショックにおびえながらも 絵を描き始めるきっかけになった時代です。



【両替商】

 小諸にはジャパゆきさんの住むアパートがいくつもある。そんなアパートに配車された。
 出て来た男性二人組はタクシーに乗り込もうともせず、ただ一万円札をピラピラさせながらワン・ツウ・スリイと指を折り曲げながらナインで止める。 唖然としている僕の前でそのアクションを何度も何度もくり返しながら脂汗をかいている・・・。
「ひょっとしてチェンジ・オブ・マニー?」
「ハイハイ、そ〜そ〜」
 何だ。タクシーにも乗らないで両替だけさせる気か!
 いやなやつら!手間とらせて・・・と思ったが仕方がないので千円札を十枚やった。すると彼らはそのうちの一枚を僕に返した・・・。
 つまり千円分チップにするから九千円が欲しかったわけね。ア〜疲れた。 でもタクシーは客を乗せずにお金がいただけることに気がついた。




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