VOL.14

信州に移住してからの数年間、タクシー運ちゃんで生計を立てながら人間ウォッチング。
カルチャーショックにおびえながらも 絵を描き始めるきっかけになった時代です。



【ホストクラブ】

 ちよっと派手めのおばちゃんたちに観光を頼まれた。金持ちグループらしく、成城だの田園調布の土地だのなにしろ話しがデカイ。 僕は観光不案内の運転手だし、世間話と冗談話でその場をごまかすしかない。
 ・・・で、どうやら僕の話は受けているようだ。 みんな大笑いしてくれて冷や汗ものの数時間を乗り切った。
 軽井沢のホテルの前で料金を頂いてお客を降ろすと、一人のおばちゃんが僕の胸ポケットに万札を入れようとした。
「お客さん、そんな大金いりませんよ」と返す。
「そんな事言わないで・・ネ、言わないで」
と今度はサイドポケットに
! それもお断りした。 だって、自分としては満足な観光案内もできなかったという負い目がある。 ただ、彼女らにしてみれば時間つぶしが目的だったのかもしれないけれど・・・。
 その時、ズボンの中に手が突っ込まれ、万札が差し込まれた! 僕はホストクラブを想像して、赤面した・・・。




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