VOL.24

信州に移住してからの数年間、タクシー運ちゃんで生計を立てながら人間ウォッチング。
カルチャーショックにおびえながらも 絵を描き始めるきっかけになった時代です。



【演技派】

 「イテテ・・・足が痛いのよ。近くで悪いけど乗せてもらえるでしょ!」
「ハイ・ハイどうぞ」
 女性四人組、どこへ行くかと思えば、たった200b先の会社まで。タクシーに「近くてもお気軽にどうぞ」というステッカーが貼ってある以上、乗車拒否はできません。顔で笑って、心で泣いて・・・。
 乗り込むなり一人が口火を切った。
(A)「あのサァ、近距離だと運転手に嫌われるのよねェ〜ッ!」
(B)「この後、また駅前に並び直して一時間以上待つんですってョ」
(C)「アラ、そうなの!? 気の毒だけど私らだってお客よねェ〜」
(D)「足が痛いとかなんとか言わなきゃ乗せてもらえないじゃないサ。キャハハ!」
 これだけ悪態つきながらも「運転手さん悪いわねェ〜!」をわざとらしく連発するから始末におえない。
 この手のオバタリアンは大キライだ! ただ役者としては実にウマイ!




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