──おはなし──

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小さな小さなお話です。

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2006年・後半のおはなし                 「言葉」

動物好きの人なら、誰でも一度くらいはこう思ったこと、あるでしょう。

「あ〜ぁ、動物と話が出来たらなぁ〜」

A君もそう思っているうちの一人です。

果たして、動物の言葉が分かることが自分にとって、本当にプラスになるのでしょうか?

A君宅で飼われているペットは、5種類。

いつも、餌をおねだりをしては甘える、ハムスター。
話しかけると答えてくれる、インコ。
水槽の前を通るだけで近づいてくる、金魚。
飼い主が帰ってきたとき、お出迎えを必ずする、とら猫。
散歩に連れて行っては一緒に遊ぶ、柴犬。

二日酔いのA君。たまの休みだというのに、この時はペット達の行動に、参りました。
だって、そりゃそうでしょ、この日のペットはとってもわがままでしたから…

では、今回だけ特別、この動物たちの会話を公開しましょう。

「クスクス、あいつ、相変わらずテンション低いなー。」
車を回して音を立てる、ハムスター。
       ──────頭にズキズキとくるA君。

「どうでもいいわよ、あんなヤツ。それより、今日もいい天気よ〜」
マイペースで鳴き続ける、インコ。
       ──────甲高い声に頭が割れそうになるA君。

「あーあ、どうしようもないバカだぜ、仕方ないなー」
水槽でジャンプを続ける、金魚。
       ──────水の音が頭にヒビクA君。

「ねぇねぇ、あのバカ、仕事いかないのかなー。ちょっとからかってやろうっと!」
足にまとわりつく、とら猫。
       ──────転びそうになるA君。         

「おおっ、おもしれぇ、俺もからかってやるぜ!」
調子に乗る、柴犬。
       ──────転んで尻もちをついてしまったA君。

散々な目に遭ってしまったA君。
でも、これがペット達のせいだとは気が付いていません。

A君、これでも動物と話がしてみたいですか?
                                                                
                                    おしまい

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