北風と猫


朝霧の街 薄惚けた光 鉄の先 切り取られた空
熱を宿した幼い寂しさ 赤い眼をして仰ぎ見る憂い

覚えた焦燥で また 零れた涙

まだ冷たい朝の風が 青い影を研きながら
頬を刺して吹き抜けた

路地裏の道 佇む野良猫 とぼけた顔で喉を鳴らしてた
歩みを停めて隣に座って 動き出す街二人で見ていた

色付く温色に まだ 溶けない孤独

まだ冷たい朝の風が 試すように走り抜けた
不安定に揺らぐ心 抑えながら空を見てる
まだ冷たい朝の風に 短いヒゲ揺らしながら
猫はただ欠伸してた

「ガンバレヨ」って呟いたら
「オマエモナ」って笑われた
「ダイジョウブ」また歩くよ
優しくなれるように

まだ冷たい朝の風が 鋭い線描きながら
惚やけていた街の色を 研くように写していく
まだ冷たい朝の風が 濡れた頬を突き刺すけど
「大丈夫だよ…大丈夫だよ。」
それでも生きていくから


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