何故かこの一枚で急速にまともになる。曲のレベルがトラットリアからリリースされていてもおかしくないような完成度になってる。
前作のリリースから一年しか経ってないはずだが、その一年の間に何があったのだろうかと疑いたくなる。
特に江森さんのぶっきらぼうな歌唱を最大限に生かした2曲目「black van」はcitrusの全キャリアの中でも屈指の名曲。
続く3曲目「all we did was split our sides」も、何か90年代の朝10時頃のフジテレビで流れてそうな名曲だ。
4曲目はかろうじて変態だろうか。それでもやっぱり前作と比べると数倍まともになってる。
とにかくまともかつ安全な一作なのでcitrusのインディーズ時代に興味を持ったら前作よりこれを先に探した方がいいと思う。
理由は不明だが小山田圭吾に見初められ、何を間違ったかこの1枚でまさかのメジャーデビュー。しかもトラットリアレーベル。
まあ…曲の完成度は全部高いし、嫌いなわけではないんですが…一言で表すと「地味」。
曲が悪いわけではないんですが地味。名曲収録、でも地味。アートワークも地味。てな感じでいまいち決定打に欠ける1枚。
収録曲は全部好きなのになー…なんというか、作品として面白くない。一枚通してじっくり聴くより、収録曲を個別で聴いた方がいいと思う。
citrusという名前を見ると多くの人が思い浮かべるであろう「cymbal hit!(like my feelin')」を収録。
ただ、自分は「big day coming from northwest」の方が名曲だと思う。まあ、こんなもんは主観ですが。
これでもか、なサンプリング多用アルバム。
まともな曲は3か4曲のみ。鉄腕アトムやジャイアン母の声まで用いて全く意味不明な展開に。
正直一回目に聴いた感想は「これは無い」だったが、
繰り返すうちにボーリングの音・バイオリン・赤ん坊の声・ギターとかとにかくごちゃまぜの音が何故かくせになる。
(が、サンプリングメインのトラックは決して「曲」ではない)
「911 KGGI」と「My Room Is Burning」が個人的に良い。2つともまともな曲(アルバム中では)。
前作から一転、まともなポップス路線に。とはいえ当時(1996年)の邦楽シーン視点で考えたら十分変態。
サンプリングは最小限に抑え、バックの演奏とメロの「キラキラ感」を大事にしてきたマキシ。
そしてこのマキシからラストの曲は泣きの一発を持ってくる傾向に。
ラスト曲「big day coming from northwest」必聴。コントラバス最強
実はこのCDの収録曲の大半はどうしようもないSEで占められていて、曲としてまともな体裁を保っているのは実質4曲しかない。
その4曲も後の作風とはかなり異なった、ローファイな趣を前面に出した力の抜けきった楽曲である。
さらにうち2曲がポップというよりはパンクに近い楽曲であり、トラットリアのリリースから入った人は恐らく戸惑う。
作品として完成度が高いわけではないが、citrusというバンドの本質をうまく表している一枚でもあると思う。
ただ「bee song」は名曲。同曲はそのあとに7インチシングルでリテイクされているが、そのバージョンもかなりいい。