アルバムレビュータイトル
* アーティスト名:しとらす。(最終更新日:2009年3月2日)
これが初めてのCD作品。全部で10曲入ってるが総合収録時間は11分37秒。
実はこのCDの収録曲の大半はどうしようもないSEで占められていて、曲としてまともな体裁を保っているのは実質4曲しかない。
その4曲も後の作風とはかなり異なった、ローファイな趣を前面に出した力の抜けきった楽曲である。
さらにうち2曲がポップというよりはパンクに近い楽曲であり、トラットリアのリリースから入った人は恐らく戸惑う。
作品として完成度が高いわけではないが、citrusというバンドの本質をうまく表している一枚でもあると思う。
ただ「bee song」は名曲。同曲はそのあとに7インチシングルでリテイクされているが、そのバージョンもかなりいい。
何故かこの一枚で急速にまともになる。曲のレベルがトラットリアからリリースされていてもおかしくないような完成度になってる。
前作のリリースから一年しか経ってないはずだが、その一年の間に何があったのだろうかと疑いたくなる。
特に江森さんのぶっきらぼうな歌唱を最大限に生かした2曲目「black van」はcitrusの全キャリアの中でも屈指の名曲。
続く3曲目「all we did was split our sides」も、何か90年代の朝10時頃のフジテレビで流れてそうな名曲だ。
4曲目はかろうじて変態だろうか。それでもやっぱり前作と比べると数倍まともになってる。
とにかくまともかつ安全な一作なのでcitrusのインディーズ時代に興味を持ったら前作よりこれを先に探した方がいいと思う。
理由は不明だが小山田圭吾に見初められ、何を間違ったかこの1枚でまさかのメジャーデビュー。しかもトラットリアレーベル。
まあ…曲の完成度は全部高いし、嫌いなわけではないんですが…一言で表すと「地味」。
曲が悪いわけではないんですが地味。名曲収録、でも地味。アートワークも地味。てな感じでいまいち決定打に欠ける1枚。
収録曲は全部好きなのになー…なんというか、作品として面白くない。一枚通してじっくり聴くより、収録曲を個別で聴いた方がいいと思う。
citrusという名前を見ると多くの人が思い浮かべるであろう「cymbal hit!(like my feelin')」を収録。
ただ、自分は「big day coming from northwest」の方が名曲だと思う。まあ、こんなもんは主観ですが。
この作品を機にメンバーが4人になる。
ドラムとして加入した正田圭はまだ前作でサポートとして参加してた(故に楽器も弾ける)からよかったが、
ベーシストとして加入した渡辺菜々は、この作品をリリースした当時ベースを持ってなかった(無論、弾けなかった)。
しかしほぼ無意味な気がするメンバー加入もまあまあ無駄ではなかったようで、作品の完成度がぐっと上がる。
どう完成度が上がったのかということを文章で表現するならば、前作よりも曲の「彩度」が上がった。
打ち込みの使い方も前作の「cymbal hit!(like my feelin')」よりもかなり心得た使い方をしている。
ギターの音もいい塩梅、ずれたドラムも心地よい。これをかけてドライブして夜景を眺めたくなるような一作に仕上がっている。
そして「rockin' CRUISE」。この一曲で自分の人生は完璧に狂わされました。
一つのバンドはその全活動の中で2枚ぐらい完全無欠の傑作を作る…
というのが自分の持論なのだけれども、citrusにおいてはその2枚のうちの1枚にこれが入ると思う。
打ち込みなどのデジタルサウンドを極力排して作られた純粋にバンドサウンドな作品。ジャケット裏に「マーシャル最高!!」とか書いてあるしね。
この作品は収録曲のジャンルが多様。レゲエ風な3曲目、ジャズナンバーにしてcitrus屈指の名曲5曲目が顕著。
あと、citrusというバンドの話題になると必ず「ドラム」のことが話題に上がるのですがそのドラムを堪能することもできます。
ちなみにこの作品、ちゃんとベースが入ってる。ただ渡辺さんが弾いてるものかどうかは…?
4曲目はイナズマ★Kによるアドリブ雄叫びセッション。内容については…聴いてのお楽しみ、ということで。
蛇足であるが、この作品、citrusのリリースした作品の中でいちばん総合収録時間が長い(15分35秒)。
そして完全無欠の傑作二枚目がこれ。これがcitrusの最高傑作。にしてラストシングル。
これに関しては書くことは何もない。ただ聴いてくれ。そして聴いて泣いてくれ。…ってこれじゃあレビューになってないので。
この一枚はとにかく全力疾走しているように感じる。4曲目までがノンストップになっているという仕様も納得。
1枚5曲11分。その世界の中で完璧な世界とマラソン選手のような理想的なペース配分を構築している。
これ以上はもう書けない。これ以上書くとどうしても自分の思い入れによってただでさえ薄い客観性がなくなってしまう。
そして裏ジャケにでかでかと「MAXI」と表記したこの作品を最後に、citrusというバンドは解散した。

(後述レス)
 どうでもいい豆知識☆ トラットリアレーベルから出た作品は全て初回盤だけケースに透明なシールが貼ってあるぞ!
(★:2点,☆:1点の計10点満点)
これでもか、なサンプリング多用アルバム。
まともな曲は3か4曲のみ。鉄腕アトムやジャイアン母の声まで用いて全く意味不明な展開に。
正直一回目に聴いた感想は「これは無い」だったが、
繰り返すうちにボーリングの音・バイオリン・赤ん坊の声・ギターとかとにかくごちゃまぜの音が何故かくせになる。
(が、サンプリングメインのトラックは決して「曲」ではない)
「911 KGGI」と「My Room Is Burning」が個人的に良い。2つともまともな曲(アルバム中では)。
前作から一転、まともなポップス路線に。とはいえ当時(1996年)の邦楽シーン視点で考えたら十分変態。
サンプリングは最小限に抑え、バックの演奏とメロの「キラキラ感」を大事にしてきたマキシ。
そしてこのマキシからラストの曲は泣きの一発を持ってくる傾向に。
ラスト曲「big day coming from northwest」必聴。コントラバス最強
個人的には前作と同路線だが、いまいち目新しさ無し。前作にぶち込んだほうがよかったのではと思う。
ただ1曲目のまさに始まりの音を聴くだけで爽快な気分になります。あとジャケがヤバい。
シトラスのCDジャケは全て外れなしですが、これだけはほんと味のある良いジャケです一回ググって見てみやがれぜひお願いします。
少し大人になったシトラス。そんなマキシ。表題曲でまず泣く。
ドラムドコドコ、ギタージャカジャカでボーカルのやる気は相変わらずマイナス100なんだけど素晴らしく切ない、というか美メロ。
1曲目が良すぎてあとはどうでもいいかも。あ、いやラスト曲(ジャズ)はシトラスのジャズだけあってやっぱ良いわ
ラストマキシ。良くも悪くも冒険はしなかったCD。
端的に言うとシトラスとして目新しいことはしてないんだけど、
持ち味の「キラキラ感」と「秀逸メロ+秀逸ドラム」がばりばり進化して名盤になりましたみたいな。
ボーカルは当然やる気なし子。それが何か?
せめてこの後1枚アルバム出しとけボケがと言いたくなるぐらい、期待の持てる子たちだったんですよ、ええ。

総評(?).
ごちゃごちゃ書きましたが過度に「オシャレ音楽は邪道」とか思ってる人は聴かないほうがいいかも。ただナンバーガールよりも遥かに変態です。
「カヒミ・カリィ聴いてるオレかっけえ」とか思ってるような人はたぶん挫折します。それほどオシャレじゃありません。というか変態です。
未聴の人であえて1枚選ぶなら ripple〜か wispy〜からどうぞ。

(前述レス:シトラスについて)
 何気に10年近い活動をしながらマキシCDの発売のみであっさり解散したふざけたバンドです。
 そして今更未発表音源含むコンピ発売ときた。これはヤバい シトラス好きにとっては事件です事件。
 で、聴いたことない人のための「音の感じ」ですが、変態度で言えば Luminous Orange 以上 Boat 未満といったところでしょうか。
 歌なしでサンプリングメインか割と真剣なポップスか、のどっちかです。
 やる気ゼロの女ボーカルが鼻歌歌って終わったみたいな曲もあれば、殺人的切なメロでリスナーをしばくみたいな曲もある。
 イメージというか一見 Cymbals みたいなあからさまなオサレ路線かと思いきやちがいます。
 ポップを追求したら「あら、こんなんできちゃった」みたいな感じです。故に一聴してCDブン投げたくなることも(人によっては)あるので注意。
 ただしほぼ全てスルメソング確実。
(全アルバム星評価なし)