アルバムレビュータイトル
* アーティスト名:なんばー・がーる。(最終更新日:2008年12月1日)
デビュー作。後に比べると作風が大分ポップ寄りで、とにかく青臭い。
しかし最後までライブの鍵を握ることになる「Omoide In My Head」「Iggy Pop Fan Club」が収録されている重要作だとも言える。
音質は悪く低音が弱めだが、巨大な宝石の原石を見ている感じがして、これはこれで楽しめる。
上記2曲の他に「水色革命」が白眉。
メジャー第一作だが、整然としたサウンドを嫌い、慣れた地元のスタジオで録音された。
そのせいかメジャーにしては音圧的にかなり弱く、特にボーカルの音量が小さい。この点に不満を抱く人は多いだろう。
前作ほどの青さはないものの、やはりキーワードのうちには「青春」がある。
ポップさは継承しつつ、疾走感溢れる10曲。前作よりリズム比重が高いか。
全体に完成度の高い作品なのだが、やはり惜しむらくはライブで見せるエネルギーまで収録できなかったこと。
青春を感じさせる路線はここまで。以降のスタジオ盤は圧倒的音圧・殺伐とした雰囲気をもった作品が続く。
この年の10月1日、渋谷クラブクアトロで行われたライブを収録したもの。端的に言って名作である。
溢れ出るエモーション、異様なまでの熱気。でも圧倒的なのは迫力ある演奏だ。
アルバムではパッとしなかった楽曲も一気に輝きを増す。ラストの「Omoide in my Head」なんか、特に。
できるならスタジオ盤とセットで聴いてほしい。
この日彼らのライブを生で見た人にとっては、神格化するに十分な内容だったことだろう。
化けた。プロデューサーにJane's Addictionを手がけたデイヴ・フリッドマンを起用。
一気にサウンドの向上が図られ、ますますリズム偏重になった。
まるで鋭い刃のようなギター、自在に跳ねるベース、割れんばかりのドラミング。ボーカルはひどく内省的な歌詞を叫ぶ。
異様な緊張感に支配された40分弱である。アルバム一枚かけて大都会・東京の冷たく殺伐とした側面を鳴らした作品。
どことなく「和」を感じさせるメロディーラインも素晴らしい。
聴きやすさ・サウンドプロダクション・アルバムとしての完成度3拍子揃った最高傑作で、00年以降の邦楽最重要作の一つである。
プロデューサーには引き続きフリッドマンを起用。
民謡的要素すら感じさせる1曲目、ラップが飛び出す3曲目等、アプローチが多彩に。
渾然一体の音塊だった前作に比べ、ボーカルや楽器一つ一つの音はクリアになっている。
メタリックなギターとダビーかつ変則的リズムで畳み掛けるドラムが特に印象的で、楽曲のパンチ力はある意味前作以上かも。
思えばこれがナンバガの最終形態ということになる。
しかし後半になるほど楽曲が弱くなるきらいがあり、この評価とした。
札幌ペニーレインでの伝説的ラストライブをほぼ全編収録。
最後の星を半分にするのも怒られそうである。観客の熱狂ぶりもそのまま収録されており、とにかく熱い。
とりあえず聴いてもらわなければこの雰囲気は伝わらないのだが、聴いてしまうとオリジナルが聴けなくなるかもしれない。それほどのライブだ。
number girlというバンドの歴史を俯瞰しながら聴くと、最後2曲の名演には思わず涙してしまう。
ただ、全編収録というのがネックとなり、CDで聴くと冗長に感じられる部分があるので満点は避けた。

総評.
ナンバガはやはりライブバンドであった。ライブの感動を音源で再現することができないまま解散した。
サウンドとしては「SAPPUKEI」を境にリズム偏重が激しくなっている。
もともと80〜90年代オルタナを起点としたバンドであり、かなり極端な方向へ進化している。
解散はこれ以上の深化を止めるための判断であったとも言えると思う。
向井秀徳のやりたかった音楽がザゼンボーイズで体現されているとするなら、解散は正しい選択であったのかもしれない。
音の威力に気を取られていると歌詞の完成度の高さに気づかないが、これも見逃すべからざる魅力だということを最後に添えておく。
(★:2点,☆:1点の計10点満点)
DISC1は今までに発売されたCDシングル曲をすべて網羅+αとしてアルバムから数曲。単なるベスト盤なのであんまり面白みはない。
しかしDISC2のB面集がくせ者。隠れた名曲の宝庫。なんでこんな素晴らしい曲をA面に持ってこないのかという曲の連続。
「はいから狂い」「SUPER YOUNG」など、ファン人気の高い曲が集う。
これを買えばシングルを買う手間が一気に省けるし、アー写を集めた面白い写真集も付いているので初心者に勧めやすい一枚。
ちなみに「DRUNK AFTERNOON」は個人的にナンバーガールの中で一、二を争うくらい好きな曲です。
第二弾はライブ音源集。
「記録シリーズ1」の方はこの作品用に初期のライブ音源を編集した三枚のライブアルバムと、
ライブ会場限定販売だったライブを収録したカセットテープ「記録シリーズ」(通称「黒カセット」)に
bloodthirsty butchersのカバー「プールサイド」のライブ音源を追加収録してCD化したライブアルバムの四枚組。
ラモーンズのカバーや、「伝説」と言われている新宿JAMでのライブ音源など、聴きどころは多数。
初回盤にはSXSWでのライブを追ったドキュメンタリー映像を収録したDVDが付いている。
で、「記録シリーズ2」の方はというと、これまたライブ会場限定販売だったライブアルバム「記録シリーズ」2作(通称「黄盤」と「緑盤」)の再発4枚組。
しかしただ単に再発しただけなので、「記録シリーズ1」に比べるとパンチに欠ける。
しかしコレクター気質の人じゃない「ふつーにライブ音源が聴ければおk」な人には大変重宝する一作だと思う。(原盤は探すのが面倒だしね…)
初回盤にはROCK IN JAPAN FESTIVAL 2002のライブ映像を収録したDVDが付いている。ここ以外では未ソフト化の貴重な映像です。
ただ両盤とも4枚組というボリュームのせいで、ちょっと敷居の高い作品になっちゃってる感がある。
さあOMOIDE IN MY HEAD Projectのラストにして真打ちがやってきました。
ファンなら聴きたいであろう、初期の自主製作カセット時代の音源、現在廃盤になってるコンピの音源、そしてお蔵入りになった曲…
それらを本当に惜しげなく詰め込んだ夢のような2枚組。すごいです。これは本当にすごい。
あの幻の抽選品7インチの音源が聴けたり、「TOKYO FREEZE」のフルバージョンとか、「透明少女」の東京レコーディングver.とか…。
そして収録曲の中で強烈なのは「KU〜KI」と「モータウン」。もうこの2曲は本当にすごい(2回目)。
「KU〜KI」は後期ナンバーガールには珍しい不思議な爽やかさをもった曲。
ちょっとレゲエ入ったりとなかなか実験的な曲なのですが、
最後、溜めに溜めて向井秀徳が思いっきり叫んだ瞬間涙線とかそういう次元じゃないものが一気に決壊したよ…。
向井秀徳アコースティック&エレクトリックでもやってる曲ですが(DVD「現代の無戒」に映像が入ってる)完成度が段違い。
そして「モータウン」はシングル候補にも挙がっていたらしい、もう秋の夕暮れとかそういうもの思い出して鼻がツンと来るようなそんな曲。
まだ向井秀徳の歌ははいってない状態なんですが、それでも異常なまでの完成度の高さ。
歌詞もできていて、もし完成していれば「SATSUIあり」というタイトルになる予定だったとか。無茶苦茶気になります。
この二つを聞くとナンバーガールの解散を改めて悔いることになるのは必至。
その他の曲もデモ段階からもうぶっ壊れてたり、どうしてお蔵入りになってしまったのか理解に苦しむ曲などあり、とにかく充実の一枚。
解説も非常に細かい。
ただ苦情を言うなら歌詞載せてほしかったなあ。あといくつか店舗特典とかの音源で収録されてないものがあるはず…

(後述レス)
 「OMOIDE IN MY HEAD 3 記録映像」はDVDなのでレビューはやらずに簡単な紹介。
 CDとして発売された二枚のアルバムを映像で楽しめるほか、TVでやった特番とかも入ったファンなら楽しめる内容になってます。
(★:2点,☆:1点の計10点満点)
「中尾憲太郎と友達がバイトやってたスタジオに(主に深夜)深夜忍び込んで作っていたため、製作費は前述の友人に払ったメシ代だけ」
という逸話がある、数本のカセット・コンピ参加経てリリースされたインディーズファーストアルバム。
ジャケットが水色なら中身も青い。青春の衝動を見事に12cmCDに収めた一作。
完成度はそこまで高くないが、そこら辺にいたインディーズバンドが初めて作った一枚と考えると凄い。
音は荒いが、内容は意外とポップで聴きやすい。「水色革命」「mini grammer」あたりが聴き所か。
ただし「OMOIDE IN MY HEAD」はここに収録されたバージョンはまだ未完成(この曲はライブを経て完成…だと思う)。
メジャーデビュー後初のフルアルバム。
前作が比較的ポップであったのに対し、このアルバムは歪んだギターがバリバリ鳴るぶっ飛んだ作品になっている。
福岡で、インディーズ時代から使ってきたスタジオで録音。音はメジャーレーベルから出されたとは思えないほどの粗さ。
しかしそれが曲の迫力を際立たせている。多少ポップな曲ですら恐ろしいほど鋭利で獰猛なサウンドに変わる。
切なくも激しい「タッチ」、兎に角疾走する「裸足の季節」、壮絶な展開の「日常に生きる少女」など、
後年までライブで演奏されることとなる代表曲が目白押し。ベストで入門した後、最初に買うならこれ(かライブアルバム二枚のうちどっちか)。
「狂って候」にはこれからの路線が微かに顔を覗かせる。
なんだかいろいろあってデイヴ・フリッドマンプロデュース・アメリカ録音という状況に。
一音一音が研ぎ澄まされており、4人の才能が最大限に引き出されている。
アメリカの乾いた空気と福岡の蒸し暑い空気が混ざった熱気がスピーカーから漏れ出てくるよう。
切迫した曲に都会の暗部と自分の葛藤を描き出す歌詞が乗るという曲が多いため、全体的に暗いトーンの一作。
その中にあって「YARUSE NAKIOのBEAT」の力の抜け具合と「TRAMPOLINE GIRL」の爽やかさが異彩を放っている。
哀愁と無常感が漂う「ZEGEN VS UNDERCOVER」、田渕ひさ子によるギターソロが神が懸ってる「TATTOOあり」あたりがいい出来。
ただ、「URBAN GUITAR SAYONARA」はシングルバージョンの方がいいかな…。
アメリカ録音のラストアルバム。ここでまさかの路線180度転換。
「和」のテイストが色濃く出たサウンドに念仏のようなボーカルが乗るという奇々怪々な音楽に。
それでかっこよくなってしまうのがナンバガのすごいところ(この文章嫌だ)。しかし人を選ぶ内容だと思うので点数は低めに付けた。
衝撃的な「NUM-AMI-DABUTZ」、従来のイメージ通りな「Tombo the electric blood red」「MANGA SICK」、
焦燥と哀愁の二面性を持った「CIBICCOさん」などの激しい曲の中にあって、「delayed brain」の静けさが印象的。
(★:2点,☆:1点の計10点満点)