アルバムレビュータイトル
* アーティスト名:こーねりあす。(最終更新日:2008年12月1日)
1st「The First Question Award」 ★★★
ファーストは完全に「渋谷系」なポップ。現在の「音職人」的なイメージで買うと絶対面食らう。
さまざまな名曲の旋律を拝借するというピチカート・ファイヴ的な手法で作られている。
肩の力を抜いて聞けるゆるい一枚。海辺のドライブの時とかにかけるといいと思う。
「THE BACK DOOR TO HEAVEN」あたりはかすかに今の路線の片鱗が見える。
野宮真貴がコーラスで参加。
2nd「69/96」 ★★☆
前作から一転、いきなりメタルやハードロックを極めた一作。
悪趣味なパロディーや、名曲からのサンプリングを多用した作品。だが全体的には不発な印象。
カセットで先行発売された名曲「MOON WALK」や今もライブで演奏される貴重な一曲「Brandnew Season」、
最後にはビートルズの「Tomorrow never knows」ネタまで飛び出す壮大な一曲「ROCK/96」を収録。
ラストの「World's end humming」だけは前作の雰囲気を残している。
暴力温泉芸者やAsa-changなど、多数のゲストが参加。
ちなみにちょっとした仕掛けがあります。CDプレイヤーに入れればすぐわかると思います。
けどサイレン関連の曲が良い。
リミックスアルバム「96/69 《地球あやうし!》
「69/96」のリミックスアルバム。いろいろと雑多なのに不思議なまとまりがある。
ロックな原曲を薄気味悪いポップに仕立て上げた砂原良徳の「MOON WALK」、
霧の中に立っているような浮遊感のある想い出波止場の「Brandnew Season」、
原曲を無視して果てしない無気力の荒野を突っ走り見えなくなっていく暴力温泉芸者による「VOLUNTEER APE MAN (DISCO)」あたりが聴きどころ。
今は亡きhideによるリミックスも収録。そういえばマヒナスターズの人も死んじゃったなあ。小山田さんのお父さんね。
(「World's end humming」の小西康陽リミックスに参加。息子の曲を熱唱する和田さん。必聴!)
ちなみにジャケットイラストは教育の本のイラストの権威と言われている方による作品だそうです。
前作と同じ仕掛けあり。
前作から一転(またかよ)、独自のポップサウンドを提示した一作。
一曲目の「MIC CHECK」の延々と続く雑音から妙な気分になっていき、アルバムの世界へと引きずり込まれていく。
この作品は非常に形容するのが難しい。
ロックな一曲もあればクラシックを引用した軽い作品もあるし、かと思えば音楽への思いを込めた曲もある。
お勧めの曲を聴かれても困る。すべてお勧めのような気もするし、そんなお勧めという概念はこのアルバムにはない気もする。
ただ言えるのは90年代を引っ張ってきたメインストリームの一つ「渋谷系」の一つの到達点がこの作品だということ。
まあ渋谷系はこのアルバムの後もうちょっと続くんだけどね。今も細々と続いてるような気もするし。
コーネリアスファンは今も新品で買える通常盤がお勧め。限定盤には収録されてなかったボーナストラックが4曲入ってます。
ボアダムスのファンは初回盤を購入しましょう。ShockCityレーベルのメドレーがこっそり収録されてます。
EYEさんのイラストも初回盤の特殊パッケージのどこかにあります。(ヒント…CDの下をよく見よう!)
リミックスアルバム「FM」 ★★
「FANTASMA」のリミックス盤。「96/69 地球あやうし」の濃さに比べると薄味。いまいち印象が薄い。
「Clash」をだるだるなポップにしたPastelsのリミックスと
ほぼピチカートファイヴのインストな小西康陽による「Count 5,6,7,8」(もうタイトル変わっちゃってるし)あたりが聴きどころ。
リミックス集「CM」 ★★
こちらはコーネリアスが今まで手掛けてきたリミックスを集めた作品集。
もうこれに関しては言いたいことは一つ。Pastelsの「Windy Hill」のリミックスだけ聞いてくれればそれでいい。
そのためだけに買っていいってぐらい名リミックス。まあU.N.C.L.Eのリミックスとか他にも聴きどころはあるけど。
4th「POINT」 ★★★★★
個人的にコーネリアスの最高傑作。とにかく削れるものを削り、余分なものを一切排除した純水のようなアルバム。
一曲目のノイズから目が覚めて、そこから一日が始まり、あとは夕暮れまで海を眺めているような一枚。
全体の流れを重視した、とにかく音に感覚を研ぎ澄まし、一音一音を大切に扱っている一枚。
とにかくこのアルバムの前に言葉は無力。再生ボタンを押すだけで旅が始まります。いってらっしゃい。
北山雅和さんによるジャケットも完璧。歴史に残る名デザイン。
リミックス集「CM2」 ★★
コーネリアスによるリミックス集第二弾。しかし非常に影が薄い。オリジナル盤ではないリミックス集の宿命だろうか。
電気グルーヴの「ガリガリ君」とか変な曲もリミックスしてます。個人的に好きなのはTOWA TEI「Butterfly」のリミックス。
リミックスアルバム「PM」 ★★★★
「POINT」のリミックスアルバム。
しかしこれただのリミックスアルバムではない。なんと一般に公募したリミックスの中から選考された12曲…という独自の試み。
なのでプロにはない(というかプロ顔負けの)才能が発揮された濃い12曲。
オープニングのDRITT DRITELによる爽快なリミックス、コーネリアスへの尊敬が感じられる坂本昌己によるリミックス。
8分にも亘る不穏なアンビエントを展開して見せた井上正勝によるリミックス、最後の中山幸太…リミックスじゃなくね? など、聴きどころは多数。
あと4曲目はどうか飛ばさずに聞いてほしい。ただ喋ってるだけでは終わらないんです。
ラスト2分で椅子から転げ落ちそうになる超展開が待ってます。
5th「SENSUOUS」 ★★★★☆
うーむ、やっぱり「POINT」には劣ってしまうかな。やはり前作で自分が作ったハードルを越えられなかったというか…。
まあ前作とか気にせず聞けば普通に名盤。
アコースティックギターを黙々と弾いたり、ディスコなリズムなのに決して踊れなかったり、
「Wataridori」を聴いてると脳裏に鳥が飛ぶ姿が浮かんだり、最後でちょっと泣きそうになったり、そんなアルバム。
次作はどう来るかわからないなあ。ちょっと期待(次作の発売は何年後になるでしょうか…)。
(★:2点,☆:1点の計10点満点)