アルバムレビュータイトル
* アーティスト名:おざわけんじ。(最終更新日:2009年3月2日)
ソロデビューアルバム。フリッパーズ時代の面影は全く無くアコースティック色が強い。
アルバムとしてのコンセプトもしっかりしてて、1曲目「昨日と今日」が夜だとしたら、曲が進むとちょっとづつ朝が近づき6曲目「カウボーイ疾走」で朝を向かえる感じに。
そして7曲目「天使達のシーン」13分もある曲だが、何でも無い日常の描写を描きつつ、
そこから生と死という所まで展開していく小沢健二という人間の作詞能力が存分に発揮された曲になってる。
正直、ボーカル小沢としては、声量も音程も不安定だがそれを超える何かがあるアルバム。
小沢健二はフリッパーズ時代から同じ様なアルバムを出してこなかったが、今作も前作の作り込んだ世界観は何処へ?
という感じでもう思いっきり躁状態のメーターを振り切ったかのような甘い詩、オーケストラを使用したアレンジ、
そして誰でも口ずさめるようなポップなメロディー。
でも、完成度は圧倒的に高いです。90年代の邦楽を代表する1枚と言ってもいいくらい。
まだ、未聴の人はレンタルでいいから一度聴いて欲しい。胸をはって他人に勧められる1枚です。
同じ様なアルバムを作らない小沢健二が次に作ったのはなんとジャズ!!!
前作とその後に出されたシングルを聴いてるとちょっと面食らう。
ただ、小沢健二の曲には結構多いのだが、当時は地味だと思ってた曲も10年以上たった今聴くとやたらと心に響く。
このアルバムのリードシングル「大人になれば」なんかその象徴だろう。
小沢健二はこのジャズが気に入ったのか、後期に出したシングルのC/Wで今までの曲をジャズアレンジにして入れたりもしてる。
LIFEに比べると地味に感じるかもしれないが、聴き込めば良さがわかるスルメアルバムだと思う。
前作後やたらと気合いの入った素晴らしいシングル4枚を出して突如表舞台から姿を消した小沢健二。
どうやらニューヨークに住んでたらしく、あの9.11に影響を受けて作ったと思われる今作。そして今作はR&Bです。
トラックの完成度は素晴らしく高いです。歌い方が変わっているが、作詞能力に関しても相変わらずの完成度。
でも、今作からはそれだけしか伝わってこない。
LIFEはタイトル通り聴いてると小沢健二の体温みたいな物や溢れ出すエネルギーみたいな物を感じられたが、
今作は良く出来てるが何故か1曲づつ箱にいれられていて直接音に触れる事の出来ない感じがする。その辺りが少し残念なアルバム。
小沢健二は一時期シングルを連発していて、アルバムに入ってないシングルも多い。
主に98年くらいまでに発売されアルバム未収録のシングルを集めたベスト盤。シングルと言っても完成度は凄く高いです。
ただ、全てのシングルが収録されてるわけではないので、ちょっと中途半端な感じ。
当時の小沢健二の王子様キャラ爆発の「戦場のボーイズライフ」や
姿を消す前に出された「buddy」〜「春にして君を想う」の4枚が収録されてれば文句なく満点なんだけど。
エクレクティックより4年振りに出されたアルバム。今度はなんと全曲インスト!!!
どうも、小沢健二が書いていた小説「うさぎ」のサントラ扱いらしいが、小沢健二の才能の一番優れてる所は作詞能力なわけで、そこを削るのはどうかと・・・
音もエクレクティックの延長線上にあり、同じフレーズが引用されてたりもする。
というわけであまり新鮮味を感じない=小沢健二らしくないアルバム。

総評.
フリッパーズの影を断ち切ろうとしてた初期。
結果的に渋谷系全盛期に渋谷系というアングラな所から壁をぶち破って思いっきりメインストリートを歩いていた。紅白にも出たくらいだからね。
と、同時に同じ様なアルバムを作らない彼は常に新しい音楽を作り続けていた。特に日本から姿を消す直前に出された4枚のシングルは素晴らしい。
8cmシングルなので、今から入手しようとすると大変だが、ちょっとでも小沢健二に興味があれば「恋しくて」と「ある光」はぜひ聴いてほしいと想う。
(★:2点,☆:1点の計10点満点)