* アーティスト名:ざ・ぴろうず。(最終更新日:2008年12月1日)
明確なロックバンド路線で作った初のアルバム。とはいえサウンドに後のひずみはなく、繊細な音造りがされている。
1曲目以外は、全編キャッチーな高性能ポップロック。収録時間は41分ながら充実感がある。
折り紙つきの完成度で、個人的に90年代を代表する一枚。ピロウズはここから入るべき。
後の方向性の指針となったアルバム。前作も名盤ながら、今作はさらにその上を行くのでは?
バンドサウンドにひずみが加わって迫力を増した上に、ドキャッチーな名曲揃い。とにかく聴いていて楽しい。傑作。
サウンドはさらに凶暴性を増し、高揚感溢れるロックアルバムに仕上がっている。
キャッチーさは僅かに減退したが、相変わらず楽しんで聴ける。こちらを最高傑作に挙げる人も少なくない。
この頃のピロウズは、何をやっても成功しそうな自信に満ちている。
ピロウズの歴史の中でも見過ごされがちだが、前3作を継承したポップさに、一層のタフさが加わった良作。
現行のピロウズにもっとも近いアルバム。最後を小曲で締めくくるスタイルもここから。
2年ぶりだが、大きな変化はなし。停滞作である気がして、なんとなく感情移入できなかった作品。
良曲は複数あるんだが。
この時期の代表作。本作も最高傑作に挙げられることがある。
とにかく全曲ハズレなし。前作より幾分ポップか。安っぽいシンセ音が意外に良い味出してます。
欧米のロックを意識した異色作。
ポップらしさは抑え目だが、今までと違った鋭角さと痛快さを感じる。カッコよさは今まで以上かも。
ちなみにボーナストラックも秀逸。
収録時間は36分とコンパクトにまとまっているものの、アルバムとしての個性が薄い。
個人的には、過去作品の焼き増しという印象がある。
メンバー自身「全曲シングルみたい」と語る充実作。
それまで減退していたポップさが一気に出た印象で、JPOPリスナーにも訴求しうる。
今まで続けてきたオルタナロック調を抑え、聴きやすさを重視。全体的に軽めのサウンドになっている。
新規のリスナーにはアクセスしやすいが、今までのファンには物足りないかも。
総評.
ポップとロックの中間に立ち、クオリティの高い作品を放ち続けるバンドである。
60〜90年代のメロディアスなロックを摂取し、自己流にかたどる技術を持っている強み。
ただ良くも悪くも安定期に入っており、音楽性の拡大は見られなくなった。
(★:2点,☆:1点の計10点満点)
バンドブームの名残感じるシンプル(ありがち)なブリティッシュロック。
ボーカルのナヨナヨ具合がまだ悪いほうに作用しており、個性というよりは短所に。
なぜか(エセ)モッズ色が加味される。イニシアティヴの問題からかリズム隊の音量が大きい。
歌唱は「これでプロ?」と思えるほど表現力がなく、M-10等は曲自体が良くても活かせず終いに。
ここで初代ベースが脱退。解散は免れ、一切の主導権がボーカルに渡る。
完全な(エセ)モッズ路線に。語尾に"(笑)"を付けた「オシャレ」がピッタリと合う。
ギターは好オブリガード連発、ベース・ドラムは職人的プレイ見せるも、ボーカルは加藤ひさしには程遠い。
M-2,M-6では爽快な空回りを見せるも、M-3のギターフレーズ、詞が5th.以降を思わせるM-7は一聴の価値ありか。
(エセ)モッズ路線にも慣れてきたのか、無難なまとまりは見せる。
しかしながらボーカルの空回りの減少に比例して、バンドの個性そのものも薄く(無く)なることが露呈。
この後に出された「tiny boat」というシングルがトラウマを生み、バンドは大きな転機に。
ボーカルが自身の人間性をさらけ出しナイーヴな感情をメロディに乗せ、
他メンバーが高い理解度でサウンドを構築する、という路線に活路が開けオリジナリティを獲得。
ボーカルの精神状態だけでなく、音楽業界においてのバンドの立ち位置がギリギリだったことも自然作用し、
強さ・儚さ・危うさ・優しさ・毒などが稀有なバランスで内包されており、そこが名盤とされる所以となっている。
ボーカルの人間性をメロディにこすり付けた代表曲M-6、2番の歌詞が泣けるギリギリのバンドソングM-7、
厭世性全開ポップM-2、孤独感も全開M-4、片想いも全開M-5,9、バンド愛全開M-10など、
総じてボーカルの感情は全開。人間性開けっ広げとなっている。
メロディだけを取ってみれば、王道的良質さはあるものの、決して突出した凄さはない。
しかしながら自然に湧いたメロディが感情の乗った詞を呼び込み、その詞によってメロディの輝きも増すといった、
簡単なようで決して技術だけではモノにできない、理想的な相乗作用に成功している。
アレンジも細やかに行き届いており、ギターはメロディアスなフレーズで歌の魅力を引き立て、
ドラムはしゃしゃり出ず要所でうまくアクセントを加え、サポートのベースは職人的に彩りを加えている。
全体でM-1が若干浮いて聴こえるものの、音楽的にはシンプルなUKロックとして良質な出来。
この手の歌詞が大好きな人には"人生で特別な一枚"になりうる作品なので5つ星だが、音楽面でのみ評価するなら星を一つ減らしてもいいだろう。
前作が内包する特別性と単純に比較は出来ないが、総合面ではこのバンドの最高傑作だろう。
ギターの音色は歪みと太さが増し、初期のオアシスを思わせるUKロックサウンドに。
曲のバラエティは豊かで、粒が揃いながらもバランス・曲順がよく、感情面でも多彩な顔を見せる。
愛情の反対は無関心と言うが、目の前をただ通り過ぎる"敵"に向けて「こっち向け」感情を爆発させた代表曲M-7。
過去を断ち切り前進を決意したテンションのまま飛び跳ねるM-2、ギターソロが響く純粋な王道バラードM-3、
歌謡曲的センチメンタルを見せるM-4、沈んで消えちゃうM-6、鬱屈した10代のテーマソングM-8、
"ノケモノ"によるド鬱な弾き語りM-10、"味方"への親愛の情を歌うM-5,11と聴き所は多い。
前2作によって評価を得、支持者("味方")が増えたことでボーカルの機嫌・調子がさらに上昇。
テンションの高いアッパーな曲が並び、曲単位のクオリティも高め。
ただ全体としては若干平坦な印象があり、ハイライトが曖昧な(最後か?)アルバムかも。
音楽面では緩急のメリハリをつけたUSオルタナの要素を積極的に取り込み始めたことが伺える。
もろUSオルタナなイントロがカッコイイM-1、淡々としたメロで商業音楽に毒づくM-2、
詞が可愛いパンキッシュポップM-3、もはや商標登録?「アウイエ」連発M-5、
オモチャで遊ぶおっさんのインストM-7、ハンドクラップ&コーラスM-11などを「オラオラ」と連発。
前2作のナイーヴ歌謡はどこへやらと思いきや、最後を飾るM-12でボーカルは日記帳を大胆公開する。
USオルタナサウンドのニュアンスを吸収し、彼ら流に上手く昇華できた作品。
楽曲は総じてポップで粒揃いだが、纏まりは無く、一枚のアルバムとしての流れは希薄。
音作りでは彼らのキャリア中、最もギターバンドとして理想的なものになっている印象。
ゴキゲンな重厚イントロが耳を掴むM-1、泣き要素入りパワーチューンM-2、"オレ無敵"的疾走感M-3、
疎外感全開歌詞+彼ら流オルタナの傑作M-4、pixies愛M-7、kim deal愛M-8、小さな小さな応援歌M-9、
ギターの音使いが緻密なバラードM-10、最後は凶暴リフで"逆ギレ"する英詞のM-11で締める。
(エセ)モッズ期のアルバムから2曲を収録したため違和感を感じるものの、概ねの代表曲は収録したベスト盤。
彼ら流のオルタナ的茶目っ気を発揮した"おバカポップ"「Ride on shooting star」他2曲を新録。
2年ぶり。前作の理想的な音作りはどこへやらといった感じでギターの音が粗雑に。
また全体的に音圧不足でミックスの質が低く、ドラムはペラペラした質感、
それまで上手く活かしたり誤魔化したりしてきた歌唱の線の細さ、不安定さも目立ち気味に。
ボーカルの調子も良くなかったのか曲の出来にもかなりバラつきがあり、
タイトル曲M-11では「クタバレニンゲンドモ!」「犬小屋チャンネル0002!」と反応に困るシャウトを披露する。
しかしながらノリのいいベースリフ&サビに高揚感があるM-2、泣きと強気が入り混じったシャウトM-3、
王道ギターロックの良さ出たインストM-9など佳作も収録。これらをピックアップして聴くためのアルバムかも。
前作から一転、シンセをうまく導入し、突如としてポップな方向に突き抜けることに成功する。
おそらく"狙って"ではなく"気の向くままに自然と"そうなったであろう変化が何とも彼ららしい。
曲のバラエティも豊かで、バランスも取れており、唯一"詞を聴かせる"M-8がしっかりと核になっている。
ロケンローなリフをドポップに使ったM-2、珍しく"突き抜けて"キャッチーなサビメロのM-3、
彼ら流ディスコチューンM-4、不意打ち!昔の日記大公開M-8、ピコピコ+轟音ギター(−中学英語)のM-10、
と休む間なく畳み掛ける。ポップロックアルバムの傑作と言っていいだろう。
それまでのカップリング曲を2枚に分け(る必要はあまり感じないが)計20曲を収録。
DISC1は、Ripcord?なM-2、単音リフがキマったお得意"泣きのグランジ"M-5、これまたお得意"英詞グランジ"M-7、
ノイジーなギターと呟く様な歌唱が甘酸っぱい"大人の階段上る"片想いナンバーM-9、
DISC2では、疎外感全開ギタポM-2、最後にぶっちゃける超孤独詞+Airbag風アレンジの名曲M-9、
詞の素直さが"らしい"レゲエ風M-10などバラエティに富む。
曲構成はB面的なものが多く地味だが、単品のクオリティとしてはA面を凌ぐ出来のものも。
★3つ以下のアルバムなら、こちらを聴いた方が掘り出し物が見つかるかも。
これまた前作での好調はどこへやらという感じで、ボーカルの調子が最も悪かったであろう時期に突入する。
シングルで勝負できるような曲が出来なくなり、アレンジ面でもチャレンジは無く停滞気味に。
曲のタイトルにも不恰好なカタカナや仰々しい漢字が益々入り乱れるようになる。
リフが渋い英詞のM-1、"らしい"孤独感を歌うM-5など良質な楽曲をかろうじて数曲収録するものの、
シークレットトラックとしてインディーズ期の楽曲をセルフカバーした「僕はかけら」が一番良かったと言われかねない作品。
熱心なファン以外はパスしても問題ないかも。
キャリア初期の楽曲をセルフカバーした企画盤。
生のホーンが使えていたら…と思ってしまう爽快なM-1、「曲に罪は無い」とかつてのトラウマを払拭したM-2、
若き日の疎外感をオーブラードに包まず歌ったM-4、シングルカットしたら売れそうなM-6など、
成長したバンドの力で曲を生き返らせた一枚。セルフカバー云々というより、全て新曲として聴いて良いかも。
曲単位で見れば地味な楽曲が多く不調から完全脱出したとは言えないが、
ギターの左右のチャンネルが明確に分けられ始めるなど、結果的には次作に繋がる過渡期的な作品に。
リズムギターからは余分な歪みが取れ、勢いに頼らない音作りに変化が感じられる。
キャッチーなコードリフとバンド感が心地良いM-2を始め、M-1、M-6、M-11など、いい意味で肩の力が抜けた楽曲も見られる。
一枚のアルバムとしての流れは整っており、11曲36分とアッサリと聴ける。
左右のギターを効果的に使い、ミニマムな構成で作れるバンドサウンドの追求に成功した作品。
耳を掴むベースリフ、呼応し合うギター、ハイハットを前面に出したドラム、と全パートが活き活きしたM-1、
チープな単音リフがストロークスを思わせるM-4、このバンド流のズンドコ節が聴けるM-6、
ドラムが好プレイを見せるインストM-8、対照的なフレーズの呼応が渋い英詞曲M-11など粒は揃う。
M-9は曲自体は平凡ながら、左右のギターによるメロディアスなフレーズで佳作に化けさせた。
M-7が唯一穴に思われるものの、総じて完成度は高く、充実の一枚と言えるだろう。
前作の方法論を所々継承しつつも、比較的シンプルなサウンド構成に立ち戻る。
音色面は分離の良いリズムギターと歪みを抑えたリードギター中心で、聴き心地はよりソフトに。
コミカルなリフが可愛らしいM-1、歌詞よりもギターソロが感情を雄弁に語るバンドソングM-4、
人気が出た喜びを素直に歌うM-6、単音リフと詞曲が相乗作用した"らしい"M-11あたりが聴き所か。
不調期に比べればそう悪くない楽曲が並ぶも、"あえて"なのか手抜きなのか、
中盤〜終盤にかけてコードストロークで押し切るかオクターブ奏法を安易に使うかに限られた、アレンジ面でアイデアに乏しい曲がいくつか見られる。
全体としてのカラーは統一されており聴きやすい。総じてごく平凡な作品と言えるのでは。
ギターが太いながらも潰れた音色に変わり、ポップなメロディ・コーラスワークの多用と相まって、パワーポップ色が強くなる。
そこをベースに、このバンド流のオルタナ的茶目っ気を装飾している印象。
メロディはキャッチーなものが多いが、中には捻りが無く素直すぎると感じるものも。
「連れて行くよ…」と怪しげに誘うイントロが印象的なM-1、かつての姿は何処へ?とばかりに力強いM-3、
大道芸人とロックギタリストが噴水広場で共演するイメージが浮かぶインストM-5、歌詞に色んなミュージシャンが出てきて勉強になるヨ!M-10などを収録。
認知度拡大に伴って、ごく自然にシンプルなサウンド作りに取り組んでいる印象を受け、あざとさは感じない。
ある程度耳の肥えたリスナーにとって面白味は少ないが、バンドのキャパシティ自体は増したと言える一枚。
総評.(角度別)
1.ボーカルのナイーヴな感情を開けっ広げにした詞曲が最大の売りのバンドだが、
詞作面では5th.をピークに徐々にではあるものの、その輝きが見られる曲は減少していく。
ベスト版発表以降その傾向は顕著になるものの、時折不意打ちのように生々しい感情を覗かせることも。
エイベックス移籍(14th.)後はバンドの認知拡大に伴い、新規リスナーを牽引する意識が強まる。
2.サウンド面では高い演奏技術を持ち合わせいるわけではないが、「ボーカルの持ってきた曲を活かす」という方向に徹底出来ており、
アレンジのアイデアで平凡な楽曲を佳作に化けさせることも("共倒れ"も勿論アリ)。
5th.6th.では自らのルーツに則った完成度の高いUKロック、7th.からオルタナティヴのニュアンスを自己流に取り入れ、
8th.でそれがひとつのピークを迎える。
その後はボーカルの作曲面での不調もあり試行錯誤が続くも、10th.ではシンセを導入したポップロック、
13th.では2本のギターを軸としたサウンドアプローチに成功した。
現在は肩の力がごく自然と抜けており、得意の楽曲構成に様々な味付けを施しながらも、パワーポップ的分かりやすさが前面に出た、
新規の若いリスナーを取り込みやすいサウンドになっている。
3.非常に人間臭い側面を持ったバンドなので、空回りした時のネタ性は高く愛嬌があり、売れ行きやそれに伴う変化も含め、
「ドキュメンタリー」として楽しむのもまた一興か。
(★5個が満点。ベスト盤は星評価無し)
1曲目以外は、全編キャッチーな高性能ポップロック。収録時間は41分ながら充実感がある。
折り紙つきの完成度で、個人的に90年代を代表する一枚。ピロウズはここから入るべき。