* アーティスト名:ざ・るーすたーず。(最終更新日:2008年12月1日)
1作目は高速ナンバーだらけの直球勝負。バラードも一切なし。凶器迫るロックだけの荒削りで凶暴な作品になってる。
ローリングストーンズの黒さとブルースとちょこっとだけモータウンが入ってる以外は何もない。というしかない。
歌詞にしてもシンプルイズベストな感じでこちらも直球勝負で聞く者に強烈で脳みそかち割るメッセージを送ってくる。
不器用…といえば確かにそうなのだが、変に曲がったレコードに比べたらこっちの方向のほうが全然良いしこの方向のほうが聞き手を絞るからこれで良い。
大江慎也の気迫あふれる声、花田のギター、池畑&井上の強靭なリズム隊…
1作目にしてここまでバンドの方向が定まってるバンドはなかなかなかっただろうな…。
ところが2作目では不器用だと思われてた部分が解消される。
A面部分(1〜5)ロック歌謡曲、バラードと器用な面を見せてくれてB面部分(6〜11)では前作同様勢いのあるロックと黒いブルースを聞かせてくれる。
こうしてみると各メンバーの技術にも驚かされる。
どのジャンルの曲をやってもこれがルースターズの音だ!と主張ができていてバンドのまとまり具合がいいということが聞いてて分かる。
これが、今でも少なからず新規ファンが出てくる要因なのかな。
まだ、時は80年代なのにこんなに凶暴で緊迫感のあるロックがあったのかとはじめて聞いた当時(2005年くらい)に思ったなぁ。
自分はこの作品が一番好き。大江慎也時代を荒削りな前期と繊細な後期と分けるとしたらここがちょうど中間点。
A面では相変わらずな感じでありながら特にドラムの池畑の技術に驚く。
2曲目の「WE WANNA GET EVERYTHING」という曲では休む暇がないほどの多くのドラムをたたくのだが
それでありながらうるさいとも感じず脇役に徹していて曲の躍動感を引き立てている。
他にも代表曲「LET`S ROCK」はメジャーな展開を見せて一番聞きやすく盛り上がりやすい高速ビートナンバーでほかの曲もなかなか。
しかし、B面ではいきなりニューウェーブサウンドに変わり、今まで過激に暴れてた演奏から急に音数を絞った静かなサウンドになる。
キーボードも導入して大江の歌声も詞の意味をかみしめるかのように内省的な詞を淡々と歌う。
A面が5曲、B面が2曲と収録曲はバラバラだがどっちの面とも衝撃度は同じ。そのくらい、B面の内容は衝撃的。
そんな感じでルースターズの表裏が聞くことができるのでバラエティ豊かな内容ではある。
表題曲のグルーヴ感が最高。パート一つ一つが数学みたいにうまくかみ合わさって強烈なニューウェーブサウンドを形成している。
ジャングルビートで池畑のドラミングが凄い「撃沈魚雷」、バクチクの今井氏のバンドLucyでもカヴァーされた変態ロカビリー「バリウムビルズ」
そして、代表曲「ロージー」のレゲエVerとなかなかこちらもバラエディ豊かな内容。リズム隊が目立つ曲がそろってる。
ただ、ここらへんから大江慎也の精神状態などがおかしくなり始めてバンドもだんだん崩壊しはじめた…。
奇妙な大江の絵のジャケットが印象的な不気味なアルバム。
表題曲ではいつも通りの疾走感あるビートを響かせるのだが
「カレドニア」という曲では不気味な演奏の中「飛んでいく…」とひたすら歌う変な曲で、
次の曲ではギターの花田が歌うなど、いよいよ、バンドがやばい状況になり始めたと聞いてて勘付く。
表題曲以外も平均的な内容でアルバム全体の感じは…。
※ 上のIN NURNBERGとC.M.Cは45回転レコードで出された物で単独CD化はVIRUSBOXというセットでしかCD化されていない。
これ以外でいえば87年に「INSANE+IN NURNBERG+C.N.C」というので上三作がまとめて収録されている便利なCDがあったが
今では廃盤で探すのは結構難しい。
ただ、完成度の高い表題曲はベストアルバムに収録されているから大丈夫といえば…。
ここで、とうとうドラムの池畑が脱退してかわりに灘友とセカンドギタリストの下山が入ってきた。
そのせいが以前の凶暴な雰囲気がなくなり、代わりに繊細なサウンドを聞かせるニューウェーブバンドに進路変更して
このバンドで出来る曲を模索しながら試行錯誤している状態。
大江の詞も心情的な歌詞から景色を見せる歌詞に変貌しつつある。
ただ、まだ成熟しているわけでもなくアルバムの出来としてはまだまだな印象を受ける。
その中でも「Sad Song」なる後期の代表作を完成させるところにこのバンドのすごさを感じる
いよいよベースの井上まで脱退してしまい初期のメンバーは大江と花田だけになってしまいかなり崩壊している。
このアルバムにしても8曲中新曲は4曲で後はC.M.C収録の3曲と「ニュールンベルグでささやいて」のMIX違い(結構大幅にリアレンジ) で構成されていて
オリジナルアルバムとしてはどうなの?とは思うが全体的にうまく構成されていて新曲もなかなかでいい感じ。
ファンクサウンドにゴミの種類を歌うだけの「ゴミ」、ピロウズもカヴァーした繊細なポップナンバー「Good Dreams」
その他リミックス曲もアルバムに合わせながら向上させた上手いリミックスになってるので聞いてて違和感がない。
そして、不思議なことに精神崩壊した不安げな大江慎也が歌うことによってきれいで繊細な色彩を描いて曲の世界観を広がせる。
そんな大江慎也が崩壊すればするほど曲はいいのができる…と複雑な状態の中バンド名を変えて新しいスタートを切った…。
この作品で後期のルースターズサウンドは完成したといってもいいほどの傑作。ここまで繊細で儚く綺麗なアルバムはなかなかない。
もう、大江慎也の歌声は1作目で見せた勢いのある気迫迫る声ではなく限界を感じて精神崩壊している力がない儚い歌声。
それに、花田、下山が作曲したニューウェーブサウンドが歌声とうまく結合していよいよ独自のサウンドをつくることに成功した。
全曲大江が歌う気力はなかったのか、花田が歌ってる歌もあるがこちらもなかなかAOR風味の爽やかな歌でアルバムにあってる。
柴山氏による歌詞もなかなかだが、最後の曲「LAST SOUL」で見せる大江慎也の歌詞はルースターズの中でも素晴らしい歌詞となっている。
しかし、このアルバムで大江はルースターズを脱退して初期ルースターズは崩壊した…。
その後、花田が中心となってルースターズは88年の解散まで走り抜けていった。
総評.
1作目からφまでの変貌ぶりはかなりのもので驚くとしか言いようがない。これも大江の変化によるものだろう。
忙しかったなどの理由で精神が崩壊してしまい、初期の激しいサウンドからはすっかり変わってしまったが
そのかわりにφという傑作が誕生してこれはこれでよかったのかなとも思ったり。この幅の広さは凄い。
というわけで、前期はミッシェル、ブランキー等激しいのが好きな人、後期はピロウズなどが好きな人向けです。
今でも、彼らのアルバムは決して色あせてはいない。時代とは無関係のところに存在しているのかも。
(★:2点,☆:1点の計10点満点)
ローリングストーンズの黒さとブルースとちょこっとだけモータウンが入ってる以外は何もない。というしかない。
歌詞にしてもシンプルイズベストな感じでこちらも直球勝負で聞く者に強烈で脳みそかち割るメッセージを送ってくる。
不器用…といえば確かにそうなのだが、変に曲がったレコードに比べたらこっちの方向のほうが全然良いしこの方向のほうが聞き手を絞るからこれで良い。
大江慎也の気迫あふれる声、花田のギター、池畑&井上の強靭なリズム隊…
1作目にしてここまでバンドの方向が定まってるバンドはなかなかなかっただろうな…。