アルバム全曲レビュー * アーティスト名 : あらいあきの。

Reviewer:21st. 398-402 名無しのエリー2009.05.06.

1.サリーのビー玉 ★★★★★
多分、声優の田中理恵へ提供した曲のセルフカバー。田中理恵が歌っていた曲よりもシンプルなアレンジでメロディと歌声をより大事にしている。
向こうも落ち着いた感じに仕上げてるし、声優だけに声もいいんだけど、さすが新居昭乃。表現力が桁違い。
消えそうに儚い声、アコギのストローク、リバーブがかかったアルペジオ。この3つの絡みが涙を誘いそうな程、切なさを出している。
そんな中、淡々と叩いてるドラムも面白い。
2.覚醒都市 ★★★
Radioheadのような(個人的に)シンセが印象的な曲。シンセとドラムはKID Aの中に入ってそうな感じがする。
シンセの音が物凄い好みなので、個人的にアコギじゃなくシンセ押しでいってほしかった。メロディもちょっと弱いかな。
でも浮遊感のような何とも言えないふんわりした雰囲気に陶酔できる。
3.Voice ★★★★
菅野よう子作曲。
坂本真綾のイージーリスニングに入ってそうな曲で小鳥のさえずりが聞こえたりと朝方の森のような雰囲気。
メロディと新居の歌声を大事にしたアレンジが良い。
ここまで容易に情景が浮かんでくるような曲は凄い。ヘッドホンで聴いた日には昇天してしまいそうな一曲。
4.スプートニク ★
アコギがメインで、そこに綺麗なシンセの音が加わる。これまでの3作に比べれば、個人的にはあまり頭に残る曲ではなかった。
A、Bメロは起伏のないふわふわした感じのメロディで、サビに入ると急に激しい起伏になる。
個人的に静→動というような構成のメロディは好きなんだけど、
この曲はメロディに面白みがあんまり感じられずに声を張り上げただけという感じに受け取ってしまったので、あんまり自分の好みではなかった。
5.鉱石ラジオ ★★
今までは穏やかで静かな曲が多かったが、ここにきて少し明るい曲に。ハキハキとした軽やかなベースが良い。
楽しさが伝わるようなボーカルも今までの歌唱とは違って良いと思う。
6.昼の月 ★★★★
チェンバロ?とバイオリンのどことなく哀しい音色と新居の静かなボーカルが絡むかなり感傷的な曲。モノラルっぽい音像のドラムも儚い。
タイトルからして神秘的な香りが漂うが、その名の通りに曲も神秘的なものを感じさせる。
7.Moon Light Anthem ~槐 1991~ ★★★
ワルツっぽい3拍子で、いかにも西欧な雰囲気。
ベースが3拍目でスッと音を抜くのがかなり気持ちよい。メロディもオペラっぽい感じ。
でもポップさというかキャッチーさも混在しているので堅苦しくないというか、ポップスとして聴けるのが良いと思う。
8.Silent Stream ★
一定のリズムで和音を鳴らすピアノ、心地よい歪みのベースが印象的な曲。
ドラムがほとんど入ってこないのでフワフワした感じになっている。
わざとそういう形にしているんだと思うけど、7分と長い割りに終始平坦なメロディや展開が個人的にあまり好きじゃない。
9.仔猫の心臓 ★
タイトルからして不思議さは滲み出ているけど、メロディも少し不思議な感じ。サビメロが特に。
ハマる人はハマリそう。
10.ガレキの楽園 ★★
しばらくシンセ主体の曲が続いたけど、ここにきてまたアコギ主体の曲に。
だけど、こういう感じの曲は1曲目を聴けば十分かなと感じる。
1曲目から儚さや切なさを引いて、力強さを足したような曲。
11.Satelite Song ★★★
チップチューンではないけど、そんな感じのピコピコ音が鳴り出して始まる機械チックな曲。
今までとはちょっと違う色なので新鮮味がある。低音でウネウネ動くベースもかっこいい。
12.懐かしい宇宙 ★★
打ち込み主体のテンポの良い曲。前曲に引き続きピコピコ音も効いてる。
力強く弾かれてるアコギの音が冴えてて良い。
13.きれいな感情 ★★★★★
淡々としたドラムとなんとなく脆い感じがするボーカルがかなりハマっている。
静かに刻まれるアコギ、メロディアスなベース、感情を高ぶらせるシンセ。全てが抜群のバランスできれいにまとまっていると思う。名曲。
14.降るプラチナ ★★★
今まではアコギなり、シンセなりメイン楽器みたいなものがあったんだけど、
この曲はそういうのがなくいろんな楽器の音色を集めてひとつの形にしているといった感じ。
歌ものアンビエントみたいな感じと言うのは間違いなのかもしれないけど…表現が難しい
15.WANNA BE AN ANGEL ★★★★
聖歌のようなアレンジの曲。
鐘の音だったり、教会で歌う子供たちを思わせるようなコーラスワークだったり、意図がはっきりしたアレンジが良い。
ホールで歌っているかのようなリバーブ具合も雰囲気出してて好き。心が洗われる。
16.美しい星 sora no uta ver. ★★★★★
哀しげなピアノと新居の今にも泣き出しそうな歌声が泣かせる曲。
コーラスなどはなく、ピアノとリードボーカルだけのアレンジだが、コーラスを加えて合唱曲としても使えそうな感じ。
総評.★★★★
デビュー20周年を記念して製作されたベストアルバム。
新居昭乃はこのベストで初めて聴いたのでよくわからないが、
少なくともこのアルバム内の曲は彼女の声を活かした割りと静かでアレンジも儚さとか不思議さとかそういう持って行き方のものが多い。
そういうアレンジの曲は基本的には外れなしだと思う。
逆にアップテンポで明るかったり、軽やかだったりする曲にはいまいちピンと来なかった。
そういう曲自体が少ないのか、今アルバムでも中盤の方にまとめて数曲あるくらいだった。
でも新居昭乃の魅力を感じるのにはかなり良いアルバムじゃないだろうか。まさにベストって感じでよかったです。
(★5個が満点。)