アルバム全曲レビュー * アーティスト名 : おくいあき。

Reviewer:13th. 343-344 名無しのエリー2006.10.29.

1.グーグー・ア・ガーガー ★★☆
民族音楽風ポップス。腹鼓やバックコーラスがスタッフ揃い踏みだったりと楽しそうな雰囲気でアルバム一発目を飾る。
サバンナで焚き火を囲み踊りつぶれて夜明けを待つ情景が浮かんでくる、土着民的なお祭りナンバー。
2.BOYS BE BRAVE ~少年よ勇気を持て~ ★★
シングル曲。
当て字の多いユニークな歌詞、そして曲構成もメロはポップにテンポ良く進行しているのにサビでテンポが途端に落ちてバラードに一転するという風変わりな仕様。
見せ場をもっと見せて欲しかった。
3.魔法の呪文 ★★☆
まったりしたスローポップス。愛という名の魔法が解けないように、という風の瑞々しいピュアな想いを素朴なボーカルメロディで描いている。
穏やかなアコギの演奏を交えて暖かい日向にいるような気持ちに。
4.勝子の就職物語 ★★★★☆
アップテンポのポップス。ピンポン玉が跳ねるようなノリで、浮き沈みの激しい就活模様をコミカルなタッチで綴っている。
サビは彼女の曲のなかでもダントツにキャッチーな旋律を突いている。
アンフェアな世の中への愚痴さえも明るく聴かせてしまう不思議な魅力のある曲。
5.しあわせのいろ ★★☆
シングル曲。ハープとストリングスを取り入れたスローバラード。
退路を断って夢を追ったは良いが現実の厳しさにぶち当たる様を、ピアノが主体のサウンドでそつなく奏でている。
テーマが少々ベタである。
6.春水面 ★★☆
メロウなバラード。
キーボードの伴奏が静かに4ビートを刻み、追って温かい音色のシンセも加わって桜色に染まっていく思い出の通学路を色鮮やかに浮き上がらせる。
7.You're the only melody ★★☆
本作タイトルチューン。
民族系のパーカッションが忙しくリズムを打っているが、メロディは伸びやかで噛み締めるように個々人の存在意義を讃えている。
ひたすらにゆったりとした曲調。
8.Love & Love ★★★☆
シングル曲。ミディアムテンポ。
打ち込みのベースが軌跡を残すようにして響いているが、後半に掛けては壮大なシンセやコーラスが飛び込んで一気に派手に曲が展開していく。
サビの男性ボーカルを重ねたコーラスはこの曲のタイトル通り「愛と愛」がシンクロしていく過程を摘んだかのような、見事なハマリっぷりです。
9.Lonely Wolf "WORRY" ~ウォリーという名のオオカミ~ ★
孤独なスローテンポの曲。文明の進歩への批判が暗に汲める内容となっている。
フルートやストリングスが幻想的に響き渡っているのだが、如何せんメロディが弱くて印象が薄い。
10.風天 ★★★
リラックスしたポップス。放浪の旅にふらりと出て自由に生きる、裸の大将を思わせる曲。
気侭なボーカルが彼女らしからぬと言うべきか、力んでおらずすっきりした歌い回しでそよ風が頬を撫でるような感覚を届けてくる。
総評.★★☆
陽気なソプラノボイスと独特のくぐもった歌い回しが印象的な女性シンガーソングライター。
「ガールポップ」がもはや代名詞になっていた彼女の音楽スタイルであるが、
4thアルバムの今作は、彼女自身がテンションダウンしているのか事情は知らないものの何処となくメランコリックな歌詞が目立つ。
アルバム全体の勢いも欠き気味。一つ一つの曲は悪くは無いんだけど、取分け心惹かれる一曲が無いような感じ。
元気な音楽をやってるイメージだけが勝手に先行してしまったせいなのだろうか。
しかしそんな中でもM.4『勝子の就職物語』だけはハイテンションで異彩を放っている。
この曲が聴けただけで買って損した気にはならなかった。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)