アルバム全曲レビュー * アーティスト名 : とりぷる・えー。

Reviewer:21st. 11-14 名無しのエリー2009.02.26.

1.introduction ★
導入曲。アイドルなのでコンサートでの出囃子や衣装替えの場つなぎで使われるのだろう。
2.MUSIC!!! ★★★
YUKIの楽曲等を手掛ける蔦谷の手による派手なダンスチューン。ライブでの合いの手を意識して手拍子を入れたりと器用な作曲ぶり。
特にひねった曲ではないが、ポップなメロディにディキシーランドジャズ風の陽気なピアノが絡むごった煮感がJ-POPらしい。
ラップは全く同じ詞のセットを2回やる必要があったんだろうか。
3.SAVE YOUR SOUL ★★
やや懐かしめのマイナー調J-R&B。イントロがオリエンタルな感じで期待させられるが、歌が入ると普通。
宇野と伊藤の女性コンビがメインを歌っているが、2人ともお世辞にも歌が上手いとは言えないため、どうしても聞き流したくなってしまう。
日高のラップはキレ重視というかアタックが強い感じ。
とぼけたようなおどけたような声でラップする人がメインストリームを預かる最近の邦楽ではあんまり聴かないタイプ。
4.Jamboree!! ★★★
ダンスホール+サンバといった印象の底抜けに明るい曲。
歌が始まったかと思うと、程なくしてすぐに幕引きみたいなメロディが来るので出オチかよと一瞬思うが、
そこから何事もなかったようにAメロに繋がる。なんかいい編曲だ。
最悪Aメロに行く前に終わらせたりも出来るので、演奏中に謎のアメリカ人がステージに上がってきてボーカルがキレた時とかはここで急停止するのだろう。
アレンジは大味だが、男メインボーカルの西島と浦田の歌唱力は安定しているので意外と聴ける。
5.Wonderful Girls ★★
曲名から推測される通りの女性賛美ソング。まあアイドルなので女性ファンへ向けた曲だろう。
男メンバーのみでメインを歌い回しており、誰なのか分からないが西島と浦田以外の歌声も聞こえる。
そしてその中の一人が露骨にEXILE真似ました的な感じでゲンナリする。
浦田もEXILE路線ではあるが、もう少し素の歌い方を大事にしてる気がする。曲の印象としては概ねDA PUMP。
6.出逢いのチカラⅢ ★
西島と宇野の掛け合いによるバラード。伴奏はほぼピアノのみでシンプルにまとまっている。
男女の対話形式の曲は近頃のトレンドなのかもしれないが、これはちょっと毛色が違う。
強いて言えばm.c.A・Tと内田有紀のやつのような、ミュージカルっぽい印象。
曲自体は丁寧だし、西島の歌も上手いが、宇野の歌い方がアイドルっぽい誤魔化し要素が強いのでじっくり聞き入れない。
個人的には曲のスタイル自体馴染めないが、AAAのライブはいつも寸劇が入るようなので、演出として必要な曲なのかも。
普通の恋愛を大袈裟にデフォルメしたような詞は良くも悪くもkenn kato節。
7.a piece of my word ★
おそらく伊藤(落書き)がメインを歌っている、ベタなバラード。
微妙なところだが、確かに宇野の方がメインに向いてるかも、と言った程度の歌唱力。まあアイドルらしくはある。
本人の歌唱力と相談した結果なのか、曲はこれといったヤマが無く退屈。
8.ZERO ★★★
デビュー当時のような熱血ダンスロック路線の曲。基本的には世間でダサいと言われる曲調か。
浅倉大介が書きそうなマイナー調ロック+打ち込みの曲だが、サビでコードを弾いてるギターが歪みすぎてて輪郭が曖昧になっており、
熱血シューゲイザーとでも言うべき変なバランスを生んでいる。
R&B向きな浦田よりも癖の無い西島の方がこの手の熱い曲は得意そう。Arika Takaranoによる大袈裟な詞も曲に合っている。
誰だっけ?どこかで…まあいいか。
9.HORIZON ★★★★★
GIRL NEXT DOORも手を出さなかった、TMN期の小室路線の曲。キラキラしたチャイム系の音色がどこか懐かしい。
敢えて4つ打ちリズムを回避して、シンプルながら部分的にに南米テイストを試したリズムも面白い。
宇野のポップな歌い方も、こうした曲には合っている印象。Bメロがキャッチーで、一聴目ではそれがサビに思えるほど。
しかもサビも2段構えで、1曲中に惜しげもなくキャッチーなメロディを投入して仕上げている。
あまり声を張り上げずにこなした日高のラップもtrfの人っぽい。小室作じゃないのに何故こんなに小室っぽいんだろう。
10.BEYOND ★
急にアクアタイムズみたいなボーカルになるアッパーなロック。誰だ…。
西島も浦田も脇役に徹しているので、普段メインを歌わない男メンバーにスポットを当てる意図の曲だろう。
ロックな曲調ということで、宇野もギターポップ系バンドのボーカルのようなおどけた感じの歌い方をしている。
正直ボーカルは貧弱。
曲自体も、盛り上げが唐突だったり、急に妙な展開が割り込んだり、ベースラインが変だったり、サビがビークルの何かの曲みたいだったりで、
あまりよろしくない印象。
11.Mosaic ★★★★
一昔前の米倉利紀のような、シンセベースがよく動くR&B。間奏のギターソロがなかなかクール。
ほとんど女性陣の出番がないため、今作中で最も歌のクオリティが高い。
多分西島と浦田の両方が交代でメインを歌っているのだと思うが、この曲では2人の声が似ていて、特にファンでもない自分には区切りが判別しがたい。
それにしても2人とも甘い声。アイドルとしてはかなり歌が上手いのでは。
ていうか松浦がプロデュースしたアーティストの中でも、シンガーらしいシンガーといえば結局この2人のような気が。
12.始まりのキセキ ★★
狙って80年代っぽいダサダサな音作りが印象的な、ひたすら陽気でバブリーな曲。弾力のある音でドゥーンと鳴るスネアはまさにC-C-B。
曲はかなり大味で、頭カラッポな感じだが、イントロの「イェ~~ 誰だっていいや~~」というコーラス合唱が意味深で、
何かが覚醒してるような不健全でヤケクソな明るさを感じてしまう侮れない曲。
乱…ある種のパーティーソングか。
13.旅ダチノウタ ★★★★
ラストはゆったりしたR&B風ポップス。おおよそSMAPのヒット曲をトレースしたように感じるが、作曲がコモリタ本人なので多分問題なし。
それにしてもイントロのコーラスの入れ方とか、妙に細かい刻みを交えたリズムパターンとか、どう聴いてもらいおん…でも多分問題なし。本人だから。
コモリタの考えるベースラインは結構独特で、本人のこだわりを感じる。
曲も綺麗で、SMAPより明らかに歌唱力があるので、結果的に焼き直し成功といった印象の曲。
総評.★★★
avexの松浦がプロデュースした7人組アイドルユニット、AAAの4th。
ダンスパフォーマンスとの兼ね合いか、全体的に曲が大味で大袈裟な作りとなっており、じっくり聴き込めるようなマニアックな要素は基本的に無いが、
J-POPらしい雑食性が発揮されていて曲調に幅があるので、曲によって好みの差は出るものの全弾ハズレにはなりにくい作品になってる気がする。
ただし少なくともお洒落ではないが。
アイドルという事で、各自にコーラスパートを振り分けて複雑なコーラスワークをこなさせるような事は無く、大体はみんなで同じメロディを歌っている。
基本的には宇野のキーに合わせる形で西島と浦田が高いキーを歌いこなしており、実質この2人の歌唱力でAAAが成り立っている。
ダンスパフォーマンスまで含めるとどうなのかは知らないが。
西島は発音が明瞭で爽やかな印象。浦田はもう少し雰囲気重視のR&Bスタイルで、いわゆるATSUSHI路線。
日高のラップは何だか機械的だが、要はリズムは正確。総じてavexがゴリ押ししているアーティストの中では相対的に聴ける部類に入る人達という印象。
果たして西島と浦田は、いつか山本領平ばりに女性歌手を引き立てるエスコート上手に育つだろうか。
作りとして視覚的な要素の補足も必要で、音楽単体で成り立たせる感じではないので、全体の流れにこだわらずに聴きたい曲だけ聴くべき1枚。
(★5個が満点。)