アルバム全曲レビュー * アーティスト名 : あびんぐどん・ぼーいず・すくーる。

Reviewer:15th. 744-747 名無しのエリー2007.10.23.

1.As One ★★★
全英詩の柴崎曲。西川曰く「abingdon boys school校歌」
zabadakを思い出させる不思議な感触の曲なのも道理で、変拍子から始まっている。
突き抜けるような明るい切なさのあるミディアムナンバー。
2.HOWLING -INCH UP- ★★★★★
柴崎曲でセカンドシングル。
ドライブ感がありつつ歪ませまくった音が重厚なギターナンバーで、メロディラインが5つと構成が変則的。
しかしアニメ番組のOPを飾るような華やかさもある。
どこが変わったのかさっぱりわからないのだが、アルバム用にミックスを変えてあるらしい。
3.Via Dolorosa ★★★★
岸作曲のドラマチックなバラード。西川の歌唱力の真骨頂を堪能できる。
別れをテーマにした単純な詞だが、「悲しみの道」をタイトルにするあたり、宗教色を感じさせる。
4.INNOCENT SORROW ★★★
柴崎作曲のデビューシングル。
イントロやアウトロにやたらめったら拘る姿勢は最初から健在で、転調に転調を重ねる終わり方がかなりカッコいい。
そのせいか飽きの来ない1曲。
5.DOWN TO YOU ★★★★★
岸作曲。英語と日本語が入り混じるミディアムナンバーで、狂おしくも物憂げな感じがいい。
6.アテナ ★★★★
ポカリスエットのCM曲にどうだろうと思う程爽やかな柴崎曲。歌詞も前向き。
al.ni.coを思わせる間奏など、起伏があるので聞き応えがあり心地良い。
7.stay away ★★★
柴崎作曲で、人気漫画「NANA」のトリビュートアルバムにブラスト(主人公の所属するバンド)のナンバーとして収録された事実上の処女作。
ヒステリックで勢いのあるロックナンバーで、absにしてはまだ音数が少ない。
レコーディングの助っ人として呼んだ岸を3人が口説き落とし、なし崩しに加入させたというバンドらしいエピソードがある。
8.Nephilim ★★★
岸作曲のバラード。ゲームの主題歌になっており、美しいPVがアルバムの特典DVDに収録されている。
タイトルはネフィリム、ネピリムと読み、堕天使と人間の娘の間に生まれた神話世界の巨人族を指す。
忌むべき存在、望まれない存在としてのネーミングでゲーム世界とリンクしているらしく、西川の嗜好性が伺われる。
9.LOST REASON (feat.MICRO from HOME MADE 家族) ★★★
柴崎曲でNephilimのカップリングをHOMEMADE家族のミクロ参加でリアレンジ。
個人的にラップは苦手だったが 慣れるとなかなか気持ちよく聞ける。全英詩。
10.DESIRE ★★★★★
岸作曲で今回一番お気に入り。
リズム隊のとツインギターの掛け合いバトルが楽しく、全てのパートがやりすぎな程はっちゃけている。
テイストはブンブンサテライツっぽく、全英詩でテーマはわりとストレートにSEXを歌っている。
11.ドレス ★★★★★
BUUK-TICKの名曲カバー。 トリビュートアルバムに参加した時の楽曲だが、周囲の評判もよく本人たちも気に入っているので収録が決定したそうだ。
進むにつれてうねるようにテンションの上がっていくドラマチックなアレンジと凄まじい西川の歌声が圧巻。
12.ReBirth+ReVerse ★★★★
岸作曲のインストゥルメンタル。
8分近くある大作で前半のReBirth は新しく生まれ変わる者全てを祝福するかのような清らかな音色。
一転して後半ReVerseは力強くクールなデジタルシーケンス。なかなか面白い構成だ。
総評.★★★★
洋楽と歌謡曲とデジタルとJ-POPの要素が全部入っているというか、ありがちのようでなさそうな懐かしさと新しさを感じるバンドサウンド。
文字で説明するのが難しいが、これがオルタナとかミクスチャとか言う奴なのだろうか。
歌詞に対するこだわりが薄く音優先のため、言葉を重要視して聴くタイプには向かないかもしれない。
しかし逆に楽器をやっている人間にはぜひ一度聞いてみて欲しい。
そこらのアマチュアではまずコピーできない程無茶をやっているのが素人耳にもわかるからだ。
TMRの西川に対する先入観を取り払ってくれる程、これはいまどきないぐらい音に真摯に向き合って作られたアルバムと思う。
(★5個が満点。)

Reviewer:16th. 29-31 名無しのエリー2007.11.02.

1.As One ★★
如何にも導入と言った感じの曲。
解り易い導入曲なんだけど、視聴機で聞いて脳髄持ってかれる程の即席なパワーは無い。
小物にして次に繋げちゃっても良かったような。
2.HOWLING ★★★★
単純な重いギターから始めたりしないのがabs。やたら凝った作りのイントロから持ってかれる、abs流ヘヴィロック。
思いっきり個人的な印象で言うと、abs流Slipknotもしくはシステムオブアダウン。
しかし歌メロもしっかりしてるので大抵の人には拒否感無し。密かにドラム頑張ってるが音量低め。でも質感的にはこれで正解なのかも。
それにしても所々に遠くで聞こえるデス声…まさか西川が出してるのか?
3.Via Dolorosa ★★★
イントロの幻想的なピアノをこれまたヘヴィなギターで覆うミィディアムチューン。西川の歌声が冴える。
所々で顔を出すこの独特?のファンタジック感はやはり岸のセンスなんだろか。キーボードだし。
4.INNOCENT SORROW ★★★★
これまたイントロが凝ってる。1stシングルとしてabsの指標を示した疾走曲。
Aメロ、Bメロ、そしてサビ、と転調する瞬間に解き放たれるような感触が心地良い。
間奏のソロはこのバンドのギタリスト二人の性格を良く表してると思う。が、今聴いてみると、ギターよりキーボードが良い味出してるような気もする。
随所で入るスクラッチも転調の上手い補助になってるような。
ちなみに最初聞いた時はフーバスタンクのCrawling in the darkを思い出した。構成は似てるかも。
5.DOWN TO YOU ★★
スクラッチから始まるイントロがこれまた凝ってる。
Bメロが実質聞かせ所。正直サビは要らなかったような…ちょっと中途半端。
ところで途中の西川の吐息にジミヘン並のウザさを感じたのは俺だけか。
6.アテナ ★★★★★
M3と同パターン?と思わせるピアノの旋律から、予想を裏切るギターリフと4つ打ちのドラム。
ヘヴィな所はそれなりにギターを入れつつも、一貫して4つ打ちなドラムと、珍しく爽やか目なキーボードに、
最終的に夏メロっぽい気がしないでもない西川の歌が入って、不思議な融合感を作ってる。これはabsにしか出来ないかも。
7.stay away ★★☆
如何にもバンドらしさの有る(それにしては洗練されすぎてるのはご愛敬)疾走曲。
ただ、明るいメロとギターの音がM6とは逆にちょっとズレてるようにも感じる。そしてM5と同じでサビが他から乖離してるような。
サビ(いや、Bメロなのか…)で西川の出すコールにギターがレスポンスする感じが面白い。間奏のツインギターも楽しそう。
8.Nephilim ★★★★
イントロ、流石。轟音で来ると思わせて二段構え、岸の幻想的で印象的なピアノを挟む。
そして今作では珍しくAメロでベースが良い感じ。西川の歌声の迫力も冴え渡るミィディアムバラード。
曲の進行に合わせ感情の昂ぶりを表現するギターも良い。特にサビ前につんのめるような音はナイス。
…だが、この構成。リンキンの「Crawling」にクリソツなんだが…まぁ良い曲だから良いか。
9.LOST REASON ★★
ちょ、ラップを入れたら今度こそリンキンに(ry
スクラッチも冴え渡り、良い感じにラップメタルなんだが…西川のパートがちょっと印象薄いような…
CメロはHOME MADE家族meetヘヴィロックみたいな感じで新鮮。
10.DESIRE ★★☆
ノリの良い歌メロの影で二本のギターが暴れまわる。
どっちも実に正確無比なフレーズ弾き倒すが、あんまし違いは無いのがちょっと面白くない。ていうかどっちがどっちなんだろう。
11.ドレス ★★★
ここに来て歌メロがやたら歌謡っぽくなったな…と思ったらバクチクのカバーなのか。なる。
そして原曲を知らない私でも十分に聴ける。
12.Rebirth+Reverse ★★★☆
意外にも最後はインスト。これはもう殆ど岸のソロだろう。
前半はピアノを主体とした、FFとかでも使えそうな感じ。そして後半は疾走にストリングスを交えたトランス風味。
最後にこんな長いインストなんてダレるんじゃねーの、とか思ってたが予想外にイケる。ただ人を選ぶとは思うけど。
岸の?センスは上松康範と方向近いかも。
こんな期待させる感じのイントロをここに置くって事は…
総評.★★★☆
西川貴則率いるabingdon boys schoolの1st。男子校とか言ってるが、演奏陣はとてもスカート履いた学生のレベルじゃない。
サウンド自体はバンドらしく冒険心溢るる…という訳でもなく、おそらくは岸の力だろうか、
最終的にはリンキンパークっぽいモダンヘヴィロックとかオルタナ辺りの質感に落ち着いている。
実際結構似てるが、違うのは抱えてるVoが西川である事と、SUNAOと柴崎というギタリスト二人が正確無比なフレーズを弾き倒せる奴等だという事。
ベースは全然聞こえてこないが、ドラムは密かに叩きまくってる。それを最終的に岸がまとめてる印象。
んでもってその岸のセンスだが、にべも無い言い方をしてしまえばゲーオタ系の耳に受けるタイプのファンタジックさで、
要するに元々absを聴くであろう層には大方受け入れられる(浅倉の曲もそういう雰囲気偶に有ったし)。
そこにヘヴィなギターが絡んできたりするので、案外absはそういった層をヘヴィロックに向かわせたりするかもしれない。
とりあえず、TMで浅倉の曲にマンネリ感を感じていた西川ファンには、全く違うとまでは言わないが十分に別の西川を堪能できるのでお勧め。
硬派なロックリスナーには「言う程重くないような…」とか言われるかもしれないが、
とりあえず演奏のレベル(特にギター2本)は保証できるので、リンキン系統の質感が嫌いじゃない方も聴いて見て良いと思う。
個人的にはM12が次のアルバムの指標になったら面白いなー、と思ったり。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)