アルバム全曲レビュー * アーティスト名 : すずきあみ。

Reviewer:20th. 112-115, 120 名無しのエリー2008.11.24.

1.love the island ★★★★★
のっけから超名曲。デビュー曲だから相当気合入れたのだろう。メロディーも歌詞もTKワークスの中でも超高レベル。
この曲は切ないメロディーのみで出来上がっているといって過言ではない。あみ~ゴの歌唱力もこの曲では全く問題ない。
夏の終わりに、ぜひ。
2.alone in my room ★★☆
なんか懐かしいメロディーは良いのだが、あみ~ゴの音程がずれている。まぁ、結構難しいメロディーラインなんだけども。
ちなみに余談だが、この曲のジャケはあみ~ゴのふてくされた顔。音楽ライター安部薫はこれを「ツンデレの始祖」と捉えているようだ。
そしてそれが彼女のセルフプロデュース力の高さを証明していると。(別冊宝島『TMN&小室哲哉ポップス神話創世)にて)
3.all night long ★★★★
もう出た、TKの真骨頂ともいえる(笑)実験曲。素人が作ったようなメロディーと超ハイクオリティーなトラックがなんとも。
多分だけど・・・「AメロとBメロが無い曲でも、トラックが良ければどれだけ売れるのか」みたいな実験がしたかった。
でもやっぱ良心が邪魔しちゃったから無理矢理AメロとBメロをはめ込んだ・・・みたいな感じだと思う。
とりあえずトラックを聴かせることに成功したという点では、実験成功。
4.white key ★★★★
再び売れ線へ回帰。とはいえ作曲は久保こーじとの共作。だからこんなにしっかりとしたメロディーなのか。
構成が良くできているし、あみ~ゴの歌唱力でも余裕を持って歌いこなせるメロディーである。
5. Nothing without you ★★
何が悪いというわけではないが、なんか地味。地味なメロディーを明るく歌うあみ~ゴのヴォーカルが何とも。
ホント地味なんだけど、最後のほうでなぜかドラム(もちろん打ち込み)の高速連打が挿入されたり。謎だ。
6.Don’t leave me behind ★★☆
2曲連続で印象に残りづらい(苦笑)。後で思い返してみると、珍しくギターソロがあるなぁって程度しか思い出せない。
あいかわらずトラックの出来はなかなかいい感じだが、メロディーがやはり地味。TK氏がこの曲でどういう実験をしたいのか全くわからない。
つ~か、ただ単にやる気が無いだけなのか。こういう中途半端なことはやめて欲しい。
一方のあみ~ゴは「強くな・れ・る」の部分でアイドルチックに媚を売ってきたり。この二人はどこかずれていたと思う、絶対に。
7.Silent Stream ★★★
前曲のカップリング。イントロが結構カッコいい。
作曲が久保こーじであるため、特に問題なく安心して聴ける。
8.BE TOGETHER ★★★★
ご存知TM NETWORKのカバー。
原曲はサビでの窒息寸前のウツの歌声が楽しめたが、さすがにあみ~ゴで同じことをやると地獄絵図になりかねないと思ったのか、コーラス隊を配備。
9.OUR DAYS ★★★★★
超超超名曲。TKが渾身の力で放ったバラード。
歌詞もメロディーもオケも文句の付け所が無い。ラストのサビなんて涙腺を崩壊させる気か、と。
あみ~ゴのヴォーカルは相変わらず下手だけど、それが切なさを倍増させている気がする。ぜひ聴いてほしい。
10.HAPPY NEW MILLENIUM ★★☆(ある意味★★★★)
イントロこそ鈴の音とかが鳴ったりするものの、あとは全然HAPPYな感じがしない。
挙句の果てにサビでは歪んだギターが挿入されたり、シンセがシリアスな音色を奏で出す始末。
TK氏は2000年に地球が滅びることを前提として作っているのだろうか。そうとしか思えない。
「OK!」ってサンプリングコーラスも、いったい何がOKなんだか・・・。
11.Don't need to say good bye ★★★
これも切ないバラード。
この当時のTK氏の楽曲の中ではなかなかな部類に入る曲だが、この程度では筆者は高い評価を付けない。『OUR DAYS』と比べると余計にそうなる。
ちなみに、ヴォーカルがチューニングで軽く加工されていて、当時の多くの人は違和感を覚えたようだ。
でも中田ヤスタカ作品が普通にヒットを飛ばしているこの時世では、特に気にならない。
12.THANK YOU 4 EVERY DAY EVERY BODY ★★(ある意味★★★★★)
出た、怪曲!
イントロのシンセの脳天気なフレーズからして嫌な予感。
下手糞かつ脳天気なあみ~ゴの歌唱とラリった歌詞&無理矢理なメロディーが生み出すカオスが凄まじい。
ここで歌詞を一部紹介。
「毎日いろんな事が起こってナンがあって ナンか感じて ナンか知って イイ事もサイアクな事だってどれもこれもDNAの種」
「明日をのぞきたい まだまだこわくない だけどDNAはたしかに くずれさって日々へってく」
作詞は前田たかひろ・小室哲哉・鈴木あみの三名。3人とも狂ってますな。
13.Reality ★☆
みつ子×哲哉コンビが復活ということで、古くからの小室ファンはさぞかし狂喜乱舞したと思われるが、実際に届けられたこの曲を聴いてズッこけたであろう。
いや、まぁ悪い曲ではないのだけれども暗いし、なんかよくわからない。
曲の構成が複雑な気がするのでよく聴いてみようとしたのだが、あみ~ゴのヴォーカルが邪魔をする。
他の上手い歌手が歌ってくれないと、楽曲の評価が出来ない。それって・・・。
(ハロプロ曲は曲がさりげに主張している、みたいなスタンスだから問題は無い。だがこちらは曲の強い主張をヴォーカルが殺しているのだ。)
とりあえず今言えるのは、地味にベースのアレンジがカッコいいということのみ。
14.Dancin' in Hip-Hop ★★
外人ラッパーを大胆にフィーチャーした曲。
つ~か、あみ~ゴ全然出てこねぇし。むしろ彼女の声が邪魔。トラックとラップの出来が良いだけに余計にそう思う。
この曲を安室が歌っていればもっと良い曲になったんじゃないかなぁ。
総評.★★★
裁判だの何だのでゴタゴタの中で出された、“あみ”時代のベストアルバム。(だから敢えて“あみ~ゴ”なる言葉も多用した。)
彼女は当時の小室ファミリーの中ではずば抜けて若く、なんと彼女の父親自体TK氏より4歳も若いという。
某対談において、それをTK氏が非常に困惑しており「どうしていいのかわからない」などと発言していたのが印象的だった。
でも、なんだかんだ言って全体的に見るとそれなりに良い曲を与えているなという印象は受ける。(これがアルバムになると変わるのかもしれない。)
ただ、この頃のTK氏はかつて自分が作り上げた音楽スタイルのリニューアルを行っていた時期。
ゆえに、実験的な曲やトラックばかりに凝っていて肝心のメロディーが手抜きな曲も見受けられる。ましてや最後のほうはとんでもないことに・・・。
とりあえず、この頃のTK作品は前後の時期と比べて異彩を放っているので、そこが気になるって人にオススメ。
もちろんあみ~ゴの歌唱力については覚悟の上で。
ちなみに、10と12の“ある意味”ってのは一部のキワモノ好きの方のための評価です。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)

Reviewer:17th. 15-17 名無しのエリー2008.02.18.

1.AROUND THE WORLD ★★★★
オープニングを飾るのにふさわしいスケールの大きいナンバー。
一曲の中でメロディがドラマティックに展開するが、最後はやや失速気味。歌詞の対象がMAX松浦のように聴こえてしまう。
2.HOPEFUL ~OVERHEAD CHAMPION MIX~ ★★★★★
復帰第1作(配信限定)のオバチャンリミックス。
前曲からの流れで考えると、オリジナルでなくこちらを収録したのは正解。
ラスサビ前の間奏がちょっと微妙だが、全体的にテンションが上がる作りになっている。
3.Beautiful ★★★
引き続きトランス。友達をテーマに歌っている。オープニングのフレーズをラスサビ前に繰り返すところが良い。
4.Sweet Voice ★★
歌い上げるタイプのバラード。
既発曲を聴いてきた限りでは「あみーご、歌うまくなったね」と思っていたが、この曲では従来の音痴っぷり全開。
本人も陶酔して歌っているので、カオスなことこの上ない。
5.Delightful ★★★★
フレーズはいろんなところから引用しまくりだが、復帰第1弾シングルとしては良い出来。
特に1番から2番へのつながりがカッコイイ。
6.For yourself ★★★
配信限定シングル第2弾。R&Bをベースした可愛らしいポップスだが、歌詞は男性側から見た失恋ソング。
取り立てて強いフックがあるわけではないものの、この流れで聴くと良い箸休めになっている。
7.ねがいごと ★★★★★
元datの鈴木大輔提供による復帰第3弾シングル。
なんと言ってもメロディーが美しい。あみーごの手による歌詞も良い。
肝心の歌に関しては力不足感が否めないけれども、「our days」よりは遥かに上達している。
8.Risk ★★★★
ライブでの盛り上がりを意識したロックナンバー。スピード感あふれるサウンドがかっこいい。
低音の歌いだしから、スリリングなBメロでワクワクさせるが、サビはいまひとつ。
9.Eventful ★★★★
当初配信限定だったのが復帰第2弾シングルに昇格した曲。
これもサビが弱い。たたみかけるようなAメロ、感情的なBメロは良いんだけれども。
10.with you ★★★
トランス色の強いナンバー。英語のコーラスが一番耳に残る。少々サビがくどいかも。
11.Times ★★★
「ねがいごと」のc/w。T.M.Revolutionを彷彿とさせるアップテンポ。
全体的に作りが安っぽい上に、男性的な視点で女の子をナンパしている歌詞、しかも決めのフレーズが「Summer Time!」というのが激しくイケてない。
12.I'm alone ★★★★
1コーラス+ラスサビで終わる3分弱の小品。独り言のような歌詞を寂しげに歌うのが印象的なミディアムバラード。
それまでアップテンポが4曲続いたので、この曲でクールダウンできる。
総評.★★★★
オリジナルとしては5年半ぶりとなる4thアルバム。
訳も分からないまま歌わされていた小室時代と比べると、本人自ら制作に関わっていることもあり、全体的に出来が良く歌も安心して聴ける。
トランスをメインにバラードを織り交ぜた構成も飽きさせない。
残念なのはジャケット。似合わないゴスロリメイクは不気味なだけで、激しく購買意欲が失せる。
なんであんなジャケットにしたのか。
(★5個が満点。)

Reviewer:17th. 344-346 名無しのエリー2008.03.30.

1.青空とWater ★★★
英語によるミュージシャンたちのやり取り後に始まる、弾むようなメルヘンポップ。
作詞・作曲・アレンジはカジヒデキ。なんとなく「カルピス」のCMに似合いそうな清涼感がある。
歌いこみ不足なのか、相性が悪いのか、亜美の歌がCメロ後半からサビにかけて不安定になるのが気になった。終わり方も今ひとつスッキリしない。
2.Alright! ★★★☆
エイベ移籍後7枚目のシングル。joinsの相手はアレンジ担当のHΛL。作曲は渡辺和紀。
海なら波、山なら滝を思わせる音の壁を前に亜美も負けじと声を張っているが、そのぶつかり合いに夏の勢いが出ている反面、聴いてて疲れることも。
3.Peaceお届け!! ★★★★★
アルバムに先行して3週連続でリリースされたシングルの第2弾。この曲に限り、joins相手のTHCのメンバーが歌にも参加。
特に女性ボーカルのKANAに引っ張られる形で亜美が綺麗な高音を聴かせており楽しい曲調も相まって新たな魅力を提示できている。
4.Dancin' Little Woman ★★☆
SCOOBIE DOのギター・松木泰二郎が楽曲を提供。演奏もSCOOBIE DOが担当している。彼らの得意とするディープなファンクナンバー。
いつもの主張あるギターの音は若干抑え気味で、亜美もそれなりに歌おうとするが、お互いに合わせようとするあまり持ち味が生かされなかった感が。
5.ハレもよう。 ★★★★
「Alright!」のカップリング。かつてオリラブに在籍していたキハラ龍太郎がアレンジとフェンダーを担当。
元気いっぱいの夏を表現していた表題曲に対し、こちらではリラックスした夏の帰り道を歌っている。
フィリーソウルに乗った亜美の歌声は、歌詞が子供っぽいのに、大人びて聴こえるから不思議。
6.To be Free ★★
joins HΛL 2曲目。作曲は原一博。冬の4曲入りマキシ「リトルクリスタル」収録曲。
クラッシクの定番フレーズを下地にした一昔前の歌謡曲を思わせるA・Bメロに、それを受け継いで平板に流れるサビ、感情過多なアレンジと、個人的には駄曲。
PVまで作ったから、おそらく収録したのだろうが、正直いらなかった。
7.スコールにぬれて ★★★★★
「Like a Love?」のカップリング。元pillowsの上田ケンジがアレンジとプログラミングを担当。作曲は吉川慶。
重心の低いロックをバックに亜美がドラマティックに歌い上げており、特にサビの部分の力強さには思わず引き込まれる。亜美自身による歌詞も良い。
8.EVERYTHING TO me ★★☆
NORTHERN BRIGHTのボーカル&ギター・新井仁が楽曲提供。演奏もNORTHERN BRIGHTが担当。
囁くような歌い出しから、徐々に声を強くしているが、高音続きのサビでちょっと苦しくなっている。
他の曲と比べると圧倒的な個性というものに乏しく、アルバム全体の中であまり印象に残らない。
9.O.K. Funky God ★★
3週連続リリースの第1弾。Buffalo Daughterが全面バックアップしてる。
賛美歌のようなハーモニーから始まり、タイトル通りのクラブファンクが展開する。
joins と言うよりはBuffalo Daughterの演奏に亜美がfeaturingされた感じで主導権を握られており、
少なくともこれを亜美名義で、しかもアルバム先行の第1弾でリリースしたのは失敗だったと思う。
10.Fantastic ★★★★
エイベでの第6弾シングルで、アニメ「ブラックジャック」の主題歌。joins名義の原田憲がアレンジとプログラミングを手がけ、作曲は大谷靖夫が担当してる。
唯一前作の流れを汲むトランス。A→B→A→B→C×2回→D×6回と変わった構成なので、頭から段々と盛り上がりつつ、最後まで通して聴いて初めて魅力が分かる曲である。
11.Crystal ★★★
「リトルクリスタル」収録曲。ここまではアレンジャーがjoinsの名義になっていたが、この曲では何故か作曲の菊池一仁(アレンジのKZBも菊池一仁のユニットだから)。
マキシのリード曲ではあるけれども、そもそもクリスマスをテーマにした旬の短い曲なので「To be Free」同様、アルバムの流れからは浮いている。
12.それもきっとしあわせ ★★★★☆
3週連続リリースの第3弾。キリンジの堀込兄弟が作詞作曲を手がけ、アレンジ・演奏もキリンジとして参加。
味わいのあるバラードで、けだるい亜美の歌声も雰囲気十分。この曲でもサビで綺麗な高音が聴ける。
2番の歌詞における情景描写には唸らせるが、サビの亜美とオーバーラップさせすぎたベタな歌詞は微妙。
13.Like a Love? ★★★★★
エイベでの第8弾シングルで、大塚愛が作曲。アレンジもおなじみのIkomanと共同で担当している。
小室時代を含めても、ここまでアイドルらしい曲はおそらく初めてで、思わず照れてしまいそうな亜美自身の歌詞とコケティッシュな歌声がとても良い。
14.愛してるきっと ★★★
つじあやのが作曲・アレンジ・ウクレレ、そして亜美と共作で歌詞も手がけている。
つじ特有の緩いポップに亜美の力が抜けた歌声は良いんだけども、全体的につじ色が濃くアウトロは完全につじに支配されてしまった感がある。
総評.★★★☆
様々なアーティストとコラボしたjoinアルバムの第1弾。トランスオンリーだった前作に比べて曲調は多彩。
向き不向きは別にして、澄んだ高音など、これまでになかった亜美のボーカルの魅力を引き出せている。
個人的にはロックな3・7、アイドルな13が成功、大人びた5・12も良い。ファンクな4・9は失敗だと思った。
あまり小細工とかひねりのないストレートな楽曲の方が亜美自身も歌いやすそうに聴こえる。
アルバムとしては実験性の高い本来のjoin楽曲と、過去の職業作家による楽曲が混在しているのでところどころ通して聴くのが辛いところも。
特に「リトルクリスタル」の2曲が足を引っ張っている。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)

Reviewer:17th. 337-340 名無しのエリー2008.03.28.

1.FREE FREE (joins 中田ヤスタカ(capsule)) ★★★★
この曲の発売時期がちょうどPerfumeブレイク期に近くて、あまりの絶妙なタイミングに驚いた記憶がある。
で、曲について。なんだか中田ヤスタカらしくないようなセクシー系クラブチューン。一気にテンション上がる。ところどころ亜美の吐息をサンプリングしてあるのもいいな。
でも、それで下品にならないのは中田ヤスタカの成せるワザ。
2.feel the beat(album version) (joins Sugiurumn) ★
テンション低めのクラブチューン。非歌モノ。1曲目でのアゲアゲ気分が一気に墜ちる。
なぜなら、亜美のボイスがひたすら低音だから。しかもなんか掴みどころがないし。
まぁタイトル通りに、トラックを聴けって事なのだろうが、そのトラックが地味・・・。
3.Potential Breakup Song (joins Aly&AJ) ★★★★★
Aly&AJのカバー。当然原曲のほうが歌唱的に上回っているのは言うまでもない。
だが、亜美の声質に合ったメロディーのため、思った以上にすんなり聴ける。
サビに関しては日本語で歌われており、しかもなぜか原曲よりこっちのほうが韻の踏みが上手く、キレがある。非常に出来のいいカバーじゃないか、と思った。
4.Bitter… (joins S.A.) ★★★
非常に落ち着いた曲で完成度も高いが、サビメロのごく一部分が気味悪い。
全ての面においてほとんど完璧なのに、サビメロのその一部分のせいだけで名曲になり損ねた。水樹奈々の『ETERNAL BLAZE』を聴いたときと同じ感想である。
ちなみに、S.A.っていうのはSTUDIO APARTMENTのこと。念のため。
5.SWEET DANCE (joins RAM RIDER) ★★★★★
個人的に、このアルバムで1番のアタリ。お洒落なハウスサウンドに乗せて、上品で気持ちいいメロディーが炸裂。
6.The WeekeND (joins CAPTAIN FUNK) ★★★★★
聴いていて気持ちいい軽やかなダンスチューン。これも素晴らしい。
7.SUPER MUSIC MAKER(radio edit) (joins 中田ヤスタカ(capsule)) ★★★★
なんだか高速道路を駆け抜けているようなイメージのトラック。曲自体はパーティーチューンなんだけど。
ほぼ完璧だけども、中田お得意のヴォーカルにかけるエフェクトが少し過剰すぎやしないか。
8.MUSIC (joins RAM RIDER) ★★★
ファンキーなディスコチューン。でもあんまり印象に残らない。
大してキャッチーなフレーズが無いからか。決して悪くは無いのだが。
9.Stereo Love (joins Tomoe Shinohara☆☆☆) ★★★☆
一瞬目を疑いました。第一、篠原ともえが今も音楽やってるなんて知らなかったし。でも完成度が高くてビックリ。ちょっと高音のサビはきついけど。
歌詞に関しても「ねぇ もっときてきて」「ねぇ もっとしてきて ねぇ」など、亜美ファンからすると鼻血ものの歌詞がいっぱい!! ニヤニヤ。
ただ、これが「志村けんに向けてなのかも」と思った瞬間、相当萎える。
でも、クレジット見たら作詞もシノハラでした。よかったぁ~!! \(*T▽T*)/(よく見たら、このアルバムで亜美は1曲も作詞を手がけていませんでした。)
10.アイノウタ (joins ROCKETMAN feat.YOU THE ROCK★) ★★★★
ダンスフロアを抜け出して、ビーチバカンスで踊りまくっているような雰囲気。
ROCKETMANっていうのは芸人ふかわりょう。でも彼、結構いいトラック作るんです。ブラスが効いたファンキーなトラックで、聴いていて楽しい。
YOU THE ROCK★についても、なんかチャラ男っぽくていいな。でも時々変なことを言う。
「亜美が世界を救いま~す !!」とか「いじめは良くない事なんで~す !!」とか(笑)。
ある意味このアルバムの中のインパクト大賞。
11.2人はPOP (joins ホフディラン) ★★☆
すげーPOP。おいおい、いくらなんでも前曲までと雰囲気が違いすぎるぞ。なんか、田舎のおばあちゃんが経営する料亭の庭で歌っているような感じ。
適度なユルさ加減が、なんか昔のPUFFYみたいだ。『アジアの純真』とかそこらの。
気がつけば口ずさんでいるんだけれども、こういう曲は求めていないので評価は低め。
12.新しい日々 (joins YO-KING) ★★
ロックバラード。う~む、この手の曲を歌いこなすにはまだまだ歌唱力が足りんな。
音自体は悪くない。結構歌詞は好みだし。ちなみに編曲はIkomanでした。
13.if ★★★☆
これまた普通のポップス。久々のソロ名義。亜美の歌いやすいキーのみで構成されているためか、ちょっと肩の力を抜いて聴ける。
これまたこういう曲は求めていないのだが、曲自体の出来がなかなかなので評価は少し高め。
総評.★★★★
鈴木亜美の3作目。いつだったか大塚愛に楽曲提供してもらい、それを機にコラボに目覚めた鈴木亜美が始めた“join”シリーズの第2弾。
前作では良くも悪くもバラエティーが豊かだったが、今作では完全にフロア対応型サウンドに照準を合わせてきた。(最後の3曲を除く)
この手のサウンドは歌唱力よりも雰囲気が重視されるので、お世辞にも歌唱力が高いとはいえない亜美にとって良い選択だったのでは?と思う。
(例えば、今流行のSotte Bosseのヴォーカルは雰囲気はいいけど歌唱力自体はそんなに無いと思うし、
 DAISHI DANCEのアルバムでも亜美そっくりの声の人が堂々と歌っていたりする。)
しかも、ありえないほど豪華なクリエイター陣と手を組んだだけあって全体的にトラックの出来が高水準である。
★5つ付けたい勢いだが、曲順と11・12曲目の存在意義が微妙なので、少し減点。
私は友人にこのCDを借りてこの文を書いたが、普通に購入しても損はなかったなと思った。
ちなみに結構歌メロが多いので、クラブ好きの人とかがこれを聴いて私と正反対の評価をする可能性も無くはないかも
(tr.13は初回限定盤のみ。★:2点,☆:1点の計10点満点。)

Reviewer:21st. 124-130 論文家2009.03.12.

1.TEN ★★★★★
全曲中田ヤスタカプロデュースなのですが、出だしのこの曲は、テクノを美しく聴かせることに労力が注がれた曲だと感じます。
まず主旋律から述べますと、根音にぶつからずに曖昧に続くので、けばけばしさと一線を置く色気に包まれています。
そのメロが、イコライザ右寄りにブリリアンスを高めに設定し、歌い上げられてエフェクトされたヴォーカルと絡んで、
とにかくテクノからのリスナーへの誘いを自然に図っているのが素晴らしいです。
昔からテクノでは御馴染みのシンセブラスも、ピアノのアルペジオと絡まることで新鮮な印象で、
鈴木亜美という既存のブランドを新しく掘り返そうとする儀式とも解釈できる。
ヤスタカが手掛けた歌詞はまさにその姿勢を体現していますが、
ひたすら前に突き進むのではなくウィンドウショッピングをするように、留まって満喫する楽しさが現れています。
Perfumeのように、突き刺さる第一印象を求める方には味気ないサウンドかもしれませんが、
純粋に音楽を楽しむ心のある方には、ヘビロテ必至の一曲でございます。
2.can't stop the DISCO ★★★☆
このアルバムはクラブ向けということもあって、各曲ともキックの音が尋常でない大きさなのですが、中でも取り立てて不思議と意識されるのがこの曲。
1曲目と比べると、ベースの動きに凝った四つ打ちナンバーです。ただ、サビの主旋律が弱い気がします。
ブザーの様な装飾音があって、バックトラックは面白いのですが。
あと、鈴木亜美の生声は金属的感触と泥臭い感触が半分ずつあると私は感じてるのですが、
エフェクトをかけることによってビブラートが消え、この2つの感触の化学反応が見られなかったのが残念ですね。
実際のところエフェクト自体は、声質はほとんど変えていないけれど、ビブラートを消したのは大きいです。
もしライブでやるのだったら、生歌の方が映えると思います。
ただ、長調に持っていくように見せかけるBメロのコード進行には逆らう余地すらありません。
3.climb up to the top ★★★★
前曲からノンストップで続きます。一言にすると、PUFFYがトランスに挑戦したような楽曲です。
PUFFYのメンバーにも亜美がいるからとか、勿論そういうことではなく(笑)、とにかくこの曲は聴いてみて下さい。
官能的に楽しめます。聴き込むには長過ぎますけどね。
鈴木亜美がavexから再デビューした時の似非トランスの楽曲は、鈴木亜美のトランスを歌いたいという要望が混じっているそうですが、
初めからヤスタカさんと出会って、本格的なトランスを歌っていれば現在は安室さんの座を取っていたかもな、って思います。
4.SUPER MUSIC MAKER(SA'08S/A mix) ★★★★
この曲までとりあえずノンストップです。リミックスの中にSAって入っていますね(笑)
亜美がヤスタカと出会って初めて創られた楽曲で、原曲はもう少しトランスが効いていて、前のアルバムに入っています。
こちらはよりポップな感じで、[TEN]にも見られた純粋に音楽を楽しもうという意気込みが、ここでアルバムコンセプトとして確立します。
曲の盛り上がりの起伏は、このアルバムの中で最高のお手の物です。
歌詞も、クラブの中でのベテラン同士の恋愛に見えていたのが、クラブに通い慣れた女の子が初めてクラブに来た男の子に惚れ直すという別の解釈を見出しました。
丁度Perfumeと鈴木亜美の両方に通じる世界観を歌っていますが、一波乱あった亜美の方がやはり説得力があってしっくり来ます。
「ストロボ刺さるよ」の“よ”「物語の始まりだ」の“だ”や、「yeh」の歌い方が彼女の個性を現していて、
エフェクトも生声を尊重しているので、素直に気分が乗ってしまいます。
大分前に[Alright!]という、彼女らしさを狙ったエイベックス満開の楽曲がありましたが、それよりも彼女らしい。
5.Mysterious ★★★★★
中盤にふさわしく、混迷と魅惑を行き来するときめきを見事に表したサウンドではないでしょうか。
ここまでのシンセブラスが排除され、副旋律はチャイムのような音色で固められていて、この旋律が、非常に流暢なんです。
また、ジャケット写真を現しているのはこの曲だと思います。
鈴木亜美の顔立ちも、ボーイッシュから、レディーに変わってちょっと特有のミステリアスを帯びてきて。
意味よりも語感を重要視したことが明白な詞も、このサウンドによって存在の意義が炙り出されてきます。
私の解釈としては、自分の気持ちが相手の気持ちへそのままトレースしていく妄想。女性の気持ちが分からない男性は、これを聞けば感覚的に分かるでしょう。
短調なのか長調なのか分からないヴォーカルのうねりを聞けば。
6.change my life ★★★★★
唯一四つ打ちでない曲です。ヤスタカさん、ゲーム音楽やろうよって言いたくなってしまうくらいの、かなりの手の込んだ打ち込みです。
ゲーム音楽って、有名な作曲家に担当してもらっているわけでもないのに、
難解なコード進行と口ずさみ易いメロディを兼ねる凄腕の業が成し遂げられていることが多々あるのですが、これはまさにそうですね。
5度上の音を一緒に出していると思われるシンセの音が、これまた少女と淑女を兼ねていて素晴らしいです。
とにかく、ヤスタカさんにとっても、亜美さんにとっても、新しい可能性を拓いた曲なのでは。
でも、8曲目の印象が強過ぎて、ちょっと見劣りしてしまうというのが惜しいです(笑)
7.LOVE MAIL ★★★☆
調は違うのですが、コード進行が4曲目を流用しているので、この評価です。
ただ、プライマリーブリッジでエフェクトを掛けていないと思われる部分があり、ここは亜美が喋るように歌っています。
亜美がヤスタカに対して、ネタ切れになったら使ってと言って渡した詞が、ほとんど修正される事なく曲が上乗せされていて、
亜美自身が相当驚いた一曲だそうです。その衝撃が、あのかわいらしい歌声になっているのかもしれません。
歌声の系統としては、1曲目と近いです。
8.A token of love ★★★★★
前曲から繋がっていますが、パーカッションのパフォーマンスの後、しばらくして凄いイントロが来ます。驚きました。
ほぼPerfumeの世界観だと思うのですが、このアルバムにアクセントを付けるためには必要だったのでしょう。それは功を奏したと私は思います。
とにかく、この曲中で、1回は笑うと思います。詞、伴奏部、歌声…どれかには絶対引っ掛けられてしまうと思います。
出だしの歌詞は、ちょっと憎めないオヤジギャグだし、
アレンジも、綺麗なトラックを創れない素人編曲家がやけくそになって創ってしまったとでもいうべきもの。
でも、ヤスタカさんは、これまでの7曲で非常に流暢なテクノを演奏しているから、これが尚更映えるんですよ。
女の子の大胆さやぎこちなさが現れたトラックです。
だからもしPerfumeがやったのではそのままで、的を射過ぎていて鮮度が落ちてしまいます。
この曲を亜美のために創ったヤスタカの選択は鋭い。最後のシンセブラスの独走には、本当に毎回笑ってしまいます。
9.TRUE ★★★★☆
更にここまでノンストップ。比較的シンプルなコード進行なのですが、広々と音が響く、雄大な場所に来た気分になります。
歌詞は、恋愛ともとれるけど、10周年を迎えた心持ちを意図的に醸し出しているような気もします。
イントロはクラシック音楽をテクノとして昇華させた感じで、
[Mysterious]とこの曲は、パーカッションを抜いてテンポを遅くすれば、音色こそ違えど、かなりクラシック音楽に近い手触りになるのではないかな、と思うほどです。
何気なしに、Aメロが2番では繰り返されません。
私が初めてこの曲を聴いた時から、1番のAメロを耳にして、これは要るのかと感じたのが、
その後壮大なBメロとサビが来たときに何かが転換したな、と思ったのを覚えています。
そして実際に2番でBメロから始まったので、ヤスタカさんは伏線を象るのが上手い人なんだな、と感じました。
10.flower ★★★
ヤスタカさんにしては珍しい、ポップスよりのバラードです。楽器は前曲を引き継いだ感触。
この曲は普通に聴けばシングル向けだけど、このアルバムの前段階において、全くこの曲をシングル候補にしなかった亜美は、センスがかなりあると見ました。
「can't stop the DISCO」と「ONE」が先行シングルですが、ほかに迷ったのは[TEN]だけだそうです。
ただ、[TEN]でリスナーの期待を満たそうという意図の下、この曲をアルバムに入れる意義があるのか、と理解しがたい部分があるので、この評価です。
ポップスに聞き飽きた私は、正直この曲は好みません。
11.ONE ★★★★☆
3曲目とは違う、大衆向けのトランスで、Tommy February6っぽいなと思った楽曲です。
手始めにイレギュラーな循環コードに載せたメロディが出て来るのですが、これが後で意外な場所で噛み合います。
私はこの噛み合う場所で、ちょっと感動しました。誰かと誰かが再会したかのような偶然性を感じましたね。
これは、噛み合わせたのではなく、元々噛み合っていたメロディを離したのだと思いますが、それにしても上手い技です。
総評.★★★★★
以前に一度コラボレーションを図っているペアなので、創りたいものを創る、という次元を遥かに超えて、
どこに主題を込めていくか、という綿密な計算がなされていると感じます。
1年も経たないスパンで発売された事実はおろか、何とその半年前には概略が出来上がっていたというのが、亜美とヤスタカ、お互いに凄いですよね。
ヴォコーダーの件に関しては批判の声が絶えませんが、それで様々な表情が出るのだからいいのではないか、という是認の声も増えてきています。
実際には、亜美さん自身の方でかなりの歌い分けをしているそうなので、ヴォコーダーが全てでないこともここで例証できます。
ヴォコーダーを通して人間らしい声のスラーを表現することによりアウフヘーベンを遂げるヤスタカの手法には、
2人のペアとしての個性と認めるほかはないと思います。元々彼女はプロデュースされて資質が映える性分ですからね。
彼女の場合、小室さんや以前の“join”企画でのクリエイター陣からも、何かと歌唱法を取り上げて褒められています。
歌唱力がなくても、元来の独特な声質や、様々な声質を創り上げる力で十分プロデュースしたくなるそうです。
Perfumeは、華奢な声が売りですが、亜美はあくまで上品です。艶がかかっています。
亜美に対して、純粋な音楽をプロデュースしたヤスタカの目は正しく、そういうプロデュースを望んだ亜美も、それだけで技量があると思います。
亜美さん自身の方からは、ご自分で曲を創る事ができない分、ヤスタカさんには最大限の力を発揮してもらうように行動したそうです。
その結果、歌詞は、ヤスタカさんが何気なく亜美さんと話した事柄を、密かなジャーナリストとなって書き下されたものが並び、
まさに2曲目の歌詞にある、「love tactics(愛の駆け引き)」が出来ています。
後半部で過去を振り返る曲が出て来ますが、それも希望を見つめる明るい曲に仕上がり、
表面上はオルタナになっていないのも、充実した製作期間を表しているでしょう。
また、同じJ-POP領域にあるPerfume、MEG、capsuleと鈴木亜美で作品の聴き比べが出来るのは、ヤスタカの上手な戦法であると思います。
結果的に、亜美さんの場合は、Perfumeの人気とは離れたフィールドで作品をプロットされてしまいましたが、
彼女の歴史として、幾ら遅くなってもいいので、この名盤が世間的に是非問わず話題になる事を期待します。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)