アルバム全曲レビュー * アーティスト名 : あべんじゃーず・いん・さいふぁい。

Reviewer:21st. 120-122 名無しのエリー2009.03.12.

1.are you ready to strikes back??
来るぞ来るぞ、な前奏曲。ゲームセンターっぽくも聞こえる。
だんだん音量が上がり、誰しも聞いたことがあろう低い機械音声が近づいてくる。
2.avenger strikes back ★★★★★
そのまま高速ドラムが闖入し、本編が始まる。
「ソニックドライブ」という微妙にださい言葉で始まるのだが、優男っぽい声が2つ重なって、実にかっこいい。
「GO!」も、思わず一緒に叫びたくなる。スピード感あふれるままに4分半を使い切る、ストレートな曲。
他の曲も全部単純明快な直球ではあるが、エネルギッシュさではこの曲が一番だと思う。
3.NAYUTANIZED ★★★★☆
テンポを落とすも、前曲のテンションを鎮めることなく突進。
ダンサブルなビートにのせてD→E→F#mのコードをひたすら繰り返し、ギターとドラムとボーカルがその上を踊る。
とりわけドラムは、スネアをダカダカたたきまくって煽りに煽る。これはのるしかない。
基本的に展開の少ない曲ばかりなので、ここで飽きる人はほかの曲も苦手かも?
4.asteroid girl ★★★★☆
これもドラムがすごい…… ずっと同じことをやってるのがさらなる圧倒感を生みだしている。
ここまで書かなかったが、このバンドは光線が飛び交うようなピュンピュンいう音が特徴である。
こういう音響には、多くの人が宇宙を想起するのではないだろうか。曲名や歌詞もだいぶ広い世界を指向している。
「girl」といってもラブソングには決してならない、ということも想像に難くないのでは。
5.speed of love ★★★
ここまでで一番意味のありそうな歌詞になる。が、よく聴いてもつかめるものではない。
英語は完全に日本語で読んでて、カタカナしか浮かばない。この開き直りっぷりは爽快。
曲はここまでのハイテンションぶりから一歩引き、初めて少し落ち着けるムードに。踊れる曲なのは変わりない。
6.darkside of a nation ★★★☆
静かな曲……? と思うとそうではない。なかなか緩急を心得ている。
似たようなコードが多くて飽きるのを見越してか、音響的に工夫しまくってる。中間部の変幻ぶりが見事。
あと、ここまででもスターウォーズを連想した人はいるかもしれないが、これはそのものずばり。
7.電影少年 ★★☆
どことなく能天気な印象を受ける始まりかた。ギターが4度をたくさん使うので中国っぽい感じもある。
tr.3も割とそうだったが、この曲ではさらにボーカルが中心に立つ。
しかしメロディが本当にお粗末で貧相(3度しか動かない)なので、物足りない感がある。
……とか言ってると2分あたりから軽快なピアノが入り、楽器が自己主張をはじめて楽しくなる。うまい。
8.tico's endless summer song ★★★
右から左から、いろんな音が聞こえる。宇宙関連の展示会のBGMにありそう。
ゆっくりかと思わせて…… というフェイクではなく、本当にゆっくりな曲。
ボーカルは微妙だが、変化のついたメロディにはいくぶん救われる。このくらいか細い方があってるとも思う。
半分あたりからドラムが6連符をたたきはじめるのが銀河鉄道っぽい。タムを連打しまくるのも素敵だ。
9.dance to the future ★★
奇数曲目は全部似たテンポで、ダンス向けの仕上がりになっている。
昔のゲームみたいな音のペースラインが動いたり、昔のゲームみたいなメロディをギターが弾いたり、
音が薄いのもあってどことなくチープな聞こえ。そしてドラムはやっぱり最後に大活躍。
全体的にちょっとシンプルすぎやしないか、と思う。特に前半、もっといろいろできるだろうにもったいない。
10.NC&the cosmic H.A.S.E. band ★☆
ゆっくり。印象の薄い曲。よく聴くといろいろやっているのに、ほかの曲のインパクトに負けている感じ。
ボーカルとギターだけになるところとかなかなかいいんだけど…… やっぱりメロディがずっと同じことやってるのがなあ。
延々「合図はスネア」と言ってるが、やっぱりこのバンドの肝はドラムってことだろうか。この曲ではやや地味だが、ラストのみ暴れる。
11.sci-fi music all night ☆
6分以上あるダンスミュージック。ここまで変化に乏しいと、「尻すぼみ」とか「竜頭蛇尾」とか言わざるを得ない。
踊るだけならいいが、聴く音楽としてはこの長さをずっと平坦なままにするのはいただけないのでは……
こまごまとした変化がないわけではないが、前10曲のどれと比べても見劣りオンリー。ほめる点が見当たらない。
12.avengers go home
前曲がいつのまにか終わったあと、tr.1のゲームセンター音がもどってくる。
avengersは昼間大暴れして、夜はゆるーく過ごして帰っていった…… と言う感じだろうか。
13.夢中遊泳 ★★★
tr.12の後半は無音なので、終わりかと思ったらまだあったのか、という感じ。だがこれはかっこいい。
ベースが電磁気のうねるような音を出し、ドラムがシンバルをリズミカルに叩き鳴らして始まる。
全楽器が出そろってもtr.2~4ほどの威勢を発揮することはないが、最後でぶっ飛ぶのもどうかと思うしこれはこれでいい。
後半で2人のボーカルが別のパートを歌うようになるのはほかの曲でも見られる特徴だったが、この曲が一番印象的。
総評.★★★☆
GtVo、BaVo、Drの3人組バンド「avengers in sci-fi」の、1stフルアルバム。
曲はシンプルなもので構成にも進行にも大きな特色はないが、彼らの個性は奏でる音にある。
エフェクターかけまくりの摩訶不思議サウンドと、ドラムのROVOを思わせるアグレッシブなアクションは圧巻。
歌詞は前述のとおり宇宙系で、語彙は乏しいが無意味ではない。ボーカルはうまくないが、若さゆえの勢いが感じられる点で可。
そんな彼らの1stアルバムだが、tr.12に向けてきれいに右肩下がりを描いていくように感じた。
はじめは「こんなバリバリのままでいくのかよ」と期待半ば不安半ばで、中盤で「へー落ち着いたのもできるんだ」となったはいいが、
終盤ずっとぐだぐだ方面。盛り返すのかと思ったのに。通して聴くと、なんとなく栄枯盛衰を感じる。
単にレビュアーがアップテンポで攻める曲を好むからそう感じるだけかもしれないので、とりあえずは聴いてみてほしい。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。tr.1,12は星評価なし。)