アルバム全曲レビュー * アーティスト名 : ばんく・ばんど。

Reviewer:19th. 541-545, 548 名無しのエリー2008.10.18.

1.僕たちの将来 ★★★☆
中島みゆきのカバー。一曲目なのにアコギとピアノを中心としたスローバラードなのは正直どうかと。
みゆきの曲だけあってメロディも歌詞も「泣き」が入ってて、コバタケ節のストリングス・ピアノと相まって悔しいが感動してしまう。
でも何だか知らんけど無駄に電子音が入ってるのは邪魔。
2.カルアミルク ★★★★
岡村靖幸のカバー。個人的に原曲が大好きなので不安と期待が入り混じった気持ちで聴いてみたが、中々どうして良い。
ジャジーなピアノと跳ねたアコギのカッティング、桜井の軽やかな歌声が原曲とは違った哀愁を感じさせてくれる。
原曲は正直今聴くとちょっとダサいし(まぁそこが良いんだが)少し狂気じみたところがあるので、こっちの方が受けはいいかも
3.トーキョーシティヒエラルキー ★★★★☆
HEATWAVEのカバー。初めてしっかりしたバンドサウンドの曲、今はやりのギターロックでは全くないけどね。
演奏陣がテクニシャン揃いだけあって、ジャズ・フュージョン系のアレンジを非常にレベル高く演奏できてる。リズム隊のタイム感が特に絶品。
ていうかこれ純粋にいい曲だわ。原曲聴いたことないけど気になる。
4.突然の贈りもの ★★★
大貫妙子のカバー。まぁ可もなく不可もなく、ジャズちっくなアレンジのバラード。
もろ女性の曲って感じで、何となく桜井が歌うと気持ち悪い気もしないでもない。
5.限りない欲望 ★★★★★
井上陽水のカバー。個人的にこのアルバムのベストトラック。
コバタケらしいフロイドなんかの影響を感じるシンセロックなイントロから、バンドの力量に委ねたジャズロックへと展開してく。
桜井の切実なボーカルも、刹那的な歌詞・メロディに完璧にマッチしてる。こういうのミスチルで聴きたいかも。
6.マイ ホーム タウン ★★☆
浜田省吾のカバー。もともと桜井が非常にハマショーの影響を受けてるので、流石にハマっている。
でもアレンジがダサい。90年代のビーイング何かを彷彿とさせるサウンドで、正直聴いてて少しこっぱずかしさを感じたり。
7.糸 ★★★★☆
中島みゆきのカバー。これはまぁ文句のつけようがない名バラード。やっぱりコバタケのストリングスアレンジって上手い。
ていうか歌詞が素晴らしい、「縦の糸はあなた 横の糸は私 愛する人に出会うことを人は幸せと呼ぶのです」
これ幸せと仕合せがかかってるんですね、流石ですみゆきさん。
8.HERO ★★☆
Mr.Childrenのカバー。中心にピアノを据えたアレンジに変わってるが、正直原曲の方が好きかな。
最後もっとストリングスをふんだんに使って荘厳に終わった方がよかった。
9.幸福のカノン ★★
さねよしいさ子のカバー。みんなのうたにありそうな歌なんだけど、桜井のボーカルが致命的に合ってない。
何か聴いてて鼻についちゃう。でもボサノヴァなアレンジはお洒落で結構好き。ちょっと異色な曲。
10.優しい歌 ★★★
Mr.Childrenのカバー。最初七尾旅人かと思うくらい桜井のボーカルが力抜けてて、原曲の力強さは全くない。
アレンジも弾き語りを軸にしたもので、オルガンの音何か古き良きポップスを連想させる心地よさ。まさに「優しい歌」。
ただやっぱ強い決意が表れてる原曲の方が好きかな。
11.歓喜の歌 ★★★☆
遠藤賢司のカバー。元のエンケンの曲からベートーベンの『歓喜の歌』に歌詞をつけたものであって、カバーのカバーになるのかな。
流石にメロディは良い。桜井の弾き語りも良い感じに力が抜けてる。ていうかやっぱ七尾旅人に似てるわ。
12.僕と彼女と週末に ★★★★☆
浜田省吾のカバー。このアルバムはラストの曲が2パターンあって、もう1つのパターンではここは拓郎の『イメージの詩』です。
7と同じような王道バラード。アレンジも同じように最初ゆったり、最後は壮大といった黄金パターン。
メロディにしろ歌詞にしろ、ここまで臭いと嫌いな人もいそうだけど、個人的にはかなり好きな部類。
総評.★★★★
Mr.Childrenの桜井和寿とプロデューサーの小林武史が中心となって組んだBank Bandの1stアルバム。
桜井の選んだ曲のカバー集だが、選曲に意外なのが多くて、昨今のカバーブームのアルバムとはちょっと違った趣となってる。
全体的にコバタケのピアノを中心としたジャジーなアレンジになっているが、演奏陣が凄いのでかなり完成度は高い。
でも今聴くと、最近のミスチルとはいまいち区別化できてないような。まぁもうやらないらしいんだけど。
限定生産なのでもう売ってないかもしれませんが、たぶんレンタルにはあるんで聴いてみてください。

(後述レス)
 ラストが『イメージの詩』パターンの方は聴いたことがないので、レビューできませんでした。すみません。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)

Reviewer:20th. 99-101 名無しのエリー2008.11.23.

1.何の変哲もないLove Song ★★★☆
KANのカバー。爽やかな歌メロをピアノとアコギで彩った、春の木漏れ陽のような曲。
桜井の最近のテーマである「何気ない日常の幸せと、それへの感謝」を謳ってる曲で、納得のカバー。
アレンジも『HOME』の『やわらかい風』なんかを彷彿とさせる良質ポップスだけど、ベースがゴリゴリしてて良いアクセントとなってる。
2.ひとつだけ ★★★☆
矢野顕子のカバー。前曲と同じような優しいAメロから、ブラスを導入して盛り上げるサビへと繋がる。
そこの整合性がいまいちなのが気になるけど、全体として演奏がトッププロだけあって曲に命が溢れてるのを感じる。
特にドラムが曲の魅力を一滴たりとも零さないように包み込んでいて、改めて山木氏の凄さを実感。
3.昨日のNo, 明日のYes ★★★
GAKU-MCのカバー。桜井がもともと歌メロに言葉を詰め込むタイプだからか、ラップが意外とハマってる。
ラップのトラックにしては過多なほど音が溢れている割にサラッと聴かせるのは、コバタケの凄さか。
GAKU-MCがゲストボーカルとして参加してます。
4.to U ★★★★
オリジナルの1stシングルで、Salyuと桜井のデュエット曲。Salyuは改めて本当に凄い『歌手』だと思う。
アンビエントちっくな序盤から後半へ向けてだんだんと盛り上がっていく構成は、ミスチルのバラードでもお馴染み。
前曲までが音数の割に日常的な雰囲気を感じさせるものだったのに対し、これはテーマも曲調もかなり壮大なバラード。
5.スローバラード ★★★★☆
RCサクセションのカバー。ミスチルの『車の中でかくれてキスをしよう』はこれのオマージュだと思ってたので、かなり納得のカバー。
桜井も渾身の歌声で、清志郎に負けるとも劣らない切実さを醸し出している。
ムードたっぷりな山本拓夫のサックスも絶品。
6.遠い叫び ★★
仲井戸麗市のカバー。曲自体は非常にカッコいいんだけど、アレンジが何かしょぼい。
ブラスが安っぽくて、タイトルにもある叫びを感じられない。まぁバンドの性質上仕方ないのかもしれないけど。
7.休みの日 ★★★
JUN SKY WALKER(S)のカバー。如何にも桜井の好きそうな「別れを肯定へと導こうとする男の弱さ」を感じる曲。
アレンジも今までと同じでそつのないバラードに仕上がってる。
8.イロトリドリノセカイ ★★★★★
JUDY AND MARYのカバー。JAMを桜井がカバーなんて想像つかなかったけど、これは素晴らしい。
軽快なリズムに乗せ日常の幸せを謳ったメロディと、それを祝福するようにブラスの音が響くサビのつながりは感動的。
個人的にこのアルバムのベストトラック。
9.煙突のある街 ★★☆
真島昌利のカバー。このアルバムの中では異質のダークな雰囲気を放ってる楽曲。
歌詞も環境問題を謳ったもので、幸せに特化してるこのアルバムよりかは前作の収録曲に近い。
地響きの音だったり工場の音を使ってる凝ったアレンジは聴きごたえ十分。
10.はるまついぶき ★★★☆
オリジナルの配信限定シングル。数あるコバタケ作曲の中でも最もキャッチーな曲の一つなんじゃないか。
ミスチルでも聴き飽きたピアノ主体の壮大なバラードなんだけど、でもこういうのって外れない。
11.MR.LONELY ★★★☆
玉置浩二のカバー。サビの裏声が好きだな、いかにも玉置さんって感じの唐突さで。
しかしここまでバラードは全部ほとんど同じアレンジなんだが、飽きが来ないのはメロディが良いからか。
12.evergreen ★★★★☆
MY LITTLE LOVERのカバー。これは半分セルフカバーみたいなもんだよね。
ペシミスティックな世界観と、それを打破する「あなたへの愛」を謳った歌詞はオザケンを彷彿とさせる。
アレンジもそれに相応しく、8と同じような祝福を感じさせる名アレンジ。最後のコーラスが良い。
13.歌うたいのバラッド ★★☆
斎藤和義のカバー。
良い曲なんだけど、ちょっと大袈裟にしすぎ。最後の愛してる連呼はかなりナルシズムがにじみ出ててひく。
でも原曲が素晴らしいので何だかんだ良いんだよねぇ。
14.よく来たね ★★★
オリジナル曲。唯一の桜井作曲。ap bankのオープニングに演奏された曲らしく、それっぽい歌詞。
しかしフェスの最初がバラードなんだ・・・
ピアノとストリングスだけのアレンジにしてるのは、ミスチルと差異化を図ろうとしてるのだろうか。
総評.★★★★
Mr.Childrenの桜井和寿と音楽プロデューサー小林武史が中心となって結成されたBank Bandの2枚目のアルバム。
前作が全部カバーだったのに対して、今作はオリジナルが3曲入っている。
前作も良いメロディにコバタケのウォールオブサウンドアレンジで非常に聴きやすかったが、今作はそれ以上にキャッチー。
選曲があまり有名どこではないのにもかかわらず、全てが凄い存在感を放っている。
バンドメンバーもトップクラスのプレイヤーを揃えているので、聴いてて安心感がある。特にリズム隊の絡みは前作の時も感じたが絶品。
ただアルバムとして聴くとちょっとだけくどすぎるのが悔やまれるが、まぁ名盤ですので聴いてみてください。。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)