アルバム全曲レビュー * アーティスト名 : ぶん・ぶん・さてらいつ。

Reviewer:20th. 453-456 名無しのエリー2009.02.01.

1.Kick It Out ★★★★☆
ガムのCMに起用された四つ打ちロック。まさかのディスコパンク調に当時は驚かされた記憶がある。
これまではジャズっぽかったり、ビッグビートを基調としていたからなぁ。
終始、横ノリのビートが支配する楽曲はBBSという観点では新機軸であり、
音も当時、ブームだった80年代ディスコ、ニューウェーブのカラーを取り込んだ王道かつ新機軸のロックであることがすぐにわかる。
この感覚は海外でも活動しているバンドならではの発想だろう。
2.9 Doors Empire ★★★
前作の香りを残し、疾走するロック。
リズムパターンとか、コーラスの重ね具合、疾走の仕方が前作の名残を感じるが、音は今作に合わせている。
ただ、ギターが思ったより暴れていないので、少々物足りないと思った。最低でもシンセとドラムは暴れているんだけどねぇ。
3.Girl ★★★☆
ルーズな空気を纏ったミドルチューン。ベースは四つ打ち。
さっきまでイキイキしていたシンセも、ここではB-BOY並にルーズに。それでもヴォーカルだけが声を張り上げているのも珍しい。
どうでもいいが、この曲が何故、デスノートのCMに使われたのだろうか。ルーズさがLにピッタリだったんだろうか。
4.id ★★★
不穏なノイズを出してから、一気に疾走したり止まったりするプログレ系ニューウェーブ。
もしかしたらカオティックロックって言った方が正しいかもしれない。
だって、暴走はしているんだけど、ドラムもどっか知性的な要素もあるし、打ち込みも本能的にやったにしては妙に計算している箇所も見受けられる。
どうも、本当の人間の自己と同じで不安定な感じがする。川島のヴォーカルも妙に綺麗なので、余計にそう感じる。
5.Play ★★★★
そして、流れるようにドラムンベースに突入。
とはいってもドラムは生ドラムをベースにしているので、人力ドラムンと言った方がいいかも。
こういう系統の曲を聴くと、3rdアルバムの頃を思い出してしまう。
CD音源でもかなりの迫力だから、ライブ音源はより強烈だと予想。
6.She's So High ★★★☆
このバンドにしては珍しいぐらいに壮大なイントロ。
よくもまぁ、トランス系のシンセとドラム、生ベースだけでこれだけ壮大に表現できるよなぁ。ちゃんと音をわかってないとできんぞ、これは。
で、川島のヴォーカルとソウル系シンガーによるコーラスがより、この曲を壮大なものへと進化させてゆく。
7.Pill ★★★★
なぜか化粧品のCMのタイアップが付いた四つ打ち16ビートロック。
土臭さとファッション性は当時のイギリスを反映しているようで、なんだかイギリスのダンスフロアかライブハウスにいるような感覚に陥る。
いつになく、ドラムもキックが太く、ギターの音も心地良い。シンセが効果的に使われているのも好感触。
8.Generator ★★★
なぜか、イントロを聴くたびにアクションゲームを連想してしまうw それも、ファイナルファイトとか、そういった感じの。
初期の頃に戻ったかのようなリズムパターンを軸に、細かくサンプリングされたギター音と今作では主役となるトランス系シンセが動き回るダンスチューン。
それにしても「Yeah」としか言わされていない川島、ノリノリである。クラブで流したら、結構フロアで踊る人が多数出るんじゃないだろうか。
もちろん、ロック特有の熱さもこの曲は忘れていないのが嬉しいところ。
9.Beat It ★★★★
再びルーズな空気を纏ったリズムが登場。...と、思いきや、一昔前のポップロックを髣髴とさせるリズムパターンを打ち出してきた。
EUROPEの『FINAL COUNTDOWN』みたいな感じといえばおわかりだろう。全体的な空気もあの当時を再現しているかのようで、逆に新鮮。
ただ、ヴォーカルが若干、Franz Ferdinandっぽいのが気になる。
10.Porcupine ★★★☆
アコギの音とノイズを組み合わせたインスト。なんとも言えない、不思議な空気の曲。広義の意味でのアンビエント、かな。
こういうタイプの曲をBBSがやるとは思ってもみなかった。
最後のドラムが意味深。
11.Nothing ★★★★★
突如、最近のロックにありそうなパンク色の強いニューウェーブが飛び出す。ついに、彼らもパンク色を出すようになったのか。
メロディライン自体はSUM31やGreen Dayっぽいところがあり、誕生に見えてさり気に知的な要素を含ませているのも似ている(特にGreen Day)。
ギターがあまり暴れていないのに、ちゃんとパンクだと認識できる技術はすごい。
川島のヴォーカルも渋みがあり、個人的には好みだったりする。
12.Loaded ★★★★★
ついに、本気で今作のキーワードと思われるトランス要素と前作のキーワードだったゴスペルが真正面からぶつかってきた。
ラストだからこそ出せるアンセム。
トランシーなシンセと重厚な音声、漂うようなドラムに脈打つかのようなベースが一体となって楽曲を盛り上げてゆく。
ラストの電子音が妙に懐かしい。
総評.★★★★
BOOM BOOM SATELLITES、5枚目のアルバム。これまでの作品に比べて非常にポップ。
ポップなんだけど、ドラムを中心にロック特有の熱さは十分に持っており、川島のヴォーカルも今回はポップ要素とロック要素、両方に加担できている。
バラードが無くても、バランスが保てていれば名作になるという好例なので、是非とも最初はシャッフルせずに通して聴いてほしい。
ただ、少しでも打ち込み要素があるとイライラする人にはオススメできない。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)