アルバム全曲レビュー * アーティスト名 : よねくらちひろ。

Reviewer:21st. 388-392 名無しのエリー2009.05.05.

1.ドルフィン・ソング ★★★★
シンプルなサウンドながら、海を連想させる音づくりは見事。イントロのエレキギターはまるでイルカの鳴き声の様。
一曲目を飾るにふさわしい船出の曲。
2.Butterfly Kiss ★★★★
日本的なメロディが印象なちょっとアニメソングかかった幻想的な曲。韻を踏んだ歌詞が面白い。
3.陽だまりをつれて ★★★★
シングル曲にしては地味かも。温かく、やわらかな曲です。
ファンへのメッセージソングらしい。
4.甘い甘い毒 ★★★
ある意味「jam」のメインともいえる曲かも。これまで少なかった「大人」を表現した珍しい曲。
女のずる賢さが表現されている。
5.琥珀の揺りかご ★★★★★
無機質な機械音で装飾された、細部まで拘った作りこみを実感するプログレチックなバラード。
パーカッションの響きが心地よい。
6.濱のメリー ★★★★
スカを取り入れたアップテンポの曲。ここまでの針の振り切り具合はすごい。
7.レンズ越しの宇宙の下で ★★★★
宇宙から地球を見下ろしている情景が目にうかぶよう。間奏のリコーダーがいい味を出している。
8.It's a beautiful day ★★★★★
海沿いを走っている車が目に浮かぶような、テンポのよいハイテンションな曲。間奏のフィドル(?)が心地よい。
米倉千尋最大の魅力である感情表現豊かな歌声が炸裂。
9.Little Soldier ~album version~ ★★★★★
野球ゲーム「パワプロ」のテーマソングということもあって、夏のイメージが強い。
「子供」の迷いない無邪気な元気があふれている。こういう歌を歌わせたら彼女の右にでる歌手はいないのではなかろうか。
そうる透によるドラムが疾走感をより一層引き立たせている。間奏のドラムソロは聴き所。
10.ライラックの花束を ★★★
「卒業」の歌でもあり、「別れ」の歌でもある悲しい歌。チェロの響きが悲しさを引き立たせる。
11.「あいのうた」 ~album version~ ★★★★★
前曲の余韻を引きずるような悲しさ漂う曲。最後に前向きに締めくくるのも米倉千尋らしい。
総評.★★★★★
米倉千尋の6thアルバム。3rdアルバムから始めた作曲の才能がここにきて開花。
「jam」というアルバムタイトルが示す通り、濃密で熟成された曲が続き、クオリティはとても高く、あまりに豪華な曲揃えに驚くことでしょう。
音楽性としては、変化球が少ないストレートなポップスだが、アルバムとして統一感があるにもかかわらず、1曲も似ている曲がないのには驚きである。
確かな歌唱力に裏打ちされた、表情豊かな歌声と、率直で癖がなく、力強い声質は聴いていて心地よい。
さらに、ほとんどの曲にいえる季節感や情景を感じとれる詞も秀逸で、売り上げが今ひとつとは思えないポップスのお手本といってもいいアルバム。
そして、バッキングにも結構優れたスタジオミュージシャンが参加しており、そのプレイもまた聴き所のひとつだと思います。
知名度が低く、多くの人に聴かれていない事が惜しい名盤。大傑作と言っていいかもしれません。
(★5個が満点。)

Reviewer:22nd. 371-373 名無しのエリー2009.11.07.

1.My Departure ★★★★☆
一曲目をかざるにふさわしい、「ここから走り出すぞ!」という爽快で勢いにあふれた楽曲。自作の中での歌詞はこの曲が一番良質か。
この曲はリズム隊がすごいことになっている。特にベースはラルクのtetsuもビックリな超グリグリである。
この曲の最後に締めるドラムソロ、ベースの畳み掛けは圧巻というしかない。
2.Shooting Star ★★
影山ヒロノブからの提供曲。雰囲気はTWO-MIXを連想する。クオリティは高いのだが個人的には好きではない。
曲名からしてスピード感あふれる曲だと予想していたが、それほどハイテンポではなく、やけにディストーションのかかったギターがウザイ。
3.スピカ ★★★☆
伸びやかな歌声を聴かせてくれる佳曲。
希望をテーマにしたありきたりな歌詞だが、稚拙ではないところが彼女の作詞力の高さの表れか。
4.ラブ・ファイター ★★★
リンドバークの川添智久からの提供曲。一発でリンドバークとわかるハイテンポな曲。
歌詞ははっきりいってお花畑(笑)
5.12番目の・・ ★★★★☆
ここでやっとしっとりした曲を聴かせてくれる。石川智晶からの提供曲。
米倉千尋史上ここまでネガティブな曲はもしかしてこれが初めてではなかろうか?
ふんだんにシンセサイザーをとり入れ、プログレっぽい曲になっている。
この曲がこのアルバムの中で一番クオリティが高いのではなかろうか。
6.Be ambitious! ★★★
スピカと同様希望をテーマにしたありきたりな歌詞だが、こっちはスピカよりノリの良い佳曲。
7.Dream On Dream -夢の続き- ★★★★
巨匠、田中公平からの提供曲。
テンポはミドルテンポだが、音のキーはとんでもなく高い所があり、米倉千尋だからこそ歌えた曲だろう。
田中公平から「限界にチャレンジしてください。」というメッセージが込められたらしい。
これをライブでどう歌いこなすのかと期待させてくれる難曲。
8.Overwrite! ★★★
特撮ナンバーみたいな曲(笑)イントロからメタルじゃないか?と一瞬ビビリさせてくれる。
9.プレリュード ★★★
簡単なドラムロールから入る正統派なバラード。歌詞に「たくましく咲いた向日葵を見た」って所が彼女を連想させる。
10.Smile Go Happy ~君に贈る言葉~ ★★★
アルバムの最後を締めくくるにふさわしいバラード曲。最後のラララはライブで盛り上がりそう。
曲自体は良いのだが、歌詞がストレートすぎるというか、ちょっと稚拙。
特に、「この星に生まれて 同じ時代を生きて こうして出会えたこと すべての奇跡にいま感謝して…」って所はどうにかならんかったのか?
歌詞のせいで★一つ減点。
総評.★★★★
オリジナルアルバムとしては通産12枚目となるアルバム。今回は作詞作曲が自分自身と他の大勢からのアーティストからの提供と約半々となっている。
一人一殺!ってほどに一人一人がクオリティの高い曲を提供した結果、良盤となった。シングル曲、タイアップ曲が一つもないのに、捨て曲は一つもない。
彼女はポップス、ロック、バラード、ジャズ、プログレなど、声色の使い分けが素晴らしく、
色々な曲を歌いこなせる抜群の歌唱力、表現力をもつのだが、このアルバムでもその歌唱力を堪能することが出来る。
しかも、声質はとても魅力的な芯のあるナチュラルボイスなので、彼女の歌声を受け付けない人はほとんどいないだろう。
もう米倉千尋はベテランといってもいいような実績があるが、
このアルバムでは、とてもベテランとは思えない程初々しくアップテンポの曲が中心で、元気いっぱい!な感じである。
ただ、彼女は基本、元気いっぱい!なキャラなのだが、落着きがない…というか、年相応ではないというか…そこは気になる。
欲を言えば、落ち着いたバラード曲がもう1曲あればと思った。次のアルバムは落ち着いたアルバムを期待。
それと、彼女の作詞の才能はちょっと枯れてきたかなというのが唯一の不満点。夢、希望、恋愛、を軸にした詞のありきたり感は否めない。
(6th、7th、8th、アルバムは本当に良い詞を書いていた)
だが、彼女の音楽に対する「プロ意識」は非常に高い。
基本、米倉千尋のオリジナルアルバムはほとんどがクオリティが良く、正統派で良質なポップスが好きな人にはとても魅力的なアーティストと言えるだろう。
売れなくても、歌い続け、ファンに歌で希望を届けるという信念をこれからも貫き通してほしい。
彼女は間違いなく素晴らしいアーティストである。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)