アルバム全曲レビュー * アーティスト名 : かり・がり。

Reviewer:3rd. 841 名無しのエリー2002.12.07.

1.ゼリー ★★
ジャズとラップを組み合わせた様な感じ。バックのピアノが雰囲気を出している。
ずっとノリノリで3分無いのであっという間に終わり、気軽に聴ける。
2.発狂チャンネル ★★
かなり病んでいて、オカシイ曲w
この曲のフレーズに「あらら、こらら。いけないんだいけないんだ。先生に言ってやろ。」を引用した青の発想力は凄いと思う。
メロは無い様なもの。
3.誘蛾燈 ★★★
詩曲歌い方ともに、不気味で独特な雰囲気を持つ、クセの強い曲。サビでは、哀愁漂うまともなイメージに切りかわる。
4.冷たい雨 ★★★★
この曲で雰囲気がガラッと変わる。爽やかで前向きな正統派。
曲調も落ち着いているので、ヴィジュアル系を受け付けない人でも普通に聴けると思う。ラストの裏声が優しくて良い。
5.君が咲く山 ★★★★★
色々な楽器が使われていて、おもちゃ箱を覗き込んだ様な愉快な曲。間奏が行進曲になる部分有り。
歌詞は一見陽気な様でいて、実はかなり恐ろしい。秀仁が、歌のお兄さんの様な歌い方をしている。
Coccoのがじゅまるの樹、My Dear Pigなど好きな人にお勧め。
6.やせゆく社会 ★★★
疾走感溢れてて、サザンやユーミンが歌いそうな、少し昔のノリノリな歌謡曲といった感じ。歌詞は社会批判かな?
7.「依存」と言う名の病気を治療する病院 ★★★★★
心の依存、自立を歌った精神的に痛い曲。間奏のギターや、メロに寂しさや切なさが込められている。
Cメロでボーカルが急に感情的になり、シャウトが使われる所が良い。
「謝る事しか知らなかった僕に、心から自殺しろと願ったんだ。」のフレーズが印象に残る。
8.冬の日 ★★★★
スローテンポで、暖かいけど少し寂しい感じの曲。冷たい雨に続き、正統派。普通にドラマの主題歌とかに使われてそう。
9.グッド・バイ ★★★★★
少し歌謡曲的なメロに、前向きで優しい歌詞。万人受けする、素直に良い曲だと思う。
ベタと言えばベタだけど、ラストのサビでメロが1音上がるのと、「グッド・バイ」が繰り返されるのが良い。泣けますw
総評.
ファンに名曲揃いと言われている。
歌モノが多いし、曲調、音、歌声もさほどコテコテのヴィジュアル系ではないので、このアルバムは聴いてみても良いと思う。
(★5個が満点。総評は星評価なし。)

Reviewer:避1st. 120-121 名無しさん2010.01.15.

1.「第7実験室」 入口
実験室に入るドアを開ける音。
2.ハイカラ・殺伐・ハイソ・絶賛 ★★★☆
NUMBER GIRL『Tombo the electric blood red』のリフを拝借したオルタナギターロック。
歌詞はナンバガとか某雑誌周辺を批判してるようにも思えるが、それっぽい言葉を並べただけかもしれない。
「希望などもてん いらん 知らん」なんて歌詞まで。
3.まほらば憂愁 ★★★★★
バンドサウンドとシュールなリフのシンセの絡みが良い感じ。
そしてそこを石井秀仁のヴォーカルが暴れまわる。特にこの曲での彼のヴォーカルの攻撃力は相当なものだ。
とはいってもDir en greyの京みたいに痛みを感じさせるものではなく、人を小バカにしたような歌声なので聴く人によっては腹立つかも。
またAメロ・Bメロでさんざん暴れまわっときながら、サビでは急にオサレ系ポップス風味になるのも面白い。
80年代のアングラバンド名を連ねたAメロの詞には仰天。
4.マグロ ★★★★
シュール・グロ・電波とポップの融合。そしてメジャーデビュー曲。
和風で飄々とした曲調の曲で、サビでは「ほら、ぐーるぐるーぐるぐるぐるるーぐる。」なんて歌詞が出てきて脱力させられる。
しかしながら歌詞をよく読んでみると実は鉄道自殺について歌ったものだとわかる。
すると、この飄々とした曲調が途端に怖くなってくるではないか。桜井青のセンスの高さが窺えるだろう。
(つまりここでの“マグロ”とは、「鉄道職員の間で、鉄道事故による轢死体を指す俗語」となる。)
PVもシュールかつハイセンスなので、ぜひ。
5.ドラマ 「黒い球体」
このバンドのアルバムにはお決まりのドラマ。
ギタリスト桜井青が女装した際のキャラクターである「桜井青江」と、ドラァグクイーン「オナン・スペルマーメイド」の2人のボーリング対決が繰り広げられる。
まぁ、これを面白いと思うか寒いと思うかは人それぞれだろう。
6.黒い球体 ★★★
なぜかボーリングの歌。ファンクっぽいAメロ・Bメロと地味なサビが対照的。
あと、「右腕重傷の懸念ナッハッハー 重傷の懸念ナッハッハー」という歌詞が無性に笑えるし、なんか腹立つ。
7.きりきりまいむ ★★★
狂ったテクノポップ。
ネジが外れたかのような歌いっぷりが印象的だが、途中でセックスの際のお決まりの台詞なんかも挿入されて、なんだかカオス。
他にも聴いていて面白い部分がいっぱいだ。ベースもすごい。
8.デジタブルニウニウ ★★★★☆
テクノポップ・ニューウェーブ系の曲。
Aメロ・Bメロでアゲアゲに攻めてきたかと思いきや、サビでは妙な抱擁感に包まれる。特に、哀愁を誘うシンセのフレーズが実に良い。
曲とは対照的に、歌詞は皮肉満載で凄い事になっているが、聴き取れないので曲の雰囲気を壊すようなことはないかと。
後の石井のプロジェクトGOATBEDにつながる重要な曲。
9.体内騒音あやなしアンチ苦笑
タイトルを見た途端、「どんなひねくれた曲なのだろう?」と身構えたが、実は美しいインスト。アンビエント。
子どもの声が遠くから聞こえてきて、ノスタルジックな気分になる。
10.わずらい ★★
レトロな曲調でそれなりには良いが、アクの強い曲がいっぱいある今作においては印象が薄い。
ただ、出だしの「あんなに素敵な化石になったら 手厚い哀れみの慈愛をくれるかい?お嬢さん」という歌詞は実に印象的。
11.東京ロゼヲモンド倶楽部 ★★★
オシャレなジャズバーを連想させるようなジャジーな曲。だが、詞中に出てくる人間たちはどうも穏やかではない人たちばかり。
「手首を切る練習が大好きで同性愛を夢見る少女。」
「咳き込むことに魅力を感じ窒息死が美徳だと論じる教師。」
「動物愛護に傾倒し中古の動物図鑑を買いあさる主婦。」
凄まじいが、前ボーカル時代のcali≠gariはこんなことばっか歌っていた。
だが基本的に何を歌っているのか聞き取れないので、聴いていて気分が悪くなるようなことはないだろう。
レコ倫にケチを付けられた関係で歌詞カードに歌詞が掲載されていない。
12.空も笑ってる ★
桜井がヴォーカルを務めたガレージっぽい曲調のもので、とにかく絶叫。イースタンユースとかミッシェルっぽい。
が桜井の歌唱力が微妙すぎて、筆者はあまり聴かない。
唯一この曲ではシンセ類が使われておらず、バンド本来の魅力が楽しめる。
やはりベースがかっこいいが、ギターが弱い。
13.東京病 ★★★
桜井青お得意のフォークバラード。カリガリは各アルバムに必ずこういう普通に良い曲をいれてくれるからありがたい。
田舎から上京して1人暮らしをしている人なんかが聴いたら泣くこと必須で、歌詞がすごく良いのである。
唯一の難点は、この手の歌い上げ系の曲だと石井の声の細さが際立ってしまうことだ。
音が外れないか不安になる。(外れはしないのだが)
14.「第7実験室」 出口
実験室から出る音。
感動的なバラードで締めて、「いやぁ、良いアルバムだった。」と思っていたら・・・。
Sec.失禁 ★★
なんか歪みまくったサウンドに乗せて石井がシャウトをしまくる。
アルバムの締めとしては何とも後味の悪い終わり方だが、そこが彼ららしくて実に憎い。
総評.★★★☆
ヴィジュアル界隈の異端児、cali≠gariのメジャーデビュー作。
レコード会社はビクター。この会社はどうも変なアーティストを集めたがる傾向があるような。
石井曰く、おもちゃ箱ならぬ「ちゃぶ台をひっくり返したようなアルバム」だそうで、とにかくさまざまなタイプの曲が楽しめる。
正直なところ、個々の曲の出来では『8』に劣るし、トータルで見た完成度でいえば『10』にはかなわないと思う。
しかし、ギターロック・ニューウェーブ・アンビエント・フォーク・電波・ジャズ・ファンク・・・
ここまでバラバラな曲群なのになぜか“cali≠gari”という一つのカラーに染まっているのは凄い。音も付け焼刃ではない説得力があるし。
彼らに変な偏見がある人もいると思うけど、素直に楽しめる1枚だと思います。
ただし楽曲が充実してる分テンションも高め。特にリアルにゲイなギタリスト桜井の新宿2丁目なテンションが苦手な方は多そう。
自分はまじめなタイプだなぁと思う人はスルーでかまいません(笑)。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。tr.1,5,9,14は星評価なし。19th.160-165,241レビューの差替え版。作詞・作曲者情報は省略しました。)

Reviewer:22nd. 131-133 名無しのエリー2009.08.23.

1.その行方 徒に想う… ★★★★
2分の小品、にしては充分すぎるほど出来がいい。
「いかにグルーヴ感を出さないか」がテーマであるらしく、ボーカルから感情を消し去り音をスッカスカにし曲をこま切れにすることでその表現を試みた模様。
しかも投げっぱなしの実験ではなく、きちんとポップにまとめているのは流石。
それにしても、歌詞の乗り方が異様だ。
2.ヒズンダ!ヒズンダ! ★★★
POLYSICSのテンションを気だるくしたようなニューウェーブナンバー。
中身がまったくない歌詞もいいが、歌メロのポップ感がいい。
3.舌先3分サイズ ~ver.1.5~ ★★★☆
シングル曲。軽やかなギターとシンセが絡む、3分サイズの軽快なポップロックナンバー。アルバム版ではドラムが軽くなり、さらに軽快に。
歌詞の詰め込みが異様で、カラオケで歌ったら舌を間違いなく噛むだろう。
また歌詞は各分皮肉やらボヤキやらが詰め込まれているが、1曲通してのテーマはなさそう。
4.虜ローラー ★★★★★
完全にバンド感を排した音響的なナンバー。
ボーカルやコーラスの音響的な処理や、鈴木慶一氏の手による幻想的なサウンドが非常に美しい。
5.昏睡波動 ~コーマウェイブ~ ★★☆
生粋のヘビーメタルべーシスト村井作曲だけあって、彼のべーステクがとことん堪能できる。もはやオナニーを超えた。
6.白い黒 ★★★★☆
ドラマー武井の作る曲はカオスなモノばかりなのだが、ついにそれが頂点に。
わけのわからんメロディーに、不気味なボーカル処理、鈴木慶一氏の演説(!)。
そしてプロテクトをかけまくっているためわかりづらいが、アメリカ(イラク戦争云々があった時期)を批判した歌詞にも注目すべき。
「知にまみれた正常。気は平気か?」という一文が「血にまみれた星条旗は兵器か?」という掛詞になっていて、驚いた。
7.読心 ★★★
なんと村井はベースを捨て、バイオリンと笛で参加。
ヘビメタなだけでなく、インテリな一面も持った彼らしい曲。夕焼けのような光景が思い浮かんだ。
8.ダ・ダン・ディ・ダン・ダン ★★★
キメがやたらと多い、ポップロック。メロディー的にはヴィジュアル系っぽさも垣間見える。
9.パイロットフィッシュ ★★☆
ぬわ~んとした閉鎖的な音響に支配された1曲だが、桜井お得意のレトロ歌謡風味のメロディーは際立っている。
だがややだれるし、男に騙された女子の怨念に支配されたような歌詞含め重っ苦しいのでややマイナス。
10.新宿ヱレキテル ★★★★
リアルに新宿2丁目なギタリスト桜井がボーカルを務める、オカマ歌謡ロックンロール。
弾けたブラスに、無駄にカッコいいギターリフ、椎名林檎をパロった巻き舌なヴォーカル、が特徴的。
曲自体の出来はかなりいいが、前後の流れからして明らかに浮いているのでマイナス。
それにしても演奏そのものにはあまり参加していない鈴木氏がなぜか張り切っている模様で、キーボードだけでなくテルミンやティンパニまで演奏している。
11.破れた電報 ★★
桜井青が一人でギター・ボーカル・プログラミング・ミックスを手がけ、孤独な歌詞を叫ぶ1曲。
「帰りたい―――!」の絶叫が印象的だが、そもそもメロディーが弱すぎるし歌も弱い。
12.青春狂騒曲 ~青春立志編~ ★★★★☆
シングル曲。傑作、とはいってもシングルヴァージョンでの話だが。
アルバム版では、余計なキーボード音に石井の美声がかき消されてしまってもったいない。
だが、高村光太郎の誌を引用しつつ活動休止を予感させるような切ない歌詞や、ノスタルジックなメロディーはやっぱり素晴らしい。
総評.★★★★
ヴィジュアルシーンの異端児であるカリガリがムーンライダーズの鈴木慶一氏を迎えて製作したアルバム。
タイトルから「実験室」という名称が排除され、同時におふざけであるドラマも排除。
サウンドも面も大きく変化していて、ボーカル石井秀仁が曲作りを主導した結果、ニューウェーブ色が色濃く出ることに。
そして相変わらず曲ごとにタイプがバラバラで、アヴァンギャルド。
それでいながら、鈴木氏の指導の結果なのかどうなのか程よくポップに収まっている。
だが残念なことに、今まではバラバラなタイプの曲が1本の線で繋がっていたように感じるが、今作では石井と桜井の曲が完全に分離している。
結果、アルバムトータルで見るとややチグハグな印象。
とはいえ個々の曲のクオリティーは高いので、とりあえず音楽ファンに自信を持って薦められる1枚だと思う。
ちなみにこのアルバム発売後に活動休止を発表。
石井と武井はGOATBED、桜井はL.T.Bやデザイン業などで活動するが、村井はSEX MACHINEGUNSへ加入しキャラ変する。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。作詞・作曲者情報は省略しました。)

Reviewer:22nd. 496-498, 560 名無しのエリー2009.12.05.

1.ママゴトセンター ★★
打ち込みとベルの音から、オルタナ風のギターが流れ込んでくる1曲。
ただ何をひねくれたのかメロディーは地味さの極みで、とことん低いキーで歌わされる石井が若干辛そう。
ギターはかっこいいんだけどなぁ。
2.マッキーナ ★★★★
一瞬“アッキーナ(南明奈)”に見えたが、“マッキーナ”。イタリア語かなんからしい。
ドラムがずっしりと響くパンクチューンだが、歌詞は「マッキーナキーナキーナ」を連呼するなどユーモラス。
地味にインパクトが強い。
3.偶然嵐 ★★☆
メロディーは地味だしタイトルのわりに曲もストレートだが、シリアス気味なイントロ(特にシンセの音色)が印象的。
4.-踏- ★★★☆
ヴィジュアル系の作法に従って2種類で発売したところ、オリコン7位を記録してしまったシングルの片面。「とう」と読むらしい。
詞中には「挙げ豆腐 歯を奪うという」なるどうでもいいフレーズが。
サウンド的には最近のV系にありがちなヘヴィーロック系を狙いつつも、リフはなぜか“ダウンタウン・ブギウギ・バンド”。
それでいてAメロのボーカルのエフェクトは流行のエレクトロ風味。
リズム隊が淡々としているのでグルーヴ感があまり無いが、無機質さを表現したかったのかもしれない。
5.ハラショー!めくるめく倒錯 ★★★★★
チープで80'風味なシンセと強靭なバンドサウンドによる、ダンスチューン。
「ドゥワップビドゥバ」とか「シュビバンバンバン」などなど、石井独特の言語感覚が全編にわたって冴まくり。
それにしてもなんかこういうサウンド最近聴いたなと思ったら、メンバーチェンジ後のVOLA&THE ORIENTAL MACHINEに近いような。
そして「10まで数えて変わり朽ちた」というフレーズはDEAD OR ALIVE『TURN AROUND&COUNT 2 TEN』のパロディーか。
6.月光ドライブ ★★★★
なんとなく初期のB-Tなどのビートロック勢を髣髴とさせるが、和風の哀愁メロも備えている。
このバンドにしてみればかなり新鮮。音響がかなりいい。
7.飛蝗者読誦 ★☆
スリリングなバンドサウンドに乗せてひたすら語りが続き、ラストにメロディアスになる1曲。
しかし「ばったもんどくしょう」と読むタイトルで期待させておきながら、いわゆる捨て曲w。最後のパートがが微妙すぎる。
これならば、シングルのカップリング2曲の方がギャグとして成立していたしそっちを収録したほうがよかった気も。
8.混沌の猿 ★★★★
『第7実験室』収録の『きりきりまいむ』をパンクに変換したような曲。軽快な電子音が印象的。
石井の中で“パンク=ギャグ”という公式でもあるのだろうか、Aメロで「猿です。」を連呼したと思ったらサビでは「ナウナウ ナウナウ」などと合唱しだす始末。
カリガリのこういう“聴き手をおちょくるようなテンション”が苦手って人、多いかも。
全体的にベースが尋常じゃないレベルで暴れまくっているが、Bメロからサビへの繋ぎの部分は本当に凄い。
9.シャ.ナ.ナ ★★★★☆
とことんペケペケペラペラにしたギターの音色が印象的なビートロック・・・というより後期DEAD ENDに近いか。
間奏がやたらとかっこいい。ドラムも大迫力だし。
それにしてもこのスネア、80年代のビートロックにありがちな「あの」音色そっくりである。
ドラムチューニングを担当したのはPlastic Treeを脱退したばかりのササブチヒロシ。
10.スクールゾーン ★★★
桜井王道の懐古主義的路線の曲で実際昔からあった曲らしいが、サウンドを80年代ビートロック仕様にしてアルバムに溶け込ませることに成功。
くどすぎず、あっさりしているのも好印象。ただ往年の桜井の曲と比べても、メロディーが弱い気が。
11.電気睡蓮 ★★★★☆
某雑誌のレビューにもあったが、“中華エレクトリックパレード”風味。
中国の音階も導入しているそうだが、中国の伝統音楽についての知識は無いのでコメント不可能。申し訳ない。
小学生でも歌えそうな優しいメロディーラインと桜井による文学的な歌詞が印象的だ。
なぜ中国なのかはわからないが、“原点に返ること=中国に帰ること”だと自分は解釈した。
中国の売春婦の歌だという説も。
総評.★★★★
2003年に無期限活動休止をしたカリガリの6年ぶりの新作。
とはいえメンバー間でも活動再開は想定外だったそうだから、事実上の再結成作である。
普通再結成作というと、過去の自分達の再現に終わるケースや同窓会的なノリ似終わってしまうケースが多い中、彼らが提示したのはあくまで前作の続き。
しかも前作では死にかけていた“バンドとしての一体感”も兼ね備えて。
前作はニューウェーブへのオマージュがメインだったが、
今作のテーマは推測するにcali≠gariの音楽性を形成する石井と桜井の原点である80年代ニューウェーブへの回帰。
CDのとある面に書いてある「子供のころ、こんなアルバムが聴きたかったっけ」という文章もそれの暗示だろう。
そう考えれば、80年代の遺物として扱われがちなビートロック(10曲目など)の存在も納得できる。
ビートロックってもともとはニューウェーブの流れに歌謡曲等が混ざったものだから。
ネオ・ナゴムとも呼べる初期のファンやとにかくあらゆるジャンルに手を出していたメジャーデビュー当時のファンからは物足りないのかもしれないが、
新たにニューウェーブバンドの異端児としての新たな魅力を提示した名盤。もしも新しくカリガリを聴くなら、このアルバムからいかがですか?

(後述レス)
改めて聴いて思ったが“ベースの効きまくったサウンド”や“意味無さげで有りげなクレバーな歌詞世界”といったこのアルバムの個性は、
2009年の音楽シーンの主流であるケータイ世代のラヴソングのアンチテーゼになっている気もする。
そういう意味では常にアンチであり続けるという彼らの姿勢は何も変わっていない。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。作詞・作曲者情報は省略しました)

Reviewer:23rd. 262-263 名無しのエリー2010.03.28.

1.反ッ吐 ★★★★
「ヘッド」と読む1分30秒の小曲。
跳ねる強靭なリズムとリフで引っ張り、歌詞も「ヘッド」を多重録音のコーラスで繰り返すのみだがかなりのインパクト。
オープニングとしては過去最高の高揚感。
2.マネキン ★★★☆
前曲からの繋がりがスリリング。ジャケットやPVが作られたことから考えるとこれがリード・トラックか。
グロかった初期cali≠gariを髣髴とさせる曲調であると同時に、上田剛士が紅麗死異剛市だった頃のMADにもリンクしている気が。
ただパンクっぽいものの、Aメロ等での整理されたギターワークにパンクの衝動性はあまりない(否定の意味合いではなく)。
雑誌での発言によると歌詞は○○党批判だとか。
「マネキン、マネキン、マネキン、マネキン。」と叫ぶサビが嫌でも頭に残る。
3.散影 ★★★★★
復活以後のcali≠gari王道といえそうなややへヴィーかつダンサンブルなロック。イントロ等のシンセの音色が独特。
Aメロ→Bメロ→Cメロ→Bメロと引っ張った後のサビ2連発がとにかくキャッチー。
語感を重視しもはや呪文のようになってしまった歌詞も、メロディーのよさを巧く引き立てている。
そしてこれだけてんこもりであるにもかかわらず2分57秒というコンパクトぶりも凄い。
4.新奇テキスト ★★★
Aメロこそ変な掛け合いがあるものの、サビはメロウで洗練されたダンスチューン。
ちょっとあっさりしすぎな気もするが間奏でのスクラッチっぽいサウンドの展開等は斬新。
5.オーバーナイト ハイキング ★★★★☆
80年代のニューロマンティック勢のようなミディアムテンポのエレポップ。
ドラムまで打ち込みだが、その無機質なリズムが哀愁漂うメロディーとうまく調和している。
石井とは対照的に詞に意味を重視する桜井ならではの歌詞も素晴らしい。
6.クロニック ダンス ★★★
タイトルの印象とは裏腹に『Shambara』期のDEAD ENDあたりのパロディーともいえそうな…当時の言い方をすればポジティブパンク。
ギターリフにとどまらずツインギターのハモリのいわゆる泣きのギターソロまで、正直ここまで再現するとは驚きだ。ってか遊びすぎだろw。
それぐらい今の彼らにはそれだけ余裕があるのだろうし、同時にこうした遊び以外にやることがなくなってきたのかもしれない。
(期間限定復活だったとはいえ、“消費期限切れ”した理由は「ネタ切れ」だとしている。)
総評.★★★☆
期限付きで復活したcali≠gariの今度こそ正真正銘のラスト作(たぶん)。
今回は“チビ・アルバム”ということで、メイン・ソングライターである石井秀仁と桜井青の楽曲のみで構成されている。
(1,3,4が石井作で、2,5,6が桜井作) アヴァンギャルドではあったが全体的にポップだった復活作『10』で出し損ねた部分をまとめたそうで、
その結果インディーズ期の彼らにあったアングラな空気が再び高次元で復活。
それでいて1曲ごとのクオリティーは『10』以上。よりアグレッシブでよりキャッチー。
これならば現在のファンはもちろん、昔の彼らのファンも納得であろう。
6曲という収録内容の少なさゆえにかなり物足りなさは残るが、正直この1枚だけでもcali≠gariというバンドがかなり掴めそう。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)