Reviewer:24th. 504-507 名無しのエリー2011.01.29.
1.三村エレジー ★★★★☆
Aメロのスッカスカのアレンジが印象的なオープニングトラック。
v
この曲は節回しが沖縄言葉気味なのだが、沖縄言葉は割と拗音が混ざる(「豊見城」が「とぅみぐし(ゅ)く」くらいになる)ので幼さを感じさせる。
Coccoのイメージとはちょっと違うかも。
サウンドエフェクト的な音遊びも多めで一風変わった曲。…かと思いきや時折真面目になったりして意味わからん。
サビは「エレジー」らしく重厚なアレンジになるし。展開が目まぐるしい割に3分で終わるコンパクトさが驚き。
歌詞は深読みすれば沖縄と本土の関係くらいに読めそうだが、詳しくはわかりませーん。
2.ニライカナイ ★★★★★
もう冒頭の掛け声から星5つ付けようと決めた力強い曲。
Aメロもなかなかパワフルで、サビにでも流用出来そうなメロディでこの先どうするのかと思いきや、サビの爆発力に感服。
長い音符を伸びやかな声で歌い上げ、合間にベースが顔を出す構成もカッコイイ。ギターはリフを弾き通しだが、いい安定感。
Coccoらしさという意味では他の追随を許さず、他のどんなアーティストにも歌えない楽曲に仕上がった。
あ、でもドラムのハイハットが割と邪魔。そんなにベッタリな8ビートか…?
3.蝶の舞う ★★★
古めかしいマイナー調ヘビーロック。
Coccoはビブラートで技巧的に攻めることはできないものの、その分を押し切るには十分なまでの声量がある。
この手の曲ではそっちの攻め方が間違いなくプラスに出ているため、十分に聴ける曲。
メロディだけ聞けば相対性理論みたいだが、アレンジと歌い方が正反対。そのことに気づくとちょっと笑えてくる。
4.Spring Around ★★★
打ち込みテクノなかわいい曲。
メインフレーズがキュートな電子音だが、時折濁ったギターが首を突っ込んできたり謎のキメが入ったりと簡単な編曲には留まらない出来。
歌詞は結構直接的にエロくてその噛み合わせにビビる。
Bメロが「ロコローション」のサビみたいで、編曲がRYUKYUDISCOというのは変な縁…いやなんでもない。
5.玻璃の花 ★★★☆
しっとりめのバラード。
言うなれば中島美嘉とかそういう路線の曲だが、もっと発声がしっかりしているのであまり湿っぽくならない。まぁこの曲は歌詞前向きなのでいいんだろうけど。
その割に声の張り上げ方がワンパターンというわけではなく、うまく逃げているのは好印象。
Dメロの展開から間奏までに一ひねりあり、定型テンプレートなJ-POPからは逸脱している。今まで全部そうだったせいかだんだん疲れてくるが。
6.4×4 ★★
今度はアコースティックギターの弾き語りのような曲に。昔のBONNIE PINKとかそういう感じ。全英詞。
英語の発音は悪くないが、わざわざCoccoがこういう曲をやる必要があるかは疑問。しかもハ長調なんで、単純すぎて飽きが早そう。
7.のばら ★★★☆
再びTr.4路線。もっと陰がなく明るい。
とか思ってたら「Mama,Papa,(中略),and my lover さよなら forever」とか歌ってる。怖っ。
しかもご丁寧にそれに合わせてバックがぼっかり止まるし。まさかのダークさ。
そう思うとアレンジとか歌詞とかが全体にどことなく空虚に感じられるような…?
8.十三夜 ★★★
ヒップホップというかダンス系というか、SPEEDみたいな遅めのシンセが印象的なイントロとヘビーなギターのサビの対比が面白い一曲。
歌詞の言葉のひとかたまりを一気に歌い切るメロディもスムーズ。
ただコードとか展開は実に普通。箸休めにするにはちょっと重い。
9.Light up ★★
ワルツのリズムな物悲しい三拍子曲。フルートとギターが飾り付けに奔走している。
曲が後半になるに従ってごちゃごちゃするのが個人的に好かない。
10.クロッカス ★★☆
引き続き三拍子。Tr.9と違ってアイリッシュとかケルティックとか牧歌的な出来。
使用楽器も少なく曲の構成もすっきり。重い曲が多かっただけにこの位置にこれはありがたい。
11.Stardust ★★★★★
壮大な疾走系ピアノロック。WEAVERほどピアノが前に来ていないが、その分出るところが出ていてかっこいい。
オープンハイハットがバシャバシャ鳴ってるのも音の響きを生かしていてGood。
そしてこの歌唱力。非の打ち所がない一曲。
12.あたらしいうた ★
ストレートなギターロック。一発録りだろうか。ちょっとテンプレすぎる。
スタジオミュージシャンとか使って技術的には申し分ないが、大して技術を誇る系の曲でもないので加点要素にはしにくいかも。
13.カラハーイ ★★★★★
またヒップホップかよ、とか思ってるとビビるかも。ヒップホップ系の部分と直球ポップスをいったりきたりするアイデア勝負な曲。
というかその二つの繋ぎかたが強引極まりなく、実にバカっぽい。とってもバカっぽい。あとあのストリングスは絶対弾きたくない。
最後の盛り上がりとか考えるとこれがクライマックス。でももうちょっとだけ続く。
14.絹ずれ ~島言葉~ ★★★★
概ね大半の人のCoccoのイメージ通りのロック系の曲ピアノ入り。
タイトルの通り、最初から最後まで沖縄言葉での歌唱となっている。聴いても全くわからない。
サビのラストが導入と同じ形をしているため短いサイクルで何度もサビが回ってくるように聞こえる。
結果的にアレンジの重厚さの割にコンパクトな仕上がりになった。
総評.★★★★
Coccoの7thアルバム。エメラルドというタイトルだが、かなり暗い光を帯びたイメージ。宝石ってより海の比喩とかみたいな。
多数のアーティストが編曲に携わっているため曲の幅は広め。その中でも結構しっかりしたアレンジ・構成の曲が多い割に後味がさっぱりしている。
曲順の勝利か。埋もれてしまった曲もいくつかあるが…
単曲で全くといっていいほど歌詞に触れなかったが、これが割と直球で恐い。比喩とか使ってるはずなのに直球。恐い。
世に沖縄っぽさを小手先でとってつけるアーティストが多い中、方言指導までつけて(といってもCoccoの父だが)曲を歌い上げるスタンスは稀有。
歌唱力はもちろん言うことなし。ガッチリした女性ボーカルものが聴きたいあなたにオススメ。
Coccoアルバム初聴の自分でもこれCoccoっぽいな、と思える要素が多かったので、きっとCocco入口にも向くはず。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)