アルバム全曲レビュー * アーティスト名 : でっど・えんど。

Reviewer:22nd. 482-484 名無しのエリー2009.12.04.

1.Embryo Burning ★★★★★
開始1フレーズでDEAD ENDの世界に引きずり込まれるオープニングナンバーにこれ以上ない曲。
燃えさかる胎児=魔人の子。BLACK SABBUTH的な暗黒HR。スリリングなイントロが感情を昂らせ、そこにMorrieの激情ボーカルがはいってくる。
ギターソロは涎もの。でも後ろで暴れてるドラムがもっとヤバイ。
2.Junk ★★★★
乾いたリフが特徴的なDEAD ENDには珍しい?アメリカンなHR。
一曲目であんないかにもな様式美メタルを聴かせた後にこんなグルーヴィーなHRをこしらえてるなんて…
DEAD ENDの新たな一面を見せた曲。
3.Night Song ★★★★
メタルと言うよりも、横ノリの激しいビートロックみたいな。
ゴリゴリの音で軽快なフレーズを弾くベースが主役。ソロまでとっちゃう。リズム隊の合間を縫う美味しいギターも良い。
4.Serpent Silver ★★★★★
おそらく多くの後続バンド(所謂V系)がかなりの影響を受けただろう曲。
バッキングもソロもアルペジオもV系ギタリストお手本のような王道プレイ。コーラスワークなんかもLUNA SEAあたりがもろに影響受けてそう。
5.Psychomania ★★★★★
ドラマー涎モノの一曲。細かいハットプレイとタイトなスネアの絡みがたまらん。これぞ湊。
最早リフとも言えるような動くベースライン。そんなキワモノリズム隊の上で弾きまくるギター。
演奏の密度が濃すぎて、濃いMorrieまでもが隠れがち。
6.Luna Madness ★★★★
今回のアルバムでは少し他の曲の雰囲気とは毛色が違う。
DEAD ENDは次のアルバムでは従来のメタルを完全に捨てて、ポップス、ニューウェーブ、メタルなどを合わせて昇華したような、よりオリジナリティ溢れる路線へ進む。
今作でその兆しが見えると言えば、この曲だと思う。
よりメロウで、洗練されたメロディとアレンジ。岡野ハジメの影響が特に見られる曲。
7.Blind Boy Project ★★★★
スタイリッシュなメタル。と言っていいのかはわからんけど、以前のおどろおどろしく激しいメタルとは違う感じ。
YOUの泣きギターが沁みる。
8.Blood Music ★★★★
裏ノリのブラック・ミュージック臭も少し漂う。これまた新境地的な。
メロディアスさが売りでもあるShambaraにおいて、Night Songと双璧を担うリズムが前面に押し出された一曲。
Night Songがベースが生み出すリズムの妙なら、こっちは湊のハード&タイトなドラムが生み出すリズムの妙。
9.Heaven ★★★★
エレアコのバキバキしたバッキングとチェンバロっぽい音色のギターが織り成すチベット的な、
ホーミーが聴こえてきても何の違和感もなさそうな雰囲気の中で、Morrieが神の啓示を高らかに言い上げるように歌い続ける。これまた異色な曲。
10.I Can Hear The Rain ★★★★★
そして最後にこれ。イントロからすでに超泣きギター。
さも雨のような冷たい音色のアルペジオとJOEには珍しい終始ルートに徹したベースと
機械のように無機質に叩き続ける湊のドラムが愁いを帯びたMorrieのボーカルを引き立たせる。
YOUの超名演ギターソロから畳み掛けるような展開と『I Can Hear The Rain』を叫び続けるMorrieとで最高のカルタシスを得られる。
ギターのアルペジオだけになり、それがフェードアウトしていって幕引きと言うのも余韻を残すという面でかなり効果的。
総評.★★★★★
DEAD END復活記念に、3枚目のアルバムで個人的超名盤のShambaraを。点数高すぎかなとも思いましたが…w
前作まではまぁ王道的ジャパメタなのかなという感じだが、今作ではジャパメタという枠から完全にはみだしている。
『新しい』や『従来と異なる』という言葉を多用したが、引き出しの数が圧倒的に増えた。被ってる感じの曲が本当に一曲もない。
その辺の功績は岡野ハジメの手によるものなんでしょうね。
彼がこの後、L'Arc~en~CielやLa'cryma Chrsiti、Janne Da ArcらDEAD ENDチルドレン的なバンドのプロデュースを引き受けていくのに
このShambaraが関係しているという事は容易に想像がつきます。
因みに次回作では作曲も担当して、ビートルズにおけるジョージ・マーティンのような一身一体の関係に。
元々、YOUが『歌謡界に進出したい』と言うほどのメロディアスさを持つバンドだったので、アレンジの幅が広がってただのジャパメタじゃないという事で、
元々のメタルバンドとしてのDEAD ENDファンよりも普通の音楽ファンにウケたというような事も。
因みにこの次のアルバムは、更なる変貌を遂げて、『これこそ最高傑作』と称賛する人と『これはDEAD ENDではない』と驚愕する人が二分するある意味問題作に。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)

Reviewer:11th.488-489 名無しのエリー2006.02.10.

1.I WANT YOUR LOVE ★★★☆
yukihiro加入後のラルク(特に"New World"辺り)を思わせる軽快なポップソング。
タイトルにもなっている「I WANT YOUR LOVE」のフレーズを終始しつこいくらいリピートする。
2.SLEEP IN THE SKY ★★★
前作までのダークなDEAD ENDの面影を残す数少ない曲。
後年続々登場した後輩バンドのお手本になっていったと思われる、ヴィジュオタの自分にはかなり既聴感が強いミステリアスな曲調。
3.BABY BLUE ★★
ハードロック? この曲もダークな頃のDEAD ENDを思わせると言えば思わせる。
サビがいまいちかっこよくない、と言うか曲のアタマに持ってくるにはいまいち合わない。
ヴァースが入るまでは楽器隊のみで行ったほうが個人的には良かった。
4.SO SWEET SO LONELY ★★★
シングル。今で言うところのJanne Da Arcの"HEAVEN'S PLACE"っぽい温和なバラード。
DEAD ENDとしてはおそらく初めてメジャー感溢れるメロディを使用した、このアルバムの伏線と言える問題作。
5.CRASH 49 ★★★
妖艶なアルペジオを軸にして進行していく、前作の"LUNA MADNESS"の延長上の路線の曲。
とは言え同曲のようなズンドコな暗さ&怖さは希薄で、歌詞共々終末感を機械的に描いていく淡々とした冷たさが支配的。
6.TRICKSTER ★★
AC/DCそのまんまな、もっさりしたブギー調のロックンロール。チープな響きのギターリフが結構クセになる、かも。
7.HYPER DESIRE ★★★★
初期BUCK-TICKを思いっきしテクニカルにしたような、クセのあるメロディのビートパンク。
8.PROMISED LAND ★★★
トライバルなパーカッションと中東?調のギターをフィーチャーしたアヤしい曲。
相当ベタな曲調だが、そのベタさ故の如何わしさがいいのかも知れない。
9.I SPY ★★★☆
LAメタルっぽい。パワフルなリフで強引に攻め立てる懐かしげな80年代的ハードロック。
フィルインに挿入される速弾きやシャウトのみのサビが良い感じに大味さを引き立てる。
10.I'M IN A COMA ★★★★
4.のB面にも収録された後期DEAD ENDの人気曲の1つ。
そのまんま初期ラルクや初期黒夢を思い出されるヴィジュアル系黎明期型の耽美な曲。イントロのドラムスがさりげなく凄みを放っている。
11.もそうだがMORRIEの歌い回しが妙にねちっこいのが難点。
11.SERAFINE ★★★★★
ミディアムバラード。
踏み締めるような重量感のあるリズムの上にクリーントーンのコード弾きが重なりその上に更に独特の単音リフが乗る。
展開にあわせて目まぐるしくギターが変化していくのが非常に面白い。
(ライヴでは音の少なさから忙しなさばかり目立ったがorz)
総評.★★★★
数々のヴィジュアル系バンドのルーツとされるジャパメタバンドDEAD ENDの1989年発表のラストアルバム。(通算4枚目)
ホラー・猟奇テイストに満ちたグロテスクな雰囲気のハードロックで知られていたバンドだが、
このアルバムではハードロックを基盤にしながらもパンクやニューウェーブ等様々な路線を大々的に採り入れ
それまでのDEAD END像とは明らかに異質な音楽性となった。
また、歌詞も直接的なグロフレーズをほぼ全廃したより多様な世界観へと変化している。
今となっては流石に古臭さを否めないところもあるが、後続バンドへの強い影響が随所で見え隠れするヴィジュオタ必携の1枚。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)

Reviewer:23rd. 5-9 名無しのエリー2010.01.13.

1.摩天楼ゲーム ★★★★★
出だしからYOUのギターが全開。
Bメロが一気に盛り立て、サビはYOU本人がDEAD ENDを形容するように『妖艶でおどろおどろしい、かつポップなロック』な感じに。
以前ほど印象的なフレーズこそないが、相変わらずの攻撃的なバッキング、叙情的なソロとYOUの健在っぷり。
そしてZERO以前(もっと言えばSHAMBARA以前)のHR/HMバンド、DEAD ENDへの回帰を果たしたとも言える曲。
やっぱり1曲目からキラーチューンをぶっ放すバンドだ。外さないね。
2.Dress Burning ★★★
一曲目からなだれ込むように始まるアッパーな曲。
ヴィジュアル系っぽい感じが少しする。今までありそうでなかった曲じゃないかなぁ。
なのに新鮮味がないのはやっぱりヴィジュアル系っぽいから?
1曲目の勢いそのままに突き抜けれる感じ、曲順でより良く聴こえる気はする。実際、個人的にはあんまりこの曲自体では聴かない。
3.テレパシー ★★★★
『Junkだ!!』と思わず言ってしまった。この裏ノリが気持ち良い。
表のタンバリンの音が凄い軽いから、裏のフロアタム+スネア?の重い音がより強調されて気持ち良い。
超薄ピックをしならない様に深く持って弾く事から生まれるJOEのアタック感がありながらも、倍音の多く含まれる硬く深みのあるベースが最高。
少しオリエンタルなメロディもリズムにハマってる。
4.Devil Sleep ★★★
2ビートの高速ナンバー。とにかく湊が頑張る。リズムマシンの如く叩き続ける。
これもちょっと変わったメロディ。迫るようなボーカルのMorrieもいい。
ある意味、実験的な曲。
5.神猿 ★★★★★
DEAD ENDの新境地。個人的には今作のハイライト。ダンスミュージックのようなリズムにゴシックな雰囲気。
物凄いグルーヴィー。自然に体を揺らしたくなる。間奏ではMorrieのラップ(っぽいもの)も。
DEAD ENDじゃねーよ!と言いたくなりそうだけど、でも確かにDEAD ENDっぽさもあるんだよなぁ。
この退廃感というか…たまらん。
この曲で『また新しい事を…。やっぱり凄い』とDEAD ENDというバンドを再び見せつけられた気がする。
6.擬似ヴィーナス ★★
バックはシンセだけのギターの二重奏。そこにエコーをかけたMorrieのセリフが入る小曲。
7.Princess ★★★★
前曲のMorrieのセリフが終わるやいやな爆発的に始まる。これもBメロからなだれ込むように妖艶でキャッチーなサビに入る。
良い意味で自由奔放で爆発的なドラムが曲をガンガン前に推進する。
叙情的なギターソロが代名詞だったYOUのまさかのワウを全面に出したファンキーなソロは驚いたけど、個人的には今作で一番のソロだった。
8.Guillotine ★★★
USハードロックのようなリフとバックビートの絡みに自然とヘドバン。
掛け声に叫ぶサビといい、挑発するようなセリフっぽいAメロといい、Morrieは演奏に乗せて歌うというよりは煽るような形。
個人的には演奏、特にギターリフで押し切る半インスト的な曲という認識。
9.Kill Me Baby ★★★
DEAD LINE期を匂わせるリフのイントロが最高。
その勢いのまま突き進むのは良いが、個人的にはサビがちょっと、ありゃ?って感じ。
ソロはまた昔っぽいHR/HMな感じ。一番昔っぽいと言えば昔っぽい攻撃的な曲。
現実的な歌詞、起こった事をそのまま歌詞する事を好まないらしいMorrieの作詞スタイルだけど、この歌詞のテーマの元々を辿れば夫婦喧嘩らしいw
10.冥合 ★★★★★
これも今までのDEAD ENDとは違う、9分強に及ぶプログレ的壮大ロックバラード。轟音と静寂、叙情性に溢れるギター、大仰だが繊細。
無意識の内に一つに合するという意味を持つタイトルに相応しく、曲の中に吸い込まれていくような雰囲気。
最初はメロディが異邦人に凄い似ていたらしく、Morrie本人も気づいて、『どうやってもあの曲には勝てない』とメロディを作り直したエピソードも。
でも、この曲のメロディも異邦人と同じようにとても感情的なメロディになっている。
総評.★★★★
約20年ぶりに再結成したDEAD ENDの新作である5thアルバム。
Morrieのソロプロジェクトでメンバーそれぞれが参加した事をきっかけに起きた、まさかの再結成。
全曲、YOUが作曲でMorrieが作詞という形で1週間で10曲全てをレコーディングするという超短期日程。
4人がそれぞれ自分らしくやって、その結果生まれたものがDEAD ENDの曲という意識は変わらず。
湊はインスピレーションを大事にしたいとレコーディングの2時間前に初めてデモを1、2回聴いただけで臨み、
Morrieも最後までいるわけでもなくすぐ海外に飛ぶなど、各々ソロ活動がある為に最後まで揃って作業というわけでもなかったらしい。
その辺はメンバー公認の5人目のメンバーである岡野ハジメが仕上げていったのだろう。
アルバム毎に作風が変わるバンドだが、今作は前作の出来るだけ音を削ぎ落としたスタイリッシュな作品とは真逆で、
1st~2ndの頃の激しいHR/HMへと回帰したような物になっている。
とにかく音が凄い。どんどんこっちに迫ってくるような圧力があり、インタビューでも音圧だとかサウンドメイクだとかはメンバーも自信を持っている様。
以前のオリジナルアルバムに比べると楽曲の出来は落ちると思うけど、
今までの作品をなぞるだけでなく、新たなDEAD ENDを見れたという事で良かったと思う。後追いとしては復活しただけで最高ですがw
『来年もアルバムを出したい』『DEAD ENDはずっと続く』という旨の発言もあったので、これからに期待。
因みに所属事務所フェスでの復活ライブには湊は参加したが、単独ライブには不参加でLUNA SEAの真矢が代わりを務めた。
ライブにはラルク、清春、ルナシー、ラクリマ、ディル…などDEAD END影響下にある人間も集まったらしい。
勿論ファン感情もありますが、個人的には2009年の1枚を選ぶなら、やっぱりこのアルバムです。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)