Reviewer:11th. 838-841, 854, 856 (名無しのエリー)2006.03.15.
1.酩酊フリーク ★★☆
3rdの最後に、サックス等の装飾音が加えられた同曲の再録版が収録されている。
1stの方がギターの主張が強く暴れ気味でドラムがややルーズ。downy流サイケの提示。
2.野ばなし ★★
初期ドラマー芳賀の手癖なのか青木の指示によるものなのか、1stのドラムは手数が多目。
そういうゴロゴロとよく転がるスネアが特徴的な軽快な曲。
3.昭和ジャズ ★☆
不穏な通奏音に、ポリリズム的なミュートギターがガッガッといびつに引っかかってくる。
ハイハットが延々と7分(の奇数拍の変拍子)を刻むが、曲後半にそれがクラッシュシンバルに変わる展開が肝か。
4.左の種 ★
淡々と曲が進行するが、途中で挿入されるギターが歪みながらぐしゃぐしゃと崩れていく。
青木の歌唱も悲痛な叫びに変わり、盛り上がった所でいったんリセットされて繰り返し。
5.狂わない窓 ★★☆
トレブリーな尖ったベースがジグジグと子気味の良いフレーズを奏でる4/4+5/4拍の曲。
その上を、ややディレイのかかったアルペジオと断片的な青木の声が漂う。
(補足:この曲、ヴァース部はドラムが変拍子っぽいですがベースを聴くと4/4拍。で、コーラス部はアルペジオでわかりやすいですが、5/4拍です。)
6.アンテナ頭 ★★
アコギの響きに感情を委ねて7分間まったりとしていると、唐突にずっしりと他のパートが重なってくる。
静9:動1のようなバランス。9分近い長尺曲。
7.62回転 ★☆
左に位置するザグザグと乾いたストロークと、右に位置する潤いのあるギターが対称的
タイトでシンプルなドラム、これは2nd以降の音を予感させる。ベースはひたすらリフ。
8.麗日 ★★☆
眩暈のするようなトレモロのかかったストロークが奇妙でサイケデリック。
これに中ほどから登場するギターが奏でる音が加わると、かなり憂鬱さが増す。
9.脱力紳士 ★
ハット、スネア、ギターがエイトビートで刻む8分のリズムにせかされるようで不安になる。
常人なら、ここまで聴いたあたりでだいぶストレスがたまっていると思われる。
10.猿の手柄 ★★★★
ここまでの暗く単調な雰囲気から一転して、(彼らにしては)解放的な明るめの曲。
ベンズの頃のレディヘな感じというか。静かに昇りつめていくような高揚感を与えられる。
総評.★★★
以下、1st製作時のメンバー。全ての作詩・作曲は青木ロビンが担当。
G,Vo:青木ロビン G:青木裕 B:仲俣和宏 Dr:芳賀庄一朗 映像:セバスチャン
サウンドエンジニアは東芝EMIの斉藤匡崇。ナンバガとかアートスクールもやってる人。その辺のバンドのアルバムの音の質感が好きな人には合うかも。
マスタリングはorange代表の小泉由香で、この人もわりと有名な人らしい。
不特定多数の人に向けて★による評価を下すのは難しいバンドじゃないだろうか。
歌ものギターロックを聴きたい人、より激しさを求める人、実験的な音楽が好きな人、こういう人達が聴けばたぶん、単調で退屈で中途半端な音楽だと感じるはず。
詩はほぼ全て日本語で書かれているけど、何と言っているのかまず聴き取れないから、詩の内容に共感を得ながら聴きたい人にも喜ばれないだろうし・・・
彼らの音楽の単調さと暗さにシンパシーを感じるとか、あと単純に楽器の音が好きとかそういう人でないと、なかなか好意的には聴けないと思う。
なので★は少なめ。
あとアルバムの評価なので、映像面のコメントは無し。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)
Reviewer:5th. 169 (名無しのエリー)2003.07.05.
1.葵 ★★★☆
アルバム唯一の疾走感あふれる曲。ギターの轟音がたまらなく心地よい。メロディー・詩は切なく暗い。途中のブレイクがとても好き。
2.夜の淵 ★★★
ブレイクビーツ風。浮遊感漂う不思議な曲です。
3.黒い雨 ★★★★☆
名曲。これを聴いた時には鳥肌が立ちました。静→動の展開が多め。特に後半は圧巻でした。詩もすごい。
4.象牙の塔 ★★★☆
人気曲。メロディーがとてつもなく暗い。落ちてく感覚。ちなみにこれ初めて聴いた時、吐きそうになった。
5.三月 ★★☆
あんまりパッとしない曲。とにかくけだるい。好きだけど。
6.無空 ★★
重く暗い。聴いてて鬱になります。この曲は繰り返して聴けません。
7.犬枯れる ★★
これもパッとしない。三月とは違うけだるさ。
8.月が見ている ★★★
聴いてて胸が苦しくなります。ドラムが面白く、ベースも良いです。ラストにはもってこいの曲。終わり方が切ない。
総評.★★★☆
downy中で一番人気のアルバムです。初心者はこれから入ると良いです。
ポストロック好きにも聴けるアルバム。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)
Reviewer:11th. 842-843 (名無しのエリー)2006.03.15.
1.葵 ★★★☆
疾走する鋭いギターと、丸みを帯びた穏やかなリフのコントラストが美しい。
1stの"62回転"の構成をより洗練させたような曲。"象牙の塔"と共に強く印象に残るだろう。
2.夜の淵 ★★
downyのギターリフの旋律はどことなく和っぽさを感じさせることがある。
青木ロビンの歌を含め曲全体で聴くと無国籍風に聴こえるのだけど。不思議なバンドだ。
3.黒い雨 ★★
タイトで重いドラムの上に、激情的に掻き鳴らされるギターが唐突に挿入され、ふいに止む。
13分を刻むハイハットが繰り返されるという、ちょっと変わった変拍子。
4.象牙の塔 ★★★☆
性急に叩かれるスネアと、金属的な弦(?)の音が緊張感を漂わせる導入部が印象的。
葵と同様に殺伐とした曲だが、演奏と歌唱は常に冷静に一定のトーンを保つ。
5.三月 ★☆
奇妙で不吉。もつれて止まりそうなドラムの上を、淀んだ空気のような通奏音が漂う。
鈍いストロークが何度か鳴り、曲の後半に別のギターが加わり掻き鳴らされる。
6.無空 ★★
淡々としたブレイクビーツ風のドラムを深く響くギターパートが取り囲む。
音を詰め込み過ぎないバンドなので、個々のパートの質感や響きが際立つ。そこに耳を傾けてほしい。
7.犬枯れる ★
3/4拍のリズムにより他の曲との違いを与えているが、音色やフレーズは似たり寄ったりなのでいまひとつな印象。
この単調さが個性なのだが、やはり7曲目ともなると飽きるだろう。
8.月が見ている ★★★☆
ベースにアルペジオを譲り、控えめに装飾音を鳴らすギター。歌を主張させた構成。
メランコリックなメロディと、青木ロビンの声が絶妙にはまっている。
総評.★★★☆
以下、2nd製作時のメンバー。全ての作詩・作曲は青木ロビンが担当。
G,Vo:青木ロビン G:青木裕 B:仲俣和宏 Dr:芳賀庄一朗 映像:セバスチャン
1stにひき続き、エンジニアには斉藤匡崇、小泉由香らを起用。
1stから一年後、2002年5月に発売された2ndアルバム。彼らの残した4枚のアルバムの内、おそらく最も多くの人に受け入れられやすい作品。
1stは粗削りだし、静謐な3rdとハード&フリースタイルな4thもリスナーを選ぶだろう。
この2ndは、おそらく慎重に選び抜かれたであろう音によるシンプルな構成がある。
いわゆる一般的な歌ものロックの曲展開を小説で例えると、第1章から始まり、第20章までの起承転結の過程を緩やかになぞっていくわけだけど、
downyはその構成を分解して、第1章を4回→第5章を4回→第10章を8回→第20章を4回、それぞれ繰り返すというもの。
展開の前後が少しずつ連続しているのでなく、チャンネルを切り替えるように唐突に音が増えたり減ったりする。
このように、極端に単純化されたコピー&ペーストとフレーズの抜き差しで成り立つミニマルな構成は、テクノやエレクトロニカ的な手法だと思うのだけど、
これを生演奏でやっているのがdownyの個性であり、聴きどころではないだろうか。
個人的には、彼ら独自のサウンドはここでひとまず完成していると思う。
3rd以降は自家中毒気味で、音楽性に決定的な変化を感じない。
他に似たようなバンドも見かけないので、その個性を評価して総評には7点を与えた。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)
Reviewer:5th. 193 (名無しのエリー)2003.07.12.
1.鉄の風景 ★★
1曲目からかなり重いです。特にベースがヤバい。聴いてて気持ち悪くなる。廃虚にいる感じ。
2.アナーキーダンス ★★★
暗いけどなかなか良いです。少しダンスミュージックっぽい。
3.抒情譜 ★★☆
悲しいメロディーのダブ。歌声が悲痛で胸が苦しくなる。終わり方も切ない。
4.形而上学(メタフィジック) ★★☆
これも悲しげなダブ、ブレイクビーツ。"抒情譜"と同じ雰囲気です。詩が悲しげ。
5.暁にて… ★★
なんともいえない曲。歌声が切ない。
6.「 」 ★☆
意味不明です。次曲の前触れなのか...曲はアンビエント(?)。
7.苒 ★★★★
このアルバム一番の目玉。曲展開が素晴らしいです。すごく幻想的で、詩も切ない。サビには圧巻です。
8.月 ★★☆
レディオヘッドっぽい。静かで浮遊感漂うアンビエント。ラストの盛り上がりがなかなか。
9.酩酊フリーク ★★★
1stアルバムの曲をアレンジしたもの。ホーンが凄まじくダサイですw それを除けば良曲です。ロビンのシャウトがかっちょえー
総評.★★☆
なんと今回は打ち込みになってます。なので音響系なサウンドになっています。
曲も全体的に重く暗いものばかり。好き嫌いが別れる作品です。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)
Reviewer:11th. 845-847 (名無しのエリー)2006.03.15.
1.鉄の風景 ★☆
青木ロビンのサイドプロジェクトである、dhalでやっているようなアブストラクト風。
massive attackを生演奏でやっているような、暗く冷たい音。
2.アナーキーダンス ★☆
ミディアム~スロウなテンポの曲が多いアルバムなのだが、これは性急なリズムの5拍曲。
凶暴なギターの旋律が部分的に抜粋、添付されリフとして淡々と繰り返される。
3.抒情譜 ★★☆
以前のアルバムでは他のパートに埋もれがちだった音が、この3rdでは前面に出てきている。
それは、歪めていないクリアなトーンのギターのアルペジオや、青木ロビンの歌だ。
4.形而上学 ★☆
ペシペシとタイトでミニマルなドラムを芯に据えた、"鉄の風景"と似た不穏な生アブスト。
ドラムが他のパートに対し控えめなのだが、これはアルバム全体に言える特徴だ。
5.暁にて… ★★
淡々と鳴り続けるクリアなアルペジオに、重厚なストロークが重なったり消えたり。
静かな曲の多いアルバムなので、この曲の重さと"アナーキーダンス"の性急さが目立つ。
6.「 」 ☆
暁にて…と"苒"の間を繋ぐインタールード。楽曲としては特に良くも悪くもない。
大気の音のような低い通奏音に、断片的な音と青木ロビンの囁きが加わる。
7.苒 ★★☆
しっとりと美しいメロディに、歪めたギターとアルペジオが加わり、鈍さと鋭さを同時に与える。
2ndの"葵"をしなやかに、優しくアレンジしたような構成だ。7/8拍の変拍子。
8.月 ★★★
downyの楽曲の中でも、特に美しいメロディを持った曲のひとつではないだろうか。
いくつかの丸く優しいシンプルな旋律と、消え入りそうな声の青木ロビンの歌。
9.酩酊フリーク ★★
1stに収録されていた同曲の再録版。
サポートメンバーによるサックスの他、装飾音が加えられているが、基本的な曲の展開やアレンジにあまり変化は無い。
総評.★★☆
以下、3rd製作時のメンバー。全ての作詩・作曲は青木ロビンが担当。
G,Vo;青木ロビン G:青木裕 B:仲俣和宏 Dr:秋山隆彦 映像:柘榴
ミックスとレコーディングのエンジニアにDJ KRUSH等を手がける三好敏彦を起用。
M-7には1st,2ndに引き続き斉藤匡崇、他サウンドスタジオのスタッフ等の参加もあり。
2003年5月発売。この時期のdownyは、1年毎にアルバムを製作し発表し続けていた。
2nd発表直後に脱退した芳賀(Dr)に代わり、サポートメンバーとして参加していた秋山隆彦が正式メンバーとして加入。
映像担当のセバスチャンと柘榴の交代劇もあり、バンドにとってのターニングポイントであったと思われる。
3rd以前に作り上げた音楽性を踏まえ、静的な面を拡張して作られたアルバムと言える。
各パートのフレーズや音の抜き差しのパターンは、以前のアルバムと変わりないが、空間を埋め尽くすような歪んだギターの音が退行し、
青木ロビンの歌が前に出てきているので、声質やメロディを重要視して聴く人には向いているアルバムかもしれない。
その反面、ロックバンド的なダイナミズムが(M-9という例外があるにせよ)かなり抑えられているので、
他のアルバムを先に聴いてdownyに好感を持った人には、この3rdは、特殊な印象を与えるだろう。
打ち込みも使っているらしいが、どれがその音なのか確信を持てなかったので、それについては言及していない。各自で判断してほしい。
生音を加工して切り貼りしているのか、打ち込みによるシーケンスなのか判別できず。
downyのアルバムはいつも後半でだれてくるのだけど、その後半部分にM-8「月」を持ってきたのは上手い。
インタールードのM-6「 」もワンクッションとして効果的。
思うにdownyは、フルアルバムに10曲近い収録をするより、ミニアルバムに密度の高い曲を5~7曲程度収録した方が、
彼らの表現したい音のイメージがより印象的にリスナーに伝わったのではないだろうか。
ミニマルで暗鬱な曲を40分聴くのは少々退屈な時もある。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)
Reviewer:11th. 848-849, 852 (名無しのエリー)2006.03.15.
1.弌 ★★☆
何とも捉えにくい高速変拍子に乗せて、怒涛のように音が押し寄せてくる。
静謐で比バンド的だった3rdの音を覆す、強靭で圧倒的なバンド演奏。
2.△ ★★★
弌で高められたテンションを更に加速させるかのような、性急で激しい曲。
飄々とした歌とギターが、荒ぶる演奏を繰り広げるリズム隊と対照的。
3.underground ★★☆
前2曲から一転して、メランコリックなメロディの歌を主張させた緩やかな曲だ。
ハードでエッジの立った曲が多いアルバムの中、やや浮いた印象だが。
4.Fresh ★★☆
目まぐるしい展開のフリースタイルジャズ風。インプロ的なサックスも登場する。
仲俣和宏と秋山隆彦の、リズム隊によるセルフプロデュース。
5.漸 ★★
コーラス部分に、グランジやシューゲイザー的な激しい轟音ギターが重なってくる。
歪めたギターの音が好きな人には合うかも。6/8+5/8という変拍子だろうか。
6.サンキュー来春 ★★
ディレイによる残像をひきずる歌、ベースのリフと硬質なハイハットが印象的な16ビート。
どちらかというと淡々としたアレンジ。青木ロビンによるセルフプロデュース。
7.木蓮 ★★
サンキュー来春と同様に16ビートだが、こちらはややアクティブなアレンジ。
アルペジオが一定のトーンを保ち、たまに挿入される尖ったベースやギターが耳を刺す。
8.「」 ★
鍵のアタック感が生々しいピアノのリフと、4つ打ちの上で即興的にフレーズを展開するドラムによるインストゥルメンタル。
青木裕によるセルフプロデュース。
9.暗闇と賛歌 ★★
過剰に歪めたギターや複雑な演奏は登場しない、シンプルな16ビート。ハンドクラップが印象的。
「暗闇にはコオロギ」と歌われるのだが、チャリチャリと鳴るタンバリンの音がそれらしく聴こえる。
総評.★★☆
以下、4th製作時のメンバー。全ての作詩・作曲は青木ロビンが担当。
G,Vo:青木ロビン G:青木裕 B:仲俣和宏 Dr:秋山隆彦 映像:柘榴 sax:中村浩
ミックスとレコーディングに三好敏彦、松本靖雄(M-1,5)他、数名のエンジニアを起用。
マスタリングには、ハイロウズや小野リサ等を手がけるAudio Cityの北村秀治を迎えた。
なお、全てのアルバムのプロデュースはdownyによるもの。
2004年7月に発売された4thアルバム。この年の年末に彼らは活動休止を宣言する。
ライヴの数をこなしバンドのスキルが向上したためか、この4thではテクニカルな楽曲が多い。
聴きどころは何と言っても、ベースとドラムによる複雑で躍動感ある演奏だろう。
青木ロビンの歌もくっきりと聴こえるミックスになっており、2ndまでのインディー臭ささは消えた。
個々の楽曲のクオリティは鬼気迫るものがあるが、おそらく万人向きのアルバムではない。
また、演奏や音を処理する技術は向上しているが、基本的な楽曲構成は2ndからあまり進歩がないように個人的には思える。
このような理由から総評はややきつめに5点としておいた。
「ザゼンや54-71のようなストイックな演奏は好きだけど、より叙情的なメロディを持った日本語によるロックを聴きたい」
というような人に向いているバンドだと思う。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)