アルバム全曲レビュー * アーティスト名 : ふらんぷーる。

Reviewer:20th. 141-144 名無しのエリー2008.12.01.

1.花になれ ★★★
CMで大量オンエアされていたミドルテンポのギターポップ。しかしCMで流れてるのは実はBメロで、実際はその後にジャンヌダルクみたいなサビメロがくっつく。
Bメロが良いし、無い方がすっきりした気が。ピロウズの「CARNIVAL」みたいなギターリフが印象的。2周目Aメロのベースは意味不明。
ところでメンバー的にはサビをCMで使ってもらえないのは不満なのでは、と思ったらコレはメンバーの詞曲じゃなかった。
鳴り物入りの新人バンドが自作曲以外をプッシュしてくるのは不自然なような。
全体にシンセが主導権を握っているが、メンバーが編曲してないというのも…。
2.春風 ★★
またも他人に編曲してもらいました的な、バンドっぽくないミドルテンポのポップス。
メロディもアレンジも完全に一時代前のもので、しかも温故知新というわけでもなく、ただの古い売れ線。
これはこれで形になってはいるが…。スピッツの「楓」みたいなサビのコード進行が印象的。
3.Over the rain ~ひかりの橋~ ★
スキマの「奏」と尾崎の「I LOVE YOU」を足したようなAメロと、鬼塚が腐敗した世界に落とされそうなサビメロが印象的なバラード。
さらにミスチルっぽい、バンド無視の大袈裟なシンセアレンジが周囲を固める。それでも結局単なる演歌ロックになってしまったという残念な曲。
演歌ロックそのものが悪いのではないが、普通は歌唱力自慢のバンドが陥りやすい傾向のはずなのに彼らの場合は歌唱力が半端というのが謎。
曲名に「~ひかりの橋~」とわざわざ奥ゆかしい感じに銘打ってるのに曲中でまんま虹、虹言ってるのも…。
4.388859 ★
相川七瀬がブレイクアウトしそうな懐かしい感じのキメで入るミドルテンポの曲。ようやくバンドサウンドを前面に出した曲登場。
それにしても古めかしい曲。コード進行もフォーキーというか何というか。
AメロのラストからBメロ、サビとほとんど同じコードのセットを繰り返すのは確信犯なのか。だとしたら失敗では。くどい。
サビ前のキメの設け方も90年代前半のビーイング系という感じ。しかも連中のほうが歌上手いし、今は安く手に入るんだよな…。
ベースも変にカビ臭いセンス爆発。
5.Hello ★
一聴して一時代前のビート系という感じの曲。
しかし、センス的にはほぼ皆横並びだったが演奏はちゃんとしてたビート系のバンド達に比べると、彼らの演奏技術はちょっと。
バンドの音を合わせる部分が露骨すぎていちいち流れが止まる印象。アイデアもバンド始めたての子みたいな思いつき臭いものが多い気が。
やりたい音があるからプロになってるはずなのに、なぜ既存のアイデアに迎合して曲を仕上げようとするんだろう。
ベースは自分が弾けることをアピールしたかったのか、全体に大きく動き回っているが、
もっといいノリを出したいというよりは、リズムは踏み外さない程度でいいからギターみたいなフレーズを弾きたいといった感じで、まあそこそこ邪魔。
ボーカルもストレートに声をぶつけてくるというよりは、それっぽく気取って歌うスタイルなので、こうした曲を歌うとフワフワして軽い印象。
ドラムのセンスもオッサン臭い。
6.labo ★★
歌い方やメロディ、アレンジ、「です」の使い方に至るまでエンドリっぽい曲。
ツギハギ感全開の無茶なサビへのつなぎといい、誰が得をするのか分からない唐突な変拍子といい、彼らが最も影響を受けてるのはエンドリかも。
なぜか良くない所ばかり影響を受けてる気がするが。
サビのコーラスや、ベースボールベアーみたいなすっきりした間奏がいい感じ。高音で音量が小さくなってしまうベースが勿体無い。
7.LOST ★
V系っぽい歌謡ロック。この人達メロディメイクは駄目かも。今やるような曲なんだろうか。
メロディの間延びしたサビにはペンタ全開の詰め込みベースが。邪魔。ソロまで回ってきちゃってるし。
そして部分的に意味不明な変拍子。リズムで遊ぶことで、細かい演奏の不出来を誤魔化す意図だろうか。
どっちにしろドラムは厳しい気が。
8.未来 ★
さらにさかのぼって、80~90年代の邦楽売れ筋バラードといった感じの曲。普段何聞いてる人達なんだろう。
メロディの出来はなかなかにヒドイ。狩野英孝の即興曲レベル。もはや1曲目と別バンド。
トレモロのギターソロ、終盤のサビ繰り返しでの古臭いキメ、音符への乗せ方の悪い詞と、彼らの未来を勝手に絶望したくなる出来。
もはやわざとであることを願うのみ。
9.花になれ(instrumental) ★
1曲目のカラオケ。いらなくない?
10.Over the rain ~ひかりの橋~(instrumental) ★
3曲目のカラオケ。いらなくない?と言いたいところだが…むしろ歌いらなくない?
総評.★
2008年デビューの新人バンド中最も売れたバンド、flumpoolの1st。
音楽のルーツは10年以上前の売れ線歌謡ロックで、新人バンドの割には目新しい要素が無い。
かといって既存のもののいいとこ取りをして再構築するセンスに長けている訳でも、意図的にレトロさを前面に出してダサカッコイイ路線を狙ってる訳でもない。
誤魔化したかったけど地が出てしまった感じ。彼らが聴いてる音楽は、特に音楽に興味がある訳でもないその辺の人と比べても大差ないのでは。
提供曲以外は、サラリーマンが趣味でやってるアマバンみたいな凡庸な曲が並ぶ。楽器もあまり上手い方とはいえない。
ボーカルはロックバンドに不向きな歌い方だが、ソロシンガーとしても厳しい実力。
全体的に偏差値が低く、これといった見せ場がないが、
こちらで勝手に「逆に面白い」とネタ的に楽しむような極端なダメダメ部分もないので、別に聴かなくてもいい作品という印象。
シミュレーションゲームで手駒の余りになるザコキャラのような立ち位置。
この作品にもいい所はあるが、無理にこれを掘り下げるなら別のものを聴いた方がいいような。
今後の伸びしろも、期待する方が酷。自作曲を止めさせて、本間昭光でも付ければ別だが。
タイトルの「unreal」は「ありえないほど素晴らしい」という意味らしいが、確かにそこそこありえない作品。
総評.(イケメン嫉妬編)
露骨に顔だけバンドの彼らだが、注目すべきはメンバー全員後姿全裸のジャケット写真だろう。
峯田やオナマシならしょっぴかれる所業だが、彼らはこれをヒットに結びつけた。
実は止めた方がもっと売れたのかもしれないが、イケメンバンドマンのケツに何らかの需要があることは証明されたように感じる。峯田とflumpoolではやはり違う。
クマ吉君が公でケツを出すと通報されるが、よく考えるとプーさんなど下を穿いていた試しがない。そしてflumpoolの裸体もまた合法。
「ねえねえ、あのジャケ撮影の時ってさ、絶対お互いの…」「見てるよね~~!!」「品定めしてるよね」「ヤダ~~~~!!」という人達の需要に適う。
半端な顔だけバンドを蹴散らす魔性の戦略。次はケツメイシのライブDVDみたいなタイトルのアルバムになるんだろうか。
(★5個が満点。)