アルバム全曲レビュー * アーティスト名 : ひととよう。

Reviewer:4th. 11-13 名無しのエリー2002.12.19.

1.あこるでぃおん ★★★★ 元ちとせみたいな歌い方と言われてるが、これはそんな漢字がしない。淡々と流れるメロディと彼女の透き通る声がマッチした良作。
2.もらい泣き ★★★★★ 名曲。歌詞を見ると意外に情熱的な曲。ただ、やはりちとせッチックは拭えない。でも5点w。
3.sunny side up ★★
このアルバムとしては存在感に欠ける曲。決して悪くは無いが、何かが足りない曲。
バックコーラスのエコー掛かった声がちとせ調を上手くごまかしている感じがする。
4.イマドコ ★★ ここら辺ははもらい泣きのイメージで聴くと「おや?」と思う。こんなのもありだと思うが、彼女らしくはないと思った。
5.犬 ★★★ ちとせ声にロック調の曲。効果音なのか雑音がすごく邪魔だったけど、歌詞が良いので3点。
6.月天心 ★★★★ 最初と最後は中国語で歌われている。サビのリズムがなんとも言えない。伸び伸びとした聞き応えのある曲。
7.ジャングルジム ★★★ 詞、メロとも上出来だが、「sunny side up」と同じように存在感に欠けた曲。
8.心変わり ★★★ 言葉遊びが絶妙。しかし、ここで歌い方が椎名林檎っぽくなってるのは残念。
9.アリガ十々 ★★★★★ 親に宛てた歌だと思われる。歌詞が彼女のある事情と合わせると泣ける。このアルバムの中では一番の快作。
10.望春風 ★★★★★
なんとまあ、漢詩をカバーするとはw。
一分弱の短い曲だけど、アリガ十々の小さな余韻として感じが伝わってきた。空気みたいな曲だけど存在感のある良作。
総評.★★★★
ちょっと評価が甘々かな?(初めてなもんで。)
全体の感じは椎名林檎+元ちとせ÷2という感じ。色のある曲が多かったため、印象の薄い曲は、低評価に留まってしまった。
「犬」みたいな曲もあるから、「もらい泣き」のイメージで聴いてはいけない。元ちとせっぽいと書いたけど、元ちとせよりは聴きやすく透き通っている。
個人的に寝る前に聞けば良いかも。
所々の雑音と狙った感じの詞がうざく思える。しかし、そこをカバーした言葉遊びは陽水並に上手い。
最後に彼女は美人だと思う。
(★5個が満点。)

Reviewer:7th. 36-39 素人 ◆FvXh9qrGrc2005.04.06.

1.今日わずらい ★★★★
ピアノ主体の、静かめな曲。一青窈が得意とする(と思われる)切ないバラード。
アルバムの導入は成功していると思う。2番から入るデジタル音も良い感じ。
2.INTERLUDE(映画「珈琲時光」より) ★★★
初主演映画からの一コマ。母との電話の会話らしい。
これ聴くと演技力は大丈夫なのだろうか、ちょっと不安・・。
3.一思案(ひとしあん) ★★★★★
サビ以外は全部セリフ。びっくりした。しかし思いのほか言葉が素直に心にくる。
「実を結ばないことだらけの汗、が やっと やっとで沈丁花となって咲いた。うまれてよかった」という一文が気に入った。
メロディは井上陽水作曲。上がりきるかどうかのところで焦らされている感じで、癖になる。
4.いろはもみじ ★★★
この曲は現時点でどうも好きになれない。サビはいきなり音程が上がってびっくりした。
しかし「ハッ!」とする驚きでなくて、ただ「うわっ!」という感じだった。
5.面影モダン ★★★★★
シングル曲の「江戸ポルカ」と同じ感じがするが、「江戸ポルカ」よりも泥臭さがなく、スマートな印象。
6.うやむや ★★★
「金魚すくい」と同じ臭いがするが、こちらはよけいドロドロさが増した印象。
「うやむや むやむやむや もやもやとめて」・・洗脳されてる感じ。正直苦手。
7.金魚すくい ★★★★
いかにもウケなさそうな曲。良くこれをシングルにしたなぁと思う。
ボーカルのメロディラインをなぞる「3和音の着メロ」っぽいピコピコ音が好き。
歌詞は「金魚すくい」なのに終始無機質な音づかいで、それが意外に合っているから不思議。
8.江戸ポルカ ★★★★
一青窈の中で一番テンポが速く、ノリが良いと思われる曲。
サックス、トランペットがふんだんに用いられ、良い意味で古くさい。
9.大家(ダージャー) ★★★★★
2ndシングル。中国的な感じがするバラード。
上手く説明できないが、サビ後半(なんてひどい人生~♪)の部分でリズムが多少変わっているのが、アクセントになっていて良い。
「大きな家族」を意味するこの曲の歌詞は早くに亡くなった彼女の両親を歌ったものだと思われる。
どうでもいいが、某芸人がネタの中で彼女の父をおちょくってた。知らなかったんかな?
10.夢なかば ★★★★★
「江戸ポルカ」のカップリング。非常に爽やか。ドラマの主題歌だし、これをA面にすれば良かったのに。
恋愛(初恋、もしくはそれに近い恋愛だと思われる)がはじまったころの初々しさやみずみずしさ、純粋さがつまった曲だと思う。
11.ハナミズキ ★★★★★
おそらくはこのアルバム中もっとも認知度が高い。たぶんかなり売れ線を狙った曲。
ピアノの弾き語りから始まり、2番から最後まで盛り上がって、静かなピアノで終わるという、まあよくある構成。
サビが「瞳はダイアモンド」(松田聖子)を連想させなくもないがインパクトがあり、
歌詞も(ベタな感じもするが)良く、スタンダードになりえる曲だと思った。
完全に「もらい泣き」の人(つまり一発屋)だと思っていたが、この曲にハマりまくってしまい
(当時唯一この曲を聴く手段だった)ライブDVDまで買ってしまった自分はまんまと術にかかっているのだろう。
「一青窈らしくない」という意見もあるが、自分はこういうのもイイと思う。
総評.★★★★
期待通り。1stよりも聴きやすい曲が多かった。
半分以上既出曲なのはどうかと思うが、自分はシングルを持っていないし、一曲一曲がオリジナリティのある良曲だと思ったので満足。
「ほったらかしにしないでないで」「さらさらいや」「手々と、てとてとしゃん」などだんだん言葉遊びがエスカレートしてる気もするが、
曲が付くとほとんどが心地良いので問題なし。
いらんお世話だがこの後どうするんだろう。切り札のハナミズキも使っちゃったし、また売れる曲作れるかな
今気づいたけど「大家(ダージャー)」の歌詞がシングルと一部変わってる。「あの遊園地の観覧車」が「よみうりランドの観覧車」に・・
変えない方が好きだ。
(★5個が満点。)

Reviewer:11th. 80-83 名無しのエリー2006.01.09.

1.Banana millefeuille ★★★ ヒップポップ調のイントロ曲。サビ尻の「ひととYO!」がかわいい。
2.ホチKiss ★★★☆ かわいらしい系。何となく小学生の女の子なイメージ。
3.うれしいこと。 ★★★☆ ホチKiss歌ってた娘が中学生になりましたって雰囲気。初恋の初々しさかな?
4.かざぐるま ★★★★☆
どういう経緯か知らないが、母の演歌テープにこの曲が紛れ込んでいた…… 一気に大人っぽくなった。叙情あふれる良い曲です。シングル曲。
5.影踏み ★★★★ 言わずとしれたシングル曲。やはり叙情系。
6.指切り ★★★★☆ これも有名ですね。これもシングル曲か。失恋曲で、激しい感情を前面に表したタイプの曲切なさ全開。
7.アンモナイト ★★★☆ アンモナイトの韻の連続。相変わらず韻踏みは神がかっている。曲は普通かな。
8.Oh la la ★★ 1分30秒の小品。伴奏はアコギのみ。前後がパンチのある曲ならもう少し輝いて聞こえたような……
9.ピンクフラミンゴ ★★☆ 凡曲ですね。なんかヤイコっぽいんですけど。
10.& ★★☆ 口笛とアコギが伴奏の、まったりした小品。1分30秒。歌詞が45文字の、限りなくインストロメンタルに近い曲。
11.さよならありがと ★★★ 普通の一青窈節です。
総評.★★★
とらえどころのないアルバム。
1曲目が特徴のあるくせ者だったから、バラエティに富んだ楽曲をそろえてきたかと思ったら、2曲目から最後まで、しっとりと聞かせるタイプの曲ばかりだった。
前半の2~6曲までの流れはとても良い。ストーリーを感じられるし、曲もいい。
後半は蛇足。正直どうでもいいような曲ばかり。8曲目、10曲目とインストっぽい曲を2つ入れるのはどうよ?
7曲目以降は穴埋めに付け加えただけの印象が残った。
歌詞はどれも良い。低評価の曲も、歌詞だけはおもしろい。相変わらず韻踏みが抜群にうめぇ。
もし購入する機会があるのなら、歌詞は一通り目を通すことをお勧めします。

(後述レス)
・ちょっと気になって調べたのですが……
 お勧め度の高い2~6曲目は、すべてシングルに含まれています。シングルすべて買ってきてる人には物足りない出来かもしれません。
・初回DVDについて。
 シングル3曲分のPVと、ハナミズキ京都祇園ライブが入っています。出来がいいです。特に、ハナミズキライブは秀逸です。
 私はこのDVDに500円の価値を見いだしました。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)

Reviewer:11th. 288-291 名無しのエリー2006.01.23.

1.Banana millefeuille ★★★
一青史上最大の問題作?
打ち込みとヒップホップな電子音を重ねたハチャメチャなトラックに『はーい次君のばーん』って台詞とか
『あたしひととよーう!』みたいな掛け声(?)が入る。恐らくファンの間でも脱落者が多数出たんじゃなかろうか。
ただこれほどアレな曲に耐え切れた人はこの先の曲は全部受け入れられるだろうな、と思う。
(時期を狙ったワケではないけど、センター足切りみたいな役割?)
個人的には打ち込みが意外に重いのと、『ことばひとつ~あたしひととよう』の所の声の重ね方が面白くて好きですわ。
2.ホチKiss ★☆
ハナミズキやもらい泣きを書いたマシコタツロウの作曲。
快活で可愛らしい感じの曲・・・なんだけどアレンジがちとマズイかも。
パーカス系の音(打ち込みだけどね)がしっかりしてなくて、なんだか尻が落ち着かない感じ。
ちなみに編曲者は前曲の作編曲をやった人。前から割と出来不出来が大きい。
詞だけは良いカンジ。タイトルからしてアレだもんな。あなたと離れたくない私と、ものをくっつける役目のホッチキス、さらにKissをかけてる。
3.うれしいこと。 ★★
もらい泣きを書いた武部聡志のプロデュース。
コンタクトの宣伝で結構前からかかってるので、耳にした事のある人も多い・・・はず。あのまんまのイメージで曲が進んでいく。
作編曲は悪くないし、歌も詞も問題無いんだけどあんまり聞きたいと思わない。
理由は・・・普通過ぎるからかなあ。よく分からん。
4.かざぐるま ★★★★★
のっけからアレですが、名曲。映画『蝉しぐれ』イメージソング(主題歌でも挿入歌でもない)
『蝉しぐれ』の世界観に添いつつ、結ばれなかった二人を描いた詞は見事という他なく、良作の多い一青の詞の中でもトップクラスに入る。
曲調は和風バラード。ピアノとストリングスを基本に民族楽器的な音を絡めていく、武部聡志によるアレンジも素晴らしい。
2番直後の間奏は聴き所。胸に迫る切なさはある意味スリリング。
『ただとおりすぎただけ きみがまわるため』
そうか、君が元気にまわるために、僕はただとおりすぎるだけの風になっちゃったのね。
5.影踏み ★★★☆
手堅いバラード。生音っぽい。シングルの時は地味だな~と思ってあんまり聞かなかったが、この位置にきてすごく良い味出した。
クセがない分前曲より好きって人も多い気がする。
歌詞はノスタルジーをガシガシ掻き毟る系。『縄跳び放り投げて みつけた背中におかえりなさい』
6.指切り ★★★★
コバタケプロデュース。ロック+後半は少しジャズ要素が入るマイナーチューン。
衝撃の第一節目『あなたの為になら死ねると思った』
コバタケのアレンジって普通に完成度が高すぎてて、
歌うアーティスト自身が揺ぎ無い実力を持ってるとか、かなりアクの強い世界観を持ってるかでないと、
肝心要の曲がアレンジ負けしてしまうと思うんだけど(ex:最近のレミオロメン・・・と俺は感じてる。そう思わない人ごめんよ)
これは一青のアクの強い世界観がアレンジと上手く拮抗してて、かなりの力作に仕上がったと思う。
詞は地震への恐怖と恋心が揺れる恐怖を重ねて描き出す。『ゆれないで ゆれないで』と。
結局揺れちゃうんだけどね。恋心の方が。
7.アンモナイト ★★☆
明るいけどちょっと切なげなロックチューン。
独特の韻を踏むのが1つの特徴の一青の詞だが、今回の韻は『アンモナイト・なんもないと・愛がないと』。ちょっと陳腐?
なんもないとぐらいなら俺だって思いつけるぞ。
アルバム曲の中では割りと聞ける方。そしてこの辺から少しずつグダグダが始まる。
8.Oh la la ★☆
アコギ伴奏と歌のみの、1分30秒の小品。まったり気味。単体としては悪くない。
そういう割に評価が低いのはただ単に小品だから。
9.ピンクフラミンゴ ★
メロディといい、編曲といい・・・BONNIE PINKの駄曲みたい。・・・それだけ。
なんとなくtr.7アンモナイトとイメージが被る人が多いと予想。
10.& ★
一応タイトル曲。アコギ伴奏と歌。プラス口笛。1分30秒。小品。まったり。つまるところtr.8Oh la laと変わるところが無い。
これも単体じゃ悪くないんだけどなあ・・・・・・ああああああ
11.さよならありがと ★★★★
最近ミサワホームだか何だかの宣伝でよくかかってる、『また少ーしだけ君のことー』の一節が印象的なあの曲。
最後くらいはキチっといこうや、つーことで〆のバラード。武部聡志プロデュース。
恋の事を素直に歌った歌で、バラードの完成度としてはtr.5・影踏みを上回る。
シングルとして出していける完成度。やっぱりこの人はバラードが上手いんだよなあ。
総評.★★☆
楽曲の傾向だけを見ていけば流れは良いはずのアルバム。
ピコピコヒップホップから始まり⇒電子音ミディアム⇒電子音バラードと続き⇒
生音バラード⇒生音ロック⇒アコースティックなのも加えつつ⇒最後は必殺のバラードで締め。
それがこんな結果になったのは、明らかに作りこみ不足と言わざるを得ないかな。
曲数を減らして(特に2・9と、8か10のどっちか)新しいアプローチの曲を入れるとか、
曲順を変えてみるとか(それは良シングル曲連続の高まりがなくなるから駄目か)、方法が無かったもんかなあ・・・。
大体今回アルバム曲の幅が広いようで狭いもんね。そういう意味で2ndアルバム『一青思(ひとおもい)』にも劣る。
シングルA面曲の4・5・6と、最終曲11は本当にお勧め。シングルは全て持ってたのでこのアルバムはレンタルしたけど、
仮にシングル買ってなくてこのアルバムを買ったとしたら、このたった4曲の為に3000円払った事も惜しいと思わなかっただろうな。
ちなみに俺は生粋(?)の一青ヲタなので、俺の中で絶対的ウェイトをしめる4・かざぐるまは除外として、
その他の曲は全て☆1つ分引いて評価したつもり。総評は★1つ分。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)

Reviewer:13th. 787-791 名無しのエリー2006.12.14.

1.ハナミズキ ★★★★★
言わずと知れた代表曲。ファン以外にはあまり知られていないが、911を題材に書かれた曲。
その前提で歌詞を読むとストーリーが理解しやすいだろう。
こういったテーマはどうしても強い主張になりがちだが、この曲は直接的な言葉を使っていないのが特徴。
そのため、単に結ばれない相手を思う恋の歌とも聴くことができる。こういった多面性も彼女の歌詞の魅力のひとつであろう。
そして魅力といえば、やはりその独自の言い回し。代表例がサビの「夢がちゃんと終わりますように」の部分。
「夢」に対する述語は叶うが一般的であり「終わり」という単語をポジティブな意味で使うことは普通しない。だがそれだけに強烈なフックとして頭に引っ掛かる。
またこれは「僕」の「終わり」(本来のネガティブな意味)を連想させることで「君」の「終わり」(ハッピーエンド)を際立たせる効果もある。
さらに、その後の「続きますように」とも対句になっており面白い。
「君と好きな人が百年続きますように」
世界平和をテーマにしながらも大げさに語ることなく、まず身近な人間の幸せから願っていこうというメッセージ。
2.翡翠 ★★★
切ない恋の歌ではあるが、不倫を連想するのはひねくれすぎだろうか。
「雨」を使った心理描写はオーソドックスだが、刹那的な恋心と「宝石」=「永遠」の対比はユニーク。
サビでは「そのうち」「今のうち」「気持ち」としっかり韻を踏んでいる。
3.もらい泣き ★★★★☆
鮮烈なインパクトを持つデビュー曲。言うまでなく「ええいああ」に尽きる。
本人曰くインパクト重視で特に意味はないらしい。その目的は十分果たしているだろう。
母音のみで構成されているのもミソ。子音が入らないため音が抜けずに、込めた感情が伝わりやすい。
4.一思案(ひとしあん) ★★★
詞の朗読+サビという異色作。
独自の単語の羅列でややシュールだが、バックのリズムに乗っかることでノスタルジックな異世界感を生む。
流れるようなサビが心地良い。
5.月天心 ★★★
「満月」を「天」の「穴」と捉え、心に重ね合わせた哲学的な作品。広がる夜空のような雄大さとそれゆえの寂しさを感じる。
少し難解でとっつきにくいかも。
6.影踏み ★★★★
ノスタルジックな単語が散りばめられた郷愁をさそうような名バラード。しかしこの詞がまた結構曲者。
難しい単語は一切使っていないんだが、複雑に入り組んでいて読み取りにくい。特に「僕」「君」という人称指示語が誰を指すか。
「天の川」~のくだりや「いつの間にか大きくなって」などから「僕」と「「君」の隔絶、それもおそらく死別であることが想像できる。
両親を亡くしている彼女の背景から考えて、「僕」=父と読むと理解しやすい。亡き父が空の上から娘を見守っているシーンが目に浮かぶ。
そして「突然、夢が醒めて」で視点を現実(娘=「君」)へと引き戻す。つまり、父が天より娘を見守っているという夢を見ている娘の歌。
ややこしい。
7.うれしいこと。 ★★☆
珍しく素直で可愛らしい恋愛詞。こういうのが逆に新鮮だったりもする。
遠距離、あるいは時間的すれ違いの多いカップルの曲だろうか。「あたし」が彼に対してその不安を語りかける感じかな。
最後に「あたしも気づいてみたら/すごく愛されてたよ」と結んでいるので心配はない。
8.江戸ポルカ ★★★
ドタバタ時代劇コメディ、ポルカ風。お得意の言葉遊び全開。
やりすぎでくどく感じる人もいるかもしれないがハマれば癖になる。
9.大家(ダージャー) ★★★☆
コレもまた亡くなった両親への詞。しかし他と違って、感謝や懐古ではなく自身の決意表明に近い。
「なんてひどい人生」でも「美しい人生」。「早く死ぬのもいい」でも「生きていける」。「ひとりぼっち」でも「こんなに」「泣く人がいる」。
だから「だいじょうぶ」。
常に正逆を行き来するように揺れるが、芯には強い肯定が感じられる。
10.さよならありがと ★★★★
別離の切なさを歌った曲ではあるが、その理由や境遇がはっきりと書かれていないので、聴き手に個々の思いを抱かせる。
サビの締め「今でもきっと/僕、の方が」の後に来る言葉も聴き手によって変ってきそうだ(ラストが「今なら」になってるのもミソ)。
「えこひいきした道」「また少しだけ君の事/無断で好きになったけど」「皮肉だけど憎んで」「また明日が言えなくても/きれいに笑う君がいる」
など、独特の言い回しもアクセントになっている。
11.指切り ★★★
「指切り」を約束=結婚の比喩として考えるなら、ここでも不倫を連想してしまうがひねくれすぎだろうか。
失礼な話だが、そういう不幸な恋愛のほうが彼女には似合ったりする。
プロデューサー小林武史からストレートな表現を提案されたそうで、以前のような言葉遊びはあまり見られない(押韻はしっかりしているが)。
12.アリガ十々 ★★★★
今は亡き父親へ向けた感謝と思慕の曲。簡単な単語でシンプルに構成された少女的な歌詞がほほえましい。
それでいてキッチリ七五調に語数を合わせているのが芸が細かい。
緩やかなメロディに乗って一語一語を大切に歌っている印象。
13.かざぐるま ★★★☆
藤沢周平原作の映画『蝉しぐれ』イメージソングであり、詞の世界もそれを踏襲している。
結ばれることがなくとも相手を思う恋心を「かざぐるま」をまわすための「風」に例えた。
そういった日本人的感情が和のテイストを含んだ楽曲に良く合う。
14.金魚すくい ★★☆
いい意味で安っぽい電子音の打ち込み、「さらさらいや」等の独自の擬音。シュールで落ち着かない感じは縁日の不思議な高揚感にも似る。
詞の内容自体は「金魚」を恋(あるいは恋人)に見立てたわかりやすい比喩。
15.あこるでぃおん ~Long ver. ★★★☆
「音楽室」「5時限目」「げた箱」等ノスタルジックな単語が並び、初恋の切なさを思い起こさせられる。
サビの「親指」を「おやひゅび」と発音することで、後の「しゅるりしゅるり」という独自の擬音によく絡む。
16.てんとう虫 ★★★☆
「なのに」といきなり接続詞で始まる掴みはインパクト有り(少しあざとい気もするが)。
「世界は何のためにあるのか」と問いかけ、ラストの大サビで「そうじゃなく/あなたもわたしもそのためにある」と切り返す視点変換が見事。
マクロをミクロからとらえるのはハナミズキとも通じる。「てんとう」のダブルミーニング(天道=太陽と虫の対比)もそこに繋がるのだろう。
パーソナルな恋愛詞ともとれるが、ap bank fesのようなチャリティ活動について語ってるようにも感じる。
そういう風に意訳すると、
 ただ世界の不幸を憂うはやめて、小さなことからでも世界を変える努力をしよう。たとえそれが偽善でも、誰かの為になるならいいんじゃない?
ちょっと深読みしすぎかな?
総評.★★★★
歌詞について評価されることの多い彼女。ということで今回は歌詞を中心に書いてみた。星(★=1点、☆=0.5点、10段階)も詞に対してのもの。
シングル全曲とアルバムからの選曲に新曲を加えたベスト盤。
まだアルバム3枚しか出してないのでちょっと早い気もするが、ただそれだけに入れて欲しい曲は大体入っていて選曲には文句なし。
ただ既存のファンにとって新曲1曲に3000円は高い。せめてDVDを付けるくらいの配慮は欲しかった。
しかし、当たり前だが入り口には最適。週末にはレンタルも解禁されるので、「もらい泣き」「ハナミズキ」しか知らない人もどうぞ。
これに気に入れば次は他の作品も手にとってもらいたい。
女性ソロシンガーにしては珍しくCDよりもライブ方がファンの評価が高いので、4枚あるライブDVDがオススメだ。
(★:1点,☆:0.5点の計5点満点。楽曲収録情報は省略しました。)