Reviewer:23rd. 187-191 名無しのエリー2010.03.10.
1.What's Love? ★★★★★
トリッキーなピアノリフが全編で鳴り渡るR&B。メロの塊の先頭で音を抜いたりするこの不思議なピアノがほぼ曲の主役。
楽曲自体も美メロだが、この思い切りのいいピアノが曲に何ともいえない不安定さを与えており、独特の切なさのある曲に。
もともとJUJUの発音は音が全体的にイ段に寄ってくる感じで、YOUみたいな子供っぽい印象だが、
この曲では実際にイ段を多用しており、彼女の自己紹介的な曲となっている。
歌唱力自体は他の邦R&Bシンガーに比べダントツに上手いというほどではないが、
ハクをつけるように仰々しく発音する福原や倖田とはまた違った日本語の崩し方をしており、個性的。
いちいちピアノに合わせずにシンプルで大きいノリにしたリズムトラックも良い。
楽曲自体も美メロだが、この思い切りのいいピアノが曲に何ともいえない不安定さを与えており、独特の切なさのある曲に。
もともとJUJUの発音は音が全体的にイ段に寄ってくる感じで、YOUみたいな子供っぽい印象だが、
この曲では実際にイ段を多用しており、彼女の自己紹介的な曲となっている。
歌唱力自体は他の邦R&Bシンガーに比べダントツに上手いというほどではないが、
ハクをつけるように仰々しく発音する福原や倖田とはまた違った日本語の崩し方をしており、個性的。
いちいちピアノに合わせずにシンプルで大きいノリにしたリズムトラックも良い。
2.素直になれたら(feat.spontania) ★★★★
かなり大袈裟で分かりやすい仕上がりの、メロディアスなR&B。
コーラスとの相乗効果でかなり機械的な響きの歌声が曲の中心だが、Dメロでは手数を増やして盛り上げるピアノに大きな見せ場が回ってくる。
ボーカルは派手だが、ストリングスは主張しすぎない感じだし、ベースとドラムもシンプルで、鳴っている楽器の種類自体も多くないので、意外と聴きやすい。
大抵の売れ線はこの状態にエレキとかアコギとか鍵盤もう1台とかピコピコした音とか加えて、いまいち一つ一つが立たなくなったりしてるので、
これはシンプルで迫力のある好アレンジでは。
コーラスとの相乗効果でかなり機械的な響きの歌声が曲の中心だが、Dメロでは手数を増やして盛り上げるピアノに大きな見せ場が回ってくる。
ボーカルは派手だが、ストリングスは主張しすぎない感じだし、ベースとドラムもシンプルで、鳴っている楽器の種類自体も多くないので、意外と聴きやすい。
大抵の売れ線はこの状態にエレキとかアコギとか鍵盤もう1台とかピコピコした音とか加えて、いまいち一つ一つが立たなくなったりしてるので、
これはシンプルで迫力のある好アレンジでは。
3.U Got Me ★★★
高音で甘えるように歌うサビが印象的な、ゆったりしたR&B。やはりアレンジはシンプルですっきりしている。
NY在住だからなのか、英語の発音も一味違う気がする。キレイな発音というより、英語圏の人が英語を崩して歌ってるやつみたいに聞こえる。
ラップも単純にジャストのタイミングで乗せず、音符の後ろの方に引っ掛けるような乗せ方でタメを作っている。
狙い通りなのだろうが最後までひたすらまったりしていてやや単調なので、単体の魅力より流れの中で聴く曲か。
NY在住だからなのか、英語の発音も一味違う気がする。キレイな発音というより、英語圏の人が英語を崩して歌ってるやつみたいに聞こえる。
ラップも単純にジャストのタイミングで乗せず、音符の後ろの方に引っ掛けるような乗せ方でタメを作っている。
狙い通りなのだろうが最後までひたすらまったりしていてやや単調なので、単体の魅力より流れの中で聴く曲か。
4.Missin' U ★★
なぜ今更といった感じの、US80年代バリバリのマイナー調R&B。
異常にディレイの効いたキーボードが開き直ったように響き渡るイントロですでに引く。
まあR&Bの王道ではあるし、自分のルーツを掘り返すのは妥当なのかもしれないが、
彼女自身どちらかというとポップス歌手として当てた人なだけあって、ベタベタの曲を別物のように魅力的に聴かせるほどR&Bに強くはない印象。
異常にディレイの効いたキーボードが開き直ったように響き渡るイントロですでに引く。
まあR&Bの王道ではあるし、自分のルーツを掘り返すのは妥当なのかもしれないが、
彼女自身どちらかというとポップス歌手として当てた人なだけあって、ベタベタの曲を別物のように魅力的に聴かせるほどR&Bに強くはない印象。
5.My Life ★★★★★
ここで趣きを変え、エゴラッピンのようなクールな歌謡ジャズに。JUJUは体力的に凄い訳ではないが、こういう雰囲気のある曲は得意な印象。
意外にアダルトな声でこなしており、「こうなるはずだった中島美嘉」という感じがする。いやまだ中島も今からこうなるかも知れんけど。
ここまで歌メロが強くて打ち込み多めの曲が続いたが、音作りからかなり変わり、こもった感じのピアノを始め管もドラムも生の質感が心地良い。
終盤のキメ連続パートではベースやピアノがアドリブで絡みを入れる。今思ったけどこの作品、意外と対象年齢高いのでは。
意外にアダルトな声でこなしており、「こうなるはずだった中島美嘉」という感じがする。いやまだ中島も今からこうなるかも知れんけど。
ここまで歌メロが強くて打ち込み多めの曲が続いたが、音作りからかなり変わり、こもった感じのピアノを始め管もドラムも生の質感が心地良い。
終盤のキメ連続パートではベースやピアノがアドリブで絡みを入れる。今思ったけどこの作品、意外と対象年齢高いのでは。
6.I can be free ★★★★
シェリル・クロウのような、シャリシャリしたギターが心地良い若干フォーキーなアメリカンロック。結構幅あるね。
曲自体はベタといえばベタだがすっきりまとまってるし、意志の強い女性を歌った詞とも相性が良い。
Aメロの思いつめたような声やサビの意外にワイルドな声など、彼女のまた違う一面を見せることには成功してるのでは。
曲自体はベタといえばベタだがすっきりまとまってるし、意志の強い女性を歌った詞とも相性が良い。
Aメロの思いつめたような声やサビの意外にワイルドな声など、彼女のまた違う一面を見せることには成功してるのでは。
7.sakura ★★★★★
世に蔓延する桜ソングの一つに成り下がるかと思ったら、頭一つ抜けた出来に仕上げてきたバラード。印象としてはユーミン。
しかも松任谷じゃなくて荒井。メロディ自体もキレイだが、非常にすっきりしたスタイリッシュなアレンジがカッコイイ。
シンプルな歌詞も曲に合っている。若干タメ気味な歌唱も切ない。ユーミンがもっと歌えてたらこんな感じになってたのかも、という曲。
しかも松任谷じゃなくて荒井。メロディ自体もキレイだが、非常にすっきりしたスタイリッシュなアレンジがカッコイイ。
シンプルな歌詞も曲に合っている。若干タメ気味な歌唱も切ない。ユーミンがもっと歌えてたらこんな感じになってたのかも、という曲。
8.空 ★★★★
前曲よりも歌謡曲っぽくなるが、やはり風通しの良いアレンジが好印象なバラード。
楽曲自体はスタンダードだが、JUJUの歌声やメロディをより良く聴かせるアレンジの仕上がり具合。
ゆったりしたビブラートで歌謡曲らしい情緒を表現したJUJUもいい仕事ぶり。
言葉の反復を多用したサビも、単に曲に合わせたら字数の都合でそうなっただけなのかもしれないが、結果的に詞を印象的にしている。
楽曲自体はスタンダードだが、JUJUの歌声やメロディをより良く聴かせるアレンジの仕上がり具合。
ゆったりしたビブラートで歌謡曲らしい情緒を表現したJUJUもいい仕事ぶり。
言葉の反復を多用したサビも、単に曲に合わせたら字数の都合でそうなっただけなのかもしれないが、結果的に詞を印象的にしている。
9.LOVE TOGETHER ★★★★
またもアメリカの歴史を遡り、今度は頭打ちのリズムが印象的な80年代っぽいポップスを披露。パシパシと響く打ち込みっぽいスネアが懐かしい。
初期のCHARAとかTommy Februaryみたいなこの曲をJUJUが元気にこなす。切ない曲のほうが得意かと思ったが、意外と明るい曲もいける。
こういうディレイ過剰気味で歌にコーラスいっぱい重ねてる曲も、生っぽい質感の絞れた曲も、JUJUはそつなくこなしている印象。
初期のCHARAとかTommy Februaryみたいなこの曲をJUJUが元気にこなす。切ない曲のほうが得意かと思ったが、意外と明るい曲もいける。
こういうディレイ過剰気味で歌にコーラスいっぱい重ねてる曲も、生っぽい質感の絞れた曲も、JUJUはそつなくこなしている印象。
10.君がいるから -My Best Friends- ★★★
どことなく竹内まりやっぽいポップス。これも良く出来た曲だが、アレンジの方向性が普通のポップスなので、相対的に今作中では地味な曲。
女性視点かと思って聴いてたらサビで一人称「僕」が登場して戸惑う。男の友情の歌には聞こえないが…。
深夜に「おきてる?」とメールしたらすぐに電話してくれる、そんな男友達。無くはないが、女の子同士のほうが多いのでは。
さらにそいつが笑ったらどうしてか分からないけど涙が溢れてしまう、そんな男友達。いねえ。
逆に俺が笑ったら「どうしてかな…涙が溢れる」そんな男友達いらん。歌にされてもたまらん。
女性視点かと思って聴いてたらサビで一人称「僕」が登場して戸惑う。男の友情の歌には聞こえないが…。
深夜に「おきてる?」とメールしたらすぐに電話してくれる、そんな男友達。無くはないが、女の子同士のほうが多いのでは。
さらにそいつが笑ったらどうしてか分からないけど涙が溢れてしまう、そんな男友達。いねえ。
逆に俺が笑ったら「どうしてかな…涙が溢れる」そんな男友達いらん。歌にされてもたまらん。
11.世界が終わる前に ★★★
ACOのようなまどろみの世界観をみせる、甘いR&B。全体的にシンプルで、たまに鳴るキュピキュピした音がキュート。
若い子向けっぽい大袈裟な恋愛詞にちょっと気構えてしまうが、楽曲自体はシングルでも違和感ない出来か。
若い子向けっぽい大袈裟な恋愛詞にちょっと気構えてしまうが、楽曲自体はシングルでも違和感ない出来か。
12.やさしさで溢れるように ★★★★
今作では珍しく歪んだギターを前面に出した、ミドルテンポのポップス。
BメロのドラムのリズムパターンやDメロのアレンジ等、ロックテイストが強くなっており、そこはかとなくSuperflyっぽい。
さすがにそこまでパワフルではなく、アレンジのほうがギターとピアノとストリングスを並べた派手な仕上がりのため、余計にあと一歩の物足りなさが浮き彫りに。
まあSuperflyとわざわざ比べなければ充分歌えてるし、幅を見せたのは成功では。
BメロのドラムのリズムパターンやDメロのアレンジ等、ロックテイストが強くなっており、そこはかとなくSuperflyっぽい。
さすがにそこまでパワフルではなく、アレンジのほうがギターとピアノとストリングスを並べた派手な仕上がりのため、余計にあと一歩の物足りなさが浮き彫りに。
まあSuperflyとわざわざ比べなければ充分歌えてるし、幅を見せたのは成功では。
13.愛しい(+キヨサク(MONGOL800)) ★★★★
なかなか意表をついた組合せのコラボ曲。詞曲はキヨサクが担当。どんなのをやるのかと思ったら、何とほっこりした弾き語り曲。
キヨサクが弾いてると思われるギターは、部分的にリズムがかなりオリジナリティー溢れるいびつさになっており、
これが曲の印象を一層アットホームにしている。
2人とも非常に素朴な歌い口で、まんま路上や河原で演ってるような曲。
キヨサクが弾いてると思われるギターは、部分的にリズムがかなりオリジナリティー溢れるいびつさになっており、
これが曲の印象を一層アットホームにしている。
2人とも非常に素朴な歌い口で、まんま路上や河原で演ってるような曲。
14.どんなに遠くても ★★★★
ラストはCHEMISTRY、中島美嘉、仲間由紀恵withダウンローズ等への楽曲提供で知られる川口大輔が手掛けたバラード。
Bメロから段々音が高くなってサビ頭で高音、みたいな歌謡曲っぽいメロを避け、サビ冒頭は落ち着いたメロで始まる。
節々でちょっと捻ったコードを挟んで仕上げているが、一方で音色的には可愛らしい音で固めているため、何だか松田聖子っぽい。
JUJUの歌い方もAメロとかは結構似てる気が。歌唱的にはこの曲が今作で一番ダイナミックか。
Bメロから段々音が高くなってサビ頭で高音、みたいな歌謡曲っぽいメロを避け、サビ冒頭は落ち着いたメロで始まる。
節々でちょっと捻ったコードを挟んで仕上げているが、一方で音色的には可愛らしい音で固めているため、何だか松田聖子っぽい。
JUJUの歌い方もAメロとかは結構似てる気が。歌唱的にはこの曲が今作で一番ダイナミックか。
総評.★★★★
主に着うた世代から支持されるNY在住のシンガー、JUJUの2nd。
年齢非公開だが実際には三十路過ぎなだけあり、全編通して安定した歌いぶりを披露している。
発音にかなり特徴があるのだが、同じような歌い口調にならないように歌い分けが工夫されており、シンガーとして隙がない。
福原美穂などのようなパワフルさは無いが、その分女性的な甘い曲をこなすことには長けている。
ライブ映像観るとそれほどでもないので、スタジオ弁慶の可能性もあるけど。
楽曲はR&Bを主軸に聴きやすいものが並び、予想以上に手広いが、極端にテンポが速い曲、ハードなロックは無し。
聴き手の感性に大きく委ねるような実験的な曲や、ツッコミ待ちのネタ曲もない。
そもそもジャンルの垣根を容易に壊すことに否定的で、
R&BやるならR&B、といった具合に、広く認知されてるジャンル内にきっちり収まる楽曲だけで固めている真面目な印象。
破天荒な曲構成が好きな人には不向きだが、
思いつきでジャンルの掛け合わせを試してすぐ飽きられるような曲を量産するミクスチャーバンドに嫌悪感を抱く人ならこういう作品に共感するかも。
今までも散々誰かがやってきたような音楽だが、誰もがやりたがるだけあって色褪せない普遍的な魅力を備えた音楽でもあるのだろう。
楽曲の水準はおしなべて高く、何よりアレンジが非常に良い。
適度に派手なシンセで埋め立ててるような感じを予想していたが、作り込みも絞り込みも周到に練られていて聴き応えがある。
JUJUは売れ線は売れ線で適性があるので着うたでうまく軌道に乗ったが、それ以上にアルバムアーティストだし、この作品も売れたのが当然といえるかも。
なんか他の着うた世代向けアーティストに比べて作り込みがしっかりしすぎてるのが違和感あるけど。
自分が聴いた範囲ではみんなもっと適当で、むしろ雑であることに信念を持ってる感じだったのに。スルーするとこだった。聴いたからいいけど。
全体的に地味で渋く、これをどうしても聴きたくなる事はあまり無いが、聴き始めたら意外と最後まで聴いてしまう1枚。中島美嘉が好きなら。
年齢非公開だが実際には三十路過ぎなだけあり、全編通して安定した歌いぶりを披露している。
発音にかなり特徴があるのだが、同じような歌い口調にならないように歌い分けが工夫されており、シンガーとして隙がない。
福原美穂などのようなパワフルさは無いが、その分女性的な甘い曲をこなすことには長けている。
ライブ映像観るとそれほどでもないので、スタジオ弁慶の可能性もあるけど。
楽曲はR&Bを主軸に聴きやすいものが並び、予想以上に手広いが、極端にテンポが速い曲、ハードなロックは無し。
聴き手の感性に大きく委ねるような実験的な曲や、ツッコミ待ちのネタ曲もない。
そもそもジャンルの垣根を容易に壊すことに否定的で、
R&BやるならR&B、といった具合に、広く認知されてるジャンル内にきっちり収まる楽曲だけで固めている真面目な印象。
破天荒な曲構成が好きな人には不向きだが、
思いつきでジャンルの掛け合わせを試してすぐ飽きられるような曲を量産するミクスチャーバンドに嫌悪感を抱く人ならこういう作品に共感するかも。
今までも散々誰かがやってきたような音楽だが、誰もがやりたがるだけあって色褪せない普遍的な魅力を備えた音楽でもあるのだろう。
楽曲の水準はおしなべて高く、何よりアレンジが非常に良い。
適度に派手なシンセで埋め立ててるような感じを予想していたが、作り込みも絞り込みも周到に練られていて聴き応えがある。
JUJUは売れ線は売れ線で適性があるので着うたでうまく軌道に乗ったが、それ以上にアルバムアーティストだし、この作品も売れたのが当然といえるかも。
なんか他の着うた世代向けアーティストに比べて作り込みがしっかりしすぎてるのが違和感あるけど。
自分が聴いた範囲ではみんなもっと適当で、むしろ雑であることに信念を持ってる感じだったのに。スルーするとこだった。聴いたからいいけど。
全体的に地味で渋く、これをどうしても聴きたくなる事はあまり無いが、聴き始めたら意外と最後まで聴いてしまう1枚。中島美嘉が好きなら。
(★5個が満点。)