Reviewer:17th. 143-145 名無しのエリー2008.02.29.
1.Purple Pain ★★★
シンプルな音色の8ビートでグイグイと聴くものを引き寄せてジリジリと盛り上げる。
全体的に乾いた音色でその中に濡れたキーボードの音色が合わさってこのアルバムの空気を醸し出してる。
その中に曲が進むごとに声の表情が変化する吉川晃司の力ある声がこの独特の空間を彷徨う。
2.Rambling Rose ★★★
当時の吉川お得意の勢いのある歌謡曲~ロック風味~で、わざとらしくドラマティックに展開する所がポイント。
吉川自身も切れのあるボーカルを聞かせ曲を更にドラマティックにしている。妖しいキーボードの音色もなかなか。
全体的にエセ中世ヨーロッパの雰囲気で本物のヨーロッパ志向までにならないところがこの人らしい。
3.VENUS ~迷い子の未来~ ★★☆
こちらも全曲と同じ路線の曲。若干歌謡曲よりで、歌もより濡れた歌声を聞かせてくれる。
前の曲が夜のサスペンスドラマだとしたら、こちらは昼の恋愛ドラマの雰囲気。ヴィーナス、ヴィーナスと連呼してるしね。
ただ、音色は壮大的な音を出してはいるのだが、曲としては全体的に力が弱い感じ。
4.Day by Day ★★★
ここで一旦落ち着いて、しっとりとしたバラードが入ってくる。後でなるピアノの音色がなかなか美しい。
どこか懐かしい感じを受けるのも吉川晃司が作るバラードの特徴で、音色をどう使ってもそうなってしまうのが不思議。
ここでは一つ一つの言葉を丁寧に歌う歌が聴けて歌詞の一節一節が心に響く。まぁ、歌詞はベタベタだから…。
5.SEXY ★★★
不気味なパイプオルガンと心臓の音から始まるボディミュージック風の歌謡曲。吉川がクネクネ踊ってる姿が頭に浮かぶ…。
全体的に打ち込み音を多用しているが、それでもアルバムの中世的雰囲気を壊さずに上手く調和している。
ところどころにヴォーカルにメカホンを使ってるかのようなエフェクトを使っており怪しい雰囲気を醸し出してる。
6.ROMANCER ★★★
上手い具合に全曲とつながって始まるこちらも2曲目同様のエセ歌謡曲。サビの吉川の迫力ある歌声が魅力的。
パッパと曲がめまぐるしく展開していきスリリングな興奮を聴くものは味わうことが出来る。まるでサスペンスドラマ。
7.Cloudy Heart ★★★☆
ここでいきなりシンプルなバラードに。音色の数を最小限に抑えて吉川晃司のオペラ歌声を最大限に発揮できる場を作っている。
例えばこの曲をデビュー直前に歌っていたらここまで壮大感ある曲になることはなかったし、今歌ってもこの感覚は出ない。
そのくらいこの時期の吉川晃司は油が乗っていて最盛期を迎えていた。そんなことを考えさせるほどの歌声。
泣きメロのギターソロも冴え渡っていてこの曲をよりドラマテックなものに仕上げている。ピアノの美しい音色もなかなか。
8.Little Heaven ★★☆
若干音色も増えた感じのバラード。ただ、前曲がかなりの存在感を持ってるためこの曲の存在感はあまりない。
まぁ、前の曲を聴いた時の疲れをなくすにはこのぐらい軽い感じが良いのかも。歌声は十分重いが…。
9.KISSに撃たれて眠りたい ★★★☆
気を取り直して後半戦のスタート。吉川晃司の代表曲で10周年記念シングルで10年の集大成がここに包まれている。
一回聴いたらすぐに覚えられる歌謡曲の要素とキレのあるロックの要素がうまい具合に調和していてなかなかの佳作となっている。
歌詞も10年選手になっても俺はまだまだやんちゃに行くぜ!ってな感じの決意表明がされていてなかなか。
このアルバムバージョンではさらに力強いアレンジなっていて聞き手にかなり響くアレンジとなっている。
10.GIVE ME A BREAK ★★☆
洋楽をパクッたような感じで非常にキャッチーな曲となってる。ライブでやったら盛り上がりそうな感じ。
非常にシンプルな構成で誰でもすぐに覚えられそうなコード展開ではある。しかし、曲の出来はまぁまぁ。
こういうのは最初の印象は良いかも知れんが一回聴いたら飽きる。
11.Re-Birth ★★★
いきなり渋い演奏で始まり前曲の余韻をぶっ飛ばす。それでもコード展開が歌謡曲風なのはもうお決まり。
それでも、ここでは今まで見たいに暴れたり、オペラボイス全開というわけでもなく、ただ、淡々と歌う。
今までに吉川晃司作品にはなかった新しい扉を開けたようなブルージーな曲。
12.Love Way ★★★
これはもう弾けたポップナンバー。迫力満点で暴れまくる吉川晃司の姿がこの曲にはある。すこしAOR風味。
演奏陣のまとまり具合もなかなかで良い感じにこのアルバムを締めてくれる。
総評.★★★☆
10周年記念オリジナルアルバムでこれぞ吉川晃司てな内容で大満足できるアルバムです。
作曲にしても歌唱力にしても10年という歳月の中で様々なことを体験して成長した姿をこのアルバムでは見せてくれる。
迷いも吹っ切れたからこそ「KISSに撃たれて眠りたい」が歌えただろうし自分に自信があったからこそ「Cloudy Heart」が歌えたのかも。
ブックオフで叩き売りされているので、吉川晃司に興味がある人、歌謡曲が好きな人にお勧めです。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)