アルバム全曲レビュー * アーティスト名 : かや。

Reviewer:22nd. 97-101 名無しのエリー2009.08.18.

1.Carmilla ★★★
インディーズ最後のシングル。この時に現在のゴスをベースにしたトランス/テクノを確立。アレンジも方向性を意識している。
ピアノとストリングスが嫌でもアリプロを意識してしまうが、上品なトランスとKayaの歌声のおかげでミュージカルっぽくなっている。
本当にこの人の歌い方は宝塚やのぉ。歌が上手いから余計にそう感じる。
2.Walkure ★★★★☆
インディーズ時代の1stソロアルバム収録。
サウンドは典型的なトランスながらもKayaの歌声だけでドラマティックになる不思議。
アレンジはメリハリが利いており、グイグイと前を進んでゆく感じ。純粋にかっこいいトランスとして勧められると思う。
(※タイトルは本来、ウムラウト付のu)
3.Paradise lost ★★★
インディーズ時代の1stソロアルバム収録。
ジャズっぽい冒頭に紛れたEBMというかインダストリアルっぽい刺激音が逆に妖しく揺らめく。後半からは完全なインダストリアルゴス。
こういうときはヴィジュアル系特有の弱々しさを出しても良いのだが、キッチリと歌い込むタイプのため、どう聞いても妖しいミュージカルのワンシーン。
絵にはなるが、ちょっとくどいような...。毛皮のマリー?
歌詞は上手く練りこまれていると思う。文学好きには不満だろうが。
4.funerary dream ★★
Horaとの限定ユニットanother cellとしてのアルバムから。そして、限定盤にはボーナストラックとして収録されている。
本人が打ち出したいであろうゴシックトランス路線の片鱗が上手く出ていると思う。この冷たい感触が非常に気持ちいい。
その上をのた打ち回るKayaも負けてないが。それでもあまりパッとしない。掘り下げきれてないからだろうか。
5.Psycho Butterfly ★★★☆
インディーズ2ndシングルのカップリング。シンセストリングスが妙に激情的で、ここでKayaは妖艶な歌声を披露している。
そのせいですっごくストリングスが邪魔! コレが無ければ良質なEBMとして結構良い出来なんだけどなぁ。
無駄なオプションがついたファッションみたい。
6.Masquerade ★★★★
インディーズ2ndシングル。典型的なジャズナンバー。...なのだが、Kayaらしく、シンセストリングスも。
なんだか、このアレンジだと妙にKayaの歌い方がしっくり来るなぁ。
何でだろうと何度か聞き込んでいくうちに確信。それは総評で語ることとする。
出来ればドラムとベースを生にして欲しかったが、それは贅沢か?
とにかく、「妖」の文字がしっくり来るナンバーであることには違いない。
7.Epicurean ★
なんだ、このオールドスクールレイヴw
メロディ自体はこれまでどおりなのだが、アレンジが全く合ってねぇ。何でこのアレンジにしたんだ。止めろよ、KALM。
けど、このままでは悔しいのでジュリ扇持って踊ります、私。荒木師匠に負けてられません。
てことで、楽曲の評価は低くなってしまった。アレンジで曲を殺さないように。
8.Silvery Dark ★★★★
インディーズ時代の1stソロアルバム収録。ピアノメインのバラード。
バラードは臭くすればするほど歌唱力を要求されるが、Kayaについては特に歌唱面で問題が無いので安心して聴ける。
多分、女性なら一定以上の歌唱力がないと歌えないと思う。
この曲のみ、アレンジャーによる作曲なのだが、結構良い曲だと思う。
9.Kasha - shining flowers - ★★★☆
元ネタはコンセプトミニアルバムの「火車」。突然の高速テクノ(ハピコアかマキナか?)を伴って疾走する。
ブレイク中の琴がすごく良い仕事をしていて、特に勢いのあるナンバーではないだろうか。
これは次曲同様、ライブじゃないと良さがわからない楽曲。この手のアレンジは意外と日本人には馴染みにくいしのぉ。
10.Rose Jail ★★★
インディーズ時代の1stソロアルバム収録。Kayaライブでは定番となりつつある曲。
徐々にKayaの歌い方が激しくなり、正に姫が雄に変わる様は圧巻。アレンジもかなり強烈なテクノと言っていいだろう。
何気にシャウトもかなり強烈。姫、こんなに叫べんのか...。
なお、この曲もライブで聴くことをオススメする。そっちの方がいろんな意味でパワーアップしてるのが理由。
なので、CD内での評価はこんなもんって事で。
11.Glitter Arch ★★★★
インディーズ時代の1stソロアルバム収録。王道的なトランスチューン。Kayaにしては珍しいポップチューン。
多分、普通の人ならavex、アニメファンにはI'veサウンドにありそうと思うかも。
歌モノトランスとして聴くと、ポップすぎるのだが、歌詞が良い。何よりも高揚感が出ているのが良い。トランスは本来、こうあるべきではないだろうか。
歌はまぁ、いいんだけど無理してるって感じ。ポップス、苦手なのかな?
12.Hydrangea ★★★★
インディーズ時代の1stソロアルバム収録。
「なんだ、この可愛らしい中性ヴォイス!本当にKayaか!?」と、思わず耳を疑ってしまった。
アレンジは音響系エレクトロといった風で、曲構成はクラシックのよう。徐々に盛り上がっていくにつれて、本来のKayaに戻っていくのは上手い。
ただ、ピアノがしょぼすぎる。生っぽく打ち込んでくれ...。 アレンジ自体は結構好みなんだけどなぁ。
総評.★★★☆
耽美派歌手を自称するヴィジュアル系シンガー、Kayaメジャー初のアルバム。
とはいっても、公式に書いてあるとおり、インディーズ時代に出したフルアルバムを中心としたインディーズベストなのだが。
アレンジは本人が目指している方向性に合わせてゴシックテイストを軸に、テクノ(主にEBM)、トランス、ジャズ、バラードとクラブを意識したサウンドのため、
従来のヴィジュアル系ファンには受け付けにくいアーティストだろう。(何せ、本人が歌いながら踊るという珍しいタイプのヴィジュアル系シンガーだし)
が、逆にクラバーやTOKYO DARK CATSLEが好きな人にはピンと来るだろう。
肝心のヴォーカルは前身バンド時代、Mana(現Moi dix Mois)に見出されただけあり、朗々としたテナーヴォーカルを得意としており、しかもそこそこ上手い。
ただ、歌い方がクラシックやシャンソンに近い歌い方なので、どちらかと言えばポップスはあまり得意ではないのではないだろうか。
逆にしっかりと歌い、入り込む必要がある楽曲は水を得た魚の様にイキイキとしている。このため、場合によってはミュージカル臭が漂うこととなる。
現在のJ-POPシーンでは非常に珍しいので、現在の方向性を維持すれば、独自のポジションを獲得できるのではないだろうか。
そういった意味では、彼の実力を見るいいアルバムではないだろうか。
それにしても歌詞カード。何故曲順どおりに乗せないw
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)