Reviewer:20th. 546-551 名無しのエリー2009.02.15.
1.CHANGE ★★★★
スガシカオのようなポップなファンクに80年代ダンスポップ風味を付けた曲。
と思ったらサビは8ビートに分厚いコーラスが重なる80年代USロックに変貌し、どっしりした印象になる。
福原は声に個性が無く、どのジャンルが本命という印象も無いが、同時に何を歌わせても違和感が無く、ジャンルの切り替えをスムーズにこなしてる気がする。
技術はあるが押し付けがましい個性アピールが無く、なんか顔がない感じはするが手堅い。
本人による詞は聴いてて頭に全然入ってこないし、歌詞を見ても、感情や意志の切れ端を散りばめたような文章で、何だかよく分からない。
しかし意味が伝わりにくいお陰で楽曲のBGM性は高まってる印象。
と思ったらサビは8ビートに分厚いコーラスが重なる80年代USロックに変貌し、どっしりした印象になる。
福原は声に個性が無く、どのジャンルが本命という印象も無いが、同時に何を歌わせても違和感が無く、ジャンルの切り替えをスムーズにこなしてる気がする。
技術はあるが押し付けがましい個性アピールが無く、なんか顔がない感じはするが手堅い。
本人による詞は聴いてて頭に全然入ってこないし、歌詞を見ても、感情や意志の切れ端を散りばめたような文章で、何だかよく分からない。
しかし意味が伝わりにくいお陰で楽曲のBGM性は高まってる印象。
2.ANYMORE ★★★
前曲同様本人が作詞し、作曲にも関わった、ポップなR&B。
どの程度関わってるのか分からないが、歌が本業の割に作曲も良さげ。
アレンジもゴチャゴチャさせずにスッキリまとめている。特にシンプルで堂々としたベースは心地良い。
歌詞はバラバラなテーマが混在してるような印象で、どこが主題なのかよく分からない。曲名ともあんまり連動してる感じがしない。
どの程度関わってるのか分からないが、歌が本業の割に作曲も良さげ。
アレンジもゴチャゴチャさせずにスッキリまとめている。特にシンプルで堂々としたベースは心地良い。
歌詞はバラバラなテーマが混在してるような印象で、どこが主題なのかよく分からない。曲名ともあんまり連動してる感じがしない。
3.Lose Control ★★★★
Bメロの超低音ベースが印象的なファンク。
コミカルなワウギター、張りのあるスネア音、サビの重厚なコーラスなど、いい感じのアレンジ。そこに妥当に上手い福原の歌が乗る。
歌詞はいかにも意味を求めるなといった感じだが、これが洋楽聴いてる時のような聞き流し系のBGM性を発揮している。
コミカルなワウギター、張りのあるスネア音、サビの重厚なコーラスなど、いい感じのアレンジ。そこに妥当に上手い福原の歌が乗る。
歌詞はいかにも意味を求めるなといった感じだが、これが洋楽聴いてる時のような聞き流し系のBGM性を発揮している。
4.雪の光 ★★★★
カラッと明るい前曲から一転、いきなり深く沈み込むようなアンニュイなアレンジになるバラード。
ここまで作曲は全て共作者がクレジットされているが、それでもこれほど外れがないとなると福原はかなり曲が書けるのかも。
後悔の念を表すような虚ろな低音と柔らかなファルセットを組み合わせたサビは失恋の寂しさを上手く表現している。
と思ったが歌詞をよく見ると最終的にハッピーエンド。なんということでしょう。普通に失恋ソングに聞こえるのに。歌詞見るんじゃなかった。
しかもサビで「ぇナハァ~~イア~イア~」とか歌ってるとこは歌詞上は「あぁ」になってる。
歌詞見るんじゃなかった。
ここまで作曲は全て共作者がクレジットされているが、それでもこれほど外れがないとなると福原はかなり曲が書けるのかも。
後悔の念を表すような虚ろな低音と柔らかなファルセットを組み合わせたサビは失恋の寂しさを上手く表現している。
と思ったが歌詞をよく見ると最終的にハッピーエンド。なんということでしょう。普通に失恋ソングに聞こえるのに。歌詞見るんじゃなかった。
しかもサビで「ぇナハァ~~イア~イア~」とか歌ってるとこは歌詞上は「あぁ」になってる。
歌詞見るんじゃなかった。
5.Everybody needs someone ★★★
らしくもなく詞の内容が分かり易く、曲調とも一致しているR&B。普通こうなんだが、彼女の場合こっちがワンポイント。
あっさりとしたイントロでさくっと歌に入るシンプルな曲だが、Bメロやサビでのディミッシュの使い方はカッコよかったりして程よく耳に残る。
あっさりとしたイントロでさくっと歌に入るシンプルな曲だが、Bメロやサビでのディミッシュの使い方はカッコよかったりして程よく耳に残る。
6.ON THE TOP OF THE WORLD ★★★★
詞曲ともスコットランド人シンガーソングライター、サンディ・トムによる全英詞のフォーキーなロック。
どこか牧歌的な王道美メロと陽気なハンドクラップ、アコギとピアノをメインに据えた爽やかなアレンジが印象的。
福原の英語発音も違和感がなく、ぶっちゃけまんま洋楽。
なんかイメージ近いと思ったら、サンディは植村花菜にも楽曲提供してるらしい。
どこか牧歌的な王道美メロと陽気なハンドクラップ、アコギとピアノをメインに据えた爽やかなアレンジが印象的。
福原の英語発音も違和感がなく、ぶっちゃけまんま洋楽。
なんかイメージ近いと思ったら、サンディは植村花菜にも楽曲提供してるらしい。
7.ひまわり ★★★
今作中最も詞に力が入ってるっぽい、落ち着いたポップス。
楽曲も割と普通なため歌唱力勝負な印象が強く、実際それなりに歌が上手いため安心して聴ける。
ただ、彼女は奇跡的に歌が上手いわけではなく、ケチがつく程ではないが低音の声量が弱めだったり、実声で出せる声域も意外と広くなかったりする。
さて詞だが、そもそも曲名が「ひまわり」で良かったのか疑問。
「ひまわりの種 植えた時は 私は幼くて」から「あれから夏が何度か来て 花は咲いて枯れて」で現在に至るまでの間に大事な人が亡くなっている内容なのだが、
ひまわりは一年草なのでせいぜい二、三年しか経ってない描写になり、その後の整合性が無くなってくる。
今も「私」は幼い気がするし、この期間に「小さな恋を何度か」してるのに「ずっと ずっと 愛しく思う」もないのではという感じになってしまう。
違う植物にしたほうが。「柿」とかでよかったのでは。
楽曲も割と普通なため歌唱力勝負な印象が強く、実際それなりに歌が上手いため安心して聴ける。
ただ、彼女は奇跡的に歌が上手いわけではなく、ケチがつく程ではないが低音の声量が弱めだったり、実声で出せる声域も意外と広くなかったりする。
さて詞だが、そもそも曲名が「ひまわり」で良かったのか疑問。
「ひまわりの種 植えた時は 私は幼くて」から「あれから夏が何度か来て 花は咲いて枯れて」で現在に至るまでの間に大事な人が亡くなっている内容なのだが、
ひまわりは一年草なのでせいぜい二、三年しか経ってない描写になり、その後の整合性が無くなってくる。
今も「私」は幼い気がするし、この期間に「小さな恋を何度か」してるのに「ずっと ずっと 愛しく思う」もないのではという感じになってしまう。
違う植物にしたほうが。「柿」とかでよかったのでは。
8.LOVE ~winter song~ ★★★
サブタイトルのせいでどうしてもマライアのクリスマスソングが浮かんでしまう、陽気なシャッフルのポップス。
Aメロとサビそれぞれの出来は良いと思うが、キーを1音上げ下げする転調が何だか耳になじまない。ドラムのフィルもベタすぎに感じる。
本格派シンガー的な売り出し方なのにサビでのコーラスの援護がやたら分厚いのも妙な感じ。
Aメロとサビそれぞれの出来は良いと思うが、キーを1音上げ下げする転調が何だか耳になじまない。ドラムのフィルもベタすぎに感じる。
本格派シンガー的な売り出し方なのにサビでのコーラスの援護がやたら分厚いのも妙な感じ。
9.Getting There ★★★★
歌と手拍子だけになって終わる前曲からの流れを引き継いで始まる、US志向のソフトロック。
何歌ってるのか聞き取れない箇所がやたら多いのだが、どうも外人の作った曲に福原が日本語詞を乗せたためらしい。
結果、楽曲的な聞かせ所にどうでもいい詞が乗ってしまった感が。
英語の仮歌デモがあったのか、英詞っぽいリズム感を出そうとして言葉を詰め込んだ努力の形跡はあるが。
サビへの繋ぎで「何かヤ~~ダ~~」とか「涙~~目~~」とか歌いながら盛り上げていくのは理解に苦しむセンス。
曲は良い。
何歌ってるのか聞き取れない箇所がやたら多いのだが、どうも外人の作った曲に福原が日本語詞を乗せたためらしい。
結果、楽曲的な聞かせ所にどうでもいい詞が乗ってしまった感が。
英語の仮歌デモがあったのか、英詞っぽいリズム感を出そうとして言葉を詰め込んだ努力の形跡はあるが。
サビへの繋ぎで「何かヤ~~ダ~~」とか「涙~~目~~」とか歌いながら盛り上げていくのは理解に苦しむセンス。
曲は良い。
10.ドリーマー ★★★★★
一気にアダルトな雰囲気になる、しっとりしたソウルナンバー。
哀愁漂うフルートやクールなベースも聴き応え充分。肩の力の抜けた優しい歌い口調も良い。
いわゆる会社側が売りに出てるシンガーが普通やりそうもない、渋い良曲。上の世代に訴えかける魅力はあるはず。
ところで詞曲を担当した香那という人が気になったのでググってみたが、関係ない人が延々引っかかって結局本人に行き着けなかった。
個性的な名前で活動して下さい。
哀愁漂うフルートやクールなベースも聴き応え充分。肩の力の抜けた優しい歌い口調も良い。
いわゆる会社側が売りに出てるシンガーが普通やりそうもない、渋い良曲。上の世代に訴えかける魅力はあるはず。
ところで詞曲を担当した香那という人が気になったのでググってみたが、関係ない人が延々引っかかって結局本人に行き着けなかった。
個性的な名前で活動して下さい。
11.ICE&FIRE ★★★★★
グラミー受賞アーティスト、コリーヌ・ベイリー・レイの提供曲。よく分からんパイプだ。
この人の曲を初めて聴いたが、音としてはアコギを中心に落ち着いた感じにまとめている。
曲のほうはコードの流れがかなり綺麗で、Aメロ→サビ→Cメロ→サビ→Dメロ→サビという構成も面白い。
まだAメロだろうと思って油断して聴いてるタイミングで、スッとサビに入る展開が心憎い。
キャッチーというより掴み所のない曲だが、中毒性がある。
この人の曲を初めて聴いたが、音としてはアコギを中心に落ち着いた感じにまとめている。
曲のほうはコードの流れがかなり綺麗で、Aメロ→サビ→Cメロ→サビ→Dメロ→サビという構成も面白い。
まだAメロだろうと思って油断して聴いてるタイミングで、スッとサビに入る展開が心憎い。
キャッチーというより掴み所のない曲だが、中毒性がある。
12.優しい赤 ★★
川村結花の提供による、やや歌謡曲チックなポップス。悪くない曲だが、普通すぎるので、ここに来て今更という感じがしてしまう。
タイプ的にもM7あたりと被り気味で、締めの曲としては物足りないか。
みんな結構好き勝手な曲を提供してるので、川村も売れ線にこだわらずに作りたいものを作ってよかったのでは。
福原の得意路線はコレ、というのが川村の見立てなのかもしれないが。
タイプ的にもM7あたりと被り気味で、締めの曲としては物足りないか。
みんな結構好き勝手な曲を提供してるので、川村も売れ線にこだわらずに作りたいものを作ってよかったのでは。
福原の得意路線はコレ、というのが川村の見立てなのかもしれないが。
総評.★★★★
本人が6曲の作曲、9曲の作詞に関わった、福原美穂の1st。
まず何といっても曲のレベルが高い。
「バラエティに富んでいる」という売り文句はどちらかというとこれといったお家芸のない人の作品に取り敢えず付けられることが多い気がするが、
今作はそのレベルとは一線を画している。
ポップスもロックもソウルもファンクも、申し訳程度にジャンルを揃えました的な生ぬるい出来ではない。
見た目の印象では主戦力っぽいR&Bが一番地味な気がするが、それでも極端に足を引っ張るような出来ではない。
勝手に歌わしとけ的な手抜きアレンジも無いし、逆に好き勝手に曲ばかりいじり倒したような実験的すぎる曲も無い。
シングル曲に比べアルバム曲が見劣りするという事も無い。むしろ逆。全体的に非常にバランスが良い。
詞はメッセージ性を前面に打ち出したというよりは、曲に対して必死に言葉を当てはめていったような感じで、
本人の歌の表現力の割には言葉が印象に残らない。
しかし詞が強烈すぎて良曲が台無し、という事態には陥っていないので、まずまず妥当なラインか。
そして今作が個人的に快適な理由の一つとして、福原が「歌は上手いが、一聴して本人だと特定できるような個性がない」というのがある。
彼女は下手でも人を惹きつけるような特徴的な声の持ち主ではない。
技術的にも、例えばエ段の混ざらない綺麗なア段を発声することにかけてはいきもの吉岡のほうが、
パワーならSuperfly越智が、メリハリなら阿部真央が、といった具合に、部分で見れば他の歌手に比べ物足りなさも感じるが、
福原は大きな不可がなくバランスが良い。良曲を損なうことなく、自分色に染めすぎることもなく仕上げている。
普段バックバンドのコーラスやってる人が代打でメインを歌ったらきっとこんな感じなのではと思う。
実際には稀有な存在なのかもしれないが、何故か福原のように歌える人はそこら中にいて、彼女はその中の一人にすぎないような気がしてしまう。
で、自分にとって今作は曲の良さを楽しむ作品なので、福原のこの黒子感は絶妙に感じる。
「きみのためなら死ねる」のヒロインはシルエットだが、あのゲームの中ではあれで立派なヒロインだと思う。
かといってあのヒロインが成立するゲームは他にはサウンドノベルくらいだろう。
自分にとっての福原もそんな感じで、今作なら黒子歓迎だが福原個人に付いてる客ではないので曲が変わるなら聴かなくなる。
あくまで個人的な感想だし、福原本体をもっと掘り下げないなんて勿体無すぎる、と言われれば多分それが正解だが、
まあ要は福原が苦手でも曲の良さで結構聴けるかもという作品。
まず何といっても曲のレベルが高い。
「バラエティに富んでいる」という売り文句はどちらかというとこれといったお家芸のない人の作品に取り敢えず付けられることが多い気がするが、
今作はそのレベルとは一線を画している。
ポップスもロックもソウルもファンクも、申し訳程度にジャンルを揃えました的な生ぬるい出来ではない。
見た目の印象では主戦力っぽいR&Bが一番地味な気がするが、それでも極端に足を引っ張るような出来ではない。
勝手に歌わしとけ的な手抜きアレンジも無いし、逆に好き勝手に曲ばかりいじり倒したような実験的すぎる曲も無い。
シングル曲に比べアルバム曲が見劣りするという事も無い。むしろ逆。全体的に非常にバランスが良い。
詞はメッセージ性を前面に打ち出したというよりは、曲に対して必死に言葉を当てはめていったような感じで、
本人の歌の表現力の割には言葉が印象に残らない。
しかし詞が強烈すぎて良曲が台無し、という事態には陥っていないので、まずまず妥当なラインか。
そして今作が個人的に快適な理由の一つとして、福原が「歌は上手いが、一聴して本人だと特定できるような個性がない」というのがある。
彼女は下手でも人を惹きつけるような特徴的な声の持ち主ではない。
技術的にも、例えばエ段の混ざらない綺麗なア段を発声することにかけてはいきもの吉岡のほうが、
パワーならSuperfly越智が、メリハリなら阿部真央が、といった具合に、部分で見れば他の歌手に比べ物足りなさも感じるが、
福原は大きな不可がなくバランスが良い。良曲を損なうことなく、自分色に染めすぎることもなく仕上げている。
普段バックバンドのコーラスやってる人が代打でメインを歌ったらきっとこんな感じなのではと思う。
実際には稀有な存在なのかもしれないが、何故か福原のように歌える人はそこら中にいて、彼女はその中の一人にすぎないような気がしてしまう。
で、自分にとって今作は曲の良さを楽しむ作品なので、福原のこの黒子感は絶妙に感じる。
「きみのためなら死ねる」のヒロインはシルエットだが、あのゲームの中ではあれで立派なヒロインだと思う。
かといってあのヒロインが成立するゲームは他にはサウンドノベルくらいだろう。
自分にとっての福原もそんな感じで、今作なら黒子歓迎だが福原個人に付いてる客ではないので曲が変わるなら聴かなくなる。
あくまで個人的な感想だし、福原本体をもっと掘り下げないなんて勿体無すぎる、と言われれば多分それが正解だが、
まあ要は福原が苦手でも曲の良さで結構聴けるかもという作品。
(★5個が満点。)