アルバム全曲レビュー * アーティスト名 : まつおかもとき。

Reviewer:23rd. 397-401 名無しのエリー2010.06.04.

1.self-introduction ★★★
まずは軽めに多重コーラスの曲。
自分の名前のローマ字表記を歌詞にするセンスはともかく、さくっとアルバムに入れる。
2.You're My Sunshine(毎日がSunday) ★★★★
高野寛作詞。
爽やかなアコギのストロークと、軽快なメロディが二曲目の雰囲気。それでいて完全に目が覚めているわけではないようで、高揚感が少なく聴きやすい。
アウトロでは笛などの多彩な楽器が登場し、民俗音楽のような雰囲気に。音の選び方はいかにも渋谷系で、個人的にこういうの好き。
3.語りつくして(THERE IS NOTHING MORE TO SAY) ★★★★
ソフトロックの名盤、ミレニウムのビギンに収録といういかにも渋谷系アーティストが好きそうな名曲。
美しいメロディはそのままに、ほぼピアノのみの自己主張の少ないアレンジでアルバムに溶け込んでいて良いカバー。
しかしいい声してるなー。瑞々しくてピッタリだ。
4.そうなんだ ★★★
躍動感のあるピアノを主体に、心躍るメロディでまったりと進行する。
印象的な部分はあまり無く、曲間の繋ぎみたいだが、アルバムのトータル感がより一層強くするために欠かせない感じ。
肩の力を抜いて聴ける小品ポップス。
5.Beautiful ★★★★☆
洋楽的な曲が並んできたがここでJ-POPにかなり接近した日本的なポップス。
Aメロ、Bメロ、サビの鉄板の展開は作曲の実力の高さを感じる。全体的に安定感がある。
少し切なげで消え入りそうなサビのメロディはかなり日本人に耳なじみが良い系で、このアルバムの核といっても良い。
6.生まれたのは四月 ★★★
「そうなんだ」と同じ雰囲気の軽やかな曲。個人的には被ってるというより、アルバムの雰囲気に合っていてプラスな印象。
こちらは間奏のピアノが印象的。まさにこのアルバムの雰囲気の象徴のようなメロディ。
そしてこのタイトルが良い。というかこのアルバムの曲のタイトル全部良くないか?
7.a summer's day ★★★
ギターのアルペジオのみで淡々と進む。余計な寄り道をせずに、しっかりとメロディを聞かせようとする感じが好感。スルメ。
シャツが汗でべったりと肌についたまま、ぼんやりと夕日を見ているような気分になる。
8.探しだせ! ★★★
コーラスと「探し出せ!」という歌詞のみの半インスト。
相変わらず瑞々しく、爽やかでウキウキな曲。ただ同じような渋谷系でもオザケンとは少し違うような。
こちらは黒人音楽のような要素が薄目。そして全体的にアコギの音が独特。これは言葉では説明しにくいけど。
9.ひとりの風景 ★★★
アコギ、ピアノの静かなバラード。
かと思いきやサビで一気に溜め込んだ感情を爆発させるように音程が一気に上がり、そこから少しずつ抑えるように静かになる展開。
ただサビに入る前までは印象が薄い。もう少し捻ったメロディーを作れると思うんだけどね。
10.マザーズリトルヘルパー ★★★☆
アコギの弾き語りに他のちょっとした楽器で味付けしたみたいなかわいい曲。
この曲も軽快だが、この疾走感はカントリー風味かな。小品的な感覚は拭えないが聴きやすさはアルバム屈指。
11.孤独 ★★★
疾走感のあるアコギ弾き語り。これまでと違い軽快でありながら少し憂いのあるJ-POPメロディー。
普通のストロークではなく恐らくスリーフィンガー。これはこのアルバムでは新感覚。
12.Time Snap
繋ぎのインスト。
13.僕はまだ… ★★☆
急にシリアスなムードの曲。繋ぎがあるけど急転しすぎ。
あまりに急すぎてかなり印象的。アクセントとしては良いかもしれないが他の曲と比べると聞き難いのが目立つ。
ピアノのアレンジもこれまでの瑞々しさは全くなし。徹底してるのは良いんだけどね。
14.self-introduction
一曲目をもう一回。ラスト前を印象付ける繰り返し。
15.IN MAMA'S KITCHEN ★★★★☆
最後の最後で、カタルシスを感じる三拍子の全英詞曲。
この曲までに溜め込まれた感情が一気に開放されるような高揚感。母の愛についてやさしく歌い上げる。
それと「IN MAMA'S KITCHEN」というタイトルとは全く逆の雰囲気の「I'll change the world」という歌詞が印象的。
締めに「生まれたのは四月」のピアノを軽めに入れてあっけなく終わり。ちょっと寂しい。
総評.★★★★
BL.WALTZのフロントマンであり音楽プロデューサーとしても活躍している松岡基樹の唯一のソロアルバム。
もともとBL.WALTZに興味がわいたのに全く音源が手に入らないので、昨年コロムビアのオンデマンドCDとして再発したこれを手に入れた。
真っ先に感じるのは渋谷系的な洋楽っぽい感じだなぁ、ということ。
BL.WALTZは渋谷系とは呼ばれていたものの、日本的な歌ものが多めで、
音楽オタク的な内向きな雰囲気ではないのでソロでは私的な雰囲気を出したかったんだと思う。
一曲目に多重コーラスによる軽めのオープニングを入れ、ラスト前に繰り返すのはビーチボーイズのスマイルみたいだし、
you're my sunshineの楽器の使い方はポールサイモンのグレイスランドっぽいし、
音楽好きっていう感じが出てこういうのが好きな人は多いんじゃないかと思う。
いまいち知名度があるように感じないが、自由度の高さと15曲を30分台で聴ける軽さは、たまたま辿り着いた人のオアシスになり得るであろう作品。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。tr.12,14は星評価なし。)