アルバム全曲レビュー * アーティスト名 : るーまにあ・もんてびでお。

Reviewer:23rd. 105-109 名無しのエリー2010.02.15.

1.picnic ★★★
後に同名で全く違うアレンジを施されて日本語詞でシングル発売される曲。
他の盤のレビューで何度も書かれてるような不可思議な展開をする彼ららしい曲。
それでも全体を通してまあまあまとも。インディー系のギタポと言っても通じるレベル。
だが歌詞は捨てられた子供の歌…何でそんなテーマ…
メジャー発売版の日本語詞はこれと比べると抽象的、かつ冒頭から陰気な感じで「うわぁ…」レベルに留まっている。
が、このバージョンは英詩ながらも『I waited and waited/but mammy never showed up』と思いっきりストレートに表現しており、
さらに冒頭だけだと日本詞バージョンとは違って普通に楽しげな歌詞なのがタチ悪い。というか怖えよ。
そんな歌詞をこんな軽快な曲に乗せてるのかと考えたら尚更怖い。英語圏の人に聞かせて反応を見たい。
2.Jonathan ★★★☆
メジャー1stに入っている『さよなら』の原曲。『さよなら』に比べ、アレンジがストレートな感じ。
あとイントロが全く違い、『さよなら』に比べてすっと曲に入る感じで良いね。
…いや、そんなことはどうでもいい。どうしても書きたいことが一つある。
サビの『さよなら』には無かった、右チャンネルで鳴る「ピロピロッ」って短いギターの音は何なんだ?
この音が曲全体を通しても浮きまくっており、結果曲の中で一番印象に残る音になる。
そしてこの音のせいでまあまあ爽やかなこの曲のイメージがすごい変なものになる。天然?才能?どっちだ?
アウトロ、消えていくギターに混じって三好姉が「…ァーィズ…」と幽霊の声のように歌っている。
最後のサビで『from my eyes』の「eyes」を歌い切れなかったからってそうやって歌うのはどうなんだ。面白いからいいけど。
3.Halfmoon ★★★★★
そして彼らの天然なのか才能なのかわからない魅力がこの曲で炸裂する。
まずイントロ。裏声のコーラス。当然のように音を外している。
そしてロックがかかったギタポ、ってな曲調のメロ。しかしここでも気は抜けない。
メロの途中で、「あれ?姉さん大胆に音外したな」と思ったら急に妙な転調があって、別に音を外したわけじゃなく単に曲に合わせて歌ってたんだと知る。
そして幾つかの転調を経てサビ…ええ!?さっきのメロと全然曲調が違うじゃん!何の前触れも無くこんな唐突に展開していいものなのか?
しかも急展開する曲にありがちなリズムが急に加速したり落ちたりビートが変化したりする展開は無くリズムは一定。
さらに明るかった曲が急に暗くなったり激しくなったりする展開でもなく、普通に明るいままなので余計に混乱する。
それでもまだ終わらず、サビが終わった後何故かギターの音が半音ずつ上がっていく変な展開がある。一瞬ニルヴァーナになったみたいな感じ。
その後鉄琴とピアノの音を挟み何事も無かったかのようにメロに戻るのだが、サビの展開のせいでそのメロにも違和感を感じてしまう。
しかもメロ、1番では転調とかあったりして結構時間掛けてたのに2番では転調が無い。つまり、大幅に削ってある。なんじゃそりゃ。
そしてまた急展開なサビ、一瞬ニルヴァーナを経て鉄琴の音とギターだけが残り急な幕切れ。以上の出来事がわずか3分7秒の間に起こる。
…なんちゅう曲だ。何を考えてるんだこいつら。意図してるなら天才だと思うが、もし天然なら控えめに言っても頭がおかしい。
4.Another day is yet to be ★★☆
スウィング風の静かな曲。まあ、普通。
三好姉って歌下手だけど声可愛いね。とか普通の感想が書ける唯一の曲。
5.JETPLANE ★★★★
歪んだギターがビシビシ鳴るベンチャーズ風のロックナンバーだがドラムの入り方がすごい変。
でもそれ以外は普通にカッコいい!カッコいいよルーマニアモンテビデオ!
声にかかっているエフェクトもいいね!カッコいいよ!ただ惜しむらくは音が薄い。ああああ!俺がエンジニアなら低音を利かせてあげたい!
とか普通にはしゃいでいるとアウトロで急にボーカルのリヴァーブが現れ、それがギターの音を掻き消すほどに大きくなって終わる。
いや今のは普通に終わってよかったよね?とツッコミたくなる。しかもすごい唐突に入ってくるし。
でもまあ許容範囲。フィッシュマンズも似たようなことやってたし。とりあえずイントロとアウトロ以外はキレの良いロックナンバーです。
1分半(ジャスト!)という短さも好感触。
6.I can't help but hold you tight ★★★★★
ドラムのどっしりばっさりした響きとピロピロしてるキーボードが印象的なイントロ。が、メロの歌が入る部分で変な転調。
ああ、こういう感じの曲ねーと思っていると急にまた変な転調。というか変な展開だなこれ。転調じゃない。
キーボードが急に前面に出てくる、しかもさっきのピロピロ音じゃないストリングスっぽい気持ち悪い音。
もちろん不穏かつ変な旋律。コーラスも聞こえてくる。
なんだこれ?というかボーカルどこ行った?これ間奏じゃないよね?だとしたら長すぎるよ?歌わないの?というかもしかしてこれサビ?
最初分からなかったがこれは彼らなりの半インスト曲だった…
普通のバンドの半インストってイントロかアウトロが長い筈だし、大体サビを先に済ましたり後に回したりとりあえずサビも歌う人もいるはず、
あるいは完全にサビとかいった概念を無くし歌う人のどっちかだと思う、
少なくとも自分が今まで聴いてきたバンドはそうだったがこの人たちは真ん中に堂々と、強引にインスト部分を持ってきやがった。しかもメロだけを置き去りにして。
後半では歪んだギターが哀愁のあるメロディを掻き鳴らし、イントロに登場したピロピロ音も顔を出し、なんだか最早プログレチックな展開に。
というか今思い出したけどあのイントロなんだったんだ?この壮大な展開ともピロピロ音以外に繋がりないしメロとも繋がりないし。
…もうこれはメロとか考えてる自分がいけないのだろうか?なんか根本的な音楽理論を凄い勢いで覆された気がする。
そして超強引に冒頭のメロに戻る。しかしさっきとは違い何故か不穏なノイズが鳴っており、それが残って終わると言うなんか気持ち悪い終わり方をする。
この曲は…なんというかもう、素直に感動してしまった。インスト部分が曲のど真ん中にある事によってそれ故の意味性を帯びている。
なので全く一貫性が無いにもかかわらず他のバンドの半インストナンバーとは違い安易に「トラック分ければいいじゃん」とは言えない。
何より、他のバンドが演奏時間を10分ぐらいかけて作り上げる展開、世界観をこの人たちは3分で済ましてしまっている(3曲目と同じ3分7秒…)。
凄い。なんなんだこの人たち。しかも天才なのか天然なのかも分からない。天然だろうが天才だろうがどっちにしろ控えめに言っても頭がおかしい。
総評.★★★★
ルーマニアモンテビデオ、インディーズから出たファーストミニ。シュリンクに貼られているシールにはBarf-out編集部監修と書いてある。
紙ジャケットで、ジャケットの外に歌詞カードを兼ねたカラーブックレットが付いている。
なんか裏ジャケット思いっきり曲目が逆さまなんだけれど。発注ミス?因みにアートワークに小田島等が参加しているので無駄にスタイリッシュ。
この度めでたくまとめサイトにレビューが掲載された「sunny,cloudy,rain」は未聴だが、大体同じ感じだと思う。全英詩のギターポップ。
しかしそれはあくまで表面的な話。その中身はもう、どうかしているとしか言い様がない。
ちなみに演奏は勿論下手で、三好のお姉ちゃんの歌も下手だけどそれはもう大前提にあると思うので曲レビューでは触れなかった。
…よく、子供の絵がすごいってのは絵画の理論、例えばデッサンや遠近法、色彩感覚を知らないからこそ浮かぶ発想があり、
その発想を何も曲解せずに描き出すからそう言われる部分があると思う。このアルバムはまさにそれ。
作り手がなんとなく「こうしたら面白いんじゃないかな?」と思ってやったことが傍からみるととんでもなかった、という現象が連続して起こったCD。
そうとしか思えない。これらが意図的に成されたことならもっと整然としている、あるいは雑然としてると思う。
演奏の下手さや歌唱力の無さも、このバンドのぶっ飛んだ音楽観にハマればその前では雰囲気作りのアイテムにしかならない。
演奏力歌唱力に目を閉じれる人じゃないと厳しいが、閉じれる人にとってはなにか見えない力すら感じる奇跡の1枚、あるいはこの世で一番疲れる17分間。
ネジの外れたギターポップが好きな貴方、何かしら刺激を求める音楽好きの貴女に。
また、このバンドはBOaTの初期作品が好きな人に是非お勧めしたい。音楽の方向性は全く違いますが、かなり似た匂いがします。
最後にブックレットのメンバーに対するQ&A集から、三好誠の印象的だった回答を。
『Q:もし生まれ変わったら何になりたい?  A:「汗をかいて仕事をする人」』
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)

Reviewer:23rd. 172-175 名無しのエリー2010.03.07.

1.picnic ★☆
ギターとボーカルの導入部からバンドサウンドが入る、明るめのリズミカルな曲。
サウンドはひと昔前の洋楽っぽく、全体的にメロディアスな作り。
最初の数十秒だけで十分アマチュア臭さが分かる曲なので(音楽素人レベルの耳でも)、そこでダメな人は多分この一枚自体どうしてもダメ。
しかもそれを乗り越えた聴き手にも彼らは更なる試練をお与えになる。一番サビ終了後の間奏でどう考えてもスネアの音一個抜け落ちてる。
えっこれ良いの・・・?いくらインディーズとはいえ市場に出せる水準ってものがあるんじゃ・・・。
しかも何喰わぬ顔で演奏は続くのでなんか自分だけ落とし穴にはまった感覚に。確かに不完全さは彼らの魅力だと思うけど・・・。
わざと失敗テイクを収録したとかにしても、申し訳ないが個人的には許容範囲外。
メジャー版と比べてベースがメチャ簡素なことを踏まえると、Bメロのギターのポップなオブリとか既にこの頃から出来てたのは意外かも。
ちなみに明るい曲調に反して歌詞は子捨ての歌らしい。後に同名メジャー3rdシングルとして発売、メジャー2ndアルバムにも収録。
2.Jonathan ★★☆
アップテンポの爽やかなギターポップ。一体何をもってJonathanなのか歌詞を読んでも分からないけど。
AメロBメロと穏当に進んでいくが、サビで一気に妙な雰囲気に。
元々たどたどしい歌唱力なのに、キー高めのメロディを連続で歌うには歌唱力が追いつけ無さ過ぎて、なんか泣きながら必死に歌ってるみたいに聴こえる。
キュッキュッって効果音も印象をおかしくする。
さらに後半のサビではその泣きそうな歌の上に露骨にやる気が感じられない「オイェー、オイェー」ってコーラスを被せてきた。ドン引き。
聴き手にどんな感情を湧かせたいんだ・・・。まあわけの分からない複合技に緊張はするけど。
後に曲名を『さよなら』と変え、メジャー1stアルバムに収録。
3.Halfmoon ★★★★★
冒頭の音外しまくった裏声ウーウーコーラスで早々にズッコケる。しかしまあこのあたりは彼らの持ち味。
加えて鉄琴の音や舌足らずなボーカル、ヘタウマルーズな演奏もあり、ある種のノーテンキムードが最大限に発揮された曲。
面喰らうような謎の転調も多いが全体としてはピースフルな出来。ノイジーなギターは意外に重く、曲を盛り上げる。
オルタナティブロックバンド・rumania montevideoのド天然の魅力を存分に堪能できる良曲。
4.Another day is yet to be ★★★★
えぇーと、何風って言うんだろうこういうの・・・スウィングジャズ?いや要素はあると思うけど絶対違う。
間奏とかはちょっとハワイアンっぽいところもあるし、フレンチポップな雰囲気もあるような。もうよく分からん。
M3よりもっとノーテンキでピースフルな感じに思えるが、どっちかと言うと正体不明のむず痒いピースフルさのような気が。
聴き手を困惑させたかったのかも。いやただ単に楽しい曲を入れたかったって可能性もある。本当に分からん。
ところでこれちゃんとメンバーが演奏してる?特にベース。ウッドベースに近い音に聴こえるんだけど。打ち込み?
ドラムも他のプレイに比べて安定し過ぎてる気がする。なんかもうそのあたりからして本当に全く分からん。どうにかして。
「dreams again, dreams again, dreams again」と珍しく歌がリズミカルに曲を引っ張る瞬間が耳に残る。
5.JET PLANE ★★★☆
まんま洋楽な感じの準インスト曲。
当然技術は足りてないが、今作では最もヒステリックなパフォーマンスを見せるナンバーか。
まあ歌唱力不足を補うためにボーカル加工してるけど。でもこの加工がまさか後になって意味を持つとは。
歌詞は無意味っぽい。英単語を適当に当て字にしている(away→awey、change→chenzi等)。でも「melan-steal」とか「welan-steal」って何?
最後は加工されたボーカルが再度入って徐々に大きくなり、不意にビタッと切れる。サイケ。
6.I can't help but hold you tight ★★★★★
ピロピロいいながら上下するイントロの電子音が印象的なスローテンポの曲。
「冬に男が死んだ(超要訳)」ってな物騒な英詞の短い歌パートが終わったあと、シンセストリングスを中心とした悲しげな長い間奏に入る。
抑揚などいっそ何も考えないようにガスガス叩くスネアやシンバルのシャンシャンした余韻が、積もりゆく雪の情景を思い浮かばせるような気がする。
そこに三好真美のコーラスも加わった時、悲壮感はさらに加速。
彼女の声はもともと生気に欠ける感じだったが、曲の悲壮感をこれほど煽るものとは思わなかった。凄まじい。
中谷美紀の『フロンティア』並みに死臭を放っている。
吹雪の山荘で一人で静かに死んでいく老人とか、歌詞と合わせてそういう光景が容易に想像できる。
最後は吹雪が止むように急に穏やかになり、歌パートをもう一度繰り返して終了。
妙な転調を得意とする三好誠だが、この曲は場面転換ごとに聴き手の感情を揺さぶるような上手い転調をしてると思う。
ところでいくら詞中で雪だの冬だの言ってても、自分の中でこの吹雪というイメージがどこから湧いたんだろうと不思議に思ってたら、
曲中ほぼ通しで風のような吹雪のようなフォオオオって音が鳴ってました。あなたの仕業でしたか。
総評.★★★★☆
詳しい情報は前の人のレビューに任せて省くが、rumania montevideoのインディーズ一枚目。
彼らのCD音源をすべて聴いた印象では、これが飛びぬけてカオス。カオスっていうかどんな言葉で表していいのかもちょっと困る感じ。
特に演奏はもんのすごい感覚的。曲によっては商品としてギリギリアウトなクオリティのものもアリ。
プラス今さら言うまでもなく歌はド下手だし、歌詞も中学生英語だし発音は悪いし作曲は変だしで、こう書くと良いとこナシな一枚にも聴こえるが、
言い換えれば、メロディ・詞・声・演奏、曲を構成する全方位に対してどこかしら天然的に欠落してる感じが今作のカギ。
むしろ欠落してることに非常に安定感があり過ぎててなんかブキミ。
インディーズ2ndとのリリース期間は1カ月未満だが、それと比べても大分とっ散らかってる。なんでこんなに差があるんだろう。
総合すると、ちょっと変わった凡人が寄り集まって曲を作ったら、相当奇妙な一枚が偶然出来てしまいました、って感じ。
そうは言っても全曲歌モノで、曲は転調こそアレだけど割とメロディアスだし、
何より曲ごとの収録時間が短いので(4分を超える曲がないです)、聴きにくさはそれほど無いはず。
当然、技術の無さに目を瞑れば、という前提はあるけど。
相変わらず誰にオススメしていいのか迷うが、ボーカル兼ドラムの三好真美が虚ろな表情で
こちらにビデオカメラをジッと向けているジャケット(本当は歌詞カードだけどね)を見て何か惹かれるものがあるという人は、
聴いてみると未知の感覚を味わえるかも。大体あんな感じの雰囲気です。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)

Reviewer:22nd. 607-610 名無しのエリー2009.12.18.

1.Snap ★★
後に『デジタルミュージックパワー』という名前で2ndメジャーシングルとして世に出る曲。
まず歌詞カード開いてビックリ。英語詞。まあ聞いた結果モロに日本語発音の英語だったけど。
疾走感あるギターポップだがなんか演奏が不器用な出来で普通にアマバン臭しかしない。
しかも三好真美のボーカルが常にワンテンポ遅い。力なく歌う様といい非常にノーテンキ。まあ曲調とのギャップは楽しめる。
けどメロディの歪みや中途半端な小節数から強引に次の展開になだれ込む彼ららしさはこの頃から健在。
そしてサビ頭の「He」の発音で今作の本領発揮。ものすごい不安定な声で甲高く歌ってる。
カタカナ表記にしたら「ヒイィイィィ~」って感じ。何コレ。悲鳴?
2.a walk Shaded by apple trees ★★★☆
何故かボサノバ風。えええぇぇぇ・・・。特にヤマのないメロディラインで進行する2分半程度のまったりした英詞曲。
三好真美の力ないボーカルは意外にもこういう曲に適性を発揮してるかも。まあ下手なんだけど。
と思ったらコード的にも歌詞的にもやたらと不穏な印象で曲が終わる。「To tell the truth」うん、本当のことを言うと何?
・・・何?・・・・・・何?ってそこで終わんのかよ!なんかほんのり怖いんですけど!?
3.Sub channel ★★★★★
アコギを中心に三好真美が外し気味の弱々しいボーカルを乗せる穏やかな曲。
ほぼその2つが中心を担う曲なので不安定な部分が多くて怖い。キー高めの同じく弱々しい女声コーラスも怖い。
所々に入る、恐らくは何かの歌を逆再生したであろうSEも不穏で怖い。そして何より間奏の貝笛の音とも幽霊の声ともつかない音が一番怖い。
一体何がしたいんだろう。まったく意図が掴めない、不気味な存在感を放つ曲。個人的には呪いの歌というものがあったらこんなんだろうかというイメージ。
ていうかこういう曲を作ることを合意したメンバーもどういう魂胆なんだ。メンバーって言ってもギター片方とベース要らなそうな曲だけど。
この曲だけ歌詞の記載がなく、ボーカルの発音からしてどんな内容歌ってんのか全く推測出来ないのもまた嫌な感じ。
4.Someone must be there ★★★
珍しく勇ましいドラムが牽引するキュートな曲。それに乗っかるシンセストリングスとベースも印象的。
まあサビで例によって変な転調があるんだけど、舌足らずな三好真美のボーカルのおかげもあり首を傾げたくなるとかよりはヘンテコリンで可愛らしい感じを受ける。
1番終わった後のバンジョーみたいなKYギターや間奏の何故か控え目なギターソロも変で面白い。
今作中で一番ホッとできる曲。で、次は・・・
5.Star ★★★★★
鳥の鳴き声みたいなピュリピュリいう電子音とギターのミュート、ポツポツ力なく言葉を漏らす三好真美のボーカルで始まるオルタナ曲。
いきなり半端なく不穏。しかも「彼女は崖から海に身を投げた」とか英詞で歌ってる。
他の演奏陣入ってきてもAメロはギターミュートしたまま、ベースほとんど動かず、ドラム淡々、と静かなのがまた嫌。本当に不穏。
サビは歌詞らしい歌詞もなくポッ、ポッとか謎のフレーズ放ってる。
何だコレと思わせるが、2番サビでキー高めにしてまたポッポッ言ってる。最終的にもっとキー高くなってエコーもかかる。もう気持ち悪いにも程がある。
一体何のつもりなんだろう、なんか水泡の音に聞こえなくもないけど、と思って調べたら当たりました。
女性が海の中で窒息死する過程を表現したかったらしいです。大丈夫なのか三好真美。
それにしても曲全体を通して不可思議なコード進行。ただ単に自分にそういうコードとかの知識が全く無いのが理由かもしれないが、
要はそういうレベルのリスナーでさえ薄気味悪く感じるコード進行ということ。
最終的には鳥の鳴き声が首を絞められた時のような感じになって曲が終わる。曲名の理由もまた恐ろしい。
6.Shine Today ★★
物憂げなギターのアルペジオで始まったと思ったら男ボーカルだった。多分三好誠。
OASISあたりがやり倒したものの劣化版みたいな簡素なオルタナロックだが(Aメロは『Whatever』に激似)、やっぱりすんなり終わらなかった。
サビは単体で見れば普通なのにBメロの後に繋がると一瞬ものすごい気持ち悪いコードに感じた。何この罠。
三好誠のボーカルは姉と同じく素人臭いフワフワした感じだが、録音環境やコーラスもあいまって妙な浮遊感がある。
月曜は公園で散歩、火曜は音楽を聴いて、水曜は木曜は・・・と並べていく現実感あるんだか無いんだかわからない誠の作詞も、
ユラユラと実体の掴めない感覚を醸し出している。
総括すると幽霊っぽい。なんかもう今作そんなんばっか。しかも姉弟揃って。
総評.★★★★☆
rumania montevideoのインディーズ2枚目。
2枚目とはいっても1枚目が1999年3月5日発売で、これがその24日後に発売、更にはその16日後にメジャー1stシングルが発売なので、
完全にお膳立てされた申し訳程度のインディーズ活動だったんだろうけど。まあGIZAはそういうの倉木麻衣とかガーネッ・・・いやもうやめとこう。
さて今作の内容だが、一貫して極めてカオティックな内容。
それも本人たちが「どうかな?どうかな?」とニヤニヤしながら敢えてそういう突っ込みどころ満載の作りにした印象が全然感じられない。素でこれという感じ。
何ひとつ信頼を置いて聴ける部分がなく、聴いてるこっちがものすごく不安を駆り立てられる。気が抜けない。
まず作曲についてだが、正直何とも言い難い、というより、繰り返すが自分にそういう専門的知識がないので何も言えない。
ただそんな素人リスナーでさえも「何コレ!!気持ち悪っ!!」と感じられるくらい妙なコード進行が特徴とも言えるのかも。
仮にいきものがかりがこんなメロディの曲出したら間違いなくファンからボロカスに言われそう。
演奏については武骨というか、これまた素人が聴いても下手。
ただ2曲目にボサノバで意表をついてきたり、明らかにメンバー数人に出番の無い曲とかもあったりで、
演奏形態やジャンルにこだわらないスタイルは人によっては聞きどころと捉えるかも。結構やりたい放題。
個人的にはそれもバンドの全体像が見えてこなくて不気味という点で評価のひとつになったけど。
そしてそれらの気味悪さをダメ押しするトドメの1ピースが三好真美のボーカル。
ピッチも音程もダメダメで、よりによって何でこの人が歌うんだろう、とまで思わせるくらいボーカリストとして絶望的なんだけども、
そうでなければ今作の不安定さが半端なもので終わっていたというか。全編通してほぼ無気力な歌い方だが、脱力系とも言い難い。
個人的な感覚では脱力系シンガーとは自らのヘナヘナ歌唱で聴いてる側をそれにつられるように脱力させる系統のシンガーを指すのだと思っているが、彼女の場合は違う。
むしろ脱力させてくれない。自分だけかもしれないが聴いてる間ずっと緊張状態を強いられた。
作詞は最終曲以外は彼女によるもので全部英詞。
日本語の直接的な表現を避けることによって表現の輪郭を曖昧にしてみた、みたいな意図があるのかもしれない・・・かどうかは分からないが、
結局それもまた今作のグレーさに一役買っていると感じる。
まあとにかくこんな心が揺れ動くアルバムも稀だと思う。ていうかこれ聴いた後だと彼らのメジャー1stすらえらくマトモな一枚に聴こえる。
一応彼らはメジャー3rdまで出しているが、基本的には数を出すごとに理性的に、堅実になっていく。
確かに後期には後期なりの面白さはあるが、何とも言い難い天然の薄気味悪さはやはりこの頃ならではのもの。
技術面からすると最下層の音楽なんだろうけどきっとそれだけでも終わらない、ホラーなアルバム。
・・・と個人的評価は高いのだが、確実に聴く人は選ぶ。
基本的に良い点と悪い点が解釈次第の裏表一体な一枚なので、技術的に卓越した上で何かの表現を試みた音楽を求める人は絶対に聞くべきではないし、
普通のポップミュージック、ギターポップ好きも火傷すると思う。
「下手でも何でもいいから自分の今の音楽観をブチ壊すものを聴きたい」と思ってる人向けかも。どんな風になっても責任取れないけど。
少なくとも自分は彼らのインディーズとメジャー1stで音楽観変わりました。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)

Reviewer:22nd. 276-281, 284 名無しのエリー2009.10.18.

1.lifevideo ★★★
シンプルにコードを刻むリズム突っ込み気味なエレアコのバックでBreedersのような曖昧なギターが鳴る、準インスト的なオープニング。
次第にエレアコが姿を消し、ドラムが入る頃にはオルタナに。偏見かもしれないが、この位演奏が雑なほうが本格的なオルタナって感じがする。
「いいところだけ記録しておいて あとでビデオで再生する」という一文だけの台詞を、ギターの三好弟が呪われたような声で1曲かけて途切れ途切れに喋る。
曲名が曲名だけにその台詞がまた怖い。
見た目は普通な彼らに対し何らかの違和感を感じるのに充分な1曲目。
2.Still for your love ★★★★
長い間自分が彼らを誤解する要因となった、彼ら唯一のオリコンTOP10入りシングル。これしか知らない状態でアルバム買って驚きました。
概ねキャッチーな歌メロはいかにもアニメタイアップだけど歌はえらく下手だし演奏も明らかに下手だし何コレと初めは思ったもんだが、アルバム聴いて納得。
一聴した印象では売れ線っぽいメロディだが、変な寄り道をして小節数が半端になる気まぐれな構成、
大勢に向けて売る気を感じないノイジーなギター、いきなりシンバルがデカくなってしまうアバウトでがさつなドラム。オルタナでした。
しかも直で洋モノの影響下にはなく、日本の安直な大衆向けロックに取って代わるべく敢えてJ-POPの売れ線を崩すことに挑んだ感じなので、
ちゃんとした憂国のオルタナバンドに思えてしまう。
サビ前のメロディとか、職業作曲家なら有り得ないほどすんごい不安定。メジャーコードがこんな風に配置されるスケールってあるんだろうか。
またはサビ前のわずか4小節で2回くらい転調してるとか。
とにかく理屈で片付かない作曲と、結局ママのために歌ってるのか彼のために歌ってるのか分からないモヤモヤしたサビのコンボが肝。
大沢あかねの「夏日星」と並び2大オルタナアニソンと称したい曲。
3.コハク ★★★★
早くもドラムが打ち込みになる4つ打ちロック。
三好姉はドラムボーカルが売りかと思ってたらいきなりこの自由度。いいのかそんなんで。
まあ歌があるからいいのか…と思ったらベースも打ち込み。そりゃまずいだろ。しかもドラムは部分的に生っぽいけどベース全部打ち込みっぽい。
色々度肝を抜いてくれる。詞が不安定な割に曲は普通っぽいな、と思ったらサビ前の変なタイミングで変な転調が来た。気持ち悪っ。
しかもサビ後には元の調に戻るのかと思ったら、しれっとキーが一音上がってる。必然的に2番のAメロは1番と似て否なるメロディになってる。
さらに2番のAメロとサビの間にCメロ挟んでる。普通サビの後とかギターソロの後とかに入れるもんでは。そこひとヤマ要るか?
定型の売れ線ポップスに対してよほど含むものがあるのかもしれんが、ここまで屈折するとは。
4.さよなら ★★★★★
エレアコが爽やかなアップテンポ曲。の皮を被ったオルタナ。
詞は「忘れないで」とかのそれっぽいフレーズが聞こえるが、何を忘れて欲しくないのかというと「かけちがった ふたりのラスト」とかなのが嫌。
離れ離れになってもお互いを忘れずにいよう、とかそういう爽やかさは無理ですか。嫌な思い出を足かせに引きずって生きろと。
三好姉の詞はいつもまとまりに欠けるが、悲観的な人なのは嫌に伝わる。
曲のほうは何かにつけてやたらとAm7とEm7を反復しており、これが変なツボを押す。なんかダイナソーJr的な力技感を感じさせる。
そして何と言ってもウィスパー気味なサビの歌がすごい音外れてて怖気持ち悪い。ホントどういうつもりなんだろう。
今作は三好弟のプロデュースになってるが、彼がピッチ補正とかしない方針なのかも。確かに面白いんだけど、完成品のCDで大丈夫なのかコレ。
出来上がり聴いてお姉さんヘコむと思うぞ。こういうのアレンジャーとかは傍観してるんだろうか。
古井弘人?ガーネットクロウじゃねーか!! 何か言ってやることは無いのか。何一緒になって面白がってんだ。
ていうか古井のほうが色々たきつけてるのか?どっち?
5.daylight ★★★★
最近のトミー・へヴンリーのようなメロディアスなグランジ。遅れ気味なリズムで低音をガリガリ鳴らすギターが雰囲気を出す。
例によって転調が好きなようだが、今までと違いこの曲はメロディの流れがスムーズ。まさか普通にいい曲も書けるとは。
でもサビの繰り返しが3コーラスと半端なのはらしさが出てる。
ベースは単に音の低いギターといった感じでリズム楽器的でなく、フレーズに凝るわけでもないが、
仮にこの人がいかにもべーシストらしく弾いたらかえってバンドがダメになりそう。なんか上手い人が入ったり、技術とか理論とか持ち込んだらいかんバンドって感じがする。
今なぜ良いのか分からないから下手にどこもいじりたくないというか。
6.yesterday ★★★★
うって変わってカノンコードで始まる王道でポップな曲。
またリズム体打ち込みになってるけど。こういう時ベースの人どうしてんだろう。
今度こそただの売れ線ポップスかと思ってるとサビで唐突に変な転調到来。出た…。別の曲貼り付けたみたいになってるが。
そしてわずか4小節でメロディを無理にこじつけながら強引にもとの調に戻る。おい…。ただ引っかき回したいだけなのか?
サビで絡むギターとかも意外とファンキーでカッコイイんじゃないかと思ったりもするが、サビ終わり際のプレイは変な音混ざってる気がする。
7.pair ★★★★
ポップなアルペジオから始まる、割とスタンダードなギターポップ。スーパーカーの1stとかにギリギリ入ってそうな曲。
歌詞は今までではまだ幸せそうな部類だが、歌は何故か力なくウィスパー気味。何なんだろう。幸せを高らかに歌いたくないんだろうか。
まあ君といれたら無敵でハッピーとかいう感じではなく、
「どんな君も否定せず 染まってあげる」といった、代償を受け入れる覚悟を決めた上で二人の関係を進める感じの詞だけど。
サビのギターは意外にもビートルズっぽいオブリを絡ませている。
8.群集 ★★★
いかにもテーマがあります的な曲名が意外だが、曲は至って普通のロック。転調もオーソドックスに並行する長調と短調を往来してる。
今更何を真面目ぶってんだ、という気もするが、シングルの印象で今作を聴いてみたら普通に聴くもん無かった、という人のための保険的な曲か。
Aメロのギターの変なスライドとかは実験的だけど。 「あきた退屈 くさる記憶にかぶさる毎日」という群集のイメージが中々笑えないとこ突いてる。
9.Anny ★★★
細かいノイズ音が鳴る中でジャリジャリしたギターと妙に可愛らしいキーボードが鳴って始まる、どっしりした曲。
メロディは拍子抜けするほど工夫が無く、詞もそれっぽく感傷的ではあるがいつもの乾いた諦念感が無い。
今までの曲が全て単なる偶然のような気がして恐ろしくなる。普通の曲やるとただの下手なバンドなんだよなこの人達。
でも歪んだ2本のギターをかき鳴らしながらも何故かベースが所々抜け落ちるサビのアレンジは彼ららしいひねりが効いてる。
10.Good-bye Summer Vacation ★★★★★
所々スパイスを注ぎながら展開するキュートな脱力オルタナポップ。ボーカルは相対性理論っぽい萌え要素を発揮している。
歌詞も今までで最もポップで、概ねピースフルな曲。のんびりしたAメロにせわしなく弾き込んだリフを乗せるセンスも面白い。
他にも80年代の打ち込みポップスみたいなベースのオカズが入ったり、ポップな曲中にいきなり不穏な間奏が入ったりと盛り沢山。
演奏のヘタウマ感も今作で最もいい味出てるのでは。
最初はもうこの人達気持ち悪い曲しか書けないのかと思ったが、予想以上にオルタナへの造旨が深い模様。と思いたい。
本人達の映像見るとすんごい普通のこと喋ってるので正直どっちか分からんけど。
11.repeat ★★★★
全体的に影の薄かったキーボードが前面に乗り出し、その伴奏に乗ってボーカルが歌うシンプルな始まりの曲。
そこにアコギが乗り、打ち込みのドラムが加わる教科書通りの展開で、メロディもまあ普通のポップス。
録り的にサーッというノイズをわざと残してるっぽいのは面白いが、今作の最後を飾るには味気なさ過ぎるのでは。
と思ってたらサビで罠発動。こんな静かな曲でお姉さんが思いっきり音外してます。だから修正してやれよ…。
本人が音痴なのが根本の問題とはいえ、一生ネタにされるレベルだろコレ。いい曲入ってる作品なのに、最後コレ?
お前ら困ったらお姉さんだな。いや面白いけど。なんかもう鉄板ですお姉さん。
総評.★★★★★
ギター2人、ベース、キーボード&サックス、ドラムボーカルという編成で、ギター2人以外女の子というルーマニアモンテビデオの1st。
作曲はギターの三好弟が全て担当しているが、確信犯っぽい曲と天然っぽい曲が混在していて、どのラインまで自覚的な才能なのか不明。
脈絡のない転調を容赦なくビシビシ繰り出すさまは大物感に満ちており、
部分的には普通のJ-POPっぽく聞こえるメロディで普通の人を釣った後にそれを敢えてズタズタにして失望させるようなトラップ感は
何かしら世間一般のJポッパーに対する敵意を感じずにはいられない。
しかしバンドの手にかかる前の状態では意外と普通っぽい曲もあるので、本人は極力ポップな曲を書こうとしてるだけ、という全天然の線も残る。
ただ、素人が鼻歌とかで作曲してもめちゃくちゃになりそうで結局は既聴の形の範囲内というかベタになるもんだし、
彼の曲はいびつすぎるので、三好弟の場合理論を通ったうえで敢えて音がぶつかる感じを出してるのかも。
本当にどっちか分からないが、まあ結果は出してるのでは。
結果といっても個人的には「結果」だと思うものが出てるってだけで、一回聴いた後CD割る人もいるかも分からんレベルだけど。
演奏は音もリズムも荒く、雰囲気最重視といった感じ。テクを聴かせるパートは無く、技術で見たら下の下。
しかし何ら物足りなさは感じない。そういうもんだと割り切って聴ける。チャットモンチーをさらに極端にした感じ。
チャットが下手すぎて聴くに耐えない人ならモンテビは無理。
ボーカルはアイドルでもこのレベルがCD出したらいかんだろって位下手。しかし全く加工せずにありのままをぶつけてきてるのでもはや感動的。
ドラム兼任させてまでこの人に歌わせようとするメンバーも相当いい性格してるが、
作詞も含めこの三好姉の不安定にたゆたう感じは神がかり的なヘタカッコ良さを生み出している。
聴いて普通に爆笑する人も、「何故そんなに恥を晒してまで歌うんだ」と辛くなる人も、
いわゆる上手く歌うことを目的化してる人の歌では味わえない感情の動きを味わえてるのでは。もちろん怒ってCD割る人もいると思うが。
三好弟と共同でアレンジに参加しているガネクロ古井が今作を定番ポップスに近づけるようなアレンジにはしなかったことも大きい。
GIZAで最も頭の柔らかい人かもしれない。むしろ彼が煽ってるのかも知れんが。
ていうか三好弟に普通にZARDへの提供曲とか書かすGIZAも正気の沙汰と思えない。内輪なら誰でもいいのか。そんな会社だったのかGIZA。
聴いてないからどんな曲なのか分からんけど。
とにかく100%確信犯ではないものの、日本には日本のオルタナがあることを思い知らされる1枚。
洋楽そっくりな邦オルタナなら他にあるが、J-POPにこの至近距離まで接近したバンドは稀では。
バンドサウンド重視になればなるほど持て余してしまう「歌メロ」という足かせを、逆手に取って不安定さの表現として武器に昇華したGIZAロキノンな作品。
16万枚も売れてるらしいので、自分のように20円くらいで手に入れるチャンスは多いはず。
お気に召さなかった方もどうか割らないで中古屋に売ってください。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)