アルバム全曲レビュー * アーティスト名 : むーんらいだーず。

Reviewer:17th. 411~412 名無しのエリー2008.04.12.

1.Kのトランク ★★★★
独特の哀愁を漂わせた完成度の高い曲。と思っていたら後半カオスwww初っ端から置いてかれる感がw
何がおかしいかってピアノが曲とあってないんだよ。
何をどう考えたらこんなの思いつくんだろう。しかしそれが良いw
2.花咲く乙女よ穴を掘れ ★★★
糸井重里氏による歌詞が意味不明。ワケワカラン。
曲自体はユニゾンの辺りがとても良い。最後k1さん暴走しすぎw
3.檸檬の季節 ★★★
瑞々しいメロディが印象的な良い曲。
4.気球と通信 ★★★
無機質なリズムとメロディが独特の浮遊感を演出している。しかし間奏が意味不明w
5.バースデイ ★
小品。空き缶や机を叩くような音を中心とした演奏。
6.工場と微笑 ★★★★★
かっけえ。ウイーンとした音が工場を連想させて素晴らしい。歌詞は相変わらず工場的で意味不明。
いぇーおーいぇーおー いやあとにかく盛り上がる。
7.ばらと廃物 ★★★
前の勢いを保ったままテンポの良い曲。キャッチーなサビがいい。
8.滑車と振子 ★★☆
全体的に冷たい感じだがギコギコ聞こえたり、ヤイヤイとか結構はまる。
9.温和な労働者と便利な発電所 ★★★★☆
このアルバムを象徴するかのごとくカオス。
ゲームの効果音みたいなメロディが延々と続き、さらにベートーベンみたいなサビ。めちゃくちゃ中毒になった。
10.スカーレットの誓い ★★★★★
このアルバムではまともな方。と言うか完成度で言ったらスピッツのチェリー並みなんじゃないか?
とても地味な名曲。
総評.★★★★★
録音は81年だがレコード会社から「難解すぎる」といわれ、
発売は当時普及していなかったCDで一年後の82年になったというファンには有名なエピソードがあるアルバム。
とにかく全篇に渡り意味不明な歌詞と、工場を意識したアレンジがとても面白い。
演奏を聴いていてもどれがどの音か判らなくなってくる。しかしかなり難解なアレンジをしてはいるが、ポップで聴きやすい。
日本のニューウェーブの傑作のひとつでしょう。普通の音楽に飽きてきた方にとてもオススメ。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)

Reviewer:20th. 521-524 名無しのエリー2009.02.12.

1.Y.B.J.(YOUNG BLOOD JACK) ★★★
現代の目線で聞けばもうリズムからしてダサい、80年代っぽさが満載の幕開け。
歌詞もすでにダサい。でもメロディは結構良いんだなぁ。ポップで聴きやすいのは流石。
アウトロもなかなか凝っていて面白い。次につながる感じが好き。
2.30(30 AGE) ★★★★
メロディ、リズムという曲の骨に重点を置いたアレンジが印象的な2曲目。
とにかくムーンライダーズにしては珍しく、詰め込まないアレンジで聞かせる。コーラスのメロディがかなり秀逸。
30才を迎える冴えない男を表現した博文さんの歌詞もかなり好き。
3.G.o.a.P.(急いでピクニックに行こう) ★★★★
これまた80年代な古臭い雰囲気満載で、暑苦しさを感じる。
しかし岡田さんの素晴らしいポップセンスが炸裂。流れるような綺麗なメロディラインは必聴。
個人的にこのアルバムを象徴するような曲と同時に、良くも悪くも80年代すらも象徴し得る曲だと思う。
4.BTOF(森へ帰ろう~絶頂のコツ) ★★★★
3、4の流れが素晴らしい。かなりスムーズな二曲。そしてこれは一般受けしてもおかしくないほどキャッチーなサビから始まる曲。
さりげなーく「君が好き」と歌うのが結構好き。
5.S・E・X(個人調査) ★★★
タイトルからしてアレだが、かしぶちさんの歌詞も露骨にアレな曲。
なぜかやたら不気味なアレンジで、歌詞とのギャップが面白い。何か声が福山雅治っぽいしw
ひそかにお気に入り。
6.M.I.J. ★★★★
これは…、なんというジャンルに分類されるんだろうか?基本はファンクっぽいんだけど、説明しにくい。
おそらくヒップホップ辺りを目指して作ったが、妙な方向に飛んでしまい、しかしながら見事に着地したような曲。
この曲ができた経緯はエレカシの「ガストロンジャー」と似てるんじゃないかと思う。
その上、曲自体も素晴らしいがアレンジもやたら素晴らしい。こんな曲を良くここまで完成させられたな、と思う。
7.NO.OH ★★★☆
これもあっさりしたファンクな曲。畳み掛ける意味不明な歌詞と、速いテンポが面白い曲。
サビが終わったあとのトランペットが印象的。曲の疾走感と絶妙にマッチ。
明るいのになぜかこのアルバムの雰囲気に合った、夜っぽい印象が不思議。
8.D/P(ダム/パール) ★★★
またもや80年代な雰囲気が特徴的な、何か神秘的なものを感じる曲。ここからアルバムは後半へ。
サビへの展開の仕方が秀逸。ドラムの入れ方、コーラスの入れ方、ともに凝った作り。
この曲ではかしぶちさんの歌詞がかなり真面目。文学的な香りがする素晴らしい働き。
9.BLDG(ジャックはビルを見つめて) ★★★★☆
ほとんどを声で固めたアレンジが素晴らしい、かなり鬱な飛び降り自殺の曲。
そして後半はムーンライダーズお得意の全員ユニゾン。なんというかもうほぼジャンル分け不可能。
ムーンライダーズは全員変態的なポップスヲタとも呼べるが、この曲を聴けば鈴木慶一のずば抜けた奇才さが良くわかると思う。
10.B.B.L.B.(ベイビー・ボーイ、レディ・ボーイ) ★★★★★
ラストはまさに名曲。バブルへ突入していく日本の情勢を良くあらわした名曲だと思う。
展開的にも、メロディ的にも余計なところが無く、シンプルではあるがかなり完成度が高い。
感動的な曲だが、最後には陽気な雰囲気で大団円を迎えるのがらしい。
総評.★★★★★
ムーンライダーズ初の外部プロデューサーを起用した84年発表のアルバム。
その外部プロデューサーを起用したのが影響したのか、ムーンライダーズ特有の「作りこんでもまだ足りない」的な閉塞感が薄れている。
逆に、内輪受け的な雰囲気が薄れ、他のアルバムよりも突き抜けた出来である様にも感じる。
各メンバーが作り出す曲も他のアルバムと比べ、やや雰囲気が違うような。
ただ、個々のメロディが素晴らしいだけでなく、メンバーが適材適所でいい働きをしているのが素晴らしい(たとえばダム/パールではかしぶちさんが作詞したりとか)。
そしてアルバムの流れも完璧。特に3~4の流れや、ラスト三曲は本当に良い。
先述の通り彼らの他のアルバムには内輪受け的な雰囲気があり、一部の人にはツボに入ると思うが、安定した評価を得られるとは限らないと思っている。
しかしこのアルバムは別。ポップス好きには絶対に受け入れられる。
失礼なことを言えば、たとえばムーンライダーズ以外の人たちがこのアルバムを作って、
発表したなら歴史的傑作として揺るがない評価を得られた可能性すら有る気がする。
客観的(あくまで客観的に)に見れば最高傑作。80年代の古臭い雰囲気が嫌いでなければぜひともオススメしたいです。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)

Reviewer:18th. 362-364 名無しのエリー2008.07.15.

1.悲しい知らせ ★★★★★
独特の神秘的なアレンジで聴き手をこのアルバムに吸い込む。サビのジャッジャッという、歯切れの良い部分も上手く決まっている。
歌詞の乗せ方も、中村一義や後期スーパーカーを髣髴とさせ、テンポが良い。
個人的にライダーズ最高の一曲。
2.犬にインタビュー ★★★★
それにしてもこの曲のAメロ、前作「アマチュア・アカデミー」収録の「30age」とそっくりである。同じバンド内のパクリってのはどうなんだ?w
しかし今にも走り出さんとするアレンジが心地よく、「30age」にも負けない曲。
歌詞も非常に分かりやすい題材であり、メッセージが良く伝わってくる素晴らしい一品。
3.ウルフはウルフ ★★★
前曲とほぼ間髪入れずにこの曲へ。サビのブレーク連続が病みつきに。
4.羊のトライアングル ★★★☆
まったりな曲。イントロを含め、聴きやすい。サビで微妙に引くのが良い。
5.さなぎ ★★★
エロ曲。ライダーズの(かしぶちさんの)エロい曲は曲調と歌詞のギャップが良いw
6.Acid Moonlight ★★
インスト。ピアノとヴァイオリン。
7.HEAVY FLIGHT ★★☆
インストの後の半分目が覚めたようなまったり曲。ふにゃふにゃな音辺りが聴き所。
8.夢が見れる機械が欲しい ★★★☆
淡々としているがそれほどぐだぐだしない。
ベースラインが印象に残る。淡々と進むサビも鬱さを増長させて良い。
9.Frou Frou ★★★
一転してイントロから明るいこの曲。地味ながら堅実な曲作りは非常にかしぶちさんらしく、安心して聴ける。
10.駅は今、朝の中 ★★★★
少し哀愁を漂わせた良曲。間奏はゲームのドラキュラの城のBGMっぽさを感じさせる。
メロディと歌詞との親和性が非常に高く、誰が聞いても気に入りそう。総じて欠点の無い曲だと言える。
11.僕は走って灰になる ★★★★
やけに長くて大河ドラマを感じさせてしまうイントロさえしっかりしていれば…と悔やみたくなる暖かくも淡々とした名曲。
でも後半になるに従い、まったりしていくのは良いかも。
12.歩いて、車で、スプートニクで ★★★★★
この曲でムーンライダーズと出会ったのだが、とにかく衝撃的だった。
リズム的には盛り上がる系のリズムのわりにメロディがそれと合っておらず、低いテンションのまま。
しかしそれがとても不思議な雰囲気を編み出している。これはこの曲でしか感じないことだと思う。
全体的にやりたい放題なアレンジも、カオスさ加減を引き出していて素晴らしい。
総評.★★★★★
メンバーが2曲ずつ持ち寄って出来たアルバム。
このアルバムはファンには人気があるが、
名盤である、前作「アマチュア・アカデミー」と次作「DON'T TRUST OVER THIRTY」にはさまれた地味なアルバム、との認識が少しあるよう。
しかし、M10の様な人気曲や慶一作曲のM1、M12のような前衛的なアレンジの名曲もあり、バラエティに富んでいる。
全体的に肩の力が抜けており、このアルバムが最もムーンライダーズらしいアルバムだと思う。
また一部でゲームミュージックのようなアレンジが施され、「MOTHER」からのファンならはまりそうなものが多い。
前作とはまた違った、アンダーグラウンドな夜っぽさで聴きやすく、個人的には今作がムーンライダーズの最高傑作だと思う。
蒸し暑い夜にピッタリな名盤。ムーンライダーズにはこのアルバムから入るのが良いと思う。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)

Reviewer:17th. 212-213 名無しのエリー2008.03.13.

1.CLINIKA ★★☆
インスト。
一曲目のインストというと短めで軽めのしか聴いたこと無いけどちょっと長くいい感じ。すっと入れる。
2.9月の海はクラゲの海 ★★★★★
名曲。最初は椎名林檎の「浴室」みたいな浮遊感を感じていたが、それともちょっと違う。
サエキけんぞう氏による歌詞は意味不明だが何故か感動。
「僕のことなにも話さずに 僕のこと全部伝えたい」
何かいい。
3.超C調 ★☆
なんだこれ。曲と呼べるものなのか?w
リズムと言うものが無い。ずっとふわふわした感じに切り貼りしたみたいな声。
このアルバムの異常さを引き立てるには十分過ぎる役割。
4.だるい人 ★★
曲こそノー天気なポップだが、歌詞を読んでると鬱になる… そのギャップを楽しむ曲。
5.マニアの受難 ★★★
これもなんなんだw妙な明るさだw
「ぼくはアレもこれも何もかも持ってる」「スゴイ!!」ワロタw
後半のメロディが大好き。
6.DON'T TRUST ANYONE OVER 30 ★★★★☆
軽快なメロディが印象的。フゥッフゥッフゥッがいい。
歌詞は離婚する家族を書いたものか。名曲だ。
7.ボクハナク ★★★★☆
Aメロのメロディが感動的に素晴らしい。後半に少しずつ壮大になっていく。
8.A FROZEN GIRL,A BOY IN LOVE ★★★★
冬を感じさせるふわっとしたメロディ、アレンジがピッタリ。
すごく淡々としているが良い曲に良い歌詞。
9.何だ?この、ユーウツは!! ★★★★★
締めは現代人の憂鬱さを描いた名曲。前半は静かに、後半はハードロックっぽくなる。
しかしとてもポップで聴きやすいので問題なし。
総評.★★★★★
ムーンライダーズ10周年の作品であり、発表後五年間の活動休止となるアルバム。
メンバー六人が一曲ずつ作り、残り三曲を全員で作曲というスタイルで作られたが、それぞれ作曲時の得意技を封じている(例えばメジャーセブン禁止など)。
そのことが功を奏したのか、アルバム全体に軽さと重さが同居した異常な雰囲気が漂っている。
特にいわゆるB面と呼ばれる6からの流れがすごい。そこから全部五つ星にしようかと思ったが、何とか思いとどまったw
間違いなくムーンライダーズにとっても、邦楽においてもひとつの到達点であり、現代人の憂鬱を描いた名作だと思う。
知名度がやや低いのが残念でならない。
ちなみに「don't trust over thirty」というタイトルだけどこのとき既にメンバー全員30を過ぎています。
あと鈴木慶一氏はこの後ゲーム「mother」の音楽を担当していることもあり、mother好きにもお勧めできます。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)

Reviewer:19th. 336-339 名無しのエリー2008.08.26.

1.Cool Dynamo, Right on ★★★★☆
岡田さんの才能がほとばしる一曲。歌いやすく、且つ良いメロディ。おそらくこの曲が嫌いと言う人はいないと思われる。
リコーダーが入ってくるのが良い感じ。
2.果実味を残せ!Vieilles Vignesってど~よ! ★★★☆
豪快なコーラス、ギターから始まり、サビで一気にポップに仕上げる。ど派手に二曲目で引っ張る。
3.Rosebud Heights ★★★
地味ながらも一癖も二癖もあるメロディがはまる。無駄には終わらない一曲。
4.WEATHERMAN ★★★★
ライダーズ、と言うより岡田さんらしいテンポの良い曲。
リズムがかなり心地良い。好き嫌いはあるかも。
5.琥珀色の骨 ★★★★
メロディの良さに尽きる。
休日の穏やかな午後にピッタリ、と思わせながらももう一ひねりしたアレンジをするのはライダーズらしい。
6.Dance Away ★★★★
お洒落に踊れる曲。コーラスとエフェクトのかかった声が良い効果を出している。
7.ワンピースを、Pay Dayに ★★★
ここで不安にさせるようなメロディ。しかしそこから一気にゆるいサビに渡せるのはさすが。
8.Serenade and Sarabands ★★★★
ふわっとした曲調で脱力感があり、まったりと船に乗っている様子が浮かぶ。途中でやたら壮大になり、この一曲で中々内容がある。
こういう曲聞くとライダーズは引き出しが多いなあと思う。
9.馬の背に乗れ ★★☆
何この曲?w歌詞が意味不明だしw ライダーズらしいといえばらしいけど。うーん評価しにくい。
歌詞を一部抜粋してこのカオスさが伝われば。
「ケロっとっとっと夫 ケロっと 夫」「来い~~~~~~~~~~~~カエルの時代」「ア デイ~~~~~~~~~~~~馬の時代だ」
(歌詞カードを忠実に再現)
…。
10.11月の晴れた午後には ★★★☆
何処か中華風?まったりな午後にピッタリ、このアルバムにピッタリ。
11.腐った林檎を食う水夫の歌 ★★★★☆
個人的にヒット。なんかのCMで聴いたことがあるような感じの口笛が猛烈にツボ。
まったりしながらも騒がしい、ベテランらしい曲。
12.Vintage Wine Spirits,and Roses ★★★★
渋い。喫茶店などに良く似合う。メロディもかなり良いまったりな曲。
13.When This Grateful War is Ended ★★★
イントロがやたら長い。猛烈に良いメロディなんだから普通の曲作りすれば、間違いなく名曲になっただろうに。
だが、こんなアレンジをするあたり、かなりの余裕が感じられる。
14.ゆうがたフレンド(公園にて)DubMix ★★
アレンジが意味不明、と思っていたがさくっと聞き流せば中々良い。
このアレンジじゃないと多分アルバムから浮いていただろうし、同時に埋もれていたと思う。シングルだけど。
しかし「女子高生」にエコーは笑ったw
総評.★★★★
ムーンライダーズ30周年となる通算19(18?)作目。
おっさん系の声は仕方ないにしろ、これだけ長くやってきて全く時代錯誤感なし。その上ベテランらしい安定感も。
しかも8などを聴いていてもまだまだ曲の引き出しも多そう。
単純に曲の質と量を考えたら中村一義の「ERA」やsyrup16gの「coup d'Etat」などにも並ぶレベルだと思う。
6人全員作曲者なのに、全体を穏やかで、お洒落な午後の雰囲気で統一出来ているのも素晴らしい。
アルバムとして聴くとやや長すぎてゆるくなりすぎるのが欠点か。でも僕の中では強引に「ベテランらしい」と捉えて、お気に入りの一枚にもなっています。
80年代の頃のような名作ではないけど、また別の魅力を持った良いアルバムだと思います。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)