アルバム全曲レビュー * アーティスト名 : まい・うぇい・まい・らぶ。

Reviewer:18th. 352-353 名無しのエリー2008.07.15.

1.msm
(導入用のトラックのため評価なし)
2.AIR CRUISER ★★★★☆
喧しくて美しいディストーションギターに尽きる。
電子音ループと絡めた轟音ギターは、連打するバスドラと相乗して押し寄せる大洪水のようにこちらの意識を持ち去る。
ディストーションサウンド好きなら、一発でノックアウトされる可能性ありのパンチある一曲。
3.CZECH SUN ★★★☆
セクシーな女性コーラスとアコギでのアルペジオが甘美的なミディアムナンバー。
バックのドラムプレイが楽曲を引き締める。中盤以降は定番のグランジ的展開。
4.A WAKE ★★★★★
2006年発売のミニアルバムに収録されている「THE RAINBOW SONG」の元ネタ、と言ってしまえばそれまでか。
歌モノの綺麗なメロディに、美しさを含んだディストーションギター、電子音ループ。
これら別方向の音要素が混ざり合い、絶妙な化学反応を生み出している(RAINBOW~と同じこと言ってるw)。
「THE RAINBOW SONG」との違いは歌詞が日本語のため、「歌」を聴く意識の比重が自然と増すところ。
歌謡曲的センチメンタルを含んだオルタナティヴナンバーとして他に類を見ない楽曲。
5.KISS MY HEAD ★★★
ちょっと捻くれたポップセンスを見せるアッパーチューン。
ノリやすいリズムに電子音のアクセントが効いている。
6.Ilove you dog
(繋ぎ用のトラックのため評価なし)
7.EARTHLY HEAVENLY ★★★
淡々とした危うさのある歌メロにノイジーなギターとアコギが絡むミディアムバラード。
「Usual tone~」あたりの車谷っぽい雰囲気かも(そっちの元ネタは置いておくとしてw)。
8.SECRET LIFE ★★★
チューブから液が漏れたかのような、ちょっとお下品な音から始まる。
呟くような歌唱とアルペジオに電子音を絡めた音構成中心に進むが、中盤以降はテンポアップし激しさを増していく。
終盤はノイズとサンプリング音のみになり、最後にブチュ~~~というお下品な音を挙げて終わる。
色々いっぱい出た模様。マッド系のスローバラード、いった感じか。
9.cota punks
(締め用のトラックのため評価なし)
総評.★★★☆
欧米進出前のmwmlが当時在籍していたアウイエ氏主催のアウイエレーベル(注:本当はデリシャスレーベル)からリリースしたミニアルバム。
レーベル脱退の経緯については割愛。
日本復帰後の作品と比べると歌メロを中心に据えたポップ要素の比重が高く、
彼ら特有のアクの強さとのバランスがうまく取れているので取っ付き易い楽曲が多い。
歌詞も日本語なので親しみやすく、コンパクトながら彼らの持ち味は詰まっている。
店頭販売で見かけることはほぼないだろうが、ネット通販なら在庫がある模様。M-2、M-4だけでも1575円の元は取れる一枚。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。tr.1,6,9は星評価なし。)

Reviewer:18th. 326-328 名無しのエリー2008.07.13.

1.KILL YOUR IDOL ★★★★
短刀で何回も突いてくるような鋭いリズムのリフ中心に構成。初っ端からテンションが高く、音はでかくて喧しい。
中盤、全パートがこのリフのリズムに合わせるところで完全にイッた感あり。
2.otokonokoonnanoko ★★★☆
M-1に続いてテンションが高く、モーサムの「DAWN ROCK」(曲の方)のような焦燥感。
「オトコノコ!オンナノコ!」の合唱では「よみがえる性的衝動」と同種類の雑念を想起させる。
3.BEEF ★★
ボーカルの歌い方が加トちゃんの「チョットダケヨ~」を連想させる。中年オヤジのストリップショウ。
くねくねしたギターが印象的だが、この手の曲をこのバンドがやる必然性はあまり感じない。
4.THE RAINBOW SONG ★★★★★
歌モノの綺麗なメロディを軸に、轟音ギターと電子音ループを混ぜ合わせ面白い化学反応を生み出した。
ボーカル・ギターを左、ベースをど真ん中、ドラムを右、と各パートを極端に振り分けたミックスは決して奇をてらったわけではなく、
その後に訪れる音の大洪水とのコントラストの強調に成功している。
以下、曲から受けた超勝手なイメージ。
仮面ライダーが怪人と闘う場所のような、絶壁の下の荒地でバラバラに演奏している3人のバンドマン。
神様のイタズラか、そこに突然激しい土石流と巨大なスーパーボールが大量に投下される。
ドッシャーーーン(ポン!ポン!ポン!)グウォォォォーーー(ポン!ポン!ポン!ポン!)。
ドッロドロのぐっちゃぐちゃになりながらも演奏は続ける3人のバンドマン。
土石流とスーパーボールが去ると、なぜか崖の上には綺っ麗ぇーな虹が掛かっている。
これはよく分からないけどバンドマンの勝利! これぞレインボーソングとばかりに最後まで歌い切る。
充実の表情を浮かべたボーカルの顔のアップと同時に、ドでかく「終」のテロップ。よく分からないけど拍手!
そんなド根性と不条理がカオスったハイブリッド・虹ナンバー。まさに"キャニュフィー?"な一曲。
5.INTERNATIONAL XX ★★★
またも変態的グルーヴのアッパーな曲だが、やや食傷気味に感じる。
6.SPEED VS DISCORD~SPAZZ YOU ★★★☆
これまでの楽曲に比べギターが高音よりの鋭い音色に作ってあるため、タイトル通りスピード感がある。
ボーカルは相変わらず変態的歌唱だが、「普通にカッコイイ」という基準では今作中一番か。
7.FLAKE ★★★
バラード呼ぶべきかプログレと呼ぶべきか判断できかねるが、7分にも及ぶ大曲で締め。
ストイックな演奏で混沌とした世界を描き切っているものの、このバンドの熱心なファンでなければ飛ばしてしまいそう。
8.VG-10
(締め用のトラックのため評価なし)
総評.★★★☆
「日本のソニックユース」「ぶっ壊れたマイブラ」と評されているインディーズバンドの日本復帰ミニアルバム。
アッパーな曲のテンションはかなり高く、初期のモーサムを髣髴とさせるような焦燥感がある。
また、ほぼ全ての曲にノイズやサンプリング音が散りばめられており、
ボーカルの変態的歌唱も相まって、鋭く破壊的衝動に満ちながらも混沌とした世界を描いている。
ライブパフォーマンスの評判が頗る良いバンドなので、M-1,2,5,6はライブで真価を発揮すると思われる。
M-4、M-7ではそれぞれポップミュージック、スローバラードの要素も見られ音楽的幅の広さもチラリと覗かせる。
特筆すべきはM-4の出来。他の曲は好きになれなくてもこの曲にハマる人は結構いるのではないか。
実質7曲しか収められていないため、このバンドの持つ顔を把握するには少々物足りないが、
刺激的かつ変態的な音楽を求めている人にはお薦めできる作品だろう。M-4に限っては音楽が好きな人にはとりあえず無条件でお薦めしておきたい。
自分の勝手なイメージはさておくとして、美しい混沌が体験できる名曲であるのは間違いない。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。tr.8は星評価なし。)

Reviewer:18th. 335-337 名無しのエリー2008.07.14.

1.ACUPUNCTURE MAN ★★★☆
非常にアッパーなスピードチューン。
このバンドにしては変態的アレンジが少なめで、(中盤で歌メロと同じフレーズをオクターブ奏法の高速カッティングでカマすところぐらいか)
攻撃的ではあるものの比較的ストレートにカッコよさが伝わる。
良く言えばキャッチー、悪く言えば個性薄めの曲。それでもけっこう濃いが。
2.PARTIES ★★★★★
M-1とは対照的に、重厚な鉄の扉がギギギ…と開き野太い声で「ここは暗黒魔界…」といったナレーションが入りそうなドロドロしたイントロで始まる。
これが真のオープニングなのだろうかどこか「幕開け」をイメージさせる。
終盤にはお約束のように演奏が激しくなるが、一曲通して破壊的衝動のみに依存しない、どっしりと構えられた危うさが感じられる。
本作中で最も彼らのオリジナリティが発揮された曲かもしれない。いい意味で全くキャッチーさのない、胃に溜まる濃ゆい一曲。
3.C. ★★★★
またまたM-2とは対照的で、今度はアコギを使った「一見」爽やかな歌モノ。Aメロでのドラムの手数が曲を引き締める。
サビのメロディは綺麗なのに、バックのギター音はブチブチ潰れているところが憎たらしい。
さらりと聴かせる気はないということか。2音を繰り返すアウトロにも屈折したポップセンスを感じる。
4.the wall ★★★
憂いある歌メロとアルペジオから始まるが、すぐに演奏は激しくなる。
こちらもドラムの音圧と手数が効いており、同じフレーズ中心の構成ながら飽きにくい作りになっている。
5.THE DEVIL SONG ★★★★★
素人が無料の音声編集ソフトで荒く継ぎ接ぎしたような、遊び心あるギターリフとドラムのループから始まるダンスポップ。
悪戯なリズムを刻むリフと歌唱、音圧を上げたドラムの迫力がうまくハマって非常に踊れる。
アメリカアニメのタスマニアデビルがフォークみたいな武器を持ちながら、
「ヒッヒッヒ何したろ」とか言いつつもずっとその場で跳ねているだけ、といったマヌケな画が浮かぶ。
キャッチーさと変態性を高水準で併せ持った中毒性の高い一曲。
6.A DAY ★★★
アコギ中心のメロディアスな歌い出しから始まるが、1分過ぎに突然テンポアップし、ほぼ別の曲が始まる。
機械的なプログラミング音を効かせた近未来SF的なスピードチューンになったかと思いきや、2分半過ぎからはまた別の曲に。
今度はシンセによる大袈裟なフレーズを"あえて"強調したバラード調。非常にサクッとした3部構成、いや、3曲構成になっている。
「A DAY」とタイトルが付けられているが、何とも目まぐるしい一日だ。おそらく疲弊し切るだろう。
終盤は音の混沌性が増し「あ~今日は忙しかったあ」と風呂上りに一日を振り返るような展開となり、壮大な打ち込みのリズムと共に就寝。
実験的要素が強く伺える一曲。
7.All Flower Suck ★★★
ここに来て彼ら定番のライブ向けアッパーチューン。
メリハリの効いたグランジ構成で、全パートのテンションが上がる瞬間の沸点は高い。
8.billowing balance fly ★★
メロディはポップだがどの方向にも突き抜けてはおらず、今ひとつ個性がはっきりしない印象の曲。
9.Trafficator,All Set?
(繋ぎ用のトラックのため評価なし)
10.the signal ★★
呟くように歌う7分超のスローバラード。
メロディは王道、アレンジも彼らにすれば驚くほどシンプルで、終盤に演奏自体は激しくなるものの、他の楽曲に比べさほど混沌としない。
歌(詞)に重きを置いたと言うことなのだろうか(英詞の上、歌詞カードが読みにくいので全く見ていない)。
7分を聴かせる何かがあるかと言うと、ちょっと厳しいような。
11.P.I.E. ★★★☆
「締め」用のおフザケパンクといったところか。1分超「アホ」を貫く。
12.BIKINI is dead
(締め用のトラックのため評価なし)
総評.★★★★
日本復帰リリースとなったミニアルバム「(長いタイトルなので省略)」に続く1st.フルアルバム。
前作に比べライブ向けのアッパーな曲は少なく、「音源であること」により強くウェイトを置いたのか、
比較的メロディアスでミディアムテンポ中心の、作り込んだ楽曲が目立つ。
曲調はバラエティに富んでおり、どっしり構えたM-2、歌モノM-3、ダンスM-5、実験的構成M-6、バラードM-10と様々な引き出しを持っていることが伺える。
それらにはどれも根底に「混沌美」とでも形容できるテーマに一貫されている印象で、
メロディやギターフレーズが綺麗でもノイズやサンプリング音を混ぜてわざと邪魔してみたりと、
一筋縄ではいかない屈折したポップセンスを見せる。
照れ隠しのように奇を衒ったり雑音を混ぜたりすることで、その中心に確かに据えられている普遍性が、
見えにくいながらもより強い存在感を示しているようにも感じ取れる。
かなりごちゃごちゃしたアルバムだが楽曲は濃いものばかりなので、こういう音楽性が嫌いでなければ、単品でのお気に入りが見つかりそうな一枚。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。tr.9,12は星評価なし。)

Reviewer:18th. 349-351 名無しのエリー2008.07.15.

1.COWBOY KILLERS ★★★★
シンプルなギターリフから全体がスピードアップする瞬間の沸点が非常に高い。
テンションも高いが勢いに任せたプレイではなく、衝動性を保ちつつ洗練されている印象を受ける。
キャッチーさも兼ね備えており、ライブ映えは間違いないだろう。
2.JUNK-YARD SUPERTRIP ★★★☆
こちらもアッパーな曲だが、M-1がバンドサウンド重視なのに対し、歌声重視といった印象。
このボーカルにしては(?)かなりしっかりと歌い上げており、セクシーな歌声を披露している。
3.BLACK SUN MISERY ★★★
3曲目にして7分に及ぶスローナンバー。相変わらずのストイックさを発揮する。
メロディは希薄で所々にアクセント的な発声を織り込みながら、ダークテイストなアルペジオ中心に進む。
中盤過ぎからはギターが変態的音色になり、定番のテンポアップを経て最後は「イっちゃって」終了。
オチのためにストイックな6分半があった、と言っても間違いではないかも。
4.FAMILY -theirs the remains- ★★★★
シンセをフィーチャーした歌モノ。音圧を上げたドラムフィルインが効果的。
今作中最も穏やかな楽曲で取っ付き易いが、音のバランスはこのバンドらしくて面白い。
「FAMILY」と題されている通り平和な日曜日に聴きたいポップチューン。
5.la la lo television
(繋ぎ用のトラックのため評価なし)
6.PXXXX ★★★☆
タイトル表記ではX(ペケ)になっているが、PEPSI(ペプシ)のようだ。ペプシコーラと歌っている。
ややコミカルにイカれたアッパーチューン。中盤ではテンポダウンを挟むアクセントもあり。
7.BAY ★★★★
「ベェェェーイ!」と濁声でシャウト。ギャグとしてグランジをやっている印象。面白い。
8.tell me what went wrong my baby ★★★
アコギやアルペジオを中心に様々な音色を絡めながら、展開としていくつかの起伏を見せる。
情景的な洋画を見ているような感覚で聴けるよく作り込まれた楽曲だが、ややBGM的属性が強いので印象に残りにくいかも。
9.RAVE ON ★★★★
渋カッコイイギターリフを軸にグランジ的展開を取り入れたアッパーチューン。
うまくテンションがコントロールされており、全体的に締まった楽曲に仕上がっている。
10.parrots and lemurs
(繋ぎ用のトラックのため評価なし)
11.THE HORIZON GREEN AND BLUE PERSONALITY ★★
どこか胡散臭いチープなハンドクラップを挿入。
ポップだが彼ら特有のアクの強さはあまり感じず、電子音を挿入してファルセットで歌う箇所は混沌と言うよりは雑多、という印象。
どうせなら「ハンドクラップ」そのものをおちょくる位、ブッ飛んだ使い方をしてもらいたかった。
12.Blue Lemon In The Red Sky ★★★★
単音のギターフレーズが印象的な3部構成のミドルナンバー。序盤は単音のギターリフを軸に、ボーカルオフの状態で徐々に盛り上げていく。
中盤から少しずつテンポアップし、ボーカルとギターが協奏するように進みながら、終盤では音色が潰れて、緊張感が高まった状態で終わる。
6分あるがギターが終始耳を掴むフレーズを奏でるので、飽きずに最後まで聴ける。
13.my life ★★
ちょっとサイケな弾き語り。日本復帰後では初めて(?)日本語で歌っている。
メロディ・アレンジ面で特に際立った箇所は無く、彼らにしてはあまり個性を感じない曲。
エンディング用、といったところか。
14.invaders
(締め用のトラックのため評価なし)
総評.★★★☆
前作「JOY」に比べると混沌とした音作りの要素はやや薄れ、
代わりにライブ時の緊張感を保ちながらもテンションをうまくコントロールした、洗練されたバンドサウンドを前面に出したアルバム。
音源での彼らの持ち味を出したストイックな「濃い」系のM-3やM-12より、
ライブで本領を発揮する「鋭い」系M-1やM-9といったアッパーな楽曲が主役、といった印象。
とは言え楽曲の幅は広く、穏やかなM-4、ギャグM-7、ポップM-11と各方面にやりたいようにやっている。
それぞれにアクが強いので、熱心なファンでなければ全ての曲を気に入るのは難しそうだが、
前作同様、単品でツボにはまる一曲を見つけることができそうな一枚。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。tr.5,10,14は星評価なし。)