Reviewer:22nd. 616-620 名無しのエリー2009.12.20.
1.宝物 ★★
いきなり1曲目からバラード。しかも私は歌を歌い続ける、という決意表明曲。大抵の人はアルバムの締めに据える感じの曲。
まあ、歌うことに対する思いのたけを歌ってるけどコレ自分で作詞してないので、確かにトリに置くには違和感があるかも。
曲はまんま歌謡曲。イントロのピアノが歌メロをなぞりすぎててかさばった印象。
しかし曲と水樹との相性は良いようで、柔らかな起伏をつけながら伸び伸びと歌われている。
この時点での歌い方では日本語の発音も丁寧で、正統派な印象。
2.BE READY! ★★
一聴して古っと感じる、マイナー調のアップテンポ曲。派手なシンセ+ロックギターな脂っこいアレンジ。2000年代の作品とは思えない。
ある意味硬派というか、伝統的なアニソンの系譜なのかもしれんが、あまりにキメキメすぎて、上辺のハイテンションばかりで深みがない気が。
歌は曲調を考慮してか、リズム重視で歯切れ良く音符を切ろうと工夫されているが、やはり発音は雑になる。サビオチでいきなり長いビブも変。
3.keep your hands in the air ★★
さらに古臭い打ち込みポップス。Aメロのブレイクが凄いことになってる。懐古趣味ではあるが、捉えるポイントが普通でない。
古き良き音楽の再評価とかではなく、20年くらい昔のライトリスナーに向けたような作風。
東方神起などの韓国勢と似たような方向性なので、彼女も対象年齢層が高めなのかも。
曲自体の出来はそれほどのものとは思えないがある意味面白いし、ツボにはまれば強いのでは。
4.still in the groove ★
だから古いって…。ユーロビート風イントロでもうウンザリなアップテンポ打ち込みポップス。
4つ打ちの強制力みたいなものが働いていて、延々と盛り上がってる感じでバブリー。
サビの折り返しのとこで、歌メロをシンセがトレースし、さらにリズムも合わせてキメにしてる。古いです。
それでいてギターソロは4つ打ちにカッチリ合わせず情感込めて弾いてたりしててちぐはぐ。
歌はちゃんとメリハリもあるし、他のアッパー曲に比べて発音も日本語らしい気がするが、
単にウ段が多い詞だから、この人の特性である「速い曲は発音にウ段が混ざりやすい」面が目立たずに済んだだけか。
5.砂漠の海 ★★★
ギターを軸に据えたミドルテンポのロック。曲自体は目新しくはないが手堅い。変な打ち込みを省いて全部生演奏にしたほうが良かったかも。
水樹は歌謡曲的な歌い方とロック的な歌い方を使い分けているがこの曲では後者で、発音が「スァばく」とか「ヴォくら」とかのウ段開始パターンになる。
速い曲でそれをやると言葉の伝達に支障をきたすが、このくらいのテンポの曲ならそういうデフォルメも効果的なのでは。
なんかロックって感じがする歌い方。「一定の声量があるけどロック畑じゃない歌手」がロック歌う時って大抵こんな感じだし。倖田とか。
6.Dear to me ★★
ミドルテンポの歌謡曲。ドラムが露骨に打ち込みのため無機質な印象。曲もこれといった特徴に欠ける。
水樹がロックより圧倒的に歌謡曲を得意としてることは伝わる。コーラスが強すぎるのが違和感あるが、歌は上手いのでは。
歌詞はえらく陳腐。2番のBメロとか聴いててビビるほど字余りしてるが、もう少し何とかならなかったんだろうか。
7.What Cheer? ★★★★
イントロのシンセからしてもう古いうえに今度は長調で、歌詞もみんな盛り上がろう的なオープンな内容なので、一線を越えたアホエナジーが出た曲。
90年代テイストも入れてる、とかのレベルではない。現物。パンパカ鳴り響くシンセが無遠慮に居座り続ける。テコでも譲らない頑固さ。
サビ前4小節に渡って打ち込みのスネア音がダカダカ鳴るのも完全に一時代前のアレンジ。時代に逆行し尽くした達成感を感じる曲。
一方の歌は伸ばすところと切り捨てるところのバランスが他曲に比べ良く、歌が全体のノリにリンクしてる印象。動き過ぎずに添えたコーラスもいい感じ。
8.JET PARK ★★
今度は4つ打ちからロックドラムになるが、引き続きキャッチ-で明るい曲。なんかAメロがさっきの曲と被ってる気が。
サビの終盤でメロが慌しくなると部分的に声量が不安定になってる。ロック調の発音も何だかもっさりした印象。
「ムォッっと ムォッと」「ズェッたい ズェッたい」とか感情の昂ぶりを煽る詞でヌメッとして発音だと違和感が。
9.White Lie ★★
BOAの何かの曲みたいなサビのマイナー調ミドルテンポ曲。
いわゆる伝統的なJ-POPではあるが、まだ他にもやってる人がいる曲調なので久々にそこまでの古さを感じない曲。
決して新しくはないけど。歌唱力勝負に出るほど歌いこなせてる感じもしないので影が薄い曲。
意味が間違って伝わってしまうほどではないが、やはりオ段の発音にウ段が混ざりすぎるか。歌詞がありがちすぎるのも印象薄の原因かも。
今作の作曲は半数近くをギターの矢吹が手掛けているが、この曲はポルノグラフィティへの楽曲提供などで知られる本間による提供曲。
10.Nocturne -revision- ★★★
イントロからAメロに入る時、Aメロの折り返し地点、Bメロに入る時、サビに入る時と、段階的にテンポよく転調を繰り出す曲。
何だかスゲエ構成だ。しかし転調をまたぐ形ではメロを鳴らさず、それぞれの調で収まりのいいメロを鳴らしてるので、聴き心地は安定している。
ここまでと明らかに毛色が違う曲だが、この1曲のみ志倉千代丸の提供曲。なんか聞いたことのある名前だ。こういう曲を書く人だったのか。
やっぱりアレンジは古臭く感じるが、手の込んだ曲ではある。個人的にはメロを区切らずに転調する曲のほうが好きだけど。
11.ひまわり ★★★
音数が減って一息つけるバラード。どうもシンセが安っぽいのが気になる。クリーントーンのギターもメロと被り気味であまり必然性がないような。
サビでコーラスが厚くなって歌が強くなるので、他はもっとシンプルでも良かったかも。無難にJ-POPなアレンジになりすぎた感がある。
しかし、作曲した本間がそこまで考えてるのかは分からないが、癖のない曲のほうが水樹としては歌唱力を発揮できてる印象。
サビに繋ぐとこのビブラートとか、なんかちゃんと正しい使い方って感じがする。いつも無理矢理ねじ込む感じなだけに。
日本語の発音も丁寧で、うたのおねえさん的な模範の歌い手に思える。それをアッパーな曲でもやったらいいのでは。
12.恋してる... ★★
今作中では割と普通にポップな歌メロを有する曲。北欧ポップスをJ-POPっぽい派手めのアレンジに手直ししたような印象。
軽快なリズムに反し、Aメロあたりの水樹の歌い方がアクセントを後ろに置いた粘っこい感じなのでやや違和感がある。
力まかせに歌わないあたり詞世界との調和を重視してるとは思うが。ちなみに本人作詞だが、内容はごくありがちなお花畑恋愛ソング。
13.in the fix ★★
Bメロあたりまでは今作中にさんざん出てきたようなロック調の曲だが、サビで変なメロになる意欲曲。
サビ単体で聴くとごくありふれた感じなのだが、普通あんまりやらないような繋げ方をしてるので、
最初に聴いた時にはサビで頭が切り替えきれなくて不思議な印象を受けた。
サビ前にブレイク入れずにスルッと行けばもっとカオスな感じになって面白かったかも。
サックスソロからサビに戻る時もなかなか唐突。マンネリ回避のアクセントにはなってるのでは。
14.New Sensation ★★
久々に登場の、露骨に古臭い曲。初期のB'zのようなシンセ入り歌謡ロック。そのせいか、なんかギターソロの収まりがいいように感じる。
B'zというよりKIX'SとかMANISHとかのビーイング系女性アーティストっぽいと表現したほうが近いかも。
詞は今作に多い、もっと頑張ろうよ、いい人生にしようよ系の啓発ソング。どういうファン層を想定してるんだろう。
15.refrain -classico- ★★★★
ほぼピアノのみの伴奏で歌われる、ラストらしいバラード。今作中で最もメロディアスで、歌謡曲の王道的な出来映え。
ネタっぽさがないため違和感があるが(元々ないつもりかもしれんが)、
やはりアッパー4つ打ちの縛りがない方が水樹が伸び伸びしてる印象で、切なげな声で情感たっぷりに歌い込んでいる。
どちらかというとアレンジをシンプルにして、あとは水樹にほとんど任せた曲のほうがいい結果が出てる気がする。
専業歌手との差を感じない曲だが、裏をかえせば別に声優が歌わんでもいい曲でもあるし、
声優界の人気歌手というポジション確保のために後々この路線を切るのは正しいのかも。
総評.★★
声優・水樹奈々が2003年に発売した3rd。プロデュースはギタリストの矢吹俊郎。
まず曲が古い。しかも「古い」と聞いて普通イメージする古さとだいぶかけ離れている。BAWDIESも懐古主義だよね、とかそういう話ではない。
概ね80~90年代っぽいが、その中でもぶっちゃけ今更得るものがないようなとこを掘り返している。
いきものがかりなんかも90年代っぽいが、彼らはアレンジは生バンド主体で仕上げている。
しかし今作は打ち込みアレンジに至るまで当時を再現する徹底ぶりとなっている。
個人的にはその時代の打ち込みアレンジは、量産を目的化したが故の弊害だと思ってたが、今なおフォロアーがいるほどとは。
オリコン1位を記録した2009年の作品ではストリングスが飛び交うかなり特殊な作風で存在感を放っていた水樹だが、
ストリングスの出番のないこの頃もまた別の形で異端の存在となっている。
結果的に、どちらにしろ普通の10~20代はとっつきにくいという隔離状態となっている。
なんか彼女を特に必要とする人達による、見えざるMy姫バリアが彼女の周りに張り巡らされてるようにすら思える。
水樹の歌唱力は歌謡曲とロックで結構な差が出るが、2009年現在より高く感じる。
歌謡曲スタイルの時は、最近でいえば木山裕策のような、日本語を日本語らしく発音する、伝達に優れた歌い方。
ロックを歌うときはリズム重視で癖の強いアレンジ発声という印象。
ともあれ彼女は、幸か不幸か本人の能力の割に一般受けしない存在だし、これも元々こういう系統が好きな人以外は放っておいていい作品かも。
普通の曲で歌唱力勝負もしているが、比率が少なすぎるので普通の歌手で賄えそう。そこは棲み分けが正解だと思う。
電波じゃないけどネタ要素が強く、予想と違う意味で聴き応えのあった一枚。
(★5個が満点。)
Reviewer:15th. 156-159 名無しのエリー2007.06.29.
1.想い ★★
ファーストシングルにしてミディアムテンポのバラード、裏メロで動き続けるベースがなければ正直捨て曲。
「『声優にしては』とか抜きでその辺の歌手より上手い」といった信者的評価をされることの多い彼女だが、このころは手探りだったのが伺える。
歌唱力の実際は聞いて判断してください。
2.Heaven Knows ★☆
ELTのような電子音と、ラップもどき(単なる早口とも言う)から始まるが、メロに入ると以外に普通なPOP。
中奏のギターソロの進行の仕方に、作曲者の90年代前半のセンスを感じる。
このアルバムがベストアルバムであることを考慮しなければ当たり障りの無い曲。
しかし驚くべきことにセカンドシングル。
3.The place of happiness ★★☆
「君を見つめてる どんな暗闇でも」
歌詞を一見しただけで匂い立つような中学生スメル。
♯2以上にさかのぼって80年代後半のTMN感溢れるハイテンポなアッパーチューン。
ここまでコテコテにやってくれると逆に「Cメロいいなぁ」とかそんな楽しみ方も出来る。
4.LOVE&HISTORY ★★☆
正直水樹奈々がいつからブレイクしたのか分からないが、♯3で「この路線なら売れる!」と判断したことが読み取れるロックよりのハイテンポ歌謡曲。
やっぱりギターソロが入る。予定通り古臭い。
個人的に2:13付近の囁きが無ければ★二つ。
5.POWER GATE ★★★☆
一転して能天気、何が何でもギターソロは入れたいらしく、あげく管楽器(サックス?)ソロで終わるまさに80's歌謡曲。
サビに入る直前の歌詞の早送りと、ポップなサビ、サビ後の跳ねるような歌い方が心地よい。
コーラスが目立つのはライブでマイクを客席に向けることを意識したのか。
ただ、跳ねた後にフゥーって箇所があるのはのはどうだろう、ライブで盛り上がれるなら問題は無いのか?どうかと思う。
6.suddenly ~巡り合えて~ ★★★☆
TMNとかELT路線のロック調歌謡曲。求められてる音楽から外れないのは、声優アイドルとして鏡かもわからないね。
歌謡曲然としているってことは、古臭いながらも安定して聞けるということでもある。
ラストのサビ前をアルペジオに乗せる、そんな月並みすぎる展開の直後、直後というか終わりきる前に次のサビが入る部分が予想を裏切られて気持ちいい。
また、ここら辺までくるとギターソロがあることにほっとする。
かわりに毎度毎度ビブラートをかける歌声にいらついてくる。
7.New Sensation ★★
B'z。「IN THE LIFE」に入る予定だったといわれても驚かない。
ギターの音作りから、ギター周りを飾るシンセの電子音とか、「僕」や「そろそろ」を多用する歌詞とか、ソロとか。
いちいち声を震わす必要が無い場面で振るわせるのが食傷気味。
8.still in the groove ★☆
裏拍を鳴らし続ける電子音がテンポの速さを際立たせる打ち込みハイテンポ歌謡曲。
歌い方も構成も何から何まで、だいたい、毎回、いつも同じで作曲者の手癖で書いた印象がぬぐえない。
そんな短い音に、無理してビブラートかける必要は無い。
9.パノラマ -Panorama- ★☆
演奏技術や音に疎い自分には、もうそろそろ差異を見つけてレビューすることが難しくなってきました。
そろそろ飽きられてもおかしくないはずなのだが、ファンは満足なのだろうか。
近所で980円だったPS2ギャルゲーの主題歌。
10.innocent starter ★★★☆
大きいお友達大喜び、大人気魔法少女アニメの主題歌。
変に生音と共存させないようにした打ち込みがすっきりし、自然に肩が動くような良曲。
この頃には「歌がうまい声優」として認知されていたからか、普通に声をのばせばいいところも揺らす。
ギターソロを入れる隙間がほとんどなかったからか、最後に演奏できて嬉しそう。
11.WILD EYES ★★
曲を構成する音やテンポは変わってないが、サビが今までに比べマイナーな展開。
割とシリアスなアニメのエンディングテーマなのと無関係ではないはず。
そんな曲なのに無理して突っ込んだギターソロの主張が本気で邪魔。
12.ETERNAL BLAZE ★★
声優作品として最高位のオリコン2位となった、大きいお友達狂喜乱舞の魔法少女アニメの続編の主題歌。
正直タイアップの力が大半を占めたと言わざるを得ない。
サビの伸ばす部分で無理に転調を図っているのか、気持ち悪い音符を選択している、普通に流れに沿って締めてほしい。
13.SUPER GENERATION ★★
珍しくピアノから入る、アップテンポなポップチューン。
シングル曲を並べたベストアルバム全般に言えるはずの「音楽性の変遷」がここに来てようやく見え始めた印象。
ギターソロ自重しろ。
14.Justice to Believe(MUSEUM STYLE) ★★★★☆
「荒野と口笛」を謳ったはずのPS2用ゲームの主題歌。ゆったりとしたストリングスから瞬間で広がるフラメンコ調のアッパーチューン。
全体を通して壮大なストリングスとピアノ、電子的な打ち込みドラムが細かく刻み続ける上に乗って初めて、彼女の歌声は本領発揮。
サビでギアを上げるボーカルも、中総でストリングスとともに音量と密度を上げていく楽器群も、高まったまま荘厳なゴスペルに持っていくのも、至極自然。
ゴスペル後、再度テンポを落として、もう一度上がっていくところの開放感はたまらない。
小さい声でのファルセットに実力不足が伺える。
15.Crystal Letter ★★☆
荒野と口笛を謳ったはずのRPGのエンディングテーマには「クリスタル」の文字と、例のクリスタルっぽいピアノ。
アルバム中盤までは、セカンドとショートの間にもう一人野手を置きました、というような存在だったギターソロが
メロディが洗練されてきた今の水樹にとっては足を引っ張る存在でしかないことを感じさせる曲。
モロにゲームを意識しているアウトロ。
16.TRANSMIGRATION 2007 ★★☆
やけにこねる歌い方をする水樹と、タン・タンと単調過ぎるドラムが即効で耳に付くラストチューン。
最後にギターを思いっきりやれてよかったね。
総評.★★
ベストであることが裏目に出てしまったか、同じ展開の曲が続く飽きの早いアルバム。
声優としての水樹の技量をここで論じる気は無いが、歌唱力についても言われているほど論じる点が無い。
他の声優よりは上手いのだろうが、それを押し付けてくる声の出し方は逆効果ではないだろうか。
水樹の声が出やすいように作られていて、そこからずれると安定しなくなるのも×。
バンビポップを名乗る新谷や、対象をオタクに絞りきっていたアンセブ、「熱さ」を売りにするJAMら声優ボーカリストを見ていると、
いつまでも同じ音楽をやることが好まれるファン層なのかもしれない。
個人的には脱却してほしい。主にギターソロから。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)
Reviewer:16th. 105-109 名無しのエリー2007.11.18.
1.Bring It On! ★★★
恐らくはファンが一番意外に感じたであろう、水樹の楽曲イメージからは遠く離れた直球HRナンバーからスタート。
彼女のバンドサウンド曲は大抵軽めのガールズロックなので、珍しい。そしてDeepPurple。特にキーボードはモロに。
曲の出来はまぁまぁだが、1曲目の割に水樹の歌が前面に出ないという不思議さ。てか、エフェクトがやたらかかっている。
演奏の雰囲気に合わせる意図だろうか。
2.Orchestral Fantasia ★★★★★
イントロの音を聴いて想像してしまう楽曲イメージをことごとくひっくり返され、そして結局想像した全部を混ぜ込まれるというトンデモ曲。
(個人的にはフラメンコ?→ロック?→DeepPurple?→結局ストリングスかよ!→て全部居るし…)上松節全開。
とにかく、混ぜ込み具合が秀逸。エレキはロックだし、キーボードはM1に引き続きDeepPurpleだし、そしてストリングスの攻撃性は正に上松。
その全てがオーケストラという名前で一括りにされるという、上松ならではの楽曲。
同じくアニソン界の編曲屋、大久保が多数の楽器をさりげなく配置させるのとはまた真逆の発想な所も実に面白い。
また水樹にしては珍しく、歌詞が楽曲に直結しており、
「君のピアノが好きだった」の直後にポロロンとピアノが入ったり、分厚いストリングスが入る前に「ストリングスの海に溺れる」とか歌い出す。珍しい。
3.Promise on Chiristmas ★★
普通のポップスを水樹が歌う。曲のクオリティは普通に良くて、水樹も普通に上手い。
彼女の歌唱力は下手ではないがメチャクチャ上手い訳でもない事を再確認してしまう曲。
とりあえず、12月に街頭で流しても何ら問題は無い。
4.MASSIVE WONDERS ★★★
12月に街頭で流すと多分アニソン臭いと認識されるであろう燃え曲。エレキと疾走感を演出するドラムが終始燃え。
特にサビのテレキャスター臭い同音カッティングは某刑事ドラマのあの曲の雰囲気にも似た燃えが有る。
だがギターソロは矢吹(この曲のPであり、過去の水樹曲ではメインP)自重。1回目は普通だが、大サビ後の2回目は完全に蛇足。
後、歌詞についてはスルーの方向で(笑
とりあえず燃え的なノリが好きなら★5つ。ちなみにこの場合の燃えはJAMプロ系の熱さから男臭さを消去した感じと認識して欲しい。
5.Take a chance ★★
アイドルポップ風ディスコビート。前作ではこのタイプの曲が多かった。
とりあえず同じアニソン界にはI'veというこれ系のプロが居るので、それに比べるとやはり見劣る。特に水樹が歌うとばっちりアイドルポップ。
ただ、水樹のファン層にはこのタイプの曲が好きな人多いので、選択としては手堅い。
6.ファーストカレンダー ★★★
同じアニソン歌手だとCooRieがやりそうな甘々ラブソング。
ポップなストリングスがキュートで良い感じに。ハイハット連打がちょっと謎だけど。
そしてゆうまお提供の歌詞は笑う位に甘々。てか甘過ぎ。ニヤけてくる。
7.ラストシーン ★★☆
失恋ソング。ていうか、M6が終わってその数秒の空白で振られたんかい!と個人的には突っ込みたくなった。
曲自体はやはり普通のポップスで、水樹ファンは素直に歌声を楽しめる。
8.SEVEN ★★★
某韓国人アイドルの事ではない、念の為。
イントロ聞いて「何だよ普通のバラードか…」と思いきや、ストリングスが入ると様子が違ってくる。
ていうか和風な笛の音色に謎のパーカッションが入る。これは…NINJA…?
ハットリ君的ノリをストリングスが馬鹿馬鹿しささえ感じさせるほど大仰にやってくれる。
人によっては冷めるが、前曲二つでちょっとまったりしてた所なので意表を突かれる。
ちなみに今作中唯一の本人作曲。水樹本人としては前作のWILD EYESくらいを想定してんだろうか。
ただ、本人のメロディは前作も考慮した感じ、良くも悪くも普通なので、これ位やってくれた方が面白い。
9.アオイイロ ★★
ライブ映えしそうなガールズロック。曲自体は普通に手堅くまとまってるが、サビがちょっと印象薄すぎるか。
一応両面シングル曲。もう1曲はベストにアレンジ版が入ったものの今作には収録されず。勿体無い…
10.TRY AGAIN ★★
なんか若干古臭さを感じるホーン…あぁ、矢吹作編曲か…
正直今更感が漂ってるが、聞く層が聞くと妙に懐かしくなってしまう。
ファンにはお馴染みと言えばお馴染みな曲。一般層には古くさめの普通の曲だろう。
11.SECRET AMBITION ★★★★
ここ最近のアニソンで多用されるタイプのシンセや電子音、SEと、ミィディアムテンポ(ここ重要)のロックを引っ付けた、有りそうでなかった曲。
ギター2本、ワウと歪みギターを交互にかけあうバンドサウンドにシンセを交えて進む曲展開は妙な近代感が有って新鮮。
某魔法少女アニメOPだというのに、疾走せずこの構成と言うのが妙に時代を感じる。一種のスルメ曲。
12.Nostalgia ★★
M9と似たベクトルのガールズロック。ライブ映えするタイプと言った所か。
サビの場所が解り難い点以外、特に捻りは無い。
13.Heart-shaped chant ★★★★
上松、もといElementsGardenのストリングスは元々攻撃性、悪く言えば押しつけがましさが有るが、それが全開になった曲。上松張り切りすぎ。
特にサビで攻めの姿勢に入るストリングスとゴシック感漂うメロディがとにかく壮大。
他の音は盛り上がる箇所で壮大感を演出するためだけに控えめになっている印象。
水樹の歌声も絶対的な迫力こそ無いがエモーショナルで、特に間奏から伸び上がっていく場面は壮大の一言。そして駄目な人には間違い無く駄目な曲。
14.Chronicle of sky ★★
燃え曲もう1発。M4+M5といった所。こういう疾走曲も水樹ファン層は好きである。手堅い。
15.Sing Forever ★★★
ラストは素直にピアノ+M6でもやった素直なストリングス。こういうポップスなストリングスも聞き易くて意外と良い。
そしてもう解ったと思うが、女性シンガーにお馴染みの「私は何かのメッセージを届ける為に歌うの」的歌詞。だが、あいにく本人作詞で無い。
ファンなら解ってるし、今作の本人作詞を見れば解るだろうが。
多分水樹本人が書けば「私は戦う運命‐フェイト‐に唄うのよ」的歌詞になるのは明白で、その辺り別の理由で素直に受け取れないメッセージ。
総評.★★★
声優にして現代A-POP界のトップランナー(…らしい)の水樹奈々の6thアルバム。
前作まではまだまだアニソン寄り(というより一昔前の安めのアイドルポップ)の楽曲が目立ったが、今回は大分クオリティが上がったように感じる。
とりあえず、今作なら「単なるアイドル声優のアルバム」でなく、「アーティスト水樹奈々のアルバム」として提示できる出来にはなってると思う。
ただ、本人の歌唱力はファンが言うほど「絶対的」ではなく、その点に期待して聴くよりは、
一風変わったアニメ界の職業作家達の作品として勧めたい(言うなればアニソン界のカエラ?)。
特に今作、メインになっているElementsGardenの作家陣(特に上松 ちなみに彼ら以外が編曲を担当したのはM3・4・5・7・9・10・12)は
ストリングスの使い方が特徴的で、一般ポップスで補助的に使われるそれとは毛色の違う攻撃性が有る。
といってもそれはいわゆる「クラシック界から見れば大仰過ぎて厨臭いモノ」として嫌われてきた系譜でも有り、
長年ファンタジー系のゲームで人気を得てきた大仰さでも有る。その為、そういった大仰さが受け入れられない層には合わない。
しかしながら、突き刺さる人には突き刺さる魅力が有り、実際最近の水樹が得ているファン層は単なる信者よりはそういった層のようにも感じられる。
とりあえず、ファンにはクオリティの面から見て今の所の最高傑作。若干ゲーオタ系かもしれない層には是非お勧めの一枚。
そして、何となく興味が出た層や、名前だけで知らないな一応聞いてみようかという層にもとりあえず一枚。ベストよりかこっちの方が良い。
そして、本人の作詞能力の上達如何は考えない方向で。今回少ないけどね。
(★5個が満点。)
Reviewer:21st. 533-539 名無しのエリー2009.07.09.
1.MARIA&JOKER ★★
オープニングはホーンをフィーチャーした、ルパンの曲のパロディみたいな曲。
気持ちは分かるが、ピストル音をちょくちょく入れすぎていて松本人志が放送禁止用語をかぶせてるような印象に。
アダルト歌謡っぽいねっとりした歌い方はBメロまではいい感じだが、サビでは発音が不明瞭で何言ってんだか分からなくなる。
そもそも歌詞もよく分からない感じなのだが、集中して聴いても英語と日本語の境目も分からない水樹の歌い方もどうかと思う。
演奏はカッコ良さげだが、音が重なりすぎてて1つ1つが薄まっており勿体無い印象。
上松の自己紹介的な曲か。
2.悦楽カメリア ★★
バンドサウンド以外にも手を出し始めた陰陽座といった感じの和風ハードロック。
ただ手数が多いだけでベタな琴のフレーズが鬱陶しい。Dメロの入りもなんか違和感がある。そこからサビへの繋ぎもまた無理を感じる。
速いテンポの曲に、一塊が長い、いかにも歌謡曲なメロディを乗せているため、ドラムが何小節叩いても延々サビが続いてるような感じで息苦しい。
なんか演奏は上手いんだけど使い方おかしいというか、生の奏者にほとんど裁量が与えられてない印象。
ギトギトした編曲にせずにバンドに一任して仕上げてもよかったのでは。
3.PERFECT SMILE ★★
今作に参加している作家はほとんどがアニソンのフィールドから出ない人ばかりで、自分はよく知らない人が多いが、ここでやっと知った名前が。
元sportsの伊藤だワーイ久しぶり~~~誰だお前!!!なんか自分の思ってるsportsとは関係ない人なのかと思うほどの変貌ぶり。
日本じゃめっぽう強い、内弁慶売れ線ポップス。
伊藤が折れて水樹を立てるのは分かるが、ここまでくると伊藤じゃない人の方が得意な曲調では。ギターポップ<声優ソングが伊藤の答えか。火種になりそう。
一方水樹の歌唱はBメロの終わりやサビの一部で独特の機械的な響きが表れる。山崎バニラみたいな人力ボコーダーボイスといった印象。
4.trickster ★★★★
再び上松が作曲を手掛けた、シンプルで疾走感のあるロックチューン。1曲目とはうって変わり、バンドの地力を信じて生演奏で聴かせる。
水樹は低音の方が得意そうで、サビでも印象的に響く低音ビブラートを披露している。
アニソン界隈では敬遠されがちな硬質な音作りでベースがブリブリうなる。そしてガンガン煽る手数の多いドラム。
凛として時雨みたい。と思ったらベースが美久月でドラムが佐野らしい。こんな所でこんなワイルドなミックが聴けるとは。
という訳で演奏は良いし、それに呼応するように起伏たっぷりに歌う水樹も頼もしいが、アウトロのアカペラで疾走感が失われたようで勿体無く感じる。
そして何より水樹による歌詞の当て字?が凄まじい。
「終わりなき神話(星)の愛(いのち)の始まり」とか作詞して、カッコ内のほうを歌っておられる。パンク。
同音異義語や文脈の前フリを要しないお手軽ダブルミーニング。しかし、苦労して詞を作る楽しみもだいぶ減ってる気がするが。
5.Mr.Bunny! ★★
ミドルテンポでキーも特に高くないため、水樹本来の歌唱力が発揮されている印象の曲。
M3同様、世に蔓延するポップスという感じの無難さで、しかもまた笑顔がテーマっぽい。
「スクランブルの交差点」とか「華やぐ街のショーウインドー」とかの作詞もわざとに思えてくる。
曲やアレンジはV6やNEWSといった打ち込み主体のジャニという感じで、やや仰々しい発音は倖田に近く感じる。
水樹がここまで売れる過程ではきっとこれらの人達のファンを吸収してきたに違いない。音楽的には。
6.沈黙の果実 ★★★
今作に多い、ストリングスをこってり盛ったアップテンポ曲。
上松に比べしほりのメロディはベタだが安定しており、上モノが多いといっても何でもかんでも同時に鳴らさずに使い分けているので、
きちんと水樹を立てられている印象。半端にポップスっぽいよりはこのくらい歌謡曲なメロディのほうが彼女のビブラートが活きる気がする。
ちょっと長いビブラートを使いすぎてて、オチまたオチな感じがするけど。
ところで色んな作詞家が参加している割には何故か一人称は「僕」が多く、M3から4曲連続している。
7.Brand New Tops ★★
イントロを聴き終えたところで
ちょっとあれを見てほしい。エースが通っている。優れ者であると町中が騒いでいる。
そんな感じの曲。掛け合いのようなコーラスの入れ方がアイドルっぽい。メタルユーキにでも作曲させたのだろうか。違った。
ここまでの流れ通り、これといってキャッチーでもマニアックでもない微妙なセンを突いてきた曲。
バックを聴き込めば面白いのかもしれないが、互いに潰し合いの様相なので、かなり集中しないと聴きたいパートも満足に聴けない。
ところで、あいつの噂でチャンバも走る とは言うが、実際は正体不明なチャンバのほうが噂になってた気がする。
8.少年 ★★
90年代初頭の香りを延々引きずり、今度は石橋貴明と工藤静香がデュエットしそうな曲に。
歌詞も、少年の輝きで人ごみを抜け出そうという無難な内容。
どうも今作はポニーキャニオン的というか、芸能人シンガーの作品のような雰囲気が漂う。上松と仲間達が関わるもの以外。
サビでは水樹の声量が迫力不足で、しかも変なタイミングから伸びがくる。歌謡曲みたいな歌い方。
9.Gimmick Game ★
上松と同じ作家チーム、Elements Gardenに所属する藤田が手掛けた、ユーロビート以外の何物でもない曲。
もうこの手は眠らせてやった方が…。ニーズが今あるなら安室もまだこんなのやってたのでは。
パラパラでさえ随分昔の話に感じる時分だが、逆にということだろうか。
細やかな強弱表現があるとも言えず、個人的には誰が歌おうが今更遠慮したいような曲。
この手の曲が世に出てから随分経つのに何ら目新しい要素を加えてるわけでもないというのもキツイ。
アウトロもなんかドーンと鳴って終わる定番のアレ。
10.Dancing in the velvet moon ★
三たび登場、上松範康。別にこの人に詳しいわけではないが、曲の個性が強いので識別しやすい。
米や英の音楽に目もくれず、ひたすらJ-POPらしいメロディを突き詰めながらも、
マンネリをも同時に回避しようとしてなんだか聴いてて落ち着かないひねりを加え、
結果的に聴く方も覚えにくいうえに歌手も歌いにくそうな感じになった、微妙なメロディアスさ。
さらにElements Gardenの中山と共同のアレンジも、整形の歯止めが効かなくなった韓国人女性のように、次々に上モノを足していくギトギトした出来。
そして派手なアレンジ、豊富な歌メロを有しながらも結局ボンバーキングみたいなピアノリフしか耳に残らない曲に。
水樹の作詞のせいなのか、歌メロのリズムも変。
それにしてもこれほどまでに音数を削るのを嫌う作曲家も珍しい。濃すぎてグロい。
しかし個性的ではあるし、このElements Gardenの曲を本命に水樹のCDを買ってる層が彼女を売れっ子に仕立て上げてる可能性もあるかも。
個人的には誰が歌おうと聴きたくないほど苦手だが。
11.ray of change ★★
オーケストラヒットがジャンジャン鳴る、一昔前の浜崎のアルバム曲といった印象のポップス。
だからといって一昔前の浜崎を好きだった人達が水樹に流れてくるかは微妙だが。歳もそんな変わらないし。
15曲もあるなら1曲くらいシンプルでどっしりしたR&Bとか試していい気がするが、
どうも「アルバム曲」という概念を具現化したような似たり寄ったりの打ち込みポップスが多くて幅が無い印象。
水樹の適応能力にそれほど問題があるとも思えないが。
12.深愛 ★★
どうもしっくり来ない転調や、Bメロ的なラインのサビが違和感を感じさせる上松曲。
ナシかと思って聴いてるうちにハッとさせられる、的な技あり感も無い。
アレンジはElements Gardenの藤間が担当しているが、やはり上モノのストリングスがうなりすぎていて、
ドラムが全体のメリハリの主導権を握らせてもらえずにいる。
ドラマーはドラマーで考えて叩いているのに、藤間のアレンジが全てに先んじてる感じで、奏者の扱いが粗末。
自分で全部打ち込む人以外でここまでエゴを出す編曲家も珍しい。恐るべしエレメンツガーデン。略してエレメガーデン。
自分の好きな歌手とか絶対プロデュースされたくねえ。ていうか水樹の話をする隙を与えてくれないぜエレメガーデン。
13.蒼き光の果て -ULTIMATE MODE- ★★
どこかで聴いたフレーズの寄せ集めという印象はするものの、今作中では比較的キャッチーでまとまりのある曲。どこにでもある曲だけど。
なんかメロディが長いうえに不安定で、種類も多い曲ばかりだっただけに尚更。
水樹は声量があるので本来ならこうしたアッパーな曲は向くかと思ったが、
サビでは歯切れのよさを意識しすぎたのか、音を短く切りすぎててカクカクした歌い方に。早口は苦手なのかも。
14.Astrogation ★★★
イントロのピアノリフからもうまさに一昔前の浜崎のシングル曲といった印象の、キャッチーな曲。だからといって浜崎のファンが…。
正直今するでもない4つ打ちダンスポップで、8BITサウンドとかに色気を出すでもないのだが、
一昔前の浜崎の曲にも今でも聴けるのが結構あるし、これはこれで良かったのでは。水樹もロック調の速い曲よりこういうのの方が得意そうだし。
生活臭のしない曲が多い今作中でも特にファンタジー色の強い詞だが、このくらい吹っ切れてたほうがかえってよかったのかも。
15.夢の続き ★★
本人が作曲も担当したシンプルなバラード。
シンプルとはいっても弾き語りとまではいかず、ピアノもギターもキーボードも入ってるが、それでも今作中では抜けてシンプル。
大騒動がついに終わり、ラストにして初めて水樹の歌をちゃんと聴けた気がする。
普遍的なポップスを歌わせれば充分上手いが、惜しむらくは曲に見所がない事か。
感謝の言葉を素直に表した詞も、シチュエーションに具体性がなくて形式ばった印象。
総評.★★
声優として史上初のオリコンウイークリーチャート1位を獲得した、水樹奈々の7th。
演歌出身という異能の声優とあって、振幅の大小を使い分けた端正なビブラートを武器とするが、乱発しすぎて諸刃になってる部分も。
声量は充分あるが、瞬発力よりも伸びに秀でるタイプなのか音符の連打にはもろく、パワフルな曲が必ずしも得意ともいえない。
声の魅力だけで売る声優シンガーに比べれば幅広く歌えるのが強みだが、声優にしては声に個性がないため、
「この人の声でこそ」というオンリーワンな起用法に縁遠く、結局一般的なシンガーという印象。
何とか「声優」という職業ならではのスキルを歌に期待したいところだが、彼女は声優の割には発音の癖が強く不明瞭。
タイアップの都合上アニメの中の固有名詞とかを連呼してるのではと思うほど、普通の日本語や一般的な英単語が聞き取りにくい部分も。
そして歌唱の面では無理が利くせいか、比較的ゴチャゴチャした曲を歌わされる傾向にあり、ぶっちゃけセールスの割に作家に恵まれない。
Elements Garden関連以外の曲については、十代をターゲットに想定しないという暗黙の了解がある以外はほぼ空気な当り障りの無い出来のものが多い。
そしてElements Garden関連は、ソロシンガーの作品にしては歌手以上にアレンジを聞かせる意図が出過ぎてる印象。
Elements Garden feat.水樹奈々状態。
洋の東西を問わないジャンルレスな感じは全くせず、J-POPを外界から隔離して自宅スタジオの中だけで進化させたようなひきこもりJ-POPがメイン。
純粋培養のオリジナリティはあるが、ほとんど本人だけが自分の重ねた一音一音に思い入れを持ってる感じで、温度差を感じる。
本人は楽しいんだろうけど歌手がメインじゃないのは…。
詞は「僕」の一人称が多いのが特徴的。
愛を歌っても夢を歌っても作詞を目的としたようなファンタジーな要素が強く、あまり本人の現実的なキャラを絞り込ませない意図が見える。
別れた彼からメールが来たとか、親友と男を取り合ったとかの、日常レベルの実体験を切り取ったような詞は少ない。
声優ならではの、例えば「アニメの中では恋人同時なのに…現実がもどかしい」みたいな詞もない。誰もやらないもんなのか知らないけど。
とにかく生々しい恋気を出さないようにしてるっぽいので、同性からの共感度は低いかも。
何はともあれ今作に関しては、究極的には水樹に対しては特に言うことが無い。エレメンツガーデンのための作品。
この1枚だけ聴いた印象では、今までエレメンツガーデンが曲を提供してきたおかげで今水樹が売れてる、
という大前提があるくらいの勢いで彼らの押しが強い。実際どうなのかは知らないが。
彼らが囲ってるせいで水樹が他の著名な作家とコンタクトを取れずにいるのかも知れないが。
個人的には彼らの作品はいわゆる変なJ-POPの条件をバランス良く満たしてるように感じるので、もっといろんな人から曲をもらったほうがいい気がするが。
ていうか今回初めて「大塚愛に曲を提供してもらったらいいのでは…」とまで思った。
とにかく水樹はこの際置いといてエレメンツガーデンがツボるかどうかで好みの分かれる作品。
(★5個が満点。)
Reviewer:23rd. 440-444 名無しのエリー2010.07.05.
1.MARIA&JOKER ★★
珍しくジャズ要素を持ち込んだファンクチューン。
コレまで、パワー系ヴォーカルをメインにしていた水樹だが、この曲では妙に艶っぽい表現を持ち込んできたようだ。
流石に演歌仕込みの基礎があるだけに、このような表現が意外とハマっている。
水樹と上松タッグの曲としては珍しく、ホーン隊をメインに据えてるのも面白い。
けど、あんましスウィングしてないよ上松さん...。
2.悦楽カメリア ★★★☆
同レコード会社に所属している重金属妖怪を連想させる和風ハードロック。
アルバムのリードチューンを担うにふさわしい、見事なキラーチューン。やはり、水樹の歌唱法を生かすのは和の要素を盛り込んだロックなのだろう。
どうせなら、もっと演歌臭い歌い方にしてもよかったかもしれんが、コレはコレでアリ。
ただ、歌詞は当て字禁止にしてほしかった。
3.PERFECT SMILE ★★☆
爽やかなファストポップス。どこかサザンっぽい曲調。
口さわりは良いが、ただそれだけのような楽曲。ライブの中盤でたまに出てくる感じ。
4.Trickster ★★★
水樹と上松タッグによる正統派歌謡ロック。そして、珍しくストリングスレス。
十分に練り上げられたスルメのようなメロディーラインは何度か聴かないと良さがわからない困った仕様。キャッチーではあるんだけど。
歌詞はまぁ、当て字さえ無ければ良い出来。そう、当て字が無ければ...。
結構ベースラインが気持ち良い曲だったりもする。
5.Mr.Bunny! ★★
アイドルといえばやはりエレクトロポップスだよね!と言いたげなナンバー。カップリングにありがちな感じ。
可愛らしい曲で、音のバランスは悪くは無い。が、無難な感じ。
6.沈黙の果実 ★★★★
クサい! すごくクサい!! そうとしか言えない曲。
そして、どう考えてもこのアレンジはエレガだと思うのだが、いかがだろうか。
この手の曲となると水樹は活き活きして歌っているように聞こえるなぁ。
なお、低音が強いスピーカーorヘッドフォンだと音が割れるかも...。
7.Brand New Tops ★★☆
しっとりとしたピアノから一転、ライブを意識したロックチューンへ変貌。
もうね、曲の構成からしてライブじゃないと良さがわからない曲ですよ。掛け合いがタップリあるし、生じゃないと良さがわからないアレンジだし。
クレジットを見ると、パーカッションを水樹自身が手がけているようだし。ライブではパーカッションを叩きながら歌うのだろうかと想像してみる。
まぁ、今回はCD音源なので点数としてはコレくらいだろう。
8.少年 ★★
今回の矢吹提供曲はミディアムロックチューン。比較的歌いやすい音の広さとテンポが心地よい。
が、アレンジが(ダサく聞こえる)80'sなのはどうにかならんかったのか。
とりあえずサックスはやめろ。話はそれからだ。
9.Gimmick Game ★★★
水樹楽曲では珍しい、高速トランス調ユーロビート。
激しい展開が某西川っぽいが、あちらとは違ってこちらは本能的なサウンドになっている。
このアレンジも熱くて好きなのだが、個人的にはギターはノイジーにしてほしかった。
所々に入る艶っぽい声がたまらない。
10.Dancing in the velvet moon ★★★★
こちらもメロディがクサいシンフォニックテクノチューン。コレはクサメロとかチェンバロが好物のメタラーにはたまんないかも。
さすがにクワイヤまで加わったら大変な事になるので、この程度にとどめて正解だろう。
やはり、このようなアレンジだと水樹の歌い方もそれほど違和感を感じない。
普通の人ならすごく嫌がるだろうが、私自身がクサメタラーの気があるので高評価となっている。よって、あてにしてはいけない。
11.ray of change ★★
再び箸休めっぽいポップチューン。こちらはデビュー当初っぽい。
激アツ→クサメロといった曲の後だから、タイミングとしてはバッチリ。
曲単体はシンプルで平坦な楽曲なので、あまり面白みは無いのだがコレばかりは曲順の勝利と言えるだろう。
12.深愛 ★★★★★
自身のシングルでは非常に珍しいミディアムバラード。
歌謡曲のようなメロディラインと計算されたシンフォニックアレンジが素晴らしく、演歌上がりの水樹の歌唱に見事、マッチしている。
この曲の作曲者の妹であり、アレンジャーの妻である上松美香によるアルパも楽曲の良さを上手く引き立てているのではないだろうか。
13.蒼き光の果て -ULTIMATE MODE- ★★☆
本来入るべき曲が、作詞者がヤクをキメたせいでお蔵入りになったため、キャラソンであるこの曲がリアレンジされた状態で収録されることに。
元曲は知らないが、この曲だとシンフォニックロックに化けているため、かなりクサくなっている。
ただ、ギターソロはもっとクサくしてもよかったかも。
14.Astrogation ★★★☆
自身のシングルリード曲では初となるシンフォニックトランス。
シングル版はとにかく音質が酷かったが、アルバムではちゃんと修正されている。メジャーではなかなかお目にかかれないアレンジなので、すごく新鮮。
こうして聴くと、キラキラしたシンセが何気に良い味を出している。
15.夢の続き ★★★
本人作詞作曲によるバラード。歌詞は前作で似たような展開なのだが、曲は割りとライブ後半で聞けるような展開。
総じて、練り込み不足ではあるのだが、素人作曲だから、こんなもんだろう。
ただ、ギターソロはいらない。ちょっとウザく聞こえた。
総評.★★
水樹奈々、7枚目であり、自身初のオリコン1位を獲得したオリジナルアルバム。
楽曲順はなかなか良く、様々なタイプの楽曲を上手く繋いでいるように思う。
特に『悦楽カメリア』『Trickster』のようなロック色の強い曲と、『深愛』のように、歌謡曲を基調とした楽曲だと彼女の歌唱法にマッチしているのではないだろうか。
まぁ、元々が演歌畑の人だから今後は歌謡曲ベースかロックをベースにすれば彼女の場合はハズレが少ない。あるいは、大仰なシンフォサウンドだろう。
逆に、ポップスだとあまり合っている気がしないし、未だに存在するのがネック。今後は上記のようなタイプの楽曲をメインに据えるべきだろう。
まぁ、最低でも矢吹提供曲はアレンジャーを別にしない限りは入れないほうがいいかも。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)
Reviewer:避1st. 235-237 名無しさん2012.02.16.
1.MARIA&JOKER ★☆
1曲目からちょっと反則気味とも思える感じ。
所謂テンポの良いJAZZテイストで構成されているわけだが、曲調や効果音からルパンやビバップのOPを想像することも容易。
水樹の伸びのある歌い方でなんとなくまとめられてしまっている曲。
効果音とか正直いらないかも…
2.悦楽カメリア ★★★
ギターとドラムの絡み合う熱いロックな曲。
途中途中で入る和のテイストが良いアクセントになっていて、曲全体の疾走間を出している。
サビはちょっとメタルっぽい?
作詞は水樹自身が担当。
3.PERFECT SMILE ★★★☆
02からの流れできて、ここでいきなり印象が変わると思われる。
タイトル通りの笑顔になれそうな爽やかポップソング。
4.Trickster ★★
18thシングル。同シングル収録曲がアニメタイアップであったせいか、これシングル曲だと知らなかった…。
サビ以外でシンバル音がやたら目立つってて薄っぺらい感じもする。もうちょっとベース音で厚みが欲しい。
5.Mr.Bunny! ★★
90年代風の打ち込み曲。
曲調は青空を想像させる明るい感じで飲料水のCMにでも使われそうだけど、詞の内容は失恋ソングという罠。
6.沈黙の果実 ★★★☆
力強い歌い方とストリングス系の音が全体を盛り上げている曲。
ストリングスとの絡みはやっぱいい。
7.Brand New Tops ★★★★
鍵盤から始まるイントロで一瞬騙されるwww
”WOW WOW~”から曲全体の空気がいきなり変わる。
良くも悪くもアニメのタイアップになりそうな曲。でもこういう元気な曲嫌いじゃない。
8.少年 ★★☆
作詞・作曲:矢吹俊郎。
「矢吹俊郎」という名前は聞いたことあったけど、水樹の前はまっくんのプロデューサーだったのか。ファンのみなさんには周知なんでしょうね。
コーラスとかサビとかどうりで同じ臭いを感じるわけだ。
9.Gimmick Game ★☆
まあまあよくある感じの打ち込み多様の曲。正直そこまで強い印象を受けない。
10.Dancing in the velvet moon ★★★
18thシングル。特別説明しなくても「ロザバン」のED曲として御馴染みでしょうか。
この曲の終わり方が何故か好き。
11.ray of change ★★★★☆
アコースティックギター(クラシックギター?)の音色がいい。
打ち込み多様やエレキギターガンガンでなくても全然カッコイイです。
12.深愛 ★★★☆
19thシングル。
今作品の中でちょっと異彩を放っている感じを受けた。聞き込むにつれて曲に引き込まれるスルメソング。
こういう曲もきちんと歌えるのが水樹奈々の強みなのかも。
13.蒼き光の果て -ULTIMATE MODE- ★★★
出演していたアニメ「AYAKASHI」のキャラソンのアルバムバージョン。
原曲がわからないのでどのようにアレンジされているのかわかりませんが、曲とボーカルのバランスがすごく良いと思いました。
例の事件で収録予定曲との差し替えになった曲らしいです。
14.Astrogation ★★☆
18thシングル。テンポのある打ち込み曲。
ライブの終盤で歌われそうなイメージを受けたが、作品的にも終盤だからそういう位置なのかもしれない。
15.夢の続き ★★★☆
作品の最後を締めるバラード。それだけに水樹奈々の”歌”というものが堪能できる曲。
今の自分の気持ちとファンに対する気持ちを歌ったであろう、本人作詞の歌詞にも注目。
総評.★★☆
声優のアルバムがオリコンで1位を取ったということで世間的にも知られたであろう作品だし、シングル曲が3曲収録されていますが、
期待大で聞くとちょっと物足りない感じもするかもしれません。
そこでアップテンポ以外の曲にこそ注目して欲しい。水樹奈々の歌唱力とそれを熟知しているスタッフ陣の仕事は流石です。
入門編としてではなく他の作品を1,2枚聞いてから聞いて欲しい作品かもしれません。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)
Reviewer:23rd. 457-461 名無しのエリー2010.07.09.
1.TIME TO IMPACT EXCITER ★★★
インスト。
パタパタ、ピーン、チューン、バーンとか色々鳴ってストリングスも静かに鳴り出し、ピアノも色々鳴って、未来的な雰囲気を作る。
警報の音が鳴ったら、そのまま2曲めへなだれ込む。2曲めと分けなくても良かった気がする。
2.NEXT ARCADIA ★★★★
上松の新境地と言える曲。
これまでの彼の曲は熱い・重い系が多かったが、これは歯切れのいい伴奏と水樹の歌い方によって都会的な、爽やかな曲に仕上がっている。
ストリングスも過不足のない、ちょうど良い目立ち方。ドラムの忙しさもさりげない。
特に、上松自身によるテクニカルなピアノがきらびやかに鳴っており、より雰囲気を爽やかにすることに一役買っている。
Hibikiによる作詞も、相変わらず英語やくさい単語・フレーズを駆使したテンションの高さ。
また「見上げてごらんMilky way」というフレーズが、アルバムラストの曲タイトルや、発売日を暗示しており面白い。
3.ミュステリオン ★★★
2曲めはスルーして、こちらがアルバムの公式リード曲のようだ。PVも作られた。
かなりテンポの速いバンドサウンドに、次々に展開するメロディが乗る。
歌詞も曲調もV系にありそうな感じで格好良いものの、
歌いにくそうな難しいメロディの上、サビの高い音を水樹がいちいちファルセットにして歌うため
わざわざ危険な橋渡っているようでこちらが不安になってしまう。特に最後、キーが上がったところがキツい。
「♪君のミュステーリオーン」だと思ったら違った。
4.Silent Bible ★
アップテンポな曲。
どこかで聴いたことあるような盛り上がりに欠けるメロディに、アレンジもごくごく平凡。
この作曲者もエレガだが、初めての曲提供のようだ。これからこの人が心配になる一曲。
歌声も心なしかつまらなそうに聴こえる。「表現のしがいがないわ」みたいな…
5.Young Alive! ★
元気なガールズロック。これまでも3回くらいあったような曲なので正直食傷。
が、水樹による作詞に出てくる色々な四字熟語には、知らないのもいくつかあった。結構学のある人なのかも。
6.SCOOP SCOPE ★★
キラキラした伴奏のポップス。アイドルがサイドステップ踏みながら歌っていそう。
ハ長調で歌いやすく覚えやすく、箸休めには悪くないという感じ。
7.DRAGONIA ★
俊龍という作曲家による曲。以前茅原実里に曲書いてた。激しく熱い系。
「erhu」というのは二胡のことらしい。正直、色々な音がごちゃごちゃでうるさい。
歌も息つく間がないのと、音の移り変わりが速いためか、苦しげ。
あと文語調の歌詞にするのなら、中途半端に英語入れるのやめたらいいと思う
8.夢幻 ★★★
紅白で歌った「深愛」に続く、某アニメオープニング曲第2弾。
伴奏はキメの多いバンドサウンドで、ストリングスは入ってるが抑えめ。
愛に溺れる女を描いた情熱的な歌詞が特徴。最後の「あああ~~~」は圧巻。
ただし、「深愛」のように、歌謡曲を意識したらしきメロディではあるが、こちらは無駄にひねり回して歌いにくくしてしまった印象。
CDで聴くぶんには好きだが、これまたライブが心配になる曲。さらに、「♪全て捧げるわ~~~」のピッチが微妙に高くて気になる。
あとこういう曲で「。。。」という歌詞表記は合ってない。
9.夏恋模様 ★★★
「かれんもよう」と読む。ゆったりしたテンポのポップス。
水樹にはJ-POPとは一線を画したタイプの歌詞の曲が多いために、このような、昔の恋を思い出すというごく普通の歌詞も、新鮮。
10.恋の抑止力 -type EXCITER- ★★★
某ゲームの曲のアレンジバージョン。トランス+ストリングスによるアップテンポな曲。ダンサブル。
かっこいい伴奏に、同級生が好きな気持ちを言えない女の子についての初々しい歌詞が乗るアンバランスさだが、不思議に合ってはいる。
「♪キューンーキューンー」とか「♪ズーキーズーキー」という可愛い歌詞の部分に加工してドスきかせたようにしてるセンスが怖い。
11.PHANTOM MINDS ★★★
某魔法少女アニメ劇場版主題歌。
またしても聞いたことのない作曲者による曲だが、なかなかスルメなメロディ。サビ部分のストリングスアレンジが絶妙。
また、最後のサビに入るところのタメが格好良い。
12.ストロボシネマ ★★★★
甘めのかわいらしい曲。全体的に軽妙な伴奏で、水樹も力を抜いて、思いきりかわいらしく歌っている。
特に最後のサビは珍しい、ささやくような歌い方。
ラビット、Wonderland、時計が出てくるかわいい歌詞はアリス意識っぽい。「ラビットにhatして」という掛けてあるらしい歌詞も面白い。
ちなみに前作のリード曲「悦楽カメリア」の作・編曲者。作曲の幅を見せつけたか。
13.囚われのBabel ★★
また、かなりテンポの速い曲。
伴奏がほぼ打ち込みでちょっと野暮ったいと思ったが、「だめ だめ だめ 終わりじゃない」というメロディも歌詞も前時代的なとこを聴いて、狙ってやってることを確信。
水樹の広いファン層に合わせるため、上の世代にアピールしてみたのだろう。作詞は松井五郎氏だし。
14.アルビレオ ★★
水樹本人が作詞作曲している。タイトルははくちょう座の星の名前らしい。
マンドリン、アコーディオン、ストリングス、パーカッション類をふんだんに使った民族的な曲。霜月はるかやKalafinaでありそう。
水樹が作ったメロディも綺麗なのに、なぜか伴奏含めて全部暗く聴こえる。これこそアルパを入れて、もっと華やかにしたらよかったのでは。
また、音質が良くないのか、残念ながらあまりそれぞれの楽器が綺麗に聴こえない。
「赤銅」はせきどうという読みでも可らしい。
15.Don't be long ★★
例の魔法少女アニメ挿入歌。
シングルのカップリングから入った。アルバムに必ず矢吹曲は入れるという慣習があるらしい。
矢吹らしい熱いメロディ展開。Aメロが平凡。
ついていける人、いけない人で評価がはっきりと分かれるだろう一曲。(それを言い出すと全部そうだが…)
個人的には、流れから言っても不要だと思う。14→16でならしっとりとアルバムを聞き終えられるのに。
ところで何に対して「Don't be long」なんだ。そのアニメを観ていないから分からないだけか。
16.7月7日 ★★★★★
アレンジャー上松の妹であり、いくつかの曲でアルパを弾いている上松美香が初めて提供した曲。
アルパ+弦楽4重奏+コントラバスと水樹の歌で一発録りしたらしい。天国的で美しいバラード。
メロディは凝ったものではないが、伴奏の簡潔さと合っていて良い。
音の移り変わりもゆるやかなため、水樹もとても歌いやすそうに気持ちよく歌っている。
作詞もとてもストレートで素直。出てくる天体のイメージも伴奏にぴったり。
「見上げてごらん」というフレーズを2曲めとリンクさせてるのも面白い。
総評.★★★
紅白に、ドームライブに、音楽番組のナレーションにと、今をときめきまくる超人気声優歌手、水樹奈々の8枚目のアルバム。
下の名前にあやかって7月7日の発売。七夕の天の川や星空のイメージからか、歌詞にも星が出てくるものが多い。
シングル曲4、8、11には全て出てくるし、他に2、3、5、12、14、16にも登場。タイトルロゴやブックレットにも「☆」。
前作に比べて、より楽曲の幅が増したように感じる。意欲作。
ただし、8~9の繋がりはくどいし、4~6は個人的にだるい。逆に、1~3の流れは楽しい。
と、ダマが見られる。自分は前作もそう感じた。曲数も多い。ついでにアルバムタイトルも面白くない。
しかし、定番のエレガ・矢吹など以外の作・編曲者を徐々に開拓しているように思えるので、それには期待できる。
また、どの編曲者も、ストリングスのスマートな鬱陶しくない使い方がだんだん板についてきたように思う。
なんだかんだで面白い出来なので、普通のポップスに飽きた人にもお勧めしたい一枚。
あとは、心配なのが本人の喉。このアルバムでも2、3、7、8、11、15などの歌が難しそうだし、
歌以外にもアニメ、ナレーション、ラジオ等の仕事があって相当疲弊していると見られる。
売れている時期だからなかなかそうはいかないだろうが、適度に喉休めをしてほしいな。
(★5個が満点。)
Reviewer:25th. 38-47 名無しのエリー2011.03.23.
1.TIME TO IMPACT EXCITER ★★
2曲目へと繋がるインスト曲。概ね単体でさらっと聴ける出来だが、終盤のブザー音が物々しすぎるか。
2.NEXT ARCADIA ★★★★★
作家チーム・エレメンツガーデンの上松によるアッパー曲。例によって派手だが、いつになく生の奏者に判断の多くを委ねているため理性的な出来に。
音を被せ過ぎて無差別な潰し合いを頻発させていた前作の印象と異なり、奏者が互いの見せ場を噛み合わせて聴き応えのある演奏を披露している。これはいい出来。
まあ元々参加している奏者自体は上手い人だらけだったので、ただ「ガンガンいこうぜ」と指示だけ出してればいつでもこのレベルの仕事はしてくれたんだろうけど。
全体的にすごい手数で忙しそうな曲だが、その中でも上松のピアノが明確な特攻役としてキャラ付けされており、ヤケクソとしか思えない速弾きソロを披露している。
ドラムがかなり意図的に歌メロのリズムに合わせて音を当てにいってるが、露骨にキメキメな感じになっておらず、流れに滞りがない。
ベースもかなり動いているが独り善がりになっておらず、非常に有機的な演奏。小さなキメが幾重にも折り重なった基盤の上に曲全体の大きな流れが生まれてる印象。
前作は音像的に不気味な巨大要塞みたいな曲が多かったが、この曲は構造は複雑だけどムダに空回ってる歯車を余らせてないスタイリッシュな未来都市という感じ。
hibikiによる詞は壮大だが重厚でないといった感じで、真似しようとすれば出来なくもなさそう。60億分の1とか絶対のデスティニーとか、SFあるあるを網羅した作詞ぶり。
3.ミュステリオン ★★★
どういう風の吹き回しか、引き続きストリングス大会をお預けにしてバンドスタイルを大事にしたHR。
付点を絡ませたリズムの半音下りミュートギターや運動量豊富に曲を支える裏メロ的なギターオブリ、倍テンでツーバスをドコドコ踏み出すサビ等、かなり本気のHR。
あんまり声優の曲という感じはしない。オプションの一つとして押さえとくにしても、普通ここまでやんないのでは。
ただ水樹の歌声が声優然としてないので特に違和感は無い。裏声ビブラートとかやたら達者で、HR然とした曲に相応しい不気味な迫力が出ている。
声が可愛いとは思いにくいが、歌手としての幅は広がったのでは。
4.Silent Bible ★★
大まかな水樹のイメージに納まる、リバーブ過剰気味の派手なアップテンポ。
スローなピアノのフレーズで始まったかと思うとテンポアップして同じフレーズを鳴らすイントロからしてちょっとしつこくて胸焼けがする。
アップテンポ曲での水樹の歌い方は以前とは変わってきており、頭拍のアクセントを強調するロック然とした歌い方はなりを潜めて、
もっと長いサイクルでの強弱表現を重視した歌謡曲っぽい歌い方になっている。いわゆるAメロは感情を押し殺すように歌ってサビで感情爆発、みたいに構成を意識した歌い方。
歌でノリを出してる感じではないので、やっぱり異種間コラボみたいな違和感はあるが、そもそもの彼女の資質が演歌歌手なので今までより自然体に近づけたと言えるかも。
こういう歌い方のほうが歌詞の物語性を引き出せるし。
と思ったら歌詞がただ好きなシチュエーションとか好きな形容とかを集めただけの趣味の書き物って感じなのであんまり歌い方云々は関係なかった。
作詞は水樹本人。単純に彼女の趣味嗜好を分析したい人にとっては丁度いい資料なのだろうが、個人的にはただ埋まってるだけの詞という印象。
多分彼女の場合はまず完成品の提供曲ありきでその譜割りに当てはめて作詞してるんだろうし、
自由度は低いんだろうけど、それにしても何を主張したくて作詞してるのか分からない。
5.Young Alive ★★
漢字ナンクロ誌にも出てこないようなマイナー四字熟語に顔文字を組み合わせた歌詞表記が印象的なアッパー曲。
一般的に歌詞での四字熟語の使われ方は英語に近く、短い言葉に意味を凝縮してメロディをすっきりさせられるし、
それ自体音読みの塊であることでリズミカルに歌い切れるという点でも使い勝手がいい。
というものだと個人的には思っていたが、この曲では冒頭からいきなり四字熟語を固め打ち。
四字熟語自体は有用だと思うんだが、こういう使い方だと単に冒頭から何言ってんだか分かんない感じになるだけの気が。
サビはサビで虹色のマシンに乗って未来を動かそうとかいう話になってて、序盤で登場したニュアンスの違う四字熟語たちをまとめ切ったとも言えないような。
サビ終盤のキメに合わせての「アーユー・レーディー・オーケー・カーモーン・レッツゴー」もどうかと思う。
キメ自体がベタベタなのもマイナス要因だが、さすがにこれだと仮歌レベルにも程がある。作詞は水樹本人。
Bメロの最後の歌メロ音とその後に入るキメのコード基音とサビ冒頭の音が一緒なのもうざったく、転調の足掛かりを踏み固めすぎた感がある。
6.SCOOP SCOPE ★★
メロ追いシンセが食傷気味な、打ち込み強めのポップス。特に終盤で歌がちょっとソロになるところにまでもメロ追いシンセが鳴るためうっとうしい。
無難なメロとの相乗効果でいかにも90年代J-POPという出来の曲。ただ、普通全音符で垂れ流すようなシンセバッキングに微妙な休符を挟んで切れ味を持たせたのはいい感じ。
ゆうまおによる歌詞もありがちだけど筋は通る出来。ここまでがここまでだけに尚更。
7.DRAGONIA ★★
彼女のアルバムを数枚聴いた身としてはつい「出たよ…」と思ってしまう、派手にゴテゴテと着飾った短調のアップテンポ。
ダァーンダァーンと鳴るチープなスネア音を聴いてると、ファミコン版の光栄三國志で君主のパラメータを決めてる時みたいな気分になる。
Bメロあたりから楽器も手数も増えてくるが、M2と違い大味な打ち込みがかさばっていて暑苦しいし、キメの強調のしかたが露骨で脂っこい。
水樹の歌い方は狙ってか天然か演歌チックで、ハキハキしているというよりはもったいつけるように粘っこく歌っている箇所が多い。
結構メリハリつけて歌ってはいるが、hibikiによる詞が例によって大風呂敷でよく分からないので、情感の込め方がいいんだか悪いんだかも分からない。
hibikiってこういう詞しか書けない人なんだろうか、と思って調べたら、今まで詞を提供した相手は水樹のみ。ファンなら周知の水樹のペンネームとかなんだろうか。
8.夢幻 ★
彼女の前作を聴いた身としてはつい「出たか…」と思ってしまう、無駄にメロの種類が多いうえにキャッチーな取っ掛かり部分のない曲。
作曲は予想通り上松。Aメロはしっとり演歌ロックみたいでいい感じだが、Bメロへの展開もサビへの繋ぎも強引で、歌謡曲的な流れの様式美は無い。
そもそもメロディが色々動きすぎなので、情感の込めにくさとの相乗効果でかなり歌いにくそうな曲。
サビ前の転調の入れ方は「深愛」に近く、マイナーな間奏も前作の何かの曲を思い出させる。
Bメロの後半あたりからサビにかけて、楽器が歌メロをなぞるフレーズが増えてくるのももたれる。
M2の各パートが立った演奏はどこへやら。でもこういうオーケストラヒットがビャンビャン鳴る曲のほうが水樹って感じはするけど。
水樹による詞はいつになく情熱的な慕情を描いてるっぽいが、なんか全然詞が頭に入ってこない。
皆が歌詞カード見るわけではないので、ちょっとは韻とか踏んで詞を印象づける努力をした方がいいと思う。
9.夏恋模様 ★★★
何故か平成ライダーシリーズ皆勤の作詞家・藤林が普通の恋愛詞を提供した、ミドルテンポの癖の無いポップス。久々にバックの主張がおとなしい。
取り立てて新鮮な要素は無いが、Bメロでリムショットを使ったちょっとボサノバっぽいアレンジになったりしてて、今までと毛色の違う優しい曲に。
歌詞も非常に分かりやすくて丁寧。これは歌いやすそう。今は別の街で暮らす元彼との淡い思い出に浸る、といった定番の内容。
ファンタジーまみれの彼女の作品にしては久々に外に開けた詞世界で、似たシチュエーションの男性ボーカル曲と続けて聴けば普通にカップリングが成立する。
WEAVERの「She~キミが最初でよかった」とか。ちょっと新たな既成事実が増える気もするけど。今思い返すとWEAVERのアレって凄い曲。
変なカバーをよく原曲レイプと言うが、他曲と繋げて聴くと勝手に2人の関係が深まるアンサーレイプというのはアレくらいかも。
10.恋の抑止力 -type EXCITER- ★★★★
何故かメタルギアの音楽チームが作詞を手掛けた短調のアッパー曲。
彼女の曲にありがちな大味打ち込み曲かと思いきや、ドラムは4つ打ち垂れ流しでなくきちんと表情をつけている。
ユニコーンのドラマーが昔やってたVANILLAのデビュー曲みたいな感じ。
やや演歌っぽくしたBメロ、露骨に演歌にしたアウトロも面白く、ある種吹っ切れた感がある。
彼女の曲にしてはサビでの詞の繰り返しが多く、「恋の抑止力」というよく分からない単語の猛プッシュが強く耳に残る。結構いい作詞なのでは。
ていうかコレ、作詞側はもっとキュートで明るいアイドルポップを想定してたのでは。
舞台も放課後だし、「(ドキドキ…)」とかいうフレーズも掛け合い用っぽいし。実際にはそれをリバーブ強くかけた声で朗々と歌ってるが。
まあでも水樹の色で仕上げるならこうか。なんか今回スーパー夜桜お七みたいな曲が多いが、名前がナナだからだろうか。ていうか演歌に帰りたいのでは…。
11.PHANTOM MINDS ★★★
引き続き短調のアッパー曲で、魔法少女アニメの主題歌らしい。
そういえば女児向けアニメの代名詞的なシリーズ作品で声優をやってたはず。最近はこういう主題歌なのか。
歌詞に作品タイトルとか入れてる感じかと思ってた。全然女児向けっぽくない詞だが、水樹に作詞させて大丈夫だったんだろうか。
と思ったら、女児が一切観ない類の魔法少女アニメの声優もやってるそうで、そっちの曲らしい。パパと一緒に観てる女児もいるかも分からんけど。
アレンジはやはり仰々しいが、サビメロが派手なため相対的にやりすぎ感が薄く、丁度いい塩梅。
サビメロはかなり厄介なラインで、今までになく水樹の歌が不安定。いくらなんでも難しくしすぎでは。
無茶振りの限界ラインギリギリまで挑んだ感じ。
12.ストロボシネマ ★★
一転して、どちらかというとモデルとかが歌手デビューする時に歌うような感じのキュートなポップス。
歌い方も、なんか金髪ボブのウィッグつけて驚き顔でポーズ決めながら歌ってる感じというか、
男子よりも女子にウケが良くて性別間の温度差がある感じの巻き舌ロリータな歌い回し。
取り敢えずの巻き舌でごまかす英語の発音が胡散臭く、日本語英語にしたほうがマシだった印象。でも日本語も巻き舌だしなあ。歌の幅が広がったとは思うけど。
何枚か前の倖田のアルバムに入ってた「待って!私のウサギちゃん~」みたいな曲に似た系統で、あまり声優って感じではない。
でも声優っぽくないのか否かを確かめようと試しに平野綾のHPを見たらまさに金髪ボブだったので、むしろトレンドなのかも。
あまり高いキーに行かずに段々まったりしていくサビメロが今作中で異彩を放っている。
13.囚われのBabel ★★★★
曲はまたかといった感じの短調のアップテンポだし、キメもわざとらしい感じだが、曲の特性を把握したうえでの作詞ぶりが見事なので、類似の曲調に比べ高揚感のある曲。
曲名的に水樹が作詞してるのかと思ったら松井五郎。アリなのか。
水樹の周辺は常に同じようなスタッフが固めてて、利権でがんじがらめになってて外から人が割り込めないのかと思ってた。
でも松井がアリなら、もう今後の入閣は確定といっていい仕事ぶりでは。
神話ファンタジーみたいな詞ならさすがに水樹や取り巻きの方が上手いのかと思ったが、そのジャンルでさえ聴く限り松井のほうが上手い。
煽りのフレーズをあれこれ強調せず、基本「運命に赦しまで請うなんて だめ だめ だめ 終わりじゃない」の一本に絞っているので憶えやすい。
最悪他の詞を全然聞かなくてもこれだけ聞こえれば曲の印象が残る。思い返せばやっぱり水樹の詞に付き合うのは結構なMでないとキツイかも。
「だめ」は連呼しても問題ないうえにリズム感もある貴重な日本語フレーズだし、キメにピッタリ。
水樹も三連呼の「だめ」を同じ強さで歌わずに3個目だけ切ない感じに歌ったりして器用に味付けしている。
ライダーの人が作詞したのは別の曲だったが、むしろこっちがライダー主題歌っぽい。
人気メニューベストテンを当てないと帰れないバラエティー番組とかにも合いそう。
14.アルビレオ ★★★
詞曲とも水樹が手掛けた、歌謡曲的なメロにケルトっぽいアレンジを施して演歌っぽく歌った感じの曲。
壮大なアレンジだが、音圧で息苦しくなるような感じではなくストーリー性がある。
水樹でなければ出来ない、というほどの個性は無いが、バランスが良く安心して聴ける。
詞が好きならもっと聴けるのだろうが、やはり個人的には水樹の詞は意図のない当てはめというか、散って聞こえる。
15.Don’t be long ★
かなり過去から水樹に楽曲を提供してきた矢吹による、ベタな90年代ポップス。
サビの詞の乗せ方が悪くばたついており、しかも詰め込む所と間延びする所が極端。なんか聴き所が分からない曲。
間奏も単なるサビのカラオケみたいな垂れ流しだったり、かと思えばはいきなり速弾きギターと派手なスラップベースの応酬が来て水樹ほったらかしだったりで、
自己満足の要素が強い印象。利権のしがらみで一枠もらえてるだけなのだろうか。
16.7月7日 ★★★
エレメンツガーデン所属の上松範康の妹、上松美香が作曲したバラード。ちなみに彼女の夫は同じくエレメンツガーデンの藤間。何かスゲエな。
まさにエレガファミリーと家族ぐるみのお付き合い。こりゃ外から筒美や細野が入り込んでメイン作家になる可能性は無さそう。
確か絢香も音楽塾時代の講師がデビュー後ずっと専属作家として付いて来てたが、色々ここまで育てる為の費用の回収云々あるのだろう。
上松美香はアルパという、ハープみたいな楽器の世界的奏者らしく、曲もそれを生かす丁寧なメロで、アレンジも音を絞り込んでしっとり仕上げている。
いわゆるポップな感じではなく舞台劇じみていて、声優風情が何やってんのと辟易する人もいそうだが、曲や歌、演奏のパフォーマンスは充分では。
あとは直球とも装飾的ともつかない水樹の詞にどこまで浸れるかに拠るところが大きそう。
総評.★★★
声優・水樹奈々の8th。16曲中11曲をエレメンツガーデンの誰かが編曲しており、前作同様エレガの広告塔としての役割が強い。
その中でM1とM2の編曲を手掛けた上松、M3の中山、M14とM16の藤間は個性的ないい編曲をしていると思うが、
他の曲を担当した藤田と菊田は同じような残響強めの打ち込み系歌ものポップスアレンジで区別がつきにくい。
作曲家の顔ぶれが前作より増えた割に似た印象の曲が多いのは主にこの2人の編曲によるところが大きいのでは。切ればいいのでは。
水樹の作詞も6曲は多すぎる。個人的に合わないというのが一番大きいが、SFなりに要求される完成度に至ってないというか、
感情の断片以外の設定とか立ち位置とかの部分が今ひとつはっきりしない詞が多く感じる。
それでいて感情の断片はいつもそばにいるとか抱きしめてとかありがとうとかなので、何だか西野カナのラノベ版といった感じ。
出せば一定数売れる人なので、本人は自分の作詞が評価されてると思うわ、エレガはおいしい印税物件を手放すまいと根を張るわで、
多分今後もこのまま水樹の作詞とエレガの編曲が増えていく一方になるのだろう。純度は高まるのかもしれないが内向きな印象は強まりそう。
曲数が異常に多いのも、絢香同様に作家の印税云々が絡んでそうなイメージがある。
別にエレガも声優やゲーム関連の仕事ばかりしてないで、嵐やEXILEに楽曲提供したり、映画サントラやったりすればいい気がするが。
実力があるのならオファーも来るだろうし。
紅白出場で思うところでもあったのか、水樹の歌い方は演歌にかなり寄り戻しており、
ある程度アニメ・声優ファンへの義理立てを済ませたら演歌に戻りそうな気配が感じられる。
実際今作もアニメ声優っぽくは無い。ダンスビートとHRに演歌歌手が挑戦した作品、という印象。
歌い回しのバリエーションはあるが声色自体の変化に驚かされるような要素はほぼ無いので、多分声優としてもさほど長けていないのだろう。
今でこそ訳の分からない作詞をする印象の彼女だが、見方を変えれば彼女は演歌に帰ればいつでも冠二郎を継げる逸材なので、
是非「アイ アイ アイライク演歌~」とかまして欲しい。
あと海賊アニメが流行ってるうちに「バイキング」のカバーで主題歌をゲットしてほしい。
なんか今回全く参考になってない気がするが、個人的には鼠先輩以来の演歌界の混乱を予期させる一枚。戴冠の日は来るのか。
(★5個が満点。)