Reviewer:9th. 658-661, 664-668 名無しのエリー2005.04.09.
(Disc.1)
1.IGGY POP FAN CLUB ★★★★☆
ラストライブにてナンバーガールの歴史を閉じた名曲でベストは開幕する。
向井には珍しいハッキリとしたラブソングでかつて一緒に聴いたレコードをかけながら恋人の回想をするセンチメンタルを歌う
2.DRUNKEN HEARTED ★★
シングル曲。展開が五章立てになっている。いまだ各パートの演奏がおとなしく、向井の声も青臭い
聴き所はアヒト・イナザワのドラムと第四章田渕ひさ子のギターソロ
3.透明少女 ★★★☆
シングル曲。この曲でメジャーデビューを果たす。
鋭角ギターがキラキラと輝く疾走ナンバー。向井の妄想する少女物語が最も解かりやすい形で描かれている
4.タッチ ★★★
2edアルバムの1曲目。1、2曲目と聞き比べるとサウンド、ボーカルが一皮剥けている。歌詞は現代のクールを気取る殺伐な若者達を挑発する青臭いもの。
その青臭さが彼らの魅力でもあるのだが聴き所は目が血走っていそうな三人を尻目に暗躍する中尾ベース
5.EIGHT BEATER ★★★★
ライブでも人気が高かった同アルバム最終曲。重たいベースが気分を盛り上げた後に演奏と絶唱が一丸となって挑みかかってくる
聴き所はついに爆発を始めたアヒト・イナザワと向井のカオス肯定っぷり
6.SAMURAI ★★☆
ここから3曲、1stライブアルバムからというバランスを欠いた構成
わけのわからないMCの後わけのわからない観客の声、そしてほとんど呂律の廻らないボーカル、
みんな酩酊だが楽器の演奏だけは大迫力で寸分の狂いも無いスピードナンバー
7.裸足の季節 ★★★
前曲からそのまま繋がっているのが気持ち良い。田渕ひさ子のギターがついに牙を剥き、存分に歪んでいるが、ソロはCD版と全く同じである
有体に言えば「裸足の少女を見た俺はズレたメガネをかけなおした!」という曲
8.OMOIDE IN MY HEAD ★★★★☆
1stライブアルバム最終曲はプロジェクトの名前にもなっている、ナンバーガールの代名詞ともいえる曲
ファンの間で最も人気が高く、ライブでも定番となっていた「ロック=若者による焦燥音楽」を地で行く名曲
聴き所はアヒト・イナザワのタム回しと豪快に歌詞を間違えちょっぴりセンチメンタルな向井秀徳
9.DESTRUCTION BABY ★★★☆
シングル曲。デイブ・フリッドマンと邂逅、ドラムの飛翔感が増すなど音質が遥かに向上している。
前作までにあった「キラキラ感」はなりを潜め、よりロックな仕上がりとなっている
聴き所は「空白」を覚え、もはやただのリズムマシーンではなくなったアヒト・イナザワ
10.URBAN GUITAR SAYONARA(Single Mix) ★★☆
シングル曲。向井のキーボードに田渕のギターが絡み始まるナンバー。全体的に盛り上がるところもなく、ふらふらと展開していく様はまさに酔っ払い
声のリバーブがとんでもないことになっている。ちなみに途中で田渕が鳴らすあるフレーズは色々な曲で使われている伝統
11.ZEGEN VS UNDERCOVER ★★★★
3rdアルバム2曲目。メロディーは単純ながら歌詞の繋ぎ目を変えることにより飽きさせない
曲中ではある事件が起こり、それを見た向井が「ヤバイ!」と叫び、さらにラストで諸行無常を描き出している
このベスト&Bサイド、デジタルリマスタリングして施されているのだが、個人的にこの曲が最も聴き易くなっていると思う
12.SASU-YOU ★★★☆
同アルバム3曲目。リズム隊大活躍のカオスナンバー。
中尾はグイグイとサウンドを押し出しているし、アヒト・イナザワに至っては手が一本多いのではないかというテクニックを披露
「刺さっている」「入っている」「ぬかるんでいる」そしてタイトルから思ってしまうのだが、セックスの曲ではないらしい
13.TATTOO あり ★★★★☆
同アルバム6曲目。一転して向井のメロディーセンスと田渕の歪みギターが魅せてくれる
イントロから絶唱、転調、と空気が張り詰めていき、段々と盛り上げた後に(ここはリズム隊が大きい)、ラストに音の洪水が訪れる
まとめサイトでこの曲のレビューをされていた方が「ヌケる」と表現するほど圧力がある
14.鉄風鋭くなって ★★★☆
日本で録音されたシングル曲。バンドサウンドは完全に円熟期を迎えている。
妖しいベースから研ぎ澄まされたドラム、ボーカル、美しい鋭角ギターのコンビネーションは完璧
さらにこの曲からは和の要素が匂い始め、後期の変化を思わせる。中尾のベースが同じフレーズを弾き始めるのもここから
15.I don't know ★★★★
映画「害虫」に使用されたシングル曲。映画音楽だけあってどこを切り取っても良いように同じ展開が続く
前曲とは打って変わってベースが直線的で単調な曲だが飽きさせない仕上がり。
テーマソングなのにいつも歌詞に描いている少女と全く違和感がないのは興味深い
16.NUM-HEAVYMETALLIC ★★★☆
4thアルバム1曲目。鉄風で見られた和の要素が存分に活かされた変態民謡ビート
この曲のリードボーカルはアヒト・イナザワであり、向井より上手いと評される美声を誇っている
歌詞は曲調ともどもエロティックになっており、もうセンチメンタルなど影も形もない
17.CIBICCOさん ★☆
4thアルバム6曲目。次のNUM-AMI-DABUTZは3曲目であり、この入れ替えはタイトルの重なりを防ぐ意図によると思われる
前半と後半で疾走からメロウへとガラっと曲調が変わるのは昔からの常套手段だが、この曲に関しては少し退屈かもしれない
向井とアヒトが暴れまわっているのに対し田渕と中尾が同じようなフレーズばかりで飽きてしまう
18.NUM-AMI-DABUTZ ★★☆
シングル曲。ついに出た念仏ビートはベストの最終曲に相応しく、ザゼンボーイズへと繋がっていく
この歌唱法はザゼンにて一般化しており、半ば形骸化したといっても過言ではあるまい
それでも田渕の狂ったようなギターやボーナスステージのようなドラムなど聴き所はあるにはある
(Disc.1)評.★★★
ベストに良くある「ベストじゃない」という声はさて置きまして各時代をよく表している曲ばかりで、
一つの終わった歴史を体感することができるアルバムだと思います
ただ途中にライブ版が入っていたりとバランスが悪いのが難
読み返すと曲の説明をしていないレビューばっかで赤面なのでDISC 2はやるかどうか・・・という次第です
(Disc.2)
1.SUPER YOUNG ★★☆
「DRUNKEN HEARTED」2曲目。若さを前面に押し出し輝いている曲。二人のギターはこの時期が最もキラキラしている。
間奏では自由に詩を書いて朗読せよとのことだが、
ライブ1stで向井が吟じた「イナザワ君、今日もまた、ビールを飲もうじゃないか」も今となっては繰り返される諸行無常
2.NEW GIRL(mono dead) ★
同3曲目。歌詞がなくインストメタルかと思いきや、遠い場所で向井の断末魔が響いている
音質が悪く、ドラムとベースが大きすぎて最初のソロ以外ギターの音があまり聴こえない
・・・と思ったらベースと重なっていたりして解かり辛い。やや向井が相手にされていない感アリ
3.はいから狂い ★★★☆
「透明少女」2曲目。シンバル、鋭角ギターの美しいイントロから勢いよく始まる
聴き所は間奏(イントロに似たかき鳴らし)→向井、中尾が展開するがアヒト、田渕だけかき鳴らし続ける→爆発
このパターンは後にライブで磨きがかかり、やがて人気はうなぎ上りとなる
4.WAVE OF MUTILATION ★★☆
同3曲目。PIXESのカバー。
サウンドは初期ナンバーガールのものであると言っても違和感がないほど自然。それだけ彼ら(特に向井)はかのバンドを愛していたのだと窺わせる
普段の向井は英語を九州弁で喋る為に歌詞の発音を忠実にこなそうとしているのは珍しい
5.TEENAGE CASUALTIES ★★★★
「DESTRUCTION BABY」2曲目。イントロの田渕ギターがいきなり胸に食い込んでくるアップナンバー
どこかの誰かが自分の知らないところで様々なことをしているのだ、と妄想する。
向井秀徳の歌詞における心象風景の基本スタイルが窺える。ベースが少し手抜きか?
6.CRAMP DISCHAGER ★★
同3曲目。毎度おなじみ「俺、酩酊」ソング。スローテンポで重なる各パートの中で相変わらずアヒトのドラムだけ元気
聴き所は間奏で聴こえる向井のシャウト、もうグデングデンである
7.DRUNK AFTERNOON ★★☆
同4曲目。イントロの田渕ギターはノスタルジックを感じさせる。デスボイスと普通の歌唱の箇所が普段とは逆
都会の風景を写し、故郷への懐かしさを歌うスタイルはくるりでいう「東京」か
こちらはべろんべろんなのでかつての恋人が素敵だったことを思い出したところでどうにもならないが
8.SENTIMENTAL GIRL'S VIOLET JOKE ★★★★☆
「URBAN GUITAR SAYONARA」2曲目 。ナンバーガール「静」の部分が出た緊張感ただよう隠れた人気曲
アヒト・イナザワが非常にキレのあるドラムを叩き、田渕の哀愁センチメンタルが炸裂している
向井、中尾のコンビは地味ながら殺伐と曲を盛り上げる。「真夜中は何食っても上手い」その通りである
9.真っ昼間ガール ★★★☆
同3曲目。向井が田渕に歌わせる為に作るも恥ずかしがって声が小さいので自分で歌ったという女性に提供するだけあって非常にポップ。
しかし歌詞が「ワタシをムチャクチャにして」など非常に変態だが
DVD「騒やかな演奏」のオマケでは田渕、大声で歌い上げ精神的な成長を遂げたことをアピールし、ファンも向井同様変態と化す
10.TUESDAY GIRL ★★★★★
「鉄風鋭くなって」2曲目。レビュー中、唯一の満点を付けさせて頂く傑作
イントロからメロディ、伴奏、転調、またメロディ、間奏、ラストすべての音が挑発的に疾走する
少女の処女喪失、その後に浮かび上がる過去の記憶、後悔と葛藤、処女時代の幻想などを鮮烈に描き出している
11.INAZAWA CHAINSAW ★★★
同3曲目。タイトルにある通りアヒトによるアヒトのアヒトの為の曲
後奏に至っては素人の自分にはわけのわからない勢いで叩いている。本人曰く「16ビートをバラバラにしているだけ」
他の楽器たちも冴え渡っており、この時期の充実振りが窺える。ボーカルだけ場違い
12.中学一年生 ★★
「I don't know」2曲目。インスト。A面が中身を誰も知らない少女が思春期を自力で駆けていくのを向井が眺める曲ならば、
この曲は「笑いながら眠ってしまった」少女の夢の中での束の間の安息だといえる静かな曲
なおこれを編曲し歌をつけたのが4thアルバム最終曲「黒目勝ちの少女」。よほどこの少女に向井は惚れ込んだのだろう
13.サーティーン ★★
同3曲目。インスト。中学一年生とは属性の種類を変えただけの題名で、表裏にある作品
自分の妄想でいえば、起き上がった後に色々な葛藤と格闘する少女の内面を描いている(特にベースが戦慄している)
少しギターが「はいから狂い」に似ているかもしれない。アヒトやりたい放題
14.FIGHT FIGHT ★★☆
「NUM-AMI-DABUTZ」2曲目。A面で「なんやナンバガ大変なことになっとるぞえ」と思わせておいて続くはお祭りビート
もはやリズム隊がリズムを取っていない気がしてくるが、タメ→開放の流れを身に付けたアヒトも聴くことができる
中盤から終盤にかけての斉唱シャウトなどまさしく阿波踊りの様相を呈している
15.MACHIGAI ★★★☆
同3曲目。ザゼンに入り色褪せていく向井秀徳の歌詞世界が冴え渡る
世界観はZEGEN VS UNDERCOVERのサイドストーリー、数日前のイメージだと思われる
彼の妄想物語を辿るのも一興(引用・パクリ元を探したり)。サウンドもますます緊張感と切れ味が増している
16.MUKAI NIGHT ★★★☆
同4曲目。向井による向井の向井の為の曲。意味不明な歌詞もぶっ飛んだサウンドも加速するテンポも、ドラッグを匂わせるほど限界に近い
「俺は一人会議をしていた」なんてボーボボボ・ボーボボかよ。突っ込みともども笑えないよ
向井のソロにて彼の唯我独尊的な奏法に伴うテクニックが解かる。「憂いの時代に突入か?」その後の顛末を予期していたのだろうか?
(Disc.2)評.★★★
ベストと同じ評価というのもなんですが、まあそういうバンドであった、と「TUESDAY GIRL」を手放しで褒めてしまいました。
参考までに自分がナンバガで★5つをつけるのは、「日常に生きる少女」「ZAZEN BEET KEMONO STYLE 記録シリーズver」「サッポロの最終2曲」
アルバムの総評は1st7,2ed6,渋谷8,3rd7,記録黒9,4th7,記録黄8,記録緑8,サッポロ9です
総評.★★★☆
合わせて3000円はなかなか評価できる値段だと思うので1点追加です。
初めてなんだけど、どれを買ったら良いの? というならばやはりこのアルバムではないでしょうか
ラストライブアルバムが一番まとまっているけど、あれで入門というのは酷ですし、
自分に言わせれば初めて、しかも終わったバンドなのに購入なんてリスキーな真似、しない方がと思うのですがレンタルなら大いに推奨します。
合ったら大いに褒め、合わなかったら大いに貶してください、ナンバガ
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)